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Wings of hearts 2 Story3

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

開催日:2018/08/31



Story18 あたしとあなた

Story19 戦いの時

Story20 その小さな手を

Story21 愛の翼

Story22 悪魔たち

Story23 幕切れ

最終話 ともに、生きていく



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story18 あたしとあなた




……私が死ねば、全部まるくおさめてくれる?

おやおや……

リサちゃん……?なにをいってるの……?

シルヴィア。……ごめんね。

どうして、あやまるの……!

あたしのお父さん。……ほんとうは、いないの。

……わけが、いないって、わからないよ。なに……?

あれえ、シルヴィアちゃん。知らなかったの?

だ、だって、リサちゃんのお父さんは、リサちゃんより遅れて到着して、朝から晩まで火山で働いて――

リサちゃんは、一人でここに来たんだよ。

お前、父親の姿を一度でも見たことがあるのか?

……うそよ。

……お母さんと同じ病気だっけ?そんな事も、あるんだねえ。

君。リサちゃんを見つけた時のこと、教えてあげてよ。

このガキは、死んだ父親を埋葬していました。

泣きながら穴を掘ってて。ああ、何かブツブツ言ってましたねえ。

『あたしもお父さんのように』とかなんとか。

…………

本当、なの?

だましてて、ごめんね。

『あたしもお父さんのように、最後の最後まで、笑って生きるから』

あたしは……そう誓ったの。

シルヴィア。あなたは、あたしと同じ。

え……?

最初にあなたの顔を見たとき、そう思った。

あなたの顔は、お母さんが死んだときの、あたしの顔だった。

……言ったよね。お母さんが死んでからも、お父さんは、ずっと笑顔でいてくれたって。

あたしを笑顔にしてくれたって。

……だから、今度は、あたしの番。

…………


「お父さんと一緒なら、寂しくないですね。

「うん!全然さびしくないよ!」


……あたしね。わかってた。ここにいても、すぐに死んじゃうってこと……

、いいんだ。……二人のところへ、行けるから。

いや……

……あの約束、覚えてあの約束、覚えてるよね。

強くなって、シルヴィア。あたしがそうなったように――

あなたも、前を向いて生きるの。

リサちゃんがいなきゃ……そんなの……無理だよ……!

……どうせ死ぬなら、あたしは、あなたに殺されたいから。

できないよ……!

……いいでしょ、エルゴラムさん。

うん、いいよ。君の望むとおりにしよう。

お願い、シルヴィア。あたしが死ねば、みんなが救われる。

いや……いや……!

さあ選ぶんだ、シルヴィアちゃん。リサちゃんを殺すか、他の人間を殺すか。

選べないなら、全員皆殺しだ。

お前らも、自由に発言していいぞ。どっちがいい?


「「「…………」」」

「――――――! ――!」

「――! ――――! ……――!」

<シルヴィアの耳を、様々な言葉が通り抜けた。>


――――――――! ――――……!

<恐怖が入り混じった言葉――>


……――! ――――――! ――――……!

<なにかを懇願するような言葉――>


――――!! ――――!!

<憎しみのこもった言葉――>


――――! $&%■○ッ!!

<呪いのようなおぞましい言葉を口にする者もいた。>

<そのすべての言葉を、シルヴィアは理解することが出来ない。>


いや、いや、いや、いやあっ!

<理解など、したくなかった。>

<漆黒の翼が、リサを包み込んでゆく――>

やめてぜ!こんな力、欲しくないの――!

「「「#▲$*●ッ!#▲$*●――ッ!」」」

<ドロドロの感情が、村の中に満ちる――!>

シルヴィア……お願い……

いやあぁぁぁ――!


ぼくの仮説は、やっぱり、正しかったねえ。

お見事です、エルゴラム様。

感じるかい、同胞たちよ。

この……大きく実った感情をぉ!

「「「おおおぉぉっ!」」」


これで、ぼくたちは――

安泰――だねぇ!


「それはどうかな。」




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story19 戦いの時




よおエルゴラム。久しぶりだなあ?

……レイン。

くうぅぅぅぅぅぅぅぅん!

エルゴラアァァァァァァッ!

やっぱり、来てくれたんだねぇ……遅かったじゃないの……

ってことは、どうやら織り込み済みらしいな?

クソ天使が来るのも、俺が来るのも。

ちみたちがぁ……邪魔しに来ないはずはぁ……ないからねえ……

(何だ……?)

だからどうせなら……ぼくのフィールドで……戦いたいじゃない?

上等だコラァ。

……シルヴィアさん。しっかりしてください!

う……うぅ……ルカ……さん……

しっかりせんかあっ!

お前がしっかりしなかったら、誰がその子を守るんだ!

……まも、る……

…………

……村の人たちは、わたしにまかせてください。

こいつら、さっきからなにわけのわかんねえ事を叫んでんだ?

集団ヒステリーだよ……色んな感情で頭がいっぱいになって、ネジが外れちゃったんだねえ……♪

道理で……

うおうおうおぉぉぉっ!

ぼくも……どうにかなっちゃいそうだよ……♪<ねっとりした黒いオーラが、エルゴラムを包む。>

その間に、ちみたちには、他の悪魔と遊んでもらおうかな……

――レインッ!

<村を取り囲むように――あちこちから、悪魔の群れが現れる!>

そう来ると思ってたぜ。

……あれ?あれれ?おかしいな……

数、少なくない?

ザコは俺が食い荒らしたからな。悪く思うなよ。

……ああ。やったねえ、レインくぅん?

来るのが遅かったのは……そういうことか……

え?

末端の末端なら、ぼくが気づくまでに時間がかかる……

だからザコ食いを……これを見越してぇ……!

敵の数を減らしてたってわけか!うおーーーーー、さすがは元<悪魔殺し>!

一番の楽しみに邪魔が入って欲しくねえだけだ。

……まあそれでも、駒は充分あるし……

……君たち。人間の事は気にせず、思う存分暴れちゃっていいよ……

「「「おおぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」

……!

いいよねえ、ホント……世界には……いてもいなくてもいい人間が……いくらでもいるんだから……

次は……もっと、もーっと大きな村を……作ろうね……

シルヴィアちゃん……?

う……!

グダグダうっせえんだよ、エルゴラム。

……二代目。腹をくくれっつったろうが。

レインさん……私は……!

言ってもわかんねえなら、俺とクソ天使の姿を見ておくんだな。

どおおぉぉぉぉらあぁぁぁぁぁい!

<ルカの巨大な防御魔法が、村を覆っていく――>

レイン。悪魔たちはまかせたぜ!

おう。

わたしは……たとえこの身が灰になろうと……

この人たちを守ってみせるからよぉーーっ!

…………!

それでもわかんねえなら……そうやって、いつまでもウジウジしてろ。

ったく。そっちのガキの方が、よっぽど根性ありそうだぜ。

勇気を出せ!シルヴィアーーーっ!

……シルヴィア……

…………


君たち、頼んだよ……ぼくは……力を蓄える……

来いや、クソ悪魔ども!


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story20 その小さな手を




守るっ!

くたばれやっ!

ハハハハハァ!やるじゃねーか!だが、まだまだぁ!


…………

<ふと……小さな温もりが伝わる。>

その少女は――身代わりになって死のうとした少女は――

腕の中で、ぶるぶると震えていた……>

…………

いつだって……


いつだって、……何かを、与えようとした。与えたかった。

それが私の……生きる道だと信じていたから。


「う……うぅ……!」

「……シルヴィア、ぜったいに、はなさないでね!」

「はなさない……!ぜったいに、はなさないから……!

く……うぅ……」

「あ……いやぁ!おちちゃうよ、シルヴィア……!」

(だめ……もう……力が……!)

「――あっ!」


「あ、あなた! あの子はっ!?」

「一命は取り留めたが……

心に……傷を負って……」

「そんな……」

 「…………」


「ひっく……うぅ……

うえぇぇぇぇぇぇぇん……」


むかしも、いまも、私は、無力だ。

与えることもできず、あまつさえ、私は――

与えられていたのだから――!



……でも、これからは、違う。

死ねえっ!

させるかぁー!

オラアァッ!

……もう、離さない。

え……?

<シルヴィアは、リサの手を握った。>

もう二度と、この手は離さない――!

シルヴィア……?

もう一度、約束するわ。強くなるって。

あなたがくれたものとこの、いのちに懸けて。

…………

だから、リサちゃん。

どうかあなたを、助けさせて。


…………

たす、けて。

助けて、シルヴィア――



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story21 愛の翼




おっしゃあっ!

さて……

みんなやられちゃったかあ。ちみたちも、ずいぶんと強くなってたんだねえ。

ところで……それ、なーに?シルヴィアちゃん。

オメー……!

シルヴィアさん……!

なーに?その魔力……

ルカさん。レインさん。遅くなって、ごめんなさい。

ハッ!やっとかよ、二代目!

待って待って待って。いくら何でも、ケ夕が違いすぎない?

……これは、<憎しみ>の力ではありません。

はあ?なにそれ。意味わかんないし。

ようやく、わかりました。私がなぜ、人間の役に立ちたいと思ってきたのか……

だから意味わかんないって。だって君は、憎しみの感情で――

あなたには、わからないでしょう。

私の本当の力は――この、温もりの中にこそある!

……えーと、つまりそういうこと?いやいや、ありえないでしょ。悪魔がそれは。

エルゴラム様。

ありえねえだろうがぁっ!

もうこれ以上、あなたの好きにはさせない!



……はぁ。もう、いいや。

<<エルゴラムを包んでいたどす黒い煙が――晴れる。>

全員ブッ殺して、何もかもなかったことにしよう。


…………!

で……でかい!

結局、信じられるのは自分だけってことだね。

戦うのは苦手、って姿じゃなさそうだな。ハッ、いい感じじゃねぇか!

フフフ……

消えた!?

最終決戦にふさわしい場を用意してある……

<ヴォルカナ>まで、ご足労願おうか……


……自分のフィールドで、ってわけか。

いいぜ。付きあってやる。

頼んだぞ、レイン!

あん?オメーはこねーのか?

わたしは村の人たちを守らなきゃ。まだ、残党がいるかもしれないから。

ルカさん、彼らは、大丈夫なのですか?

<村人たちはみな、地面に倒れ伏している――>

わたしの力で眠らせているだけです。……かなり危険な精神状態でしたから。

大丈夫。じきに目は覚めるでしょう。

よかった……

オメーはどうする?二代目。

私も、戦います。戦わなければなりません。この子のためにも。

……トドメは俺がいただくからな。

シルヴィア……

リサちゃん。これを。

<シルヴィアは木彫りのお守りを、リサの手に握らせた。>


きっと、だから、戻ってくる。待っていて。

…………

わかった。

さあ――行くぜ!



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story22 悪魔たち




やあ……来たね。

…………

前はよく、君と二人で悪魔を殺してたよね。ここで。

なんだか、遠い昔の出来事のように感じるよ……

感傷に浸るためにココに来たのか?

……レインくん。もう一度、ぼくの元に戻る気はないかい?

あ?

二人でさ、サタニアスを支配しようよ。

でっかい村つくってさ。人間の感情を吸い出してさ。強い悪魔、たくさん生み出してさ。

そうして、未来永劫、悪魔族を、繁栄させていこうよ……

信じられるのは自分だけ、じゃなかったのか?

君だけは別さ……どうだい?レインくん……

断る。

俺はもう昔の俺じゃねえ。

……そっかぁー……

……エルゴラム様。

シルヴィアちゃん。君には本当に失望したよ……

私は――

あなたを、倒します。

…………

いいだろう。

来い、小童ども――


二代目。死ぬ気で行けよ。でねーとコイツは倒せねえ。


全身全霊で――貴様らを――

バラす――!

二代目じゃ……ありません!



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story23 幕切れ




今です!レインさん!

オラアァァァァ!

かはっ……

オメーの負けだ。……エルゴラム。

……何故だ。

何故、殺さない――!

……殺すつもりで来たんだけどな。

…………

サタニアスは変わる。いや――

俺たちが、変えていく。

悪魔殺しが……悪魔の王となるか……!

んな大層なモンじゃねえよ。

オメーには、それを檻の中から見届けてもらおうと思ってな。

何だと……

死ぬのはそれからだ。

……ハハ、ハ、ハハ。ハハハ!

何という拷問だ……

テメッ……

君に情けをかけられるぐらいなら……ぼくは……死を選ぶよ。

エ……エルゴラム様!

様は……もうつけなくていいよ……シルヴィアちゃん……

……レイン。お前なら、わかるだろう?

俺は……悪魔族の未来を……ただ真剣に、考えていただけだ。

誰よりも本気で……想っていただけだ。

それの、何が悪い?

…………

何が、悪いというのか……悪かったというのか……

俺には……わからない……

……一つ聞かせろ。どうしてルカを生かした。

…………

ケンカしたかったからかもな……

…………

シルヴィアちゃん。最後に一つ、忠告しておこう……

君のその特異な力は……君のこれからの生き方は……

いずれ必ず、君自身を苦しめる……

よく言うだろう……?『愛と憎しみは紙一重』と――

…………

君はいつか……自分の在り方に、思い悩む時がやってくる……

ぼくのいう事を聞いてた方が……しあわせだったとさえ思うかもしれないね……

……たとえ、苦しむ日が来たとしても……

私は、ちゃんと向きあいます。向きあって、乗り越えて――

前を見て、生きていきます。

<シルヴィアは赤いリボンに触れる。>

そう、決めたんです。

……そうか。

やっぱり君も、甘ちゃんだなぁ……


<サタニアスの稀代の支配者は――

荒れ狂う炎の中に、消えた。>



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最終話 ともに、生きていく





あっ……!

……勝ったんだな?

ああ。エルゴラムは……死んだ。

そう……

……お疲れさま、レイン。

……シルヴィア……

…………

<シルヴィアは、リサを抱きしめた。>

ただいま。

うん……おかえり、シルヴィア……

うぅ……ひっく……あたしね……あたし……

ほんとうは……とっても……!

わかってる。

これからは、ずっと一緒だよ。

ぐす……うぅ……

うえぇぇぇぇぇぇぇん……


……………………

…………

……


<サタニアスは壊滅状態となり――

エルゴ村は、悪魔たちの支配から、解放された。>



……みんな、この村に残るんだね。

もう命の危険はないからね。

過激派の残党がいれば別だがな。

だからおまえが、サタニアスの新しいリーダーになったんだろう?

元<悪魔殺し>が目を光ら元<悪魔殺し>が目を光らせてるとなれば、そう簡単には動けないからな!

俺はこれ以上、ジモトでクソ悪魔にでかい顔されるのが嫌ってだけだ。

素直じゃないのは変わらないなあ!レインは!

うるせえ。

……ルカさん。レインさん。本当に、ありがとうございました。

オメーはこれからどうするんだ?

生きていきます。リサちゃんと、一緒に。

えへへ!

……なので私も、お二人を見習おうかと。

というと?

冒険家として、人を助ける仕事をしようって、リサちゃんと相談して決めたんです。

おおっ!

シルヴィアにはそれがピッタリだからね。

いや、俺は助けてねーが……

お二人のように……たくさんの人から愛される存在に、私はなりたい。

無視か。

人助け悪魔、か……!シルヴィアちゃんだからこそ出来ることだ!

うおぉぉおーー!なんか、燃えてきたあぁぁぁー!

シルヴィアちゃん!わたし、超応援するから!いっしょにがんばりましょう!

はいっ!ありがとうございます!

……ま、いいんじゃねーか。

人間の愛情によって強くなる――上等だ。

おい二代目。もっと死ぬほど愛されろ。

え?

そしてもっと強くなれ。そしたら……

俺と、ケンカしようぜ。

ええっ!?ケ、ケンカですか!?

たりめーだろ.初代と二代目……どっちが強え<悪魔殺し>か、確かめてみてえじゃねえか!

で、ですから、私は二代目ではありません……!

クク……楽しみにしてるぜ……?

……どうしましょう?

うーむ。相撲でも取ってやるしかないかなあ。

相撲!?

ふふふ。シルヴィア、楽しそう。

ほんとうに……よかった。

……あなたのおかげよ。ありがとう、リサちゃん。

……あ。そういえばあたし、言いそびれてたことがあったんだった。

なあに?

あのね、シルヴィア。

とってもとっても、大好きだよ!



Wings of hearts 2 -END-








コメント (Wings of hearts 2 Story3)
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  • 最終投稿日時 2020年11月18日 23:46
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