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The World of Guilty Story

最終更新日時 :
俺が、お前を……世界へ連れ出してやる
開催期間:5/20 16:00~6/13 15:59




story1 贖罪の聖女


――時刻未明。

<聖霊教会>総本山、大聖堂――


【徴兵】


「おい、いたか!?」

「いや……だが、見つけたとて、我らでは……」

「我らは指令を全うすればよい!

 もうすぐ司教様が到着する。捜索を続行せよ!」

「は、は!」


「…………」


 ***


「至聖所か……まるで座敷牢だな。」

「……誰か、いるのですか?」

「…………」

「! あなたは……?」

「…………」

「あっ……」


<閃きとともに引き抜かれた剣が、

少女の首元へと振り下ろされ――>


「――ありがとう、ございます。」

「……っ!! ……なぜ礼を言う。」

「……え? あの……

あなた様は聖霊の御使いで、裁きを下すために降臨されたのでは……?」

「妙な勘違いをするな。俺はただの人間だ。」

「そうなのですか? 失礼しました、私ったら……」

「……お前は、裁きを求めているのか?」

「司教様がおっしゃいました。

私は、とても深い罪を背負って生まれてきた罪人なのだ、と。」

「お前が、罪人……?」

「私には、この身を捧げて罪を償う義務があるのです。」

「……そうか。ならばその命、未練はない――」

「ああっ!?」

「な、なんだ!?」

「ご挨拶が遅れてすみません! 私は、ルウシェといいます。

お初にお目にかかります、騎士様。」

「そんなことは知っている。」

「そうなのですか?」

「自分の立場を理解していないのか?」

「あの……それはどういう意味でしょうか?」

(本当に何も知らないのか……これが<贖罪の聖女>……?)


 「聖女様! ご無事ですか!?」


「……ちっ!」

「?」


「ここを出るぞ、いいな。」

「えっ、ですが……いいのでしょうか?」

「良いも悪いもない。早く来るんだ!」

「は、はい!」



「……これが外界なのですね。

空気がとても澄んでいて……こんな感覚は初めてです。」

「あの聖堂から出たことがないのか?」

「はい……こんなに喜ばしいことはありません。

ようやく私にもなすべきことをなす日が来たのですから……」

「……それは残念だったな。」

「え……?」

「お前はここで、終わりだ――」


『――ガァアアアァァ!!


「きゃっ! い、今のは……?」

(魔物どもか……騒がれても面倒だ)


「……先を急ぐぞ。俺のそばから離れるな。

「あの、どちらに向かわれるのでしょうか?

「まずは森を抜ける。頃合いを見て人里に入る。

「わかりました。お供いたします、騎士様!

「…………


(所詮は無知で愚かな女だ

始末など、いつでもできる……)


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story2 良きことへの奉仕



 (……追っ手の気配はないが、できるだけ早くここを離れなければ……)


「騎士様、あの集まりはなんでしょうか?」

「村の集会か何かだろう。俺たちには関係のないことだ。」

「なんだか深刻そうです。お話を聞いてみましょう、騎士様!」

「おい、勝手なことをするな!」


【村長】

「旅の方々! みなさんの中で、魔物退治を引き受けてくださる方はいらっしゃいませんか!」


「魔物が人々の平穏を脅かしているのですね……

そういうことでしたら――」


アタシたちにまかせておきなさ~い!

z私たちに、おまかせください!

…………え?

…………あら? アタシにかぶせるとはね。だれアンタ?

zあ、申し遅れました。私はルウシェといいます。

私たちも討伐にご協力いたします。

vおい、何を勝手に――

z私たちは、人のために生き、世を良きことに導く教えに従う者。

病める者がいれば手を差し伸べ、虐げる者がいれば剣を取ります。

ふ~ん? よくわかんないけど、強い人なら大歓迎よ~。

v待ってくれ、俺たちは――

z騎士様、私は自分のなすべきことを人々のために果たしたいのです。

さあ、今こそ教会の敬虔なるしもべとして、人の世を正しましょう!

v…………

……すぐに終わらせるぞ。

z! 騎士様……! ありがとうございます!

話はまとまったみたいね。じゃ、あらためてよろしく~。

えーっと……

v……アシュレイだ。

よろしくおねがいしますね、ルウシェさん、アシュレイさん。

zはい、こちらこそ!

みなさんに聖霊のご加護があらんことを

v………………



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story3 去りゆく二人

ガァアアァァ!!


v……お前たちは下がっていろ。

ちょ、アンター人でやるつもり!?

v俺は、―人じゃない。

――顕現せよ、<デュナミス>!


vデュナミス! まとめて斬り伏せるぞ!


っ! あれは、ソウル……? でも、あの姿は……!

アイリス、油断しちゃだめよ!


z…………

ルウシェ! なにしてんの!

z大丈夫です。私も、「一人じゃない」ですから。

v――っ!

zあがないましょう、私たちの罪を。

――<アラストル>!

zアラストル、私たちの敵に神聖なる鉄槌を!

『――――ッ!』


<二人は魔物の群れをみるみるうちに散らしていく!>


zはぁ……はぁ……

アラストル、みんなを守って……敵を……倒して……!

vもういい、十分だ! 魔物どもは残らず片付けた!

z……あ、そうですか……ふぅ~…………

あなたたちはー体……?


z私たちは、ソウルの化身たるアルマを奉じる聖霊教会のしもべ。

そして、私のアラストルは――

v目的は果たした――行くぞ。

zああ! 待ってくださ~い!

もういっちゃうの~?

このあとみんなで祝勝会するからアンタたちも――

v――もう、俺たちに関わるな。

zみ、みなさ~ん! 本当に、ありがとうございました!

またどこかでお会いしましょう~!


不思議な人たちだったね……

そうねぇ。でも、なにをそんなに急いでるのかしら……?


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story4 アシュレイの過去



「神殿騎士アシュレイ。誠実にして厳格なる信仰者よ。貴方にとって教会とは何か。」

「人の世を聖霊の御業によって救い、地上を浄罪に導く光です。」

「神殿騎士アシュレイ。冷酷にして無慈悲なる断罪者よ。貴方にとって敵とは何か。」

「教会の教えに背き、治世を乱す罪深き者たちです。」


 ――違う!


「罪は争いを呼び、さらなる罪を生むのです。

貴方の肉親を奪った紛争も、すべては人の罪が原因なのです。」


 ――ふざけるな!

 あれは教会の介入のせいで起きたことだろう!


「貴方の使命は、罪を抱える者たちを、聖霊の名のもとに裁くことです。

貴方が裁いた命の数だけ、罪は浄化され、理想へと近づきます。」


 ――血で汚れた理想など……!


「その理想の上に立つのは、我らが救い主――<贖罪の聖女>。」

「<贖罪の聖女>……」

「神殿騎士アシュレイ。貴方の剣は聖女のためにあることをゆめゆめ忘れなきよう。」

「……それが、亡き家族の無念を晴らすことにつながるのであれば――」


 ――やめろ! 俺は人を殺める狂信者じゃない!


 決して許しはしない……!

 教会を……聖女を……俺がこの手で……!



 ――き……さま……騎士…様……!



「っ!! はぁ……はぁ……」

「大丈夫ですか、騎士様? すごくうなされていたみたいでしたが……」

「……お前には関係のないことだ。」

「あの……―度、横になられてはどうでしょう。きっと気分も良くなりますよ。」

「……教会に人って以来、臥して寝たことはー度もない。」

「どうしてですか?」

「それだけ多くの恨みを買っていたということだ。」

「騎士様を恨むだなんて……」

「……お前は本当に、何も知らないのだな。」

「え? 私がなにか……?」

「…………」

「……おやすみなさい、騎士様。」


「……デュナミス、俺は一体、何をしているのだろうな……」

『……………………』



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story5 追いかける者


zあ……みなさん!

あら、ルウシェじゃないの。

zまたお会いできて嬉しいです! これも聖霊のお導きですね♪

v…………

……俺たちに関わるなと、忠告したのを忘れたか?

そうは言うけど、なんか気になるのよね。特にルウシェの後ろの……

zアラストルのことですか?

少し心配だったんです。その……とても禍々しい力を感じたので……

zアイリスさんはお優しいですね。

ですが、この力は……私自身でもあるのです。

大きすぎる力も、場合によっては誰かを救うことにつながります。

すべては、私の意思次第なのです。

ルウシェって人助けにこだわるわよね。

zそれは、アラストル――いえ、私にとっての贖罪だからです。

贖罪……?

v……人間というのは、常に罪と隣り合わせだ。

え?

v罪を恐れるあまり、生涯を贖罪に捧げた結果、苦悩で心を病む者もいる。

だから許しを求めるのだ。許されようと、あがき続ける……

z騎士様……


「それは懺悔ですか。神殿騎士アシュレイ。」


vっ! 貴様は……!!

なに? アンタたちの知り合い?

z司教様!


「神殿騎士……いいえ、異端者アシュレイ。貴方を拘束させていただきます。

zえ……?

「――炎のアルマよ。我が前に降りて、教会に仇なす敵を討て。



z司教様……? 一体どうされたのですか……?

vちっ! 逃げるぞ!

zきゃあ! き、騎士様!?


私たちも、早く!



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story6 消せない罪


zっ! お前たち! 巻き込まれたいのか!?

お二人を放っておくことなんてできません!

アンタたち何者なの? それにあの魔物って……


「魔物などではありません。自然界に宿るソウルの化身――<アルマ>です。

z司教様! どうしてこんなことを……!

「<贖罪の聖女>……やはりご自分の状況をご理解されていないのですね。

ど、どういうことなの?

「その男は我らが聖女をかどわかし、教会を裏切ったのです。

!!!

v…………

「貴方は信心深い騎士でした。なぜこのような暴挙に出たのです?

v……地上から争いをなくすだと? 人の世を守るだと?

貴様らのしていることは、力による侵略だ!

「……なるほど。それで義憤にかられたというわけですか。

vいや違う。これは俺の『贖罪』だ。

この剣は血と罪に塗れている。教会に従うままに奪った、命の数だけな……!

アシュレイさん、あなたは……

v貴様らは俺の希望を奪い、代わりに罪と呪いを与えた!

なら俺は――!

zきゃっ!

<アシュレイの刃先が、ルウシェの首元に押し当てられる!>

v今度は俺が、貴様らの希望を奪う。教会の悪しき理想の要を壊す。

これが、俺の贖罪だ。

z騎士様……

「……その贖罪で、誰に許しを得ようというのですか?

v……なんだと?

「許しとは、与えられるもの。

それはアルマ――聖霊のような人間よりもいと高き存在にのみなしえることです。

貴方のしていることは、ただの自己満足……

ましてや聖霊の御心に背いた貴方に――許しなど、ありえはしません。

v違う! 俺が許しを求めるのは、俺が殺めてしまった者たちに対してだ!

「物言わぬ彼らの魂を代弁するのもまた聖霊です。

貴方は罪に翻弄されただけの道化。貴方の償いは、すべて無意味です。

z――いいえ。無意味などではありません。

ルウシェさん……?

z騎士様の思い、確かに聞き届けました。……とても辛かったでしょう。

もう、大丈夫です。

vお前……何を……?

z騎士様、あなたが抱える罪を――

私に、ください。



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story7 誰か為の許し



「! いけません、聖女様! そのアルマの御力は……!


zアラストル――罪を司りしアルマに命じます。

この心迷える者の罪を……<喰らいなさい>。



v! この澄み渡るような感覚は……一体、何が起きている?

「……聖女様は、貴方のために、罪を受け入れてくださったのです。

v罪を、受け入れる……?

「魔神アラストルは、罪を喰らうことで力を得る特異なアルマなのです。

『――――――!!!

な、なんかヤバイかんじよ! ルウシェは大丈夫なの!?


zくううっ……あああ……!!

v馬鹿なことを……!

なぜ他人の罪を抱えようとする! お前自身の贖罪はどうした!

z騎士様……私の罪が消えることは、ありません。

vな、に……!?


「アラストルの抱える罪の重さは、たった一人の命であがなえるものではないのですよ。

v――!

「そんなことも知らないとは……どこまで愚かな罪人なのですか、負方は。

z黙っていてごめんなさい……これは私の望んだことなのです。

罪をあがなうことは、私にとって<生きること>と同じですから。

「理解しましたか、アシュレイ。これこそが<贖罪の聖女>です。

貴方の利己的な贖罪などでは、誰も教えはしないのですよ。

v…………

z私が『罪』になることで人々が救われるのなら、こんなに嬉しいことはありません、

この罪の重さも、痛みも、苦しみも、なにもかもが愛しく感じられて――

私――とても幸せです。

この狂人がっ!!

zえっ! ……き、騎士様……?

vお前は聖女じゃない! 人間ですらない!!

ただの人形だ!

z騎士様、そんな……私……

『――――――!!!!

zうるさい!! 黙らせろ! デュナミス!!

『――!!

『――――――!!!!

zア、アラストル!?

v来い! ルウシェ!!

zあ……


「お待ちなさい、アシュレイ! 逃げおおせると思いですか?

z邪魔だ!!

「くっ……貴方がそのつもりなら、こちらも容赦しませんよ!

v殲滅するぞ、デュナミス! 動くものはすべて斬れ!!

『――――ッ!!

z騎士様……どうして……



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最終話 罪深き世界へ



「くっ! この異端者どもめ……!

vああ……ひとつ、忘れていたな。

z……え?

v俺の罪――返してもらうぞ!

zき、騎士様! それは……!

vはぁぁぁ――――!!


z騎士様……どうして……

v……お前の言ったことは、おそらく正しいのかもしれない。

z騎士様……?

v俺よりも、聖女であるお前のほうがよっぽど真理に近いのだろう。

z…………

vだが、お前は知らない。世界がどれだけ醜く、罪にまみれているかを……!

それでも、俺はあがいた! 何もかも投げ捨てて、許しを求めるしかなかった!

zそんな……騎士様……

v……俺が、その世界を見せてやる。

zえ……?

vそれからもう一度、お前の答えを聞かせてくれ。

z……私は、間違っていたのでしょうか……?

vそれは俺にもわからない。だからこそ行くんだ。

z――!

v俺が、お前を……世界へ連れ出してやる。

z…………

はい……はい! どうかお願いします、騎士様!


「聖女様、なりません! そのような異端者の言葉など……!

v黙れ、教会の犬め! 命が惜しければ、とっとと失せろ。

「……何をしたところで、貴方に許しなど与えられません。

vそれを決めるのは俺たちだ。

「罪人め……!

v……罪を背負って、初めて見えることもある。

アシュレイさん……

vこれでわかっただろう。お前たちも早くここから去れ。

旅を続けるんならさ、アタシたちのトコに来ない?

v…………なぜ、そうなる。

世界を見たいってのなら、飛行島でどこにでも行き放題よ~?

z島が、空を飛ぶのですか?

はい、きっとお二人の力になれると思いますよ。

v……目的はなんだ。

むしろ目的は同じってこと。アタシたちは冒険家だからね!

v……善意は受け取っておく。だがやはり俺たちは……

zみなさん、ふつつか者ですが、よろしくお願いいたします!

v…………

zあ! ごめんなさい、騎士様……私、また勝手に……

v……お前の好きにしろ。

z! ……ありがとうございます! 私の好きにします♪


そんじゃいきましょ! 今度こそみんなで祝勝会よ!



v(俺は俺の意思で償いを果たす。……この罪人の聖女とともに)

z私たちの旅路に、聖霊の祝福があらんことを!


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