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クルス・ドラク

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クルス・ドラク CV:
2017/00/00

数多の魔族が互いに争い合う、群雄割拠の魔界において――

その一画を冶める吸血鬼の少年クルスは、ひどく温厚な性格で知られていた。


争いを嫌う彼は、自領の商業の活発化に尽力した。

商業を通じて他の領主に便宜を図ることで、侵略を受けぬよう心を砕いたのだ。

領民たちはクルスを讃え、彼のために自らの血を捧げさえした。


だが――ある日、街は戦火に包まれた。

暴虐きわまる吸血鬼たちの群れに、布告なき襲撃を受けたのだ。

慌てて街に降りたクルスを、敵軍の長は嘲笑で迎えた。


「この魔界でよォーーきれいごとなんざ、ぬかしてんじゃねェよ。

八方美人に便宜を図ってりゃ、攻められることはないーーとかよォ。

知ったこっちゃねェっつーの! ムカつくからよォ、漬しに来てやったぜ!」


クルスは、茫然と街並みを見つめた。

自分を慕い、頼ってくれた民たちが、見るも無残な姿をさらしていた。

敵吸血鬼は、まみれた返り血をぺろりと舐めて、楽しげに微笑んだ。


「知ってるかァ? 絶望にまみれたヤツの血が、いっとう旨いんだぜェーー」

「……そうか。ならば、これから味わってみるとしよう……」


うつむいたまま答えるクルス。その両目から、血の涙があふれる。

そして――その涙は、突如、紅蓮の炎と化して猛り狂った!


クルスが顔を上げる。その双眸は、凄まじい憤怒に灼々と輝いている――


「我が民たちが嘆いている……尊き血を奪われ、渇きに苦しんでいる!

その渇き――貴様が流す絶望の血で瀾してくれるぞッ、下郎ッ!!」

「ハッ――いいねいいねェ。そんなてめェが見たかったのさ!」


温厚なる心の奥に秘められていた、魔族ゆえの暴虐と残忍の魂。

それが今、灼然としてあらわになっていた――



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