【白猫】Brave The LionⅡ Story1
story1-1 忌まわしい島へ
――すまねえな。手助けなんか頼んじまって。
いいんですよ。ダグラスさんにはいつもお世話になってますから。
失せ物探しとか。
はは、そのくらい、世話でもなんでもねえさ。
アタシってば義に厚いからさ。
けど……おまえらはやっぱり、よした方がいいかもな。危険な目にも遭うだろうしよ。
そんなこと言わないで、ダグラスさん。
――!
そうそう、主人公の言う通りだよ。だからこそ仲間が必要なんだって!
主人公……ありがとうよ。
ですが、ダグラスさん……この島からは……おぞましい何かを感じますね……
トーゼンだろーな。この島には<施設>があるからな。
……オレの体をオモチャにしてくれた、イカレた研究施設さ。
――いつまでも、あっちゃならねえトコだ。ケリをつけてやらねえとな……!
だからって、ミーチャ、どうしてあなたが……?
そりゃこっちのセリフだぜ。姉ちゃんこそさっさと帰りな。
それは聞けないわ。あなたがこれまで、どこにいて、何をしていたのか。――何に苦しんでいたのか。
それを知る義務が、私にはあるから。
そんな義務はねえさ。
あるわ。
……ホント、ガンコな姉ちゃんだ。
ハイハイ、へーこーせんをたどりそうだから、キャトラさんがまとめるわよ。
クロエはついてきてもいいけど、危ない真似はしない。いい?
おいおい……
なにかあったらダグラスが守る。<できちまう>でしょ?アンタなら?
ヒトのセリフ取るなよな、キャトラ……
……わかった。それでいい。だが、くれぐれも、無理すんじゃねえぞ、姉ちゃん。
ええ。あなたに無用な心配はさせたくないもの、ミーチャ。
で、主人公はアイリスを守る、と。
ふふふ……主人公、頼りにしてるね?
さて、いつまでも油を売ってもいられねえ。行くとしようぜ!
story1-2 もう一人の獅子?
この島には……住民はいないみたいね……
こんなところで、なんの研究をしてるのかしら?
オレがモルモットにされてたんだ。なんとなく察しはつくだろ?
つかない。
もう、キャトラ……
貴族に買われた後、いろんな魔法の実験台にされた……そう言っていたわね?
……なんのために、そんなことされたんだと思う?
造ろうとしていたのさ。――最強の、合成魔獣を……!
そんな……!
だからよ、オレにも魔獣の何かが<混ぜ>られてるかもしれねえ。
…………
悲しまねえでくれ姉ちゃん。オレ自身に限って言えば、利点だってあったさ。
おかげで寿命が延びて、姉ちゃんにもまた会えたし――
<語りながらダグラスは剣を振りかぶると――>
ハアッ!
<一直線、近くの茂みへ向かって投擲した!>
――力も得られた。
ちょ、いきなりなんなの!?
そこに隠れてんのは誰だ? 大人しく出てきな!
「……ひ……!」
<くすんだ色の草むらから姿を現したのは――>
み、ミーチャ……!?
隠れていたわけじゃないんだ、ただ、久しぶりの生きた人間だったから……
おめえは……!?
ボクは、ダニエル。
――あれれ? キミは――???
……オレを知っているのか?
ううん、知らないけど…………なんだかボクたち……
ああ……よく、似ているな――
story1-3 へりくつ獅子
ひいいっ!?
<ダニエルが魔獣に追いかけられている!>
――かぁっ!
<気合一閃、ダグラスがその魔獣を斬り飛ばした!>
はぁ……はぁ……ありがとう、ダグラス……
……剣くらい使えねえのか?
からっきしなんだ。
魔法は?
もってのほかさ。
…………
アンタ……そんなんでどうやってこの島で生きてたのよ……
ただ生きるだけなら、泥水をすすったり、落ちてる木の実を食べたり……
アンタ……!
にんげんのそんげんはっ!?
ひぃっ!? 怒られたあ!?
でも、そうよ、ダニエル。
なにがですか?
ミーチャそっくりのその姿……あなたはー体何者なの?
自己って不確かじゃないですか。
……はあ?
たとえば、自分か生まれた瞬間を記憶してる人なんていないでしょう?
結局、最初の手がかりは他者から与えられた、『あなたの名前はコレコレよ』なんですよ。
そもそもがそれであるわけだからして、自分が何者かなんて、正確には誰にもわからないわけで。
……ナニ? アンタ、ヘリクツ系のタイプってわけ?
『系』と『タイプ』ってかぶってません?
ぎにゃ一! おだまり!
それにしたって、ダニエルさん。どうしてここにいて、なにをしていたのかくらいは、自分でわかるのではないですか?
そーゆー常識的なロジックボク嫌いだなー。
いい加減にしろよ。
ひいっ!?
ミーチャ?
あ、見た目が似てるから余計に腹立つってやつだ。
そーだよ。
それは君の感情の話だし、ボクにぶつけられても。
うるせぇな。主人公、行こうぜ。こんなヤツほっといて。
だめよ、ミーチャ。こんなところにー人にするのは危険だわ。
……姉ちゃんがそう言うんなら……
姉ちゃん? 血はつながってなさそうだけど、どういう関係?
うるせえ、ぶちかますぞ!
ミーチャ。
……あ~……調子狂うぜ……
story2-1 キミが羨ましい
なぁダグラス。あんたたち、ここへなにしに来たんだ?
アンタ、他人には質問すんのね。
別にいいじゃないか。なあ、なんでなんだ?
決まってんだろ。言わせんじゃねえ。
それじゃわからないよ。もう少し親切に答えておくれよ。
……この島にある研究所を、ぶっ漬すためだ。
個人的な復讐か何かかい?
それもあるが――
――最近、新種の魔獣が付近の島の人々を脅かしているの。
しんしゅのまじゅう……?
それはまるで、二つ以上の異なる魔獣同士が掛け合わされたような姿をしているらしいわ。
それって……!?
無関係じゃあねえだろうな。オレをいじくってくれた、合成魔獣研究所と、よ……
なるほど。正義のためか。
別に誰かのためってわけじゃねえさ。
ただ、オレの力も悪用されてるかもしれねえし――だとしたら、寝覚めが悪ぃだろ?
……キミが羨ましいよ。
なんだよいきなり?
なにかを変えることが<できちまえ>て――
……?
ボクにはなにも……<できちまわない>から……
アンタもそれ口癖なのね。ダグラスとは使い方逆だけどサ。
…………
ダニエル、おまえがついてくる必要はねぇ。安全そうなところがあったら、そこに隠れてろ。
つれないじゃないか。
おまえを守る余裕がなくなるかもしれない。だから言ってんだよ。
ボクなら大丈夫だ。
魔物にヘリクツなんて通用しないわよ?
試してみたことがあるのかい?
試さなくてもわかるわよっ!
やれやれ……この先、どうなることやら……
ミーチャ……
ん?
……いいえ。なんでもないわ。
姉ちゃんまで、勘弁してくれよ。ここは安全な街中じゃあないんだからさ。
ごめんなさい。みんな、注意して進みましょう。
story2-2 違和感
…………
どしたのダグラス?疲れちゃった?
まあ……そうだな。
この島、妙だぜ……こんだけ荒れてるのに、なんで療気がないんだ……?
しょーき?
魔物のオーラっていうか、邪悪な思念っていうか、そんなようなもんさ。
……ダニエル。おまえは……平気なのか?
なんのことだい? 療気なんて、なければない方がいいだろう?
ま、フツーはな……
! そういえば、ダグラスさんは……!
心配するなってアイリス。オレの体にゃ療気が必要だが、
別に、四六時中吸い取ってなきゃ生きられないってわけじゃねえ。
……そうか……ダニエル、おまえは平気なのか……
?
ミーチャ……
まあいいさ。療気がないってことは、たいした魔獣もいねえんだろう。
さっさと研究所を壊滅させりゃ、夕飯までには帰れるだろーよ。今晩は、シチューがいいな。
ふふふ、任せてちょうだい。そうと決まれば、急ぎましょう。
……ねえ、主人公? なにか、ヘンじゃないかな……?
――?
ダグラスさん、元々はこの島にいたってことよね? なのに……?
お~い! 置いてくぞ~!
あっ! 待ってください!
…………。
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