【白猫】シャオフー(クリスマス)・思い出
思い出1
ふぇっふぇっふぇ。今日はいい天気じゃのぅ。
え?こんなにどんよりしてるじゃない?
このくらいの日差しが、わしにはちょうどええんじゃて。どれ、お土産をあげようかのぅ。
え、どうして?
遠慮なんかいらんでぇ。
いつのまにか、いろんな物が溜まっておったんじゃ。
あげる相手を、思い出せなくてのぅ。タマ、もらっておくれ。
アタシはキャトラなのだけど……
おお、そうじゃった、キャトラ、キャトラじゃ。プレゼントじゃぞ、キャトラ。
ほ~れ、でんでん太鼓じゃ。でんでん、でんでん、ちゅーてなぁ。
これ……?
ほれ、めいいっぱい、まわしてごらん?
アタシ猫なので……主人公、お願い。
<キャトラの代わりに、でんでん太鼓を回すが……>
はえ~?こんな音じゃったっけのぅ?
シャオさん……お気持ちは嬉しいんですが……
カワがべこべこじゃない。これじゃでんでん鳴らないわ。
ほえ~?じゃあ、こっちをあげようかのう。
シャボン玉じゃよ~。ほ~れ、ぷっぷと、飛ばしてごらん?
シャオばあちゃん……!これも、えきがでろでろに腐ってるわよ!
ほえ~?
こんなの口につけたら、病気になっちゃうわ。
ふぇ~…………タマや、どうしてそんなにきつくあたるんじゃぁ……?
だって……こんなの、どう見たってさぁ……
うぅ……いいんじゃ、いいんじゃ……わしゃあだめなばあなんじゃ……
うぅ……
もう、キャトラ?ダメだよ、シャオさんに悪気はないんだから。
う……ごめんなさい……
思い出2
!!
シャオばあちゃん!?雪から顔だけ出してどうしたの!?まるで雪だるまみたいよ!?
ふぇ~……さんぽしとったら、からだがカチコチになってきてのぅ……
そこへ、雪に降られてしもうたんじゃよ……
これじゃあ、みんなにプレゼントをあげに行けんのぅ……
プレゼント……?
ともかく、シャオばあちゃんを助けなきゃ……!
おうおう、タマはやさしいのぅ……
ムッ!?どうした!?
あっ、ディオニス!大変なの、シャオばあちゃんが雪だるまになっちゃって……
雪だるま? ……なるほど。冬にみ有効な、鉄壁の鎧かもしれんな。
そういうことじゃなくて!掘り出してあげてほしいの!
容易い!
<ディオニスはー瞬にして雪だるまの中からシャオフーを助け出した!>
ありがとのぅ……じゃが、からだはまだカチコチのままなんじゃぁ……
ははは!なんという巡り合わせだ!
丁度いま、<こたつ>を運んでいたところでな!
こたつ?
ルーンの力で、暖まれるテ一ブルだ!
さあ、設置したぞ!存分にもぐりこんでくれ!
シャオさん、はい、手伝いますね。
おうおう、ありがとうのぅ…………こ、これは……!
……あったかいわね!
ほんに……なんじゃぁ……こりゃあ……極楽じゃあ……
喜んでいただければ何よりだ。
…………
……ん?
…………
おっと……
二人とも……眠っちゃた……すいません、ディオニスさん。
構わないさ。コタツは後日引き取りに来る。
では、君たちも、ごゆっくり。
ありがとうございます……ふふ……こたつ、あったかいね……♪
思い出3
ぎにゃっ!?
おぉ……すまんのぅ……うっかり尻尾を踏んでしもうた……
ちょっと! シャオばあちゃん、アタシを踏むなんてあんまりじゃない!?
すまんのぅ……雪と一緒で真っ白いもんじゃから、うっかりすると見間違えてしまうんじゃ。
そうは言っても、アタシは別に雪の上に寝てたワケじゃないんだけどね……
シャオさんは、おとしだから……
そうじゃ、いいことを思いついたえ~。ほら、これじゃ~。
それは……鈴……?
なつかしいのぅ……これをつけたタマは、そりゃあ嬉しそうに、にゃんにゃん飛び跳ねとったの……
えっ? タマって、たしか……
むか~し、わしが飼っておった猫じゃよ~。
さあ、キャトラ。これをつけるとええ。きっとよう似合うでぇ。
そんな大事なもの、受け取れないよ。
キャトラがつけてくれれば、タマも喜ぶじゃろうて。ほれ、首をお出し?
<小さな鈴は、キャトラの首にぴったりとおさまった。>
これなら、動くたんびにりんりんなるでなぁ。もう雪とは間違えんて。
キャトラ、似合ってるわよ。
うん。なんか、まるでアタシの物だったみたい♪ありがと、シャオばあちゃん♪
ふぇっふぇっふぇ。そうかい、そうかい。
これはアレねぇ、シャオばあちゃんになにかお返しをしないとねぇ。
ええよええよ。気にせんでええて。
でも……
もう、もらっとるよ。
え……?
思い出4
今日のアタシはねっ……!
赤鼻のキャトラさんよっ!
わ~~~い♪
さあ、ちびちゃんたち~アタシのひくソリにお乗りなさい!
わ~~~い♪
振り落とされるんじゃないわよっ!
わ~~~い♪
<首元の鈴を鳴らしながら、キャトラが縦横無尽に駆け巡っている。
――雪のおかげもあるだろうが、二人も乗せたソリをひくなんて――
キャトラの体のどこに、そんな力があるのだろう?>
……ふふふっ♪実はね……
あのソリは、ルーンの力で動いてるのよ。キャトラは走ってるだけ。
なんかね、シャオさんから受け取った幸せを、誰かに分けてあげたいんだって。
ゴーゴー!ゴーゴーゴー!ゴーゴーゴーゴーゴー!
あっはは~♪チェシャ、速い速~い♪
すごいのだ!ルーシーはいま、風になっているのだ!
でも、キャトラ!おまえはもっと出来る奴なのだ!もっと速くひくのだ!
まっかせなさぁ~い!
Eいけいけぇ~♪チェシャの力は、こんなもんじゃないよ~♪
当然よっ!ごらんなさい!
危ない、前っ!!
わわぁっ!?
ぎにゃー!!!
イノセントヒール!
<――最高速度のまま、赤鼻のキャトラが木にぶつかってしまった。
先読みでかけたアイリスの魔法のおかげで、ケガはしていないだろうが……
三人とも、枝から落ちた雪に埋まってしまった。>
……ぽはっ!
ばーん!
なーのだー!
<よかった、無事だ。>
あぶなかったわ……ありがと、アイリス。
もう、あんまり調子に乗っちゃダメよ?
こんな日くらいいいじゃない。さあ、エシリア、ルーシー!もう一度よ!
やったぁ~!
もう……キャトラったら……
<鈴の音が、聞こえない――?>
思い出5
のう……ちかごろキャトラを見ない気がするんじゃが……
あっ……!そ、それは……
<爆走ソリで木に激突したとき、キャトラはシャオフーにもらった鈴をなくしてしまっていた。
それを気にしたキャトラは、シャオフーをさけているのだ……>
さびしいのぅ……キャトラの顔が見れんと……
あ、あの、シャオさん、それはね……
……アイリスは、理由を知ってるんかね?
えっと……
話してごらん?
その……
アイリスちゃんは、ええ子じゃよ。だれかを気づかう、優しい心を持っておる……
…………
……ええよ。なにか、事情があるんじゃねぇ。さて……
シャオさん?
ちょっと、出かけてくるでな。
あ、シャオさん、待って……!
<いつになく俊敏な動きのシャオフーは、あっという間に見えなくなってしまった……>
追わなきゃ……!
――アタシも、追うわ!
キャトラ?
隠れたりなんかして、アタシがバカだったわ……!余計に心配かけて……!
シャオばあちゃんに謝らなくちゃ……
…………
……
シャオばあちゃーん!
シャオさーん!
シャオさん、どこまで行っちゃったのかしら……
ねぇ、主人公……!お願い……!
思い出6 (友情覚醒)
これで……! 気づいて……!シャオばあちゃん……!
いまの光は、やっぱり――
シャオばあちゃん!
ごめんなさい!
おお、キャトラもいたんかぇ。元気そうじゃの。えがったえがった。
<キャトラは音もなく駆けより、シャオフーの胸に飛び込んだ。>
…………
シャオばあちゃん、ごめん、ごめん……!
アタシ、せっかく、シャオばあちゃんにもらったのに……
……はて? なんのことかのう?
シャオばあちゃん?
ふぇっふぇっふぇ。忘れてしもうたわい。
……シャオばあちゃん……
わしはみんなに、お礼を言いたかったんじゃ。
え……?
わしはこんな、カチコチの冷たい体をしておる……
おてんとさまと、仲が悪くなってしもうたからのう……
…………
じゃが、最近、暖かいんじゃ。中の方から、ぽかぽかするんじゃ。
それはの、キャトラ。キャトラやみんなが、わしに笑ってくれるからじゃよ。
シャオばあちゃん……!
わしはいつも、プレゼントをもらっとるんじゃ。
笑顔という、最高のプレゼントをのぅ……
……!……あはは♪
おうおう、それじゃそれじゃ。またもろうてしもうたぞい。ほんにキャトラは、ええ子じゃのう。
アイリスちゃんも、ぼんもみんなええ子じゃ。ええ子に囲まれて、わしゃあ幸せもんじゃぁ……
わしだけ幸せもんじゃ、バチが当たるでのぅ。
ど~れ、またみんなにも、プレゼントを配りに行くとするかのう。
アタシも手伝うよ!シャオばあちゃん!
あげよう! デロデロのおかし!
断るヤツは、キャトラさんがひっかいてやるんだから!
ほほほ、大丈夫じゃ、その気持ちがありがたいわい……
さて……行こうかの……♪
ハイ!
永久不滅のジングルベル
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