【白猫】ジョイス・思い出
修理屋兼ネジ職人 ジョイス・ジネリ cv.新垣樽助 修理業の傍らネジを開発する職人。 ねじれた日々は今日も続く。 |
思い出1
ねじれてるなあ~、ここはねじれてる。
ムムッ!?
ねじれるには格好の場所だぞう。
……やあ、君達。
修理屋兼ネジ職人。
ねじれにねじれたネジ男、ジョイス・ジネリだ。
すごそうなのがきた!!!
ネジ職人ということは、ネジを作ったりするんですか?
その通り。俺の生涯は、ネジの為にあると言っても過言ではない。
夢があるんだ。ねじれた夢が。
聞こうじゃないの、ねじれた夢を。
変えるのさ。ネジで世界を。
これまでにない、画期的なネジを開発したいんだ。
ねじれた世の中に多大な貢献ができるようなネジを、ね。
<ジョイスは上半身をねじった。>
クラフトメ~ン。
……さて。お近づきの印に、君達のねじれ度を測ってあげよう。
ねじれ度?
<ジョイスは手に持っている巨大なペンチ越しに、主人公たちを見すえた。>
"君"は……まあまあ、だな。
お嬢さんは……そこはかとない、といった所か。
そ、そうですか……
そして、にゃんこ君。君は……
君はあっ!!??
何というねじれ度だ!! 君こそ、君こそ……
ねじれマイスターではないか!!
なんじゃそりゃ!!
思い出2
皿ネジ丸ネジ トラスネジ~♪
い~ろんなネ~ジ~を~、あーいーしーてーる一♪
ネジネジネジネジネジネジネジネジ♪
何か修理して欲しいものはあるか?
キャラ!!!
(ツッコミが雑……!)
もう一度言うが、俺は修理屋だ。修理をするのが仕事だ。
そしてそこには……ネジがあるっっ!!
<ジョイスは上半身をねじった。>
クラフトメ~ン。
……あ。そういえば……あります、壊れたもの。
いい答えだ、アイリス君。ねじれポイントが増加したぞ。
ねじれポイントってなに。
<アイリスは<ルーンカメラ>を持ってきた。>
うっかり落としてしまって……
なるほど、ねじれうっかりだな。どれ、見せてみるんだ。
……ふむ。
……ふむうん。
……ぬむふぅぅん……
<ジョイスはせわしない手つきで工具を取り出し、
<ルーンカメラ>に取り付けられたネジを緩め始めた。>
おおっふ……これは……中々……
……ちょっと?
滑らかだ……そう、滑らかに回る…………そうだっっ!!!
<――ネジが外れた。>
いいね、イイ……ねじれ方が俺好みじゃないか。……こっちはどうかな……?
<ジョイスはネジを締め始めた。>
むふぉんぬぅ……そう来るか……そう来るのかあああっ!!
……アンタ、なにやってんの?
……次はカバー部のネジだ……ああー、イイねー、ここもいい……
久しぶりじゃないかあ、君ぃ……よしよしよしよし、よーし……
しゅうりー!!!
思い出3
……ふむ。
どうやらルーンを固定する部品にヒビが入っているようだな。
……なおる?
ああ。後で街のジャンクショップに行って替えを探すとしよう。
すみません、何から何まで修理してもらっちゃって……
気にするな。これが俺の仕事だからな。
修理をすれば~♪
ネジに出会える~♪
ボボボボルボルボルボルト♪
<ジョイスはくねくねと飛行島を歩き回りはじめた。>
……おや?ホウ。ここも中々にイイねじれ具合だ。
……ただの廃材置き場だけど。
……だいたい、アンタのいう『ねじれ』って、なにが基準なのよ。
勘だ。
勘かい。
後はノリも……いや、待て。
<ジョイスは廃材の一つを手に取ると、刺さったままのネジを眺めた。>
こ……こここここ……
このネジはあああああんんんっ!
廃材に締められたままだなんてー!しかも中途半端にーー!!
やっぱりこの島はねじれりゃああああーー!!
……………………
何と美しいィィ……シ、シリ、シリアルナンバーは…………4062……
<ラ・ヌーフの厭世>……お目にかかるのは二回目か……アアア、この気高いネジ山……!これぞ、4000番台の奇跡ィ……!
***
落ち着いたところで……説明してもらえる?
このネジはな……伝説のネジ職人集団の作品なんだ。
伝説のネジ職人集団……
ああ。<煉獄の螺旋>……彼らはそう名乗っている。
なにそのムダにかっこいい名前。
彼らが作るネジは高品質なのは勿論、独創的かつ美しいデザイン性をも有している。そう、それは正に工業芸術。
大量生産を好まず、決まった数だけを作製し、世に出しては消える。
そう、それは正に神出鬼没。それが煉獄の螺旋だ。そして俺は……彼らを探している。――夢を叶える為に、な。
弟子入りして修行したいってワケね。
そういう事だ。…………さて、諸君。
<ジョイスは工具を取り出した。>
伝説のネジをフヒ、今からフヒヒ、フヒヒヒヒ……
(取りはずすのね……)
思い出4
今日はアンタに聞きたいことがあるの。
なんなりと聞いてくれ、ねじれマイスター。
すっかりアタシはねじれマイスター!!!
(ツッコミ……なの!?)
あのね、アンタのネジ愛のルーツを教えてほしいのよ。
わかった。俺のねじれた昔話をしてやろう。
……幼い頃から、機械いじりが好きでな。服はしょっちゅう油まみれ、手も顔もまっくろ。そんな子供だった。
転機が訪れたのは10歳の時だ。
俺は近所にある公園の時計台を勝手にバラしていた。
が、コイツが中々のクセもんでな。バラしたのはいいが、元に戻せなくなっちまった。
途方に暮れていると、一人のおっさんが俺の所へとやってきて、何も言わずに時計を組み立て始めた。
……鮮やかな手さばきだったよ。神がかっていた、と言ってもいい。
おっさんはあっという間に時計台を直すと、最後のネジを指でつまみ、俺に向かってこう言った。
『たった一つのネジが、世界を救うことだってある』
おっさんはそのネジを俺に渡すと、何事もなかったかのように歩き去った。
……雷に打たれたような強い衝撃が、いつまでも体の中に残っていた。
そうして、俺はネジに目覚めたのさ。
ゴメン、おっさんのインパクトが強すぎるわ。
あの、もう一つ聞いていいですか。
いいだろう、ねじってみろ。
前から気になっていたんですが……
その体の傷は、一体……
頭に刺さったネジも気になるわね。
剌さってはいない。くっつけているだけだ。
ネジが好きだとひと目でわかるだろ。
そ、そうですね……
これは正確には<ボルト>だな。
あ、あの。言いたくないなら、いいんです。
いや、言う。……ネジの気持ちになりたくてな。
人ひとり入れる程のネジ穴を作って、ぐるぐると回ったんだ。その時に負った傷だ。確か16の時だったか。
で、ネジの気持ちはわかったの?
なんとな~く。
思い出5
ジョイスおじさんの町工場見学~♪
今日は皆に、ネジが出来るまでを見てもらうからね。皆、しっかりとねじれるんだよ。
…………
<ジョイスは上半身をねじった。>
クラフトメ~ン。
……工場長ー!!連絡したジョイスという者だー!!
課長 | 工場長 |
「メーカーに連絡はついたか!?
「はい! ……ですが、別の島から取り寄せる必要があると……!
「それでは間に合わん! ……修理工の方はどうだ!?
「それが……ワイハの島で休暇中らしく……
「クソったれーーー!!
な、なんか、バタバタしてるわね。
工場長。一体何か起きているんだ?
「ん!? ……ああ、もしかして見学希望の人たちか?
申し訳ないが、キャンセルさせてくれ。
最悪のタイミングで機械が壊れてな。それどころではないんだ。
修理屋ならここにいるぞ。ねじれにねじれた修理屋がな。
「何!? 圧造機を直せるのか!?
あつぞーき?
ネジの原型を作る機械だ。
何度か修理した経験がある。すぐに取り掛かろう。
「おお!! 頼む!!
***
ジョ、ジョイスさん…………直せそう、ですか……?
チャック装置に異常は認められない…………違う、これじゃない。
パンチヘの偏荷重か?や、だとしたら肉が偏るはずだ……それも違う……
そもそも原因は圧造ステーションなのか……?もっと別の所に……いや、しかし……
……キビしそーね……
「……このままでは、納期に間に合わない……
……工場長。直すさ。直してみせるさ。絶対に。
……絶対に!
思い出6 (友情覚醒)
何だこの光は……
……!!
思考が、冴えていく……いや、ねじれていく!!
わかる……わかるぞ!
<ジョイスはもの凄い速さで圧造機を修理してゆく。
そして――!>
修理完了だ。工場長、確認してくれ。
「…………………………!!直った、直ったぞ!!
やった!
ありがとう、主人公。お前のねじれフラッシュに助けられたぞ。
「ありがとう、本当にありがとう……!いま、修理代を……
いや、いい。俺も勉強になったからな。
「それでは私の気が済まないのだ。……そうだ!ちょっと待っててくれ!
***
「これを君に。
<しばらくして工場長は戻ってきた。
――手のひらに、一本のネジを乗せて。>
……? このネジは……
このネジはあああああんんんんんんぬほっへええ!!
シ、シリアルナンバー25……<天蓋の慟哭>……
しょしょしょ……初期ロットおおおおおおお!!!!
<ジョイスの目から涙が噴出した。>
「はっはっはっ、君は本当にネジが好きなんだな。
こうでゆぉうとう……こへほ、どほでえ……
「私がまだ見習いだったころ、ある男性がくれたものなんだよ。
『俺のネジ道の幕が上がった。記念にとっておけ』……そう言ってな。
去り際に放った言葉も、実に印象的だった。
『たった一つのネジが、世界を救うことだってある』
!!!
え……それって……
「彼と彼のネジが伝説になるのに、それから長くはかからなかった。
そ、それじゃあ……俺があの日出会ったおっさんは……
「……もしかすると、伝説を継ぐのはジョイス君、君なのかもしれないな……
…………
皆。聞いて欲しい。
俺は……ネジで世界を変えたい。
そしてその為に、<煉獄の螺旋>を――
おっさんを、探し出す。……だから……
私たちでよければ、お手伝いさせてください。
どんなおっさんなのか、気になるしねえ。……あ、もうおじいさんか。
おおう! そう言ってくれると思っていた!さすがはねじれる仲間達だ!
<ジョイスは上半身をねじった。>
クラフトメ~ン。
ツイステッド・クラフトマン
その他