チャッピー・思い出
最強を目指す半獣少女 チャッピー・ウォン cv.春野杏 動物界最強を目指す半獣の少女。 | ||
2015/12/24 |
メインストーリー
思い出1
おっす! 自分は拳法家のチャッピーと申すものです! お世話になります!
いらっしゃ~い、元気な挨拶ね~。
おっす! 挨拶は<リーグンドー>の基本でありますから。
りーぐんどー?
無形の構えを旨とした、唯一無二の拳法です!
<人間のような姿をした少女は獣の耳をピンと立てる。>
自分の夢はこのリーグントーを極め、動物界最強になることです!
おっ、おおきくでたわね~。
とはいえ言うは易く、行うは難しです。
日々の鍛錬をおこたれば、それだけ夢は遠ざかっていくのです。
そのとおり! いいこと言ったわ!
チャッピーちゃんは普段、どんな鍛錬をしてるの?
ドングリを蹴ったり、ドングリを殴ったり、ドングリを投げたりしています。
なによそれ……そんなんで強くなれるわけ?
リーグンドーの極意は素手でドングリを割ることだと、師匠から教わりました。
これはその基礎練習です。
それを極めて最強に……?
むう! そんなに疑うのであれば見せてやりますよ! リーグンドーの真髄を!
<チャッピーがドングリを握りしめた。>
…………
はああああああっ!
握りつぶす気だわ!?
むううううううっ!
そうなの? さっきからびくともしないけど……
んんんんんんん!!
ちょっと大丈夫!? 顔赤いし、ほっぺたパンパンよ!
うっ……!?
げっ!?倒れた!
ぐうう……息するのを忘れてました……
まったく、これじゃ先か思いやられるわね~。
ふう……最強への道は遠いのです……
思い出2
…………
モモンガーッ!!
<チャッピーか謎の掛け声と同時に、強烈な蹴りを大木に浴びせた。>
ふっ! はっ! とおっ!
<降り往ぐドングリの雨を、一つーつ見極めてかわしていく。>
あいたっ!!
うぅ~……21個が限界のようです……
ふむふむ。やってるわねリーグンドー。
!? どうやら情けない姿を見られてしまったようですね……
情けなくなんてないわ。毎日鍛錬をかかさないなんて立派よ。
いえ、自分はまたまだ修行の身……最強への道は遠い……
ドングリに意味があるかはおいといて、チャッピーはどうしてそこまで強くなりたいの?
…………
数年前、魔獣によってすみかを奪われたのです……自分が弱いばかりに……
あのとさは震えて逃げることしかできませんでした……それが悔しくて……
そうだったのね……
それで自分は誰にも負けない強さを求め、ある拳法家に弟子入りを志願したのです。
例の師匠ね~。すいぶん変わってるみたいだけど、何者なの?
師匠はコロポックルの森を救った英雄なのだそうです。親戚のリスネズミに教えてもらいました。
なんでも、ドングリだけで魔獣を追い払ったとか……
あのさ……それってほんとうに魔獣なの? フクロウとかキツネなんじゃ……
むう! なんでそうやっていつも疑うのですかキャトラさん!
どう考えてもおかしいからよ! アンタも少しは疑いなさいよ!
いいじゃない、キャトラ。純粋なところがチャッピーの可愛いところよ。
むう! むう! むうううう!!!
!? チャッピーのほっぺが膨らんでるわ!
ぐうう! ぐうう! ぐうぅぅ……
お願いだから息を吸って! このままじゃまた倒れて……あっ。
……もう、キャトラ。
えっ? アタシのせいなの?
思い出3
がぼがぼ、ぼぼが、がぼぼぼぼ……
<チャッピーが池の真ん中で溺れている。>
な、なにやってんのよチャッピー!?
大変っ! 助けなきゃ!
手出しは無用です!
どうしてよ!?
『ドングリシンクフィール』……自分は今、ドングリを感じているがぼぼぼぼ!
はあ?
師匠は言いました……お前はドングリのことを考えすぎて本質が見えていないのだと……
なのでこうして、がは、無心になり、池に浮いているのでぶくぶくぶく……
溺れてるじゃない!
泳ぎは苦手ばぼべす!
だったらやめときなさい!
最強になるばべです!
むむむ……こうなったら意地でも引き上げてやるんだから!
待ってキャトラ! あれを見て……!
<通りすがりのドジョウが、チャッピーに近づいた。>
これってもしかして……もしかして……
ドジョウがドングリに挨拶するっていうあれじゃないかしら!
なにを言ってるのキャトラ……
な、なにをするのですドジョウさん! 離れてください! 鍛錬の邪魔です!
……そんなわけないか。
あははは! くすぐったい! や、やめて、やがぼぼぼぼ……
きゃあー!? チャッピー!!
この努力は報われるのかしらね……
思い出4
はああああああっ!
ドーーーーンッ!!
<チャッピーが拳を岩に突き立てた。>
グリグリグリー!!!!
<そのまま拳を高速回転させ、岩を粉砕した。>
こお……
おっす!
すごいわね……今の技はなに?
ドーンと拳を突き出し、グリグリっと回す……その名も<ドングリ正拳>です。
んん? ふつう、突き出すと同時に拳を回すんじゃないの?
理にかなってない気がするんだけど……
師匠にそう教わりましたので。
またそれか……
では、本番とまいりましょう。今度はこのドングリを割ってみたいと思います。
岩よりは簡単そうね。
こお……
<チャッピーは地面にドングリを置き……>
ドーーーーンッ!!
<拳を突き立てる!>
おおっ! 衝撃がこっちにまで伝わってくるわ……これは期待できるわね!
グリグリグリィィっったーーーーいっ!
まあ、そうなるわよね……当たりどころがわるいとね……
うう……まだまだ鍛錬が足りないようです……
…………
ねえ、チャッピー。言おうか言うまいか迷ったけど……やっぱり言うことにしたわ。
なんです?
それって<ボクシング>の技に似てるわよね? たしかコークスクリュー……
<ボクシングとは拳と拳をぶつけ合い、血の滲むような努力を競う過酷なスポーツである。>
ダメよキャトラ! 私もそんな感じかしてたけどここは黙って……
それにドングリシンクなんとかってやつもうさんくさいし……
なにをいってるのですか! リーグンドーは唯一無二の拳法なのです! ひどい侮辱です!
でもさ~……
むうううううう! そんなの信じません!
あっ、待ってチャッピー! もう、キャトラ……
思い出5
ドングリころころ……ころころころころ……
<チャッピーが転がってる……>
なにあれ……もしかして落ち込んでるのかしら?
ああ、みなさん……おっす……
いったいどうしたの?
キャトラさんがあんなこというものだから、師匠に思い切って頼んでみたのです……
リーグンドーは実戦でどのように役に立つのか、この目で見たいと……
それで……魔獣退治に森へ向かったのですが……
そしたら?
インチキでした!
師匠は自分をおとりにしてせっせと逃げました! フクロウじゃないなら倒せないって!
やっぱりか……それは大変だったわね……
おっす! 怒りを魔獣にぶつけてやりましたよ!
ひとりでなんとかできたんだ……
ひどいです……あんまりです……リーグントーを信じて厳しい鍛錬を積んできたのに……
それが全部……嘘だったなんて……
チャッピー……
そんなに落ち込まなくても、アンタはじゅうぶん強いわよ~。
最強じゃないとダメなのです!
必ずすみかを取り戻す! そう仲間と……約束したのです……
…………
負けるのが怖いのです……絶対の自信がほしいのです……
もう二度と……仲間が悲しむ姿を見たくないのです……
思い出6 (友情覚醒)
これは……<心・技・体>すべてがひとつになったような光……
自分は……なにに悩んでいたのでしょう……
リーグンドーのせいにして……自分の弱さから逃げて……
たとえインチキだったとしても、最強になればいいだけのことです!
その調子よ、チャッピー。
ごめんね……もとはといえばアタシか余計なことを言ったから……
その代わりといってはなんだけど、いいことを教えてあげるわ。
いいこと……?
ある国にこんな言葉があるの。『小さな一撃の繰り返しがウッホを倒す』ってね。
一撃の繰り返し……
さあ、チャッピー! アンタが積み重ねてきた努力をドングリにぶつけるのよ!
…………
おっす!
<チャッピーはドングリを地面に置いた。>
考えるのではない……感じるのです……ドングリを!
…………
はあああああ!
ド―――ン! グリグリグリィィイイイッ!!!
<高速回転する拳が地面をえぐり、ドングリにひびを入れる。>
もう少しよ! 頑張って!
モ、モ、モモンガーッ!!!!
はあ……はあ……
<――ドングリが粉々に砕けている!>
やった……やったのです! ついに自分は、リーグントーの極意を会得したのです!
おめでとうチャッピー!
そのドングリはアンタの弱い心よ。それを砕くことができた今なら誰か相手たろうと敵ではないわ!
おっす! 師匠!
ふふふ♪ 頼もしいわねキャトラ師匠♪
信じる力を積み重ねていくこと……それこそが最強の極意……最強の真髄……最強の……
リーグンドーなのです!
リーグンドーを極め者 チャッピー・ウォン
その他