ミレイユ(茶熊)・思い出
世話好きな不死鳥少女 ミレイユ・ラーナー ヨシュアと一緒に入学した双子の妹。 兄を支えるため、演劇部の裏方に回る。 | ||
2016/03/25 |
メインストーリー
思い出1
みなさん、ご無沙汰しています!
あら、ミレイユ、いらっしゃい。今日は一人なのね?
はい。先輩のみなさんには、ちゃんとご挨拶しておきたいと思いまして。
先輩……ああ、そっか。ミレイユは新入生だもんね。
入学おめでとう、ミレイユちゃん!
ありがとうございます!後輩として、精一杯がんばります!
学校にはもう馴染めた?
うーん、そうですね……みなさんスゴイ人たちばかりなのでまだちょっと緊張してます……
ああ、だいじょぶだいじょぶ。すぐ慣れるって。
……あ! あとそれから演劇部に入りました。
へぇ、演劇!目指すは女優かしら?
あ、いえ、演じる方じゃないです。あたしは裏方担当ですね。
え、裏方? ……なんでまた?
お兄ちゃんが『演じる方』なので、そのサポートをしようと思って。
ああ、そういうこと。
演劇は稽古したり道具を作ったり、体力が求められる部活なんです。
お兄ちゃん、すぐ無茶しちゃうのであたしが見ててあげないと……
相変わらずお兄ちゃんっ子ねぇ。
お裁縫部に誘おうと思ったけど……そういうことなら仕方ないわね。
す、すみません、アイリスさん。
ま、学校は部活だけじゃないしね。楽しんでいきましょ、ミレイユ。
はい♪
ハンカチとティッシュ持った?
ばっちりです!
知らない人についていっちゃダメよ?
え? あ、はい……それはもちろんですけど……
急にどうしたの、キャトラ?
うーん、なんていうんだろ……初めてのお使いを見送る母親の心境みたいな?
あ、あたしはそんなに子供じゃないですよ~!
思い出2
サンキュー、ミレイユ。いつも悪いな。
お兄ちゃん、稽古場の掃除、終わったよ。
ん、さんきゅ。
それから演劇用の衣装、汚れてるから洗濯しておくね。
うん。…………なあ、ミレイユ。
なに、お兄ちゃん?
お前もさ、なにかやりたいこととかないか?
……? どういう意味?
いやさ、いろいろ手伝ってくれてほんと助かってるよ。
でも、せっかくの機会なんだし、ミレイユも好さなことしていいんだぞ?
だけど、お兄ちゃんは……
心配するなって。自分のことくらい自分でなんとかしてみせるよ。
うーん……わかった。お兄ちゃんがそこまで言うなら……
……急にヒマになっちゃった。なにしよう……
うーん……とりあえず図書室で本でも読もうかな。
…………
……
「むむむ、微妙だった……適当にとった本じゃこんなものかなぁ。
……あ、もうこんな時間……寮に帰らなきゃ。
明日はどうしようかなぁ……お料理でもしようかな……
……ん?」
<ふとミレイユは、壁の張り紙に目をとめた。>
『購買部のアルバイト募集中!
アットホームな職場でおだんごつくりましょう♪』
思い出3
<購買部の求人に応募したミレイユ。結果は即採用。翌日にはアルバイト開始となった。>
ようこそ購買部へ~。ウェルカムだよ、ミレイユちゃん♪
よ、よろしくお願いします、ツキミさん!
ちなみに当購買部を希望した理由は~?
え!? えーっと……家計のために貯金でもしようかなぁと……
若いのに現実的だね~。採用っ!
もう採用済ですよね!?
それじゃあ開店の準備をしよっか。おだんご作りも教えてあげるね。
あ、はい!
いらっしゃいませ!ご注文は何にしますか?
だんごか……黒胡麻をもらおう。5本だ。
ガレア~、あたしも~!みたらし3本ね~!
かしこまりました!黒胡麻5本、みたらし3本ですね。
「アタシはあんこ! こしあんね!
しょ、少々お待ち下さーい!
***
ツキミさん! おだんご、こんなかんじでいいですか?
あら、まんまるお月さま♪初めてなのに上手だね~。
あ、ありがとうございます……
ふふふ♪なんだか昔を思い出すなあ……
昔……ですか?
私、実家がおだんご屋さんだから、小さい頃からお店のお手伝いしてたんだよ。
今のミレイユちゃんみたいにおだんご作ったり、接客したり……なつかしいなあ。
そうだったんですね。
今は自立して、旅をしながらおだんご売ってるけどね~。
お一人だと大変じゃないですか?
そんなことないよ~。旅もおだんご作りも楽しいし、とってもやりがいがあるよ♪
なるほど……
(あたしもいつか、ツキミさんみたいに自立することになるのかな……
もしもあたしが、カティアさまやお兄ちゃんと離れたら……
……うーん、どうなるんだろう。全然想像できないなぁ……)
ミレイユちゃんもおだんご屋さんになってみる~?
え、えーっと……検討します。
思い出4
<朝、―人で登校するミレイユ。
いつもー緒にいるヨシュアは、朝練で先に出ていた。>
はっ、はっ、ふっ、ふっ――
あ……
<先に登校していたヨシュアが、通学路をランニングしている。>
お兄ちゃ――
………
(邪魔したら悪いかな……すごく真剣そうたし)
はっ、はっ、ふっ、ふっ――
<ミレイユに気づかないまま、ヨシュアはその場を通り過ぎた……>
……お兄ちゃん……
きゃっ!
……ミレイユか。
ガレアさん!お、おはようございます。
ああ、おはよう。……乗っていくか?
え?
行き先は同じだろう。ついでだ。
えっと……それじゃあ、お言葉に甘えて……
<ミレイユは、恐る恐るバイクの後部に座り、ガレアの背中につかまる。>
いくぞ。
は、はい!
<バイクはゆるやかに発進し、やがて心地よい疾走感がミレイユを包み込む。>
どうだ、ミレイユ。なかなかいいものだろう。
そ、そうですね!風がすごく気持ちいいです。
……悩み事なら聞いてやるぞ。
えっ……?
落ち込んでるようだったからな。言いたくなければそれでもいい。
…………
その……お兄ちゃんが演劇部ですごくがんばってるんです。
らしいな。
なのにあたしは、この学校でなにがしたいのかわからなくて……
やりたいこととか、将来の夢とか、そういうのがないままでこの先どうなっちゃうのかなって。
……ミレイユ。お前が<やりたい>と望むことはなんた?
え……?
難しく考えなくていい。純粋に思い浮かんだことを口にしてみろ。
単純なことだが、それが<答え>につながると思うぞ。
私がやりたいこと……やりたい、こと……!
……やっぱりあたし、お兄ちゃんの力になりたい……!
みんなのために、あたしにできることをしたいです!
フッ……
着いたぞ。
……ガレアさん。話を聞いてくれてありがとうございました。
気にするな。機会があれば、また乗せてやる。
はい!
思い出5
ツキミさん!実は、アルバイトのことでご相談が……
ん~? なにかな?
あの……すみません!今日でバイトを辞めさせていただきたくて……!
あら、そうなんだ……残念だけど、ミレイユちゃんにとっては大切なことなんだね?
はい……あたしのわがままで本当にごめんなさい……
いいよ、気にしないで~。気が向いたらまた来てね♪
ツキミさん……はい!
***
ハルカさん!
あら? あなたは……
突然すみません。あの……あたしに<白魔術>を教えてもらえませんか?
え!? 急にどうしたの?
……あたしの中には、<ウィータ>が……フェニックスが宿っています。
! フェニックス……癒やしの象徴の神獣……!
あたし、この子の力をみんなのために使いたいんです。
だから、ちゃんと治癒の魔法を勉強したくて……!お願いします、ハルカさん!
……私も、病気に苦しむ人たちを救いたいって思って白魔術を始めたの。
だから、あなたの気持ちは、すごくわかるわ。
ハルカさん……
私の指導は厳しいわよ。こと白魔術に関してはね。覚悟しておきなさい!
! ありがとうございます、ハルカさん!
<こうしてハルカの教えのもと、ミレイユの白魔術研究が始まった。
適切な治療を施すために、人体の構造もちゃんと勉強しておかなくちゃね。
はい!
ねえねえ、二人でなにしてるの?
あ、キャトラさん!今、白魔術のことをハルカさんに教わっているんです。
私もー緒にいいかな?いろいろと参考になりそう。
もちろんです、アイリスさん!
薬草の効能もあなどれないわ。白魔術と併用すれば、効果を増幅でさるの。
いくつか使えそうな種類を教えとくわね。あと調合方法も。
はい、お願いします!
……!
あら、草で指切ちゃった?
ちょうどいいわ。早速、実験台になってもらいましょ。
よ、よろしくお願いします……
<演劇の稽古に打ち込む、ヨシュアの支えとなるために――
ミレイユはハルカたちとともに、白魔術――治癒の力を学んでいく。>
思い出6 (友情覚醒)
っ! ミレイユ、これって……!
気分はどう、お兄ちゃん?
どうって……すごいよミレイユ!関節の痛みもなくなったし、疲れも一瞬で吹っ飛んだし……!
感謝しなさいよ、ヨシュア。ミレイユ、このためにすっごく勉強したのよ?
ミレイユ……お前……
お兄ちゃん、やっぱりあたし、お兄ちゃんの手伝いがしたいの。
……そう言ってくれるのはうれしいけど、ミレイユはそれでいいのか?
最初はいろいろ迷ったんだよ。なにをしたらいいのかなって。
これからのこととか、自分のやりたいこととか、あたしなりに考えたの。
…………
だから……今ならはっきり言えるよ。
あたしは、みんなの力になりたい。お兄ちゃんや大切な人たちのためにできることをしたい。
それが、あたしの<やりたいこと>なんだよ。
ミレイユちゃん……
そういうことだから、お兄ちゃんは遠慮なく世話を焼かれてほしいな。
……はぁ~……お前ってほんとすごいよな。
うーん、そうかな?
そういう自覚のないところとかさ。僕もがんばらないとなぁ……
あたしも、もっと勉強しなくちゃ。せっかく入学できたんだしね。
そうだな。お互い、やれることをやって、悔いのないようにしような。
うん!
ミレイユもちゃんとやりたいこと、見つけられたみたいね。
将来のことはわからないけど、あたしは自分にでさることを精―杯やるだけ。だから……
きっと――だいじょうぶ!
みんなのためにできること
その他