【白猫】バーガー・思い出
謎のハンバーガー バーガー・B・バーガー cv.喜山茂雄 すべてが謎のハンバーガー。 その正体は誰も知らない。 | ||
2016/05/17 |
思い出1
<得体の知れない何かがゆっくりと近づいてくる。>
俺を注文したヤツはどいつだ?
な、なな、なによアンター!?
俺はバーガーだ。みんなからはそう呼ばれている。
えっと……あなたは食べものですよね?
ちっちっちっ。その質問は野暮だぜ。俺が何者かは俺が決める。
名前や見た目をとっぱらえば誰もが同じ生き物さ。お前もそう思うだろ、ナゲット。
ナゲット……? 主人公のことですか?
ああそうだ。そんなお前はシェイク。そこの猫は……トイだ。
はあ!? アタシはキャトラよ!
ああ。だからこそお前はトイなんだ。
…………
そういえば、人を探してるみたいでしたけどあれって……
誰かが俺を必要としている……そんな気がしてな。
ここで会ったのも何かの縁だ。お前らにこのチラシを渡しておく。
俺が必要なときはここを訪ねるといい。
チラシね~。どれどれ。
<チラシには<まんぷくランド2号店>新装オープンと書かれていた。>
裏にクーポン券がある。腹が減ったら使いな。
あ、ほんとだ……ありがとうございます。
ドリンク半額にアップルパイ無料……へ~、なかなかいいじゃない。
ん? ここ……中途半端に1枚ないわね?
そこは『ハンバーガー20%オフ』だ……俺が切りとった。
なんでそんなことしたのよ?
…………
<バーガーはレタスとトマトの間に一本のポテトを挟んだ。>
ふう……
安い男だと思われたくないからさ……
じゃあな。
ぎにゃー! なんなのよあれー!
思い出2
…………
――フィレオの顔を見たのはその日が最後だった。
俺はただ行くあてもなく駅馬車に乗り、流れる風景にさよならの言葉を並べていた。
ひと雨……きそうだな。
騎兵隊
うわあああああっ!?
どうした?
騎兵隊
ナイフとフォークをもった少女が馬に! 馬に噛みついたんです!
ガブリンチョか。しつこい野郎だ……
騎兵隊
ひいぃぃっ! ヨダレが!ヨダレが!
よせっ! ヤツの狙いは俺だ! ここから離れろ!
お~い、バ~ガ~……
その鼻にセサミの香りを刻み込んでやる!
バーガー! バーガー! バーガー!
なんだ?
アタシが聞きたいのはそういうことじゃなくて!
過程を知りたいんじゃなかったのか?
前よ前っ! ここにくるよりずっと前! アンタが生まれたきっかけとかよ!
はっ、こりゃとんだ早とちりだったぜ。
俺を生み出したそいつの名は、テリー。
<ファース島>の片隅にある小さな店でアルバイトをやっていた男だ。
テリーは適当に仕事をするヤツでな。注文をよく間違えていた。
俺はテーブルに運ばれたが、頼んでないと客に突っ返された。
それが原因でテリーは店長ともめてな……クビになっちまった……
そのとき俺の中に『感謝』と『失望』の二つの感情が芽生え……
バーガー! バーガー! バーガー!
なんだ?
説明してるようで説明になってないわ!
…………
そのとき俺の中に『感謝』と――
ぎにゃー! もうアンタがなにものとかどうでもいいわ!
思い出3
出たわね!
<主人公たちはギルドの依頼で魔獣退治をしていた。>
~♪ ~♪
ちょっとバーガー! なにのんきに口笛ふいてんのよ!
しーっ、騒ぐんじゃねえ。
<バーガーの指に小鳥が止まった。>
おーよしよし。ほら、邪魔だ。
なにがしたいのよアイツ……
いまよ! 主人公!
次から次へと……でもね、なん匹こようとアタシの爪でひっかいて……!
待て。ガキの出る幕じゃねえ。
はあ? ちょ、そこどきなさいよ!
…………
隙だらけだぞ……そんな顔をしているな? はっ、まったくそのとおりさ。だからどうした。
落ち着いて話せばわかる……きっとな……
<バーガーの指に小鳥が止まった。
バーガーはレタスとトマトの間にポテトを挟んだ。>
お前も一本どうだ?
ミノタウロス
ガァアアアァァ!!
もう! 意味不明なことばっかりするから怒らせちゃったじゃない!
<激昂したミノタウロスがバーガーに襲いかかる!>
ふう……
バーガー! 突っ立ってないで逃げなさい!
今日のポテトは……カリッとしてるぜ……
ぐはっ……!
<ケチャップが地面に飛ぴ散った。>
バ、バーガー!?
大丈夫ですか! 今すぐ治療を!
いやいい……俺はもう……助からねえ……
そんな……
アンタ……よくもバーガーを……
トイッ!!!
なんで! なんでとめるのよ!
いきな。
ミノタウロス
……
いけっ!
バーガーさんどうして……
お前たちは……知らなくていいことさ……ごはっ……!
ナゲット、シェイク、トイ……
ありがとよ……お前たちに囲まれて俺は……
ハッピーさ……
バーーーーガーーーーッ!!!
思い出4
<――とある酒場>
久しぶりだなグリル。テリーは元気にしてるか?
グリル
テリー? ああ、あいつなら1週間も経たないうちに辞めちゃったよ。
はっ、相変わらずなテリーだぜ。
むむむ……
いいじゃないキャトラ。バーガーさんが元気ならそれで。
そうね! 考えるだけ無駄ね! バーガーならあの状態で生きてても不思議じゃないものね!
ぎにゃー!!!
大男がホットドッグを一心不乱に食べている。
グリル、ありゃなんだ?
グリル
ホットドッグ早食い大会の練習だってさ。彼、無敗のチャンピオンらしいよ。
へー、そうかい……
大男
げふっ……もう食べされんでごわす。
おい。ホットドッグがひとつ、残ってるぜ。
大男
突然なんでごわす?というかハンバーガー?
残さず食べろ。
大男
無理でごわす。おなかがいっぱいなんでごわす。
食べろ。
大男
だから無理でごわす!
そうか。
ちょっとバーガー、揉めごとはやめな――
大男
うわっ!?
<バーガーは大男に向かってワイン樽を蹴飛ばした。>
大男
なにするでごわす!
今から俺が10数える。その間にホットドッグを食べろ。
さもないと、この熱々ポテトがワインに引火するぜ。
するか!
大男
くそぉ……なんなんだこいつ……
わかった食べるよ! 食べればいいでごわしょ!
あー、チクショー!
<大男はホットドッグを無理やり口に頬張った。>
大男
ほぼへてろよ!
待ちな。
大男
――むぐっ!?
忘れ物だ。
バーガーはホットドッグのパンからこぼれ落ちたソーセージを大男の口に投げ込んだ。
テイクアウトはさせないぜ。
ささ、気はすんだかしらね~?
…………
バーガーさん?
食べてもらえてよかったな……
思い出5
どうした来いよ? 腹が減ってるんだろ?
犬
…………
はっ、スルーされちまったな……
ついに俺も期限切れってことか……
いつの間にか飛行島に犬が……
いちいち気にしてたらキリないわ。だってバーガーなんですもの。
なんだか落ちこんでるみたいだけど……声かけたほうがいいのかな……
しなくていいんじゃない。だってバーガーなんですもの。
ん? そこにいるのは……お前らか……
げっ! こっち見た。
お、お、お前らあああああああああっ!
きゃあー! 走ってきたわ!
お前ら! お前ら! お、お、お前らあああああああっ!
ぎにゃー! 無視しないから怒らないでー!
俺を食べろ。
へっ?
俺にはもう時間がねえ……お前らも気づいてるんだろ……
なにを言ってるんですか……そんなの無理ですよ……
俺は食べられるために生まれてきた……それが叶わなけりゃ死んだも同じだ……
そうなる前に頼む! 最高の状態で俺を……俺を食べてくれ!
<バーガーは主人公にクーポン券を握らせた。>
安い男と思われてもいい! だから!
くそ……あんまりだぜ……
バーガー……
主人公
――。
そうね。いつものようにやっちゃって主人公!
思い出6 (友情覚醒)
…………
時間がねえんだ……頼む……
あらま? なにも変化がないわね?
ねぇ、キャトラ……もしかしてアレのせいじゃない?
ああっ!? そうかサングラス! アレじゃ光ったことに気づかないわ!
ぐう!?
あ、でも見て! 気づいてなくても効果はあるみたいよ!
ぐううぅぅ……
えっ? なになにこれなに!?
バーガーの体が光ってる……
なんだこの記憶は……俺の中になだれこんでくる!
いったいどうしちゃったのよー!
うおおおおおおおっ!!!
バーガーさああああん!
ここは……?
お前はあのときの……これは過去の記憶か?
誰だこいつは……はじめて見る……
なのになぜだ……
俺にはこいつとの記憶がある……
名前はそう、ニコルチョフだ……牧童の……
確かニワトリを飼っていて卵を……
!?
そうかこれは俺が生まれる前の記憶……
戻ろうとしているのか……
ボブ……豚に愛された男……
ピクルス……
!? そこにいるのはテリーか?
テリーなんだな!
ちっ! 光でなにも見えねぇ!
くそっ、意識が……もう……
消える前にせめて、これだけは言わせてくれ!
テリー……
作ってくれて……ありがとよ……
***
…………
…………
<光がおさまると、主人公の手のひらにハンバーガーが乗っていた。>
バーガーさん……動かなくなっちゃったね……
そうね……どこからどう見ても美味しそうなハンバーガーだわ……
うん……美味しそう……
<主人公はハンバーガーを食べた。>
私も食べる……私にも半分ちょうだい!
アタシにも!
ナゲット、シェイク、トイ……
ありがとよ……お前たちに食べられて俺は……
ハッピーさ……
やっぱり謎のハンバーガー
その他
相関図