Brave The LionⅡ Story H-5
story15-1
この気配は……!
チッ……!あいつが先かよ……!
待たせて申し訳ないな二号!束の間の逃避行の感想を聞かせてくれよ!
別におめぇにもらったもんじゃねぇ。
これからは――勝手に行先を決めさせてもらうぜ!
いいぞいいぞ!子の成長を見守る親の気持ちだなぁ!
反抗期がむしろ心地よいわァ!
バカ言ってやがれ!
いくよ、ペンタ!
うおおおおおおお!!!
ぬっ……!?脇役がー匹、増え――――おお!?
ドラゴンではないか!なんだ! 新しい被験体までくれるのかい!?
お前はなんていい子なんだ!オレのミーチャ!
その名は捨てた……!
それに、もう二度とオレを褒めてくれるな。
『いい子』だって、褒めていいのは――
――この世で一人だけだッ!!
story
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
ぐうっ……!?
おおおおおおおりゃああああ!!!
<怒りに任せ振るわれる獅子の剣。しかしそこに一切の乱れはない!
己の全てを出し切ることを覚悟した百獣の王の如く、鋭く重い斬撃が――
一太刀一太刀確実に、ヨーゼフの五体を捉え、食い込み、切り裂く――!
てめぇはこのまま消えっちまえぇぇぇーーー!!!
――くっ……!
――おおおおぉぉぉおおお!!!
<獅子の気迫に押され、細切れ寸前になっていた怪物が――
――再びその身を元の状態に戻していく……!>
!?
フフフ……肝が冷えたぞ。なるほどなるほど、二号と一号が合わさるとここまでのものになるのか……!
cそんな……! どうして……!?
理屈で勝るというのは圧倒的に有利なものだなぁ!
<闇>……その絶対値。蓄えられたエネルギーを超えられぬ限り、オレに死はない!
ちっ……!力さえありゃいいってんなら、簡単な話なのによ……!
だからこそ――打つ手はなかろう?クハハハハハハハ!
!<――<闇>の力――>
<――心が――――ザワつく――!>
主人公……?
<――自分の中に、分け与えられる力があるなら――!>
主人公…………なんだって……?
――オレに、力を……貸してくれるのか……!?
<>
そうか……お前も、それがいいって言うんだな……!
――
主人公……!
そこまでオレを、信じてくれるんだな……――そんなら――!
ぬう!? なんだ!?
オレも……応えねぇとな!おめぇらの想いに!
<莫大なエネルギーを渡され、取り込んだ獅子の剣が――
葛藤、決意、絆――――全てを包み込んだかのような、七色の光を放つ!>
バカなっ!?<闇>の絶対値で……このオレに、勝るだと……!?
なせそんなことが……!どうしてそれほどの量が、キサマの器に入る、二号!?
――ヘヘっ……
<できちまう>――もんでなぁ!!!
最終話
うおおおっ!!
<優位に立とうと、獅子は慢心しない。
一振り一振り最短の経路をなぞり、着実にヨーゼフの体を削る!>
おのれえっ……!
今度こそ! ペンタ!
ドラゴンの底力、見せてやる!
ぐうっ……!この程度のめくらまし……
お前も速くはない。
<穿つ>!
その<闇>ごと……<断ち切る>ッ!!
チィッ……!小賢しい退魔士どもがっ……!
うわああああああああああ!!!
ヨーゼフ……!感情だけじゃない……お前は、倒されるべきだ……!
ガキがッ! 図に乗るなぁ!
!! うわああっ!!
お兄ちゃんを、お願い!
<フェニックス>……!
……キサマら、誰がくれてやった力だと思っているッ!!
感謝を要求するようじゃ、三流どころじゃない。科学者失格ね。
もう、いいでしょ。脳を止めなさい、ヨーゼフ。
ぐううううっ……!!雑魚どもが……思い上がるなぁっ!!!
<闇>はこの世の真理……!決して失われぬ、もう一つの命の源……!
キサマら凡人どもに!どうにか出来るものではないっ!
オレは……決して滅びねぇっ!
ダウト。
答えは簡単。オレたちは、その<もう一つの命の源>の力に依ってるから、勝てるのさ。
<闇>と対なすなら、<光>ってことになるのかねぇ?マ、つまるところ――
前向きな、<意志>ってヤツだな……!
キサマ、なぜ生きている……!?
頼りになるオモチャなのさ、オレの<ルーンマグナム>ちゃんは。
それは……尽きていたはずでは……
元々、形のある弾なんかねーよ。ちょっと時間稼ぎすりゃ、また元気になるオリコーサンてわけ。
だま……したな……!!
――ヨーゼフ。そして、ミーチャ。
オレはてめえらなんか、二度と思い出したくもねぇけど――
――忘れねえってさ…………ダニエルのヤツは……
……くっ……!
うおおおおおおおおおおおおお!!!
<耳をつんざく絶叫を上げ、命の最後のー滴を燃やし、ヨーゼフが両手を振り上げる。
――眠れ。
<虹色に光るダグラスの剣が、天から地へと振り下ろされ、ヨーゼフの体に線が走る。
ぐがああああああああっ……!!!
<二つに分かれたヨーゼフは、互いに徐々にずれていさ、一つ、二つ――音を立てて倒れた。
……これで、終わりだ……
エピローグ
ありがとよ、主人公。おまえが力をくれたおかげだ。
それに――みんなも。オレ一人だったら、どうにもならねぇとこだった……
ダグラス……
ああーーーーーーー!!!
<ダグラスは両手を挙げて天に向かって吠えると、そのままゴロンと寝転がった。
ギニャッ! どうしたのよ!?
疲れた……のど渇いた……腹減った……
あ、アンタねぇ……
姉ちゃん、今晩は――
わかってるわ。……カレーでしょ。
おおいっ!?
ふふふ……
***
……ケリ、つけたぜ。
これで、本当になれたのかな……本物の……自分にさ……
***
――マ、終わってみりゃあ、いつもと変わらねえ、『仕事』ってカンジだったなあ!
あんなピンチ、あんまり経験なかったがな。
……ふう。あたしなんか、まだまだ未熟ね……
ええっ!?全然そんなことないと思いますよっ!?
そう?中々ね……自分のことは、自分じゃ見えなくてね……
それなら『鏡』の出番かな?
今見たらきっと割っちゃうわ。
うひぇ~……
おまたせしました!スペシャルジャンボパフェ二つになります!
わあっ♪やったあ♪……あれ?二つ?セラさん頼みました?
俺のだ。
***
ごちそうさまでした!
ハイ、お粗末様でした。よく食べるわねえ、あなたたち。
二人前ですから!
……そう。
お皿、下げてきますね。
……ヨシュア。妹にばっかり働かせるんじゃないの。
だってードラゴンって、よく寝る種族らしくって……あふぅ……
むっきィー!!立ちなさい!食器洗いなさい、この下僕がァー!!!
は、はいいっ!!
あれ?お兄ちゃん、いいのに。
そうもいかない事情があってさ……
まったく……ふふ……
***
あら? ダグラスは?
しょくごのさんぽだってー。
呼んできましょうか?
あ、いいの。あの子、どんなに遅くなっても、必ずうちに帰ってくる子だから。
ふふ……
あたしたちまでごちそうになっちゃって、ありがとうございます。
お礼なんかいいのよ。助けられたのはこっちなんだから。
テトラ、これからどこへ行こうか?
うーん、そうだね。せっかく里から出たことだし、友達に紹介してあげるよ。
本当か!?カッコイイ戦士がいいな!
え~っと……うん、大丈夫、たしか、何人かいたはず……
……主人公……
ありがとう。あの子に代わって、改めてお礼を言うわ。
これからも――仲良くしてあげてね。
クロエは心配症ね~。
だって、あの子がどうなろうとも――
――姉は姉だから、ね♪
…………
……
……なぁ……なれたよな、本物に……
だからさー、言ったじゃない?
そう思ってる時点で、それは自我なんだから、自我イコール唯一無二。つまり――
――最初っから、本物だった、って……
……ああ。そうだったな――
Brave The LionⅡ -END-
泥まみれの獅子
ノーマル
分岐 Brave The LionⅡ Story2 メア ルート
Brave The LionⅡ Story3 カティア ルート
Brave The LionⅡ Story4 メイン ルート
Brave The LionⅡ Story5 メア ルート
Brave The LionⅡ Story6 メイン ルート
Brave The LionⅡ Story7 カティア ルート
Brave The LionⅡ Story8 メイン ルート
ハード
後日談 飛行島・思い出