【白猫】ジョイス・思い出
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修理屋兼ネジ職人 ジョイス・ジネリ cv.新垣樽助 修理業の傍らネジを開発する職人。 ねじれた日々は今日も続く。 |
思い出1
……やあ、君達。
修理屋兼ネジ職人。
ねじれにねじれたネジ男、ジョイス・ジネリだ。
夢があるんだ。ねじれた夢が。
これまでにない、画期的なネジを開発したいんだ。
ねじれた世の中に多大な貢献ができるようなネジを、ね。
<ジョイスは上半身をねじった。>
……さて。お近づきの印に、君達のねじれ度を測ってあげよう。
<ジョイスは手に持っている巨大なペンチ越しに、主人公たちを見すえた。>
"君"は……まあまあ、だな。
お嬢さんは……そこはかとない、といった所か。
君はあっ!!??
何というねじれ度だ!! 君こそ、君こそ……
ねじれマイスターではないか!!
思い出2
い~ろんなネ~ジ~を~、あーいーしーてーる一♪
ネジネジネジネジネジネジネジネジ♪
何か修理して欲しいものはあるか?
そしてそこには……ネジがあるっっ!!
<ジョイスは上半身をねじった。>
<アイリスは<ルーンカメラ>を持ってきた。>
……ふむ。
……ふむうん。
……ぬむふぅぅん……
<ジョイスはせわしない手つきで工具を取り出し、
<ルーンカメラ>に取り付けられたネジを緩め始めた。>
<――ネジが外れた。>
<ジョイスはネジを締め始めた。>
久しぶりじゃないかあ、君ぃ……よしよしよしよし、よーし……
思い出3
どうやらルーンを固定する部品にヒビが入っているようだな。
修理をすれば~♪
ネジに出会える~♪
ボボボボルボルボルボルト♪
<ジョイスはくねくねと飛行島を歩き回りはじめた。>
……だいたい、アンタのいう『ねじれ』って、なにが基準なのよ。
<ジョイスは廃材の一つを手に取ると、刺さったままのネジを眺めた。>
このネジはあああああんんんっ!
廃材に締められたままだなんてー!しかも中途半端にーー!!
やっぱりこの島はねじれりゃああああーー!!
<ラ・ヌーフの厭世>……お目にかかるのは二回目か……アアア、この気高いネジ山……!これぞ、4000番台の奇跡ィ……!
***
大量生産を好まず、決まった数だけを作製し、世に出しては消える。
そう、それは正に神出鬼没。それが煉獄の螺旋だ。そして俺は……彼らを探している。――夢を叶える為に、な。
<ジョイスは工具を取り出した。>
思い出4
……幼い頃から、機械いじりが好きでな。服はしょっちゅう油まみれ、手も顔もまっくろ。そんな子供だった。
転機が訪れたのは10歳の時だ。
俺は近所にある公園の時計台を勝手にバラしていた。
が、コイツが中々のクセもんでな。バラしたのはいいが、元に戻せなくなっちまった。
途方に暮れていると、一人のおっさんが俺の所へとやってきて、何も言わずに時計を組み立て始めた。
……鮮やかな手さばきだったよ。神がかっていた、と言ってもいい。
おっさんはあっという間に時計台を直すと、最後のネジを指でつまみ、俺に向かってこう言った。
『たった一つのネジが、世界を救うことだってある』
おっさんはそのネジを俺に渡すと、何事もなかったかのように歩き去った。
……雷に打たれたような強い衝撃が、いつまでも体の中に残っていた。
そうして、俺はネジに目覚めたのさ。
その体の傷は、一体……
ネジが好きだとひと目でわかるだろ。
人ひとり入れる程のネジ穴を作って、ぐるぐると回ったんだ。その時に負った傷だ。確か16の時だったか。
思い出5
今日は皆に、ネジが出来るまでを見てもらうからね。皆、しっかりとねじれるんだよ。
<ジョイスは上半身をねじった。>
……工場長ー!!連絡したジョイスという者だー!!
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課長 | 工場長 |
「メーカーに連絡はついたか!?
「はい! ……ですが、別の島から取り寄せる必要があると……!
「それでは間に合わん! ……修理工の方はどうだ!?
「それが……ワイハの島で休暇中らしく……
「クソったれーーー!!
「ん!? ……ああ、もしかして見学希望の人たちか?
申し訳ないが、キャンセルさせてくれ。
最悪のタイミングで機械が壊れてな。それどころではないんだ。
「何!? 圧造機を直せるのか!?
何度か修理した経験がある。すぐに取り掛かろう。
「おお!! 頼む!!
***
パンチヘの偏荷重か?や、だとしたら肉が偏るはずだ……それも違う……
そもそも原因は圧造ステーションなのか……?もっと別の所に……いや、しかし……
「……このままでは、納期に間に合わない……
……絶対に!
思い出6 (友情覚醒)
……!!
思考が、冴えていく……いや、ねじれていく!!
わかる……わかるぞ!
<ジョイスはもの凄い速さで圧造機を修理してゆく。
そして――!>
「…………………………!!直った、直ったぞ!!
「ありがとう、本当にありがとう……!いま、修理代を……
「それでは私の気が済まないのだ。……そうだ!ちょっと待っててくれ!
***
「これを君に。
<しばらくして工場長は戻ってきた。
――手のひらに、一本のネジを乗せて。>
このネジはあああああんんんんんんぬほっへええ!!
シ、シリアルナンバー25……<天蓋の慟哭>……
しょしょしょ……初期ロットおおおおおおお!!!!
<ジョイスの目から涙が噴出した。>
「はっはっはっ、君は本当にネジが好きなんだな。
「私がまだ見習いだったころ、ある男性がくれたものなんだよ。
『俺のネジ道の幕が上がった。記念にとっておけ』……そう言ってな。
去り際に放った言葉も、実に印象的だった。
『たった一つのネジが、世界を救うことだってある』
「彼と彼のネジが伝説になるのに、それから長くはかからなかった。
「……もしかすると、伝説を継ぐのはジョイス君、君なのかもしれないな……
皆。聞いて欲しい。
俺は……ネジで世界を変えたい。
そしてその為に、<煉獄の螺旋>を――
おっさんを、探し出す。……だから……
<ジョイスは上半身をねじった。>
ツイステッド・クラフトマン
その他