【白猫】ガールミーツSHARK Story3
2019/08/13
ガールミーツSHARK Story3
後日談
目次
登場人物
フィオナ
ピアナ
シルヴィア
リルテット
シャルロット
メッサー
story10 ワシャツミ
待てやコラァッ!
こっちの道であってるんですか!?ねこのカンをしんじなさい!
どういうことだよこれはー!
…………
……
フィオナさん、どうですか?
だいたいの仕組みはわかったわ。
この兵器――ワシャツミは、本物の魚と同じように、生き物を食べてエネルギー源とすることができるの。
すごい技術ですね……
一番すごいのは自律型ってことよ。自分で考えて行動できるんだから。
……メッサーくん。人間が食べられたって話、くわしく聞かせてくれる?
……理由はわからないけど、ワシャツミは、すてられちゃったたんだ。
だから、海の底で、ずっとねむってた。
そこに人間がやってきて、エサになってしまった……
……暴走したのは、そのせいなのかもしれない。
ワシャツミは、にんげんだけをエサにするって決めた。
<鮫宮>は……そのためのシステムなのね……?
ワシャツミは、オトサメ族のだいじな家……だからみんなも、したがったんだ。
ぼくのやくめは……にんげんをだまして……つれてくること……
…………
!
どうやら……すべて知っちまったようだナァ?
……まだ、わからないことがあります。私たちをもてなした理由です。
調理よ。
えっ?
『エサに無駄なストレスを与えてどうする』――メッサーくんをいじめてたサメが言っていたでしょう。
私たちは、より美味しく食べられるように、調理されていたの。
争い、不平、不満、シャクレ。それらと無縁になった人間は、極上のエネルギー源になるのでございます。
だからシャクレってなによ……
ホント、見ていて飽きないわ。全部その気になって、しあわせそうに笑ってるんだもの。
……?
<鮫宮>の街は……ワシャツミが作りだしてる幻なんだ……プールも、おんせんも、食べものも、ぜんぶ……
うそでしょう……
まるで本物にしか感じなかったわ……!
感心してる場合で感心してる場合では……
!
ほらみなさい!おおあたりよ!
みなさん!
ピアナ、リルテット!ミッション成功ね!
でも、いっぱい引き連れてきちゃいました……
うぉい!いいかげん説明してくれっての!
ぜんぶワナだったってことです!
マジかぁ!
ふふふふふ……
フィオナはなんでうれしそうなの?
一流の探検家はね、トラップを楽しむの!
これでこそ探険よ!これでこそ探険よ!
さあ、いい加減、ワシャツミのエサになってもらうわよ。
みんな、サメたちをお願い。私は脱出路を探すわ!
了解です!
ちくしょー!誰かあたしの涙をふいてくれー!ちくしょー!誰かあたしの涙をふいてくれー!
さあ……年貢のおサメどきだぜッ!
やかましいわ!
ものすごい囲まれてます!
全員蹴散らす。
涙が止まらねーよー!
お気を確かに……!
早く脱出経路を見つけないと!
バカンス執行妨害で逮捕。
怪盗の力をお見せします!
ちくしょー、嘘だといってくれー!
泣きながら戦ってる……
脱出路、脱出路……!
story11 ファイナルサメ退治
サメ肌、全開ッ!
<ファイナル・サメネード>!
<ボーイ・ミーツ・ジャーク>!
<メガシャーク・フライハイ>!
技名がもれなくダサい!
お前らのこと、信じてたんだぞー!
なかなかやるじゃネェか、シャクレット。
シャルロット!
……で、なんでメッサーをかばってる?
…………
そいつはテメエらをここに連れてきた張本人、いや張本ザメなんだぜ。
テメェらの親切心を利用してな!
……無理やり従わせていたのではありませんか。
そこがミソなんだよ。
……?
マジでいじめられてるほうがリアリティがあるからな!
……っ!
シルヴィアおねえちゃん……
……メッサーくん。あなたは、かっての私と似てる。
え……?
だからこそ……あなたにも、変わってほしいと思う。
…………
おい、ワシャツミ!
『機能維持に関わる重大な脅威を検出しました。<ワシャツミ・マークⅡ>を起動します。』
ま、まーくつー?
ワシャツミのリーサメウェポン。サメない悪夢よこんにちは……ってね。
やかましい!
わかったわっ!
?
排水孔よ!ワシャツミには、海水を体外に排出するためのパイプが張り巡らされてる!
そこからなら脱出できるわ!
『ワシャツミ・マークⅡ起動中。オトサメ各員は援護に回ってください。』
じゃ、さっさとサメ退治を終わらせようか。
メッサァーッ!
!
とっととこっちへ来い!このウスノロザメがッ!
さあ、メッサーくん!勇気を出して!
聞いてんのかよ? オイ!
しゃうっ!
グハッ!
ぽ、ぼくは……ぼくはもう、おまえたちのいいなりにはならないぞ!
いいぞメッサー!それでこそ男だ!
『ワシャツミ・マークⅡ起動完了。排除開始。』
なんだろうと返り討ちにしてやんよ!かかってこいやコラー!
ヤケになったシャルのなんと頼もしいことよ……
リーサメウェポン……
油断はできませんね!
あたしがとっちめたらー!
なんと心強い……
うう、あのロボ、調べたい……!
story12 こざめのカン
まったくシャクな連中だぜえーッ!
年貢をおサメたのはお前らだったな!ぐはははは!
よお……メッサー……
!
テメェも……シャクレ……た……じゃ……
うん……ぼく、シャクレたよ……
なんだか、連鎖しちゃってるわね。
イヤーな予感がします……
『コアの損傷を確認しました。オトサメ各員は修復を試みてください。繰り返します――』
やっぱりだーーーっ!
あーもう!とっとと出るぞ、こんなトコ!
ふふっ……それがね?
ここから一番近い排水孔の位置までは、特定できていないの。
つまり……
このままじゃ、海の藻屑よ!
そんなぁ!
メッサー、あなたはわからない!?
ご、ごめん、ぼく営業職だから……
ビジネスジョークとは大人になったものね!
んなこたいいから!どうする、もう時間ねーぞ!
ねこのカンでも、これはちょっとキビシそうよ!
…………
じゃあ、こざめのカンならどう?
えっ?
ぼくがみんなを、みちびいてみせるよ!
……考えてるヒマはなさそうね!
お願い、メッサーくん!お願い、メッサーくん!
あっ! これじゃない?
こざめのカンすごい!
中はきっと激流よ! みんな、入ったらこれに乗って!
バナナボート!?
どこから持ってきたのよ!
さあ……脱出よ!
みんな、急いでー!
メッサーくんも、はやく!
もっと詰めてくださ~い!
定員大丈夫かこれー!?
沈みませんように……
最終話 さらば鮫宮
うおぉぉぉぉ!もってかれる!体がもってかれるー!
あぁっ!み、みなさん……!
どうしたの!?
私たち……カニカマを食べてません!
!!
す、すっかり忘れてましたー!
アイリス、主人公!はやくカニカマ出して!
おい、あれ海じゃねーか!?はやく、はやくーー!
だめ、間にあわ――
てやーーーーっ!
みんな、無事!?
なんとか……
メッサーくんは?
へいきだよ!
見事な早食わせだったわね、キャトラ。
アタシのスピードでも、ギリギリだったわ……
……ほよ……腰が……痛いのう。
……シャルさん?
そうじゃ……わシャくしが公園……光焔の御子……
シャクレット……じゃ。
笑えない冗談はよしてくれる?
うはははは!
…………
……
でも私、思うのよ。オトサメの、あの言葉は――
人間を外に出さないための、まったくのデタラメだったんじゃないかって。
年を取るってことがですか……?
年老いてもいいという覚悟は、そうそう持てないわ。それにデタラメだと思っていても、外に出るには、かなりの勇気が必要よ。
言葉のマジック……いえ、言葉の呪いということですか……万匹」言葉のマジック……いえ、言葉の呪いということですか……
もっとも、ワシャツミに入った時点で、本当に呪いをかけられていた可能性もあるけどね。
ほんとうのこと、おしえてあげようか?
もう過ぎたことはいいって!ほら、今度こそ本物のバカンスを楽しもうぜ!
切り替え早いね、シャルは……
じゃあ、いまはひみつにしとく。また会いにきてくれたら、おしえてあげるよ。
これからどうするの?
ワシャツミでくらすよ。いまなら、いいおうちになる気がするんだ。
おさかなたちの楽園。海底遺跡<鮫宮>……ってね。
その前に遊んでくだろー?いっしょに泳ごうぜ、メッサー!
わーい!
なにはともあれ、調査は終了ね!今回もいい探険だったわ!
たいへんな探険だったわよ……
では、私たちもしきり直して――
遊びましょう!
ものども、いざバカンスよ!
ふぅー!