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【白猫】Brave The LionⅡ Story8

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作成者: にゃん
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story15-1 獅子の咆哮


<主人公たちは、突然ひらけた部屋に出た。>

ど~やら……終点に着いたみてえだな。


すぐさまこちらだ!素晴らしい精度じゃないか!クハハハハハハハハ!

な、なんあのこのおじいさん……!?

そのツラ……!会いたかったぜ、ジジイ……!

嬉しい言葉だ、冥利に尽きるな!おお! エルフの女も!何もかも完璧じゃないか!恐るべき発明だな! クククク!

え……?なにを言っているの……?

ああ……エピタフ様……おっしゃる通りですなあ……計画は、時をかければ、かけるほど面白い……!

独り言の最中恐縮だが、おめえの計画とやらも今日で最後だぜ。

てめえらごと……!ここを、全部潰してやる……!

どうやってだ二号?お前の動力は療気だろう?

……は?

オレはお前をそう作ったぞ?無理はするな、役目は終えたんだ。次の出番まで休憩していろ。

……何を言ってやがる……?

聞く必要はありません、ダグラスさん!

そうよ! 悪役お得意の、動揺させる作戦に決まってるわ!

なるほど、不必要な脇役は、トンチンカンな発言でしか己の存在を誇示出来ない、と……

なんだってのよ!エラそうにしてるんじゃないわ!

全てオレの絵図通り進んでいる。演出家が一番偉いのは物事の道理ではないのかね?

ごちゃごちゃと……!うるせえんだよッ!!!

ミーチャ!

てめえをぶちのめす分だけ、残しといたんだ……!全部、もってけえッ!!

<ダグラスが気炎を吐き、閃かせた剣が、虚空を裂いて衝撃波と飛ばす!>


…………

ちっ……! だが、これでもう、てめえを庇ってくれるヤツはいねえぜ……!

その細首、噛み砕いてやるッ……!!!

ダグラス!? 無理しないで!

ここまで来て、無理も無法もねえだろ……!

でも、これ以上は、ダグラスさんの体が……!

後先のこたどうでもいい!いまここで、コイツを倒す!


……少し遅れているな。何よりも順序が肝心なのだ。最初に入れるから出汁がとれる。

仕方あるまい。幾分不細工だがな。


ミーチャ!


てめえがその名を呼ぶなッ!

馬鹿が! 誰が貴様なんぞ!

――!?

名など貴様には贅沢過ぎる!わきまえろ二号!

ミーチャ! ミーチャ! 出ておいで! オレの可愛いミーチャ!


「…………」


――!!!

な……んだよ、この……化け物……

なんで……ミーチャって……

ミーチャ! オレのミーチャ!おなかは一杯かい? 眠くはないかい?

うん……しまのしょうきは、ぜんぶたべたし……おひるねは……あとでもいいし……

………………ウソ……でしょ……

よーしいい子だ!今日はもっと楽しいことがあるからね!

でも準備がまだなんだ。少し、遊んでてくれるかい?

うん……あそぶ……

<――光りがおさまると、そこには……>

――!?

たくさんの……ダグラスさん……!


みんな……たのしいね……きょうは、ちがうひとがいるよ……

アッハハハハハハハハ!本当にいい子だ、ミーチャ!

――なんなんだよ、これ――!

おめえら……なんだっつんだよォッ!



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story15-2 偽りの獅子


偽りの獅子

うおおおおあああああー――!!!

<――獅子が咆哮を上げる

群れから追われた獣のように――己の存在を問い、苦悶する、哀切を帯びた長い咆哮を――>

アハハハハハハァ!よかったなあミーチャ!おにいちゃん喜んでるぞ!

おい、てめえ……!なぜそいつをミーチャと呼ぶ!

ミーチャはオレだ!!

おお、そうだとも! 叫べ、叫べ!やはりオレこそが天才なのだ!

ああ!?

あの女め!見ろ、オレが手を加えれば、こんなにも素晴らしくなるのだ!

二号はまさしくミーチャ!ここから出たミーチャ!全てが……完璧だ……!

てめぇ、だからそれがどういうことか、聞いてンだろうがよッ!!

ミーチャ……だめ……

……?……おねえちゃん……?

――そんな……やっぱり……あなたは……

おねえちゃん……あいたかったよ……

!? お、おい、姉ちゃん……

なんだよ、なにが、なにがやっぱりなんだよ……?

こっちにいるのが正真正銘、オリジナルのミーチャ。お前は去年造ったコピーだ、二号。

おい……馬鹿なこと言うなよ……オレには、孤児院の記憶が……冒険家になってからも……

ククク……ならば聞く。

冒険家になってからの記憶とは?

オレは魔剣士で、特技を活かして、失せ物探しを……

他には?

……魔力を使う魔剣士、ソウルを感じ、失せ物探し……!

だから、他には?

魔剣士で!失せ物探しを!

他に?

なんなんだよ!!!!!なんで出てこねえんだ!!!!!どうしてそれしか!!!

それ以外仕込んでないからな。

――なんだよそれ――

オレは――オレの過去は、全部、作りものだったってのかよ――

そうだ。お前は本能に従い、そのエルフの女を連れてくれば良かった。

――本能――――そうだ――!

たとえ、オレがコピーで、記憶が偽物たったとしても!

オレの心はオレのもんだ!

姉ちゃんは……オレが守る!オレが何者だろうとも……姉ちゃんはオレの、大切な人だ!

と、思うように仕込んだ。

違う!

この想いは、大切な人を考えると、湧いてくる力は――!

それだけは、何があっても偽りじゃねぇッ!!!

偽りだとも。

ふざけたことを……!

ぬ か す ん じゃ ね え !


<獅子のタテガミが跳ね上がり、周囲に気合の渦を巻く!

柄を握る拳に力が込められる!裂帛の斬撃が、宙を疾ってヨーゼフヘと――>


だめだよ……

――!?

<――ダグラスの発したその衝撃波を、ミーチャは――――喰らった。>

おねえちゃんは……ぼくのおねえちゃんだもの……

――!!!!!

ミー……チャ……


愛情ほど本能に仕込みやすいものはない。


おねえちゃん……ぼく……わすれなかったよ……

ずっとあいたかった……ねえ……なでて……

ぼくのそばにいてよ……


ミーチャの愛情はどっちだろうなあ!?
母へか!? 異性へか!?

受け継いだキミにはわかるのかなあ!? どうなんだい二号くん!?


<想い>まで……嘘だ……なんて……んなことが……あんのかよ……!!

……姉ちゃん……!オレは……あんたが……

おねえちゃん……だいすきだよ……

――! ミー……チャ……

……ううう……!!あああああああああああああ!!!

オレは!!!オレは、なんなんだよっ!?!?

なんもねえじゃねえか!なんもねえじゃねえかよおおおおおおおおおああああああああ!!


クフハハハハハハハ!いいぞいいぞいいぞ!この演出! この手法!

エピタフ様にも共有する価値があるかもしれんな!

興が乗ってきた!もう一叩きといこう!

産め! ミーチャよ!デクノボウどもを!

うん……わかった……

…………


ダグラス……

主人公!



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story15-3 今一度、地に爪を立て



危ないダグラスさん!はぁっ! バーンナップ!

…………

ダグラス……!

<――敵は無限に生み出される。なにか打つ手はないのか……!|


遅い! 遅すぎる!

まあ確かにここまで順調過ぎた。実験にこの程度のこと、起こらぬ方が不自然か!

仕方ない、下ごしらえを始めるとしよう。待つのが後か今かの違いだ。


ミーチャ。覚えているかな?コロコロと太った鳥さんは、おいしかったね?

うん……

あのお兄ちゃんは、瘴気を食べると太るんだよ。分けてくれるかな?

うん……わかった……


<ミーチャの全身から、計り知れないほどの膨大な瘴気が溢れ――

ダグラスの左目へ流れ込む!>


――ぐあああアあああアああ!?

受け取れ! ごちそうだ!

スキっ腹にはちと剌激が強いかもしれんがなあ!

ミーチャ!

<陽炎のように、周囲を歪ませるほど<濃い>瘴気が、ダグラスの目に無理矢理ねじこまれていく!>

あああアああアああああ!?!?ぐウ、あああアあ、ひう、う、がアアあああっアああアあ!!!!

<まるで土砂の混じった激流のように、瞳という狭い入口に、強引になだれ込んでいく!>

ひいッ、うっ、ふふ、ああアア!!あがア…! うぐア、ふ、あああああああっああああ!!!!

もうやめてえええええー――――!

ダグラスさんっ!!!

<ダグラスの虹のような髪は変色し、なおも目を掻きむしりながら、のたうちまわっている――>

…………

ねえ……ぼく……おなかへっちゃった……

おねえちゃん……たべちゃだめかな……?

!?

アハハハハ!もちろんいいとも!そのために呼んだんだから!栄養はないけどね! いつがいい?

うんとね……

いま……

!!


やめ……ろぉ………………

させないわ! 主人公!

じゃま……しないで……


<瘴気の嵐が吹き荒れる!

体が――はりつけにされたように、動かない!>


おねえ……ちゃん……

……ミーチャ……

たべる……よ……

やめて……くれぇ…………!


ダグラス!

――ダニエル!?

間に合ったのね、ダニエル。

うん、ありがとう、セラ。


じゃま……するの……?どうして……?

素晴らしいタイミングだぞ一号!最高の晩餐に滑り込みセーフだ!よかったなあミーチャ!

一号……?

ククク、一号と二号、そしてあの双子を与えれば、ミーチャは――

――史上最高の傑作に……!クッハハハハハハハハハハ!

そんなことはさせない。

得意のヘリクツか? 一号。貴様にあるのは<心>だけ。

二号に劣る失敗作が。立場をわきまえろ。

それは誤りだ。

なに?

思い出したんだ。ボクはミーチャの<心>、それ自体だということ。

でも、それ以外のものがなかったから、廃棄されたということ。

でも、よく見たら違った。フラットな心で、<見えた>。<感じ>られた。

ボクの遺伝子の中にあるプログラム。そこから来る衝動。込められた悪意。

そして――知った。ボクにも……できることを――

チッ、ペラペラとうるさい試験体が。ミーチャ!

<再び放出された瘴気の波が、ダニエルを飲み込む!――が!>

キミは悲しいね。『瘴気を喰らう化け物』ミーチャ。ボクの故郷。

もう……終わりにしよう。

!? 馬鹿な! 一号には、瘴気を吸収する能力は引き継がれなかったはずだ!

とんでもない。――ボクは――<喰えちまう>――!!

すごい……!この大量の瘴気を、吸いこんでる……!

……フン! 予期していない特徴が発現するなど、実験ではよくあること!

だが所詮、貴様はそこまでだ!いくら喰らおうとも、貴様にはそれを使えまい!

ああ、そうだね。――ダグラス。

……?

辛いかい? キミは、飲むのが少し苦手なんだね。

がんばって。それは強い薬。キミの苦痛は、体がそれに適応しようとしているからさ。

……な……に……?

――頼みがある。ダグラス。

瘴気ごと、ボクの全てを<喰らって>くれ。

キミなら、出来るはずさ。

――!?

いかん! ミーチャ!先に喰らえ! 二人ともだ!

早く! 迷っている暇はない!

ダニエル!あなた、何を言い出すの!?

セラ……いままでありがとう。<心>に染みたよ、キミの優しさ。

でも、<心>は、それだけじゃ無力だ。器が必要なのさ。

馬鹿なこと言ってないで!あなたはあなたでしょう!?

ちがうよぉ~。そういうさ~、常識的な考えとかじゃなくてさ~。

ダニエルっ……!

ボクはボクのままじゃ、キミを守れないから……

そんな必要ないのよ!?だから……!

ごめんね。


さあダグラス! 早くボクを!
力をあげよう!守りたい人を守れる力だ!

けど……オレは……

シャクじゃないのかい!?ボクたちはコピーだ!

でも、二人を足せばさ!本物一体を超える分くらい、なれたっていいじゃないか!

ダニエル、アンタ……!


……おねえちゃんは……?あとにするの……?

ガキが! こんなときに、何を甘えたこと言ってやがるッ!


――いいんだな――

ああ。心配しなくても大丈夫。中で、デカいツラはしないさ。

これで――オレは、オレたちは、偽物じゃなくなるんだな……?

馬鹿だなあ。最初っから本物だったよ。

――ダニエル――!


なんだよもおおおおおおおお!
やればいいんだろおおおおおお!?




―――――――――

――――――

――――


「――あなたなの?」

「――ヘヘっ。その聞き方は、ずるくないかい?


――姉ちゃん――」

「――ダグラス……――」


<心……

弱くもあり、強くもある、それとーつになり――

獅子は再び、大地に立ち上がる!>


クソが! お前がモタモタしてるからだぞ、ミーチャ!

zもおおおおおおおおおおお!!!くえなかったじゃないかぁあ!!

ミーチャ――

さよならだ。


BOSS ミーチャ

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分岐 Brave The LionⅡ Story2 メア ルート

   Brave The LionⅡ Story3 カティア ルート

   Brave The LionⅡ Story4 メイン ルート

   Brave The LionⅡ Story5 メア ルート

   Brave The LionⅡ Story6 メイン ルート

   Brave The LionⅡ Story7 カティア ルート

   Brave The LionⅡ Story8 メイン ルート

合流 Brave The LionⅡ Story9


ハード

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