![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22160%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
目次
Story11 今でも、森は
Story12 運搬車
Story13 魔王
Story14 切り替え
Story15 あとからの奴が
Story16 決定的
Story17 そっちでしょうよ
Story18 最後の説得
Story19 再会
Story20 初耳
Story21 この道は何度でも
登場人物
TOP↑
story11 今でも、森は
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22395%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
陽動は十分成果を上げているようだった。
あれから、これといった襲撃者とも出くわさず――
俺たちは、クロカの元へと順調に歩みを進めていた。
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22571%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
順調?魔物を扇動し、魔物にさせられた子供たちを利用して?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22773%22%20height%3D%22162%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……同じだ。いや、クロカよりも、俺の手の方が――
汚れているのかもしれない。
…………
……でも……
もう、引き返せない。
何があろうと……今は……
先へ、進むしか――
シロー編
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22578%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――ここは……
……モリモリしてんな。
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22549%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22267%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
…………
好きだったもんなあ、お前、森。
今でも好きっスよ。
クロカも森、好きでした。
…………
俺も動物、好きだし。
ガキの頃は……クロカが俺なのか、俺がクロカなのか……
ごっちゃになるくらい、似てると思ってましたけどね……
……そうだな……
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22634%22%20height%3D%2243%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22615%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ここからの進路は?
作戦では、町へ入ります。
同時に<種>が、周辺に襲撃を。逆に手薄になるはずです。
そうか。
住民はまだ残っているだろう。
でしょうね。師匠、大丈夫スか?
顔見知りばっかでしょ?
俺のことはいい。お前はどうだ。
……<再誕>の力が、ドミティア島の全域に及んでいるのだとしたら――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22696%22%20height%3D%22166%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――創り直された別人です。俺の記憶の中の人と、似ていたとしても。
あの二人と同じで。話し合いは通じない。クロカの言いなりです。
……俺がもうー度、<再誕>させるまで……
それまでは…………敵だ。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22239%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……辛いだろうが、同情はするな。
お前の進んでいる道は正しい。いや、その道だけが、唯ーの希望なのだからな。
予言の<希望の火種>は、お前がこれから行う<再誕>の力のことに違いない。
それさえ潰えなければ。最後にまた、元通りになるさ。
……そう信じるしかあるまい。
……ですね。
行きましょう。
TOP↑
story12 運搬車
陽動が始まっているようです。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22619%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
俺とイズネで先行し、進路を確保する。
シロー、お前は後方から来い。誰にも見られるなよ。
いくぞ、イズネ。
はい、センセイ。
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22793%22%20height%3D%22157%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22553%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22161%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
おとうさん……おかあさん……?
逃げ遅れたのか……
…………
――ちっ!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22624%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
おい。
!?
ここは危険だ。家の中へ戻れ。
で、でも……
大丈夫だ。君の両親もアテル・ラナのー員だろう。簡単に魔物にはやられん。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22211%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
(……どの口がっ……)
だけど……心細いよぉ……
わかったから――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22364%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22613%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
うわああああああああん!
こ、このお兄ちゃん、怖いよおおお!
なにを……安心しろ大丈夫だから!
あああああああーーーーん!!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22569%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
どうした!?
しまっ……!
あんたは、シロー!?
待て、聞いてくれ――!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22190%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
くっ……!?![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22538%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
てめえ!この裏切り者!
恩を仇で返しやがって!魔物を連れてさっさと帰れ!いや――
――ここで始末してやる!
くそっ……!
クロカ様の手をわずらわせるまでもない!応援を!
任せて!
待て!
くっ!?
甘く見るな。わしらとて組織のー員。
年季が違うわぁっ!!!
やめろ!あなたたちを傷つけるつもりはない!
クロカ様を狙ってんだろが!?
一緒に育っておきながら……恥を知れ、シローっ!
間違っているのはクロカだ!すぐにそれがわかる!だから道を開けてくれ!
だれがそんなことをっ!
行きたきゃおれたちを殺してみろよっ!
……っ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22168%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22633%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
貴様ぁっ!
本性を現しやがったな!?
違う!これは俺では――
じゃあ誰がやるんだよ!?
――っ……!
(誰がやったことでも同じだ……
こっちの大将は……俺……)
ちくしょう!町まで好きにさせねえぞ!
……どけ。
![w_N](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%2250%22%20height%3D%2250%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22319%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
死にたくなければ道を開けろ!
TOP↑
story13 魔王
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22593%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
説得は不可能。そういう風に、創り直されているのだから。
似ている別人。自分で言ったことだ。そう考えるのが正しいはずだ。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22563%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……心を痛める必要はない。
あとでまた、<再誕>させればいいのだから――!
…………
……くくく……
過ちに気づくことなく、眠りにつけるなんてずいぶんシアワセっスねぇ……?
罪悪感とかなんもなしに、誰かが全部元に戻すのを待ってりゃいいだけなんだから。
俺もそっちの方が、良かったぐらいだわ……!
――!!
誰あんた?レディ・キラーじゃなかったよな?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22583%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
成程。貴様に棺は上等すぎるようだ。
は?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22201%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
魔王の真似事は楽しいか?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22612%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
なんだそのエスプリ。そーゆーノリは時代遅れだぜ?
時代で移ろわぬ物もある。俺にとってそれは――
――我が友との絆だ――
このまま貴様を野放しにすれば、いずれ帝国へも害為すのは明白。
共闘の義理だけではない。我が友がため、ここで安息を与えてやろう。
帝国のヒットマンってとこか。その腕は?
戦開中に嘲るのが流行りなのか?
ならば古臭くてかなわん!
くっ……!
民衆共よ!この男の始末はこの俺が引き受けた!
ウォオオオオー……ン!!!
……
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22591%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
存外優しいようで。
……正気か?情報では貴様の故郷だと。
なあに、後からやり直せばいいだけさ。
時間を巻き戻すことはできない。
そんな魔法もありそうだけど?
たとえあったとて――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22348%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――人の子の所業ではない!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22568%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
シロー!?
師匠、イズネ!俺に力を!
はいっ!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22615%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
よし、これで……!
何をしようと無駄だ。人類の敵となる道を歩み始めた小僧よ。
貴様を噛み砕き、背後で糸を操る道化を引きずり出してやる!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22545%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ガルルゥァアアアアッ!!!
TOP↑
story14 切り替え
――ガルルアアアアッ!!!
くっ……!
この力は……!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22441%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……神獣の……!?
神獣って……!?
……いや。それだけではない。
え?他に何が?
わからん。だが、そのどちらも、……使いこなせてはいない。
理性が梱となっているのだ。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22559%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
貴様のような存在は、幾度も目にしてきた……
ある者は己が野望のため。またある者は抑圧された衝動がため……
またある者は純然たる欲望のため……分不相応な力を振りかざし、他者を蹂躙していた……
だが……許されざる者どもも、たとえ己の目にしか映らないものであろうと、たしかに見据えていた。
屍を踏み越えた先にある、理想とする世界を!
倒してきた奴を並べて自慢?ヨソでやってくんない?
……貴様はそのどれとも違う……
――思想なき魔王よ!貴様の道は、どこへも至ることはない!
眠れ!せめて敗北の名誉とともに!
大袈裟だなっ……!そういうわけには――
――いかねえんだよっ!!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22760%22%20height%3D%22269%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
わあっ!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22226%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
(この距離……巻き添えに――)
はああああああっーー!!!
ガアアアアアアッ……!
……あんたの負けだ。
…………
……永い……生だった……
終わりとは……こんなものか……
ただの暴徒に……やられる……とは……な……
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22425%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――友よ――
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22793%22%20height%3D%22157%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
アピス、イズネ。助かった。
いい具合に人も散ったな。行くぞ。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22583%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
TOP↑
story15 あとからの奴が
芝居がかった口調ってのは――
――芝居がかってる。当たり前か。言いたいのは、つまり……
『芝居』と思えば、平気になる。
自分の振る舞いが。
……魔王……魔王ね……のんきな方じゃなくて、いわゆる悪の大魔王、か。
別にいいよ。笑けるけど。
魔王も本人からすれば善。よく言われるそれを、地でやってみるってことだ。
やってわかったこともある。
先に魔王をやったクロカは、今は逆に英雄ってことらしい。つまり、そういうことだ。
あとから貧乏くじを引いた奴が、魔王と呼ばれるだけだ――
人目を避けつつ、町を抜ける?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22228%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
現実的じゃない。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22537%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
散らした方が早い。
犠牲が出ても――いいって言ってたよなあ?
……フ……フフ……
ハハハハハハハハッ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22558%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――さあ、先へ急ごう。
シロー、お前……
アピス。急げば急ぐだけ、有利に事が運ぶ。
必要な会話以外慎め。
…………
(……不安定ね……)
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22528%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
もうすぐ、本陣へ届きます。……さすがに守備は厚いでしょう。
問題ない。伝令から始末する。
……三人だけでは、手が回りません。
なら魔物で囲え。それで十分時間は稼げる。
……待て、シロー。
本気で言っているのか?
本気か、だと?
魔物で時間稼ぎ?そんな方法をお前は選ぶのか?
……アピス。
甘いことを言っている場合ではない。最悪なのは<再誕>が成されない場合だ。
既に出た犠牲も全て、迅速に<鍵>を手に入れるためのもの。
手段を選び、失敗しては元も子もない。
…………
らしくないことを言うな。それとも俺が、好きで魔物を利用しているとでも?
いや、そうは思っていない。すまなかった――
ま、多少愉快だけどな。
!?
嘘だよ。
…………
…………
俺は、『魔王』だそうだ。
さあ……罵声を浴びに行こう。
もう少しの辛抱だ。創り直せばみんな正気に戻る。
シンドイ思いをするのは、俺だけでいいっしょ。
……
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22565%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
…………
……センセイ……
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22263%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……<再誕>の力は、そこまで強力なのですか?
まるで時を戻すように、失った者も蘇ると?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22225%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……サニオは、どう言っていた?
え?
研究していたのだろう?何も聞いていなかったか?
断片的にしか…………そうですね、たしか……
――それまであったものを活かしつつ……やり直す力……
そんな言い方だったかと。
……わからんな。
ええ、それだけでは……
<再誕>の力の真実を知っている者はいないのだから、仕方のないことだが。
もしも、望む結果が得られなかったとしたら……
俺たちのしたことは、全て――
…………
……行くぞ。シローの言うように、時間は惜しいからな。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22796%22%20height%3D%22151%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
…………
TOP↑
story16 決定的
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22578%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ホントにここまで来ちゃいましたね……
オレに想定外って言葉はない。
よく言いますね?
真実さ。途中で舵を切った。多少他ンとこに無理をさせてでも――
――ここでシローを取ればー発逆転よ!
ティナちゃん!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22499%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
はい!最初っから、全開でいきます!
――はああああああっ!!!
ペンタ、ビビんなよ!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22570%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
任せてよっ!子供だからって、容赦はしないぞ!
ジョニー?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22556%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
はあ……仕方ないですね。負けたら元も子もないですし。やればいいんでしょう。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22535%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
つーわけだ。オメーの狙いは<再誕>返しってトコ、なんだろうけどよ?
そんなこたぁさせねえぜ。不安が蔓延した世の中なんて、想像するだけで気が滅入っちまう。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22597%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
オズマさん、それは違う!あなたたちは、創り直されたからそう思うだけだ!
おかしいのは今の方だ!こんな風にしたクロカなんだ!
証拠でもあんの?
証拠はっ……
言ってることオカシイぜお前?魔物を利用する連中が、正義なわきゃあねーだろーよ。
違うんだ、それはっ……
子供を犠牲にしてよ……!許せねえぜ、お前らのことはっ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22243%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
っ!!
違う、そうじゃない……!犠牲を払ってまでやっているのはクロカの方で……!
調子狂うぜ……!最低だよ、てめえらのやり方は!
被害者ヅラして同情引いて、躊躇した隙を狙いやがって!
違うそれは違うんだオズマさん!頼むから、話を聞いてくれ!
そうやって手を止めたオレの仲間たちを、何人食い殺してきた!?
っ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22232%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
シロー。もう無駄だ。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22614%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
アピス。見損なったぜ。シローを止めてやるのがオメーの役目じゃねえのかよ。
…………
クロカがどんな気持ちでお前を待ってると思ってんだよ?
お前ならきっとシローを、って……祈っていた弟子の気持ちを想像もできねえのかよ!?
……っ……!
師匠はっ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22609%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
口では勝てません。サニオに似ている。
どのみち戦闘は避けられません。
わかっているっ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22591%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――いくぜ!
やれやれ。
やあああああああっ!!!
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story17 そっちでしょうよ
はあっ!
……くっ……!
……やりますね……!……だけどっ……!
私には、もうーつ――!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22506%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
!?この力は――!!
***
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22201%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――くうっ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22551%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
口だけか……がっかりだよ、法王サマ!
可能性を捨ててねえだけさ。オレらの勝率なんて、5パーを割ってっかんな。
なに?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22715%22%20height%3D%22241%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
それを100にしようってハナシだよ!
なら、その前に!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22459%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ぐふっ……!
!?どうしてよけない!?
……オレが、よけそうな、ヤツだからだよ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22232%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
うおおおおおっ!
があっ!?
シロー様!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22596%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
燃えちゃえええええっ!!!
うぁあああああああああっ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22561%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……オズマ様……
……ンな顔すんな……ようやく、言わなくっても…………
オレの策……わかるように、なったじゃねえか……
あと、頼んだぜ………
……っ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22568%22%20height%3D%22154%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……はぁっ……はぁっ……!
……手ごたえはバッチリだったんですがね……!
う……うぅぅぅ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22222%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
上司を犬死にさせちゃあ、部下がすたるってもんですからね!
……クロカに……会って……
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22239%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――創り直すまではっ!
……ぁぁぁぁっ……!!!
(うわ……情けな……
すいません……ボス……)
…………
……ぁぁ……ぁぁぁぁぁぁっ!!!
***
――ぐはっ……!
センセイっ!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22579%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……っ!?オズマさんたちは……!?
俺が殺した。
っ!!!
オズマさんたちだけじゃない……ここに来るまで何人も、何人も――
――お前もそのー人だっ!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22460%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……許せないっ……!
……なら、どうする?
あなたは正気じゃない……!
この細腕でぶっ叩いて……!悪いものを全て、彼方へと消し去る!
仇、いいの?取らなくて?
……っ……!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22611%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……やめろ……シロー……
その子と……戦う必要は……
師匠。見えます?俺の姿?
やられたんですよ。こいつの、仲間たちに……!
カワイソーたあ思いませんかぁ!?
……少しでも……犠牲を……
払わなくて……いいのなら……
はぁあああああああああ!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22536%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……可哀そうな人。
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22366%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
出た。正義の味方特有の、超絶上から目線。
やめろ……シロー……!
センセイ、無理しないで!できるだけ治療しますから!
あなたは不安なのね。不安で不安で、どうしようもなくて……
これからどうなるかもわからず、全てに敵意を向けている……
じゃああんたわかるんスか?これからの展開?
……いいえ、だけど……!
どんなときだって……!あきらめるわけにはいかない!
間違っている人がいるのなら、力づくでもそれを止める!
お母さんも、お父さんも、おじさんもファルファラさんもヴィンセントさんも……
私がそれをしなかったら、がっかりしてしまうから!
ずいぶん個人的な理由だな。
理由なんかなんだっていい!私があなたを止める!
耳を賃して!今からだって遅くはない!
間違いに気づいて!
…………
……あ~……超ハラ立つ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22637%22%20height%3D%22151%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
よせ……シロー……!
ずっと耳を貸さなかったのは、そっちの方でしょうよ。
――言っても伝わらないから――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22467%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
殺すしかないんだろうがっ!!
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story18 最後の説得
……最後の壁は破った。さあ――
クロカに会いに行こう。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22569%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――――
――――
何をぼさっとしている。行くぞ。
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22433%22%20height%3D%2285%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22335%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……オル……エン……
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22546%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22280%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……ご主人……
アピス、いつまで休んでいる?もう戦える程度には回復しただろう?
俺も手傷を負った。のんびりしている暇は――
なぜ、やめなかった。
……は?
あの子は……あの子になら、説得が通じたかもしれないのに。
なぜ自ら、その道を閉ざした?
……師匠。その話、今します?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22232%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
必要だ。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22594%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
敵だったんです。オズマさんたちも、みんな。俺の命を奪いにきました。
じゃあやり返すしかないですよね?それとも、ああする以外に何かありました?
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22376%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
シロー。お前はここに、何をしに来た?
クロカの間違いを正すためだろう?
必要以上に命を奪ってどうする。
<再誕>すりゃあいいじゃないっすか。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22793%22%20height%3D%22187%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
シロー!!
怖いですって師匠。だって、同じじゃないですか。
正しい世界に戻れば、みんな、また笑って暮らしますよ。何もなかったみたいにね。
万がー、戻らなかったら?
…………
俺の手は――血に染まりました。
だから……前よりも…………やれることが増えた……!
お前っ……!
目的は変わりません。弱者が強者に搾取されない世界を願っています。
……犠牲は既に出たんだ。
一も百も同じだっ!!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22139%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ペルマナは帰ってこない!
お前、本気でっ……!魔王の道を歩むと言うのか!?
仮にの話だったんじゃないですか?もしも<再誕>しなかったら、って話でしたよね?
……覚悟を語ったつもりだ。非難されるいわれはない。
…………
変わっちまったな、シロー。
…………
今のお前に、創り直すって言われても――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22641%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――正しい世界になるとは、到底信じられん!
センセイ……!
イズネは?
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22199%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
センセイを信じます。
責任転嫁。
違います。昔よりも私は、ソウルをまざまざと感じられる。
あなたのそれは……邪悪に染まっている!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22588%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
邪悪ってナニ?
クロカでしょ?
後から正そうとしてる俺を――
悪者にしてんじゃねえよ!!!
くぅっ……!
見損なったぞ、シロー!
またそうやって、俺の心を削る……
あんたも結局、クロカの昧方なんだなぁ!?
違う!クロカも止める!
嘘つけよ!!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22394%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
センセイッ!
……俺の目の前に立つのは、みーんな敵だ……
違うぞシロー!目を覚ませ!
なんで、どいつもこいつも――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22359%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
自分が正しい前提でしゃべりやがるんだよっ!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22270%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
シローォオオオオオ!!!
TOP↑
story19 再会
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22185%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……一人か。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22194%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……ああ。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22555%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
こっちもだよ。つえーなシローよ。とっときの駒、みんなお前にやられたよ。
……?師匠は?
…………
……いらなくね?
俺とお前の問題に、そーいや、他に誰も、混ざる権利とかなかったんじゃね?
……っ……!シロー……!さてはお前……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22230%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
殺したな!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22295%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
精霊って、殺すとか、言うの?
てめぇえええええっ!
は?なにキレてんだよ?クロカ、俺たちのこと始末する気だったんだろ?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22379%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
最悪の場合だ!何考えてんだ、シロー!?師匠を、師匠をっ……!
……お前もかよ。……やめろよ、ずりぃよ。
自分の方が正しいみたいに言うのやめろよっ!!!
考えなきゃ駄目だろうが……世界を、創り直すんだぞ……?
考えて考えて、辛いこと堪えて、批判くらっても我慢して、嫌われても受け入れて……
どんなに自分の手が汚れても、それでも、人々のために、考えて、そうしなきゃ――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22221%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――正しい世界になんかならないだろう!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22550%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
驕るなっ!理性が全てだと考えるのは人間のエゴだ!
感情を否定するな!だから世界はややこしくなる!
弱い者は喰われる!大自然の掟だ!
シンプルでいい!
ピラウが戻ってきたら嬉しいだろーが!?
っ!!
それが、感情だよ。
…………
……嘘つくなよ、クロカ。お前だって、自分の感情がわかんないままやってるだろ。
…………
そのまま行ってどうなんだよ!?どうやったらペルマナが戻ってくんだよ!?
全然つながってねーだろがよっ!!
だからそう考えるのが頭でっかちだって言ってんだよ!
……こんな日が来るなんて、思ってもなかったぜ……!
ああ、私もだ。
こんなにお前が憎くなるとは。
俺たちが殺し合うだなんて――
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22538%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
夢にも思わなかったよ!!!
返してもらうぜ、<鍵>を。
心配すんな、すぐに<再誕>する。痛いのはー瞬だ。
お前、いつからそんな言い方するようになったんだよ……?
あれか?ヒールヘの憧れか?ホンットガキだな、お前は!
いくつになっても変わんねーな!?
お前も、昔から、そうな。自分が陽だって、当然のように思ってやがる。
俺だって別に陰が好きじゃあねえってのによっ……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22410%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――魔王って呼ばれたんだぞ!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22261%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ピッタリだよ、今のシローに。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22546%22%20height%3D%2293%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
クロカァアアアアアアッ!!!
TOP↑
story20 初耳
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22230%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
頭脳はそっちでも強さはウチだ!忘れたわけじゃねーだろ!?
しかもそんなボロボロで!勝てるわけねーだろが!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22592%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……いっつもそうだ…………ずっとそうやって……!
自分が上みたいによぉ!?
事実だろうが!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22230%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
気に入らねえんだよぉおおお!!!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22216%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
……シロー……
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22391%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
っ!?
……くふっ……!
お前……!?なんで、どうして……!?
わからん……よ……急に……
よける気……なくした……
……クロカっ……!
……ふぅ……ふぅ……ぁぁっ……!
……初耳……だったぞ……
……なにが……?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22593%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
<再誕>て……二回も…………できんの……?
二回っていうか……お前がやったのは、不完全だったんだよ……
……そー……なのか……
……先、言えよ…………もっかいやり直せるなら……
……その方が……ぜったいもっと……よくなるよ……
決まってるよ……
知らなかったのか?
……ふぅ……ふぅ……んぅぅぅ……
わけ……わかんねえ……
なんだよこの……運命……
この……役割……
間違ってんたろ……
間違ってる……?
そうだ……シロー…………ゴフッ!
クロカ!
間違ってたんだ……ウチらは……
何がかは……わからんが……
もしかしたら……あんとき……
…………
……クロカ……?
おい……クロカ……クロカっ……!
クロカーーーーーーーーーー……!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22212%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
――お見事です、シロー様。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22210%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ついに、<その時>がきました。
……!?お前たちはっ……!?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22573%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
さあ、創り直しましょう。
弱者主体の世界へと。
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story21 この道は何度でも
お前たち、なぜここに……?
ご覧ください。
限界まで振り絞ったクロカのソウルから、<鍵>が生まれようとしています。
……っ……!!
さあ、シロー様。<鍵>を手にし、真の<再誕>をもたらすのです。
……真の<再誕>……?
シロー様には、ようくおわかりのはずです。
未来に希望はない。人は皆、不安でー杯。
それを下手に否定すると、暴力性へ変わったり――
――疑念に変わり、裏切ったりもする。
…………
まずは、皆で認めること。そこから始まる何かが、きっとあるはず。
……ル=グイン。お前も、同じ世界が望みなのか?
予言など妄言と同じなのです。
未来が不安だから、すがる何かを求めたがる。
新たな世界となれば。予言など不要になることでしょう。
未来樹もただの木となるでしょう。いずれ枯れゆく、ただの木に、ね。
……生に疲れた、ということか。
さて……どうでしょう。全くないとは申しませんが。
ではお願いします。シロー様。
…………
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22225%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
お前たちには誤算がある。
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%2250%22%20height%3D%2250%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
?
俺が、そんな世界を望まないということだ。
俺がやり直したいのは――
……フ……
……フフフ……
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%2250%22%20height%3D%2250%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
ハハハハハ……!
……なにがおかしい。
いえ、すみません。
お気にさわったのなら謝ります。
……?
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22569%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
どうぞ、シロー様の思うままに、やり直しを行ってください。僕らは――
――気が変わるまで、言い続けるだけです。
何度でも、ね……
……負け惜しみを。<鍵>を握っているのは俺だ。
貴様らがどう誘導しようと、俺の意思に介入はできん。
――<鍵>よ。<再誕>の扉を開け――
この世界の過ちを正せ――!
![](data:image/svg+xml,%3Csvg%20xmlns%3D%22http%3A%2F%2Fwww.w3.org%2F2000%2Fsvg%22%20width%3D%22800%22%20height%3D%22507%22%3E%3C%2Fsvg%3E)
避けられない、
未来……なのか……!?
クロカを選ぶ
???