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【黒ウィズ】リヴェータ・イレ

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

リヴェータ・イレ cv.日笠陽子
2014/05/16

覇眼戦線1

蒼朱の覇眼(3500万DL)

覇眼戦線2


バックストーリー


「威風堂々」という言葉がここまで似合う少女が、他に存在するだろうか?

数十人の屈強なる軍兵を湧然と従えて歩く、その少女の名は、リヴェータ・イレ。

現世を煉獄に変貌させる戦慄の傭兵団「ハーツ・オブ・クイーン」の総司令官だ。


冷血なる深蒼の瞳は、対敵に畏怖を刻み込む暴君としての冷酷さを。

煌く黄金色の瞳は、幾度の殲滅を繰り返せども尽きぬ激情を湛え――


「恐怖で叫んだ奴から殺しなさい! 叫ばない奴は、私がたっぷり拷問して……ふふっ」


――彼女の無邪気な微笑みは、いつだって真紅の災禍の予兆なのだ。



第2回「黒ウィズ精霊グランプリ」TOP3

【第3位】2014/10/31


決戦を目前に控え、煌眼の女王リヴェータ・イレは、自ら率いる傭兵団ハーツ・オブ・クイーンを婢睨した。はるか遠くまで続く隊列を見据え、彼女は叫ぶように言い放った。


「お前たちの瞳に、恐怖が見える!」


瞬間、ざわついていた場が静まり返り、数千の瞳がリヴェータを捉える。その視線に応じるように、彼女は煌眼を赤く灯した。


「……お前たちの瞳に、敵への恐怖が見える。あらゆるものへの恐怖が見える。

敵の剣、敵の斧、敵の槍、敵の棍棒、敵の矢、あらゆるものがお前たちに恐怖を与えるだろう。

恐怖は、お前たちのあらゆる心を、根こそぎ折りに来るわ。

恐怖にとりつかれたお前たちは、手にした武器を投げ出したくなるだろう。敵に背を向け逃げたくなるだろう。戦友を裏切りたくなるだろう。

……私もそう。恐ろしいものからは、すぐに逃げたくなってしまう」

うつむき、リヴェーダは眉根を寄せた。

彼女は思い出していた。かつて自分が徹底的に敗北した、あの青い光を。


「負けるかもしれない。傷つくかもしれない。恥をかくかもしれない。

戦友を失うかもしれない。かつての戦友と、戦わなければならないかもしれない……。

だが!! この世界で最も恐ろしいものはなにか、貴様達は知っているだろう!!」


胸底から這い上がる屈辱的な敗北の味を噛みしめるように、リヴェータは歯を軋らせながらムチを振るう。世界が悲鳴を上げたかのような風切り音が響き、それに呼応して兵士全員が足を掴み鳴らし、関(とき)の声を上げた。


「そうだッ!! 貴様達が恐怖していいのは、私だけだッ!! この、リヴェータ・イレの煌眼だけだツ!!」


少女は、ただただ叫んだ。自分の恐怖を拭い去ろうとするかのように。


「お前たちのくだらない恐怖は、全部私が背負ってやる!! だからお前たちは前を向き、武器を取れ!! 今日は恐怖で逃げる日ではない、戦って、勝つ日なのだから!!」


「応ッ!!」


声と同時に、もう一度兵士たちは足を踏み鳴らした。大地が揺れ、空間が軋む。


「行くわよ、ハーツ・オブ・クイーン!! お前たちは私の心臓だ、手足だ、武器だ!! 敵から逃げることは絶対に許さないわ!! 前進せよ、ただ私だけのために!!」

「おおおおおおお!!!!」


爆発的に上がる士気に、リヴェータは油足そうに笑うと、ムチを束ねニヤリと笑う。

空には血のような西日が蜘えていた。繰り返された戦いが、今ふたたび始まる。



夏休み


「アッハッハッハ! 苦しめ、もっとよ!」

大きな笑い声が、粗雑に作られた木造家屋の中に響く。

「ハーツ・オブ・クイーン」の総司令官であるリヴェータは、眼前で苦しむ兵士たちに向けて苛虐的な笑みを浮かべていた。

「む、無理です、私にはもう……!」

一人の兵士がリヴェータに向けて哀訴の表情を向ける。目には涙を浮かべ、口元は赤く染まっていた。

「……弱音を吐く奴はいらないわ。連れて行きなさい!」

「な……! そんなッ、そんなバカな、リヴェータ様、リヴェータ様ァァァア……」

聞こえる必死の叫び声は、やがて小さくなり消えていく。やがて飛沫の音が遠くで聞こえ、その兵士は水中へ沈んだ。

今まで仲間だった人間が、無慈悲に仲間を切り捨てていく……

そんな様子に、周囲の人々は総毛立った。


「ぐっ……!」

今まで必死に耐えてきたのだろう。頭を抑え、またひとり兵士が倒れた。

「そうです、もうコレ以上は、ジミーが、ジミーが!」

泡を吹いて倒れているジミーと呼ばれた兵士を抱きかかえ、彼は必死にリヴェータに懇願する。

「もうやめてくれ、総司令官! もうコレ以上はジミーが保たないんだ!」

「お願いしますリヴェータ様、コレ以上は! コレ以じょ」


「そういうのいいから」


「ヒィッ!」

リヴェータの氷よりも冷たい言葉に、脊髄反射で兵士たちは後ずさる。

彼らは知っていた、これが彼女が本気で怒っている時の声だと。


「あなた達、わかる? これは私が用意したものよ。それを……なに? 『もう無理』?」

リヴェータは言いながら、手にした杖から伸びる飾り紐を、ムチに見立ててヒュンヒュンと振り回す。

「ジミーが、なんですって?」

黒いヒールが床を打ち据え、ガツン! と威圧的な音を響かせた。

「挙句の果てに……『コレ以上はいらない』?」

赤い左目から、燐光が吹き上がる。


「かき氷程度で伸びてんじゃないわよ! 奢りだって言ってるでしょ!?」


周囲にはかき氷のカップが山のように積まれていた。

「ハーツ・オブ・クイーン」の幹部たちを連れて慰安旅行へと繰り出した彼女は、奢りと称してかき氷地獄へと彼らを突き落としていたのである。

腹を抑える者、頭痛を訴える者、急激な体温低下に歯の根が合わない者、そして海へと沈んだ者……脱落者は数知れず、それらの屍を超えてきたジミーも既に限界を迎えていた。

「ぐふ」

「ジミーッ!! おお、ジミーッ!!」

「あのぅ、お客様、もう当店には氷がn」

「よし次! 次の海の家に行くわよ!」

店員の言葉を合図にして、リヴェータの杖が次の標的を指す!

青ざめる兵士! ホッとする海の家店主! そして引きつる次の海の家店主の顔!

「まだ夏は始まったばかりよ! さあ、ついてきなさい!」

「ジミーッ!」

リヴェータは倒れたジミーを引きずりながら、笑う。


――彼女の無邪気な微笑みは、いつだって真紅の災禍の予兆なのだ。


覇眼戦線

2015/01/14



遠くから響くジミーのギターの音を聞きながら、私は皆から離れた水場で青い月を見上げていた。

「……へっくち!」

少し肌寒い風が吹いて、思わずクシャミが出る。うー、と唸りながらテントに戻ろうとした時、ふとゲルデハイラが騎獣に乗ってこちらに歩いてくるのが見えた。

「おお、リヴェータ。なんじゃお前、鼻が赤いぞ」

「「寒くてクシャミでた」

 「……ん?」

言葉と一緒に、ゲルデハイラは首をかしげながら手を差し伸べる。私はそれを掴んで、ゲルデハイラの前に飛び乗った。ごわごわした毛の感触が楽しくて、思わず私は騎獣にうつ伏せに顔をうずめる。

「はは、あったかかろ? こいつはこの時期重宝するでな」

「んあー……確かに。これは寝ちゃいそうだわあ……」

「はっはっは! テントまで運んでやるから、今日はもう休め。月も、もう見飽きたじゃろ」

「んー」

騎獣に顔をうずめたまま、私が生返事を返すと、ゲルデハイラはぽんぽん、と私の背中を叩いた。


テントに着いて、私は寝床に潜り込むと、荷物の中からボロボロの日記を取り出す。

私が故郷に居た頃は毎日書いていたけれど……今はもう、つけていない。ルドヴィカが皆を焚き付けて、お父さまを手にかけた時から。

それに私の故郷も、もうこの世界には存在しない。


……私は今でも、なんでルドヴィカがあんなことをしたのかがわからない。

今までずっとずっと「なんで」「どうして」ってグルグル思いつめてたけど、ウィズちゃんを連れた、あの魔法使いが言っていたように、話をすればわかるのかな、って最近は思ってきた。

イスルギとアマカドの確執とか、そういうのも聞いてみれば私が入る余地なんてなかったし、ガンドウの仲間がもうほとんど狩り尽くされちゃったっていうのも、最近知った。


なんていうか、聞かなきゃわかんないこともあるんだな、って思った。


だから、私はルドヴィカに聞き続けようと思うし、喋るつもりがないならぶん殴ってでも吐かせようって思ってる。

顔を見るだけで腹立つし、見下されんのは未だにハラワタ煮えくり返るけど、我慢するのも大事だってガンドウは言ってたし、ちょっとくらいは皆の言うこと聞いてもいいかなって。


……思い返せばさ、私、いろんな人に助けられてたんだなぁ。

私たちは曲がりなりにも傭兵団だから、お金で味方してくれてる人もいるのは理解してる。

でも、そうじゃない人達……たとえばゲルデハイラとか、ガンドゥとか、アマカドとか、ジミーとかには、本当に感謝してもしきれない。


ジミーはいつか言ってたわ。「ひとりでは出せない和音があるんだ」って。

多分人生って、そういうもんなのよね。


……だから、私はルドヴィカを許さない。私をひとりにした、あの女を。

青い孤独の色に染まって、私を見下ろしていやがるあの女を、絶対に一度ぶん殴ってやるんだ。


少しずつ、私達は強くなってきてる実感がある。

ダリク砦でも勝つことが出来たし、私の『煌眼』もやっと目覚めてくれた。

だから待ってなさいルドヴィカ。アンタの腹立つ澄ましたその眼を、私がもう一度目覚めさせてやるんだから。










人物紹介
画像説明
リヴェータリヴェータ・イレ cv.日笠陽子
ガイアスガイアス・エクレール
ゲルデハイラゲルデハイラ・アルバ cv.橋本ちなみ
アマカドアマカド・ヒメザクロ cv.矢作紗友里
カトレア・ラインハルトカトレア・ラインハルト
ガンドゥガンドゥ・ギギライ cv.市川太一
アイリス・ランティアアイリス・ランティア
ジミージミー・デヴィス cv.大河元気
マイアマイア・スティルマ cv.和久井優
ルドヴィカルドヴィカ・ロア cv.小林ゆう
ヤーボヤーボ・ブラックモア cv.泰勇気
イスルギイスルギ・ユスラウメ cv.本泉莉奈
オーリントールオーリントール・バイア cv.粟津貴嗣
アシュタルアシュタル・ラド cv.日野聡
ルミアルミア・スア cv.矢作紗友里
アリオテスアリオテス・ゲー cv.内田 雄馬
父の仇を討つために、まずは強くならなければと考えたアリオテスは、なんと父を殺した男に弟子入りすることを決意する。
カノンギンガ・カノン cv.斎賀みつき
イリシオスイリシオス・ゲー cv.大泊貴揮
エスメラルダエスメラルダ・アウルム cv.折戸マリ
アーサー・キャメロットアーサー・キャメロット
ウラジアウラジア・カタル cv.粟津貴嗣
セリアルセリアル・ノト cv.山本希望
ハクアハクア・デスサイス cv.原由実
メンジャルメンジャル・アンフ cv.市川太一
ドゥパンドゥパン・ギギライ
ベベルベベル・ヴォルガノン cv.景浦大輔
ミツィオラミツィオラ・スア cv.泊明日菜
リラリラ・ゲー cv.藍原ことみ
オリアンヌ・ルガオリアンヌ・ルガ
リーブリーブ・エクレール cv.景浦大輔

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