【白猫】ガールミーツSHARK Story2
2019/08/13
ガールミーツSHARK Story2
後日談
目次
登場人物
story6 救出と探シャク
……遅い。いくらなんでも遅すぎる。
……どうやらオトサメ族は、私たちを帰すつもりはないみたいね。
キャトラたちは捕まったとみて間違いないでしょう。
だったら、助けにいかないと!
フィオナ、どうする?
脱出方法を見つける必要もあるわ。救出と探索で分かれましょう。
キャトラたちの救出は、隠密行動が得意な人がいいわね。
! あ……あのう……私、得意かもしれません。
そうなの?
怪盗の技術が役に立つかと……
(……ってこれ、言っちゃダメなやつ!)
?
私も一緒に行く。得意ってわけじゃないけど、ピアナのフォローはできると思う。
たすかります!
……誰よりも<鮫宮>を満喫してるあの子が、話を聞いてくれるかしら?
私、ちょっと話してきます!
そんなの気のせいだし!だってみんなイイやつだもん!
歳を取るのが本当だったらどうするんですか!?
続いて二の腕をトリートメントいたしまーす♪
おねーさん、こっちの子もよろしく~♪
<サメプルシャークV>コースですね♪
ぶい!?
説得できませんでした!
肌がツルツル!
ぶい、すごかったです……!
しかたないわね。彼女にはギリギリまで遊んでてもらいましょう。
それから、メッサーくんのことなんですけど……
そういえば、さっきから見当たらないね。
私たちになにか伝えようとしてませんでした?
……ですから、心配で。
story7 恩シャはなし
こっちよ、シルヴィア。
……すみません。
ん?
いまのところ、いまのところ、頼りっぱなしだなあって。
私もなにか、お役に立てればよいのですが……
いいのよ、そんなこと。
……フィオナさんが、うらやましいです。
頭がよくて、博識で。なんというか……私とは、全然ちがうから。
……シルヴィアって、ずっとサタニアスにいたのよね?
……島を出たのは、つい最近なんです。
ですから、世間知らずといいますか……わからないことばかりで。
ちょっと、恥ずかしくなってきちゃいます。
うらやましいのは私のほうよ。
えっ?
なにかを知るよろこびが、あなたにはたくさんある。
…………
私が探検家を続けているのも、そのよろこびを、少しでも多く味わいたいからなの。
あせることなんてないと思う。自分の成長を、いまはただ楽しめばいいんじゃない?
……はい!ありがとうございます、フィオナさん!
ついたわ。……ここよ。
『この先、<鮫宮>保安制限区域により、関係者以外の立ち入りを固く禁ずる』
中を見せてって頼んだけど、許可してくれなかったの。
怪しさ満点ですね……!
まずは巨大サメ遺跡の構造を調べるわよ。
……あれ?扉がありませんね。どこから入るんでしょうか?
ふふん。これが寝ずに張り込んだ成果よ!
<シャシャシャークシャシャーク!メッサメサメサメサメッサ!シャメークシャメークメサメッサ、シャークシャクシャクメサメッサー!>
! 隠し扉ですか……
…………
……
だいぶ下まで降りましたね。
位置関係からして、サメのお腹あたりかしら。
この雰囲気……街の中とは大違いですね。
しゃう~~~~~!
この声は……メッサーくん!
おねがい! たたかないで~!
オメーはどっちの味方なんだ?アアン?
エサに無駄なストレス与えてどうすんだよ?オオン?
ただでさえ帰るって言いだしてんのにヨォッ!
しゃわわわ……
……待てよ。そういやコイツ、エサどもと一緒にプールで遊んでやがったな。
見たこともねえような顔してよ。
ウシャシャシャ! 冗談だろ!
ぼ、ぼく……
あ~ん?
もう、こんなことしたくないよ……
<メッサーはザメザメと泣いた。>
ジャかーしいわ!
メッサーくん!
お客さま……なぜこのような所へ……
取り繕わなくて結構。あなたたちの声、いい道しるべになったわ。
ならシャーねえな!
さあ、こっちへ。
お優しいネェ……
フィオナさん。どうやら、お役に立てるときがきたようです!
私がみんなをまもったらーーーい!
頼もしいわね。でも、私だって戦えるのよ!
汎用多目的作業用刀剣、モードチェンジ!――汎用多目的作業用双剣!
シャシャシャ……いますぐエサにしてやるよ!
<一方そのころ、シャルロットは――>
……決めたぞ、シェフ。
今日のランチも、やっぱりビーフがいい!
本日はシャトーブリアンのステーキをお召し上がりいただきましょう。
<鮫宮>最高!
いくわよ、シルヴィア!
はい、フィオナさん!
負けませんよ!
かかってきなさい!
story8 お姿拝シャク
……できた! ふふ、急いでつくったわりにはよくできてる。
よくできてるどころじゃない。……すごい技術。
美術品の修復もしてたので、手先は器用なんです。
……うまくいくかな。ちょっと自信なくなってきた。
大丈夫です!私を信じてください!
まさか、外の食べものを持ってたなんてな……
お疲れさまです。
ああ、お疲れ……お疲れさま!?
!!
お疲れさまじゃなくてお疲れサメだろうが!モグリかテメェ!
おっ、お疲れサメです!
なんか用か?
いま話してた人間のことサメ。……脱走したって聞いたでシャーク。
なんだって!?
…………
あのう……なにか話さないと、逆に怪しまれますよ?
学芸会では木の役を極めた。
木じゃなくてサメでお願いします……
ヤツらが逃げたって本当か!? 脱走したって聞いたぞ!
……まさか!
(よし! 扉がひらく……!)
あけてーーー!
いるじゃねえか。
キャトラさーーーん!
!!
(ギガミスった!)
お前……怪しいな。顔をよく見せろ。
(やばい……!)
お前もだ。こっちへ来い。
まずは相手の目をしっかり見て、『この人に笑ってほしいな~』って気持ちを胸に込めます!
あいさつで大切なのは元気さです! 明るくあいさつされて嫌な人なんてきっとどこにもいません♪
お疲れサメです!
!?
いきなりすみません。まずはあいさつが大事だと、教わったもので。
実は、私たち……オトサメの新卒なんです。
(オトサメの新卒ってなんですか!?)
新卒だったのか……
(通じてるー!)
ただいま研修中でして。本日は、警備のお仕事を学ばせていただこうと思っております。
……仕事のできる先輩方を前にして、大変、緊張しております。
シャシャ! そういうことかー!
一人前のオトサメになるために、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。
いまどきの新卒にしちゃ、なかなか礼儀正しいじゃねーか。気に入ったぜ!
よぉし。試しに見張りについてみろ!交代の連中には言っとくからよ。
<リルテットは鍵を受け取った。>
おら、いくぞお前ら!ジロジロ見てたら新卒が委縮しちまうだろうが!
お、おう……?
お疲れサメです!
新卒オトサメの役を極めた。
ありがとうございます、ピアナさん、リルテットさん!
リルテットさんが新卒でよかったです……
そういうことなの?
<一方そのころ、シャルロットは――>
……決めたぞ、シェフ。
デザートはメガビッグシャーベット&アイスにする!
歌とともに作りあげましょう。ミュージック、スタート!
らららグラスバニーユ♪らららソルベシトロン♪アイスはサメても愛サメない♪
<鮫宮>最高!
あとは合流するだけ。
急ぎましょう!
そろーり……
合流地点はどこ?
あ……決めるの忘れてた。
……マ、なんとかなるでしょ。
story9 シャクレWARNING
うぐ……テメエら、なかなかシャクレてんじやネエか……
シャクレてないわ。
だが……本番はここからだぜ……
ポチっとシャ!
『緊急警報。保安制限区域において非常事態が発生しました。繰り返します――』
シャークなダンスに狂っちまいナァ……
ダサい捨て台詞ね……
……サメたちがさますよ!
ふたりとも、ついてきて。……<鮫宮>の中心にあんないするよ。
ぜんぶ、そこにいけばわかる。じかんがない、はやく!
『緊急警報。保安制限区域において非常事態が発生しました。繰り返します――』
……もしかして、バレちゃいました?
ううん。……たぶん、フィオナたちよ。
……かくれて!
いいかお前ら! シャクレてけよ!
イエッシャー!
……見て。隠し扉に入ってく。
なあ、なにがあったん?せっかくアイス食ってたのに……
ちょうどいいところにきたわ!ほら、いくわよ!
いくってどこに?
あっ!エサどもが脱走してるぞーッ!
!
おわーーーっ!
…………
……
はじめてにんげんがここにやってきたのは、ずっとむかしのこと。
……食べられたのは、たまたまだったんだ。
<ワシャツミ>は……にんげんの味をおぼえた。そして――
いいエサになるって、きづいた。
どういうこと……?
<広大な空間の壁一面に、絵と文字がびっしり刻まれている。>
この古代文字は……確か……
フィオナおねえちゃん、よめるの?
なんとかね。設計図か何かかしら……?
……まんなかのおおきな壁、見てみて。
自律型移動要塞<ワシャツミ>……
この遺跡は、オトサメ族のご先祖がつくった、兵器なんだ……