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【白猫】Brave The Lion 4 Story1

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最終更新者:にゃん




story1



到着したな。

なつかしいな。ここであいつらに会ったんだよな……


 ***


「ここね!魔物が大量発生してる森っていうのは!」

「早く退治して、平和にしないと……行きましょう、主人公!」

<うなずいた、その瞬間――>

「はあッ!」

<突如として現れた青年が、気合も鋭く剣を一閃――ほとばしる魔力の刃が、キャトラの背後で詐裂する!>

「ひぃーーーーっ!?な、ななななな、なにごとぉ~!?」

<身をすくませるキャトラ。後ろで、魔刃の直撃を受けた1体の魔物が、力なく倒れ伏す。>

「魔物――!?忍び寄ってきていたの……」

「悪い、驚かせちまったな。とっさだったもんで、声かける余裕がなくってさ。」

「あ、うん……助けてくれて、ありがとね。派手なおにーさん。」

「<派手なおにーさん>じゃ、ちょいと締まらねえな。ダグラスって呼んでくれ。」



……大丈夫か?

ああ、そういうんじゃない。少し昔を思い出してただけ――

!!

こういう展開も懐かしいな!いいぜ、相手になってやる!!

アンタ、本当に自分の体……

安心しな。オレはいつだって<できちまう>のさ!!

――っ!?

<――剣が重かった。>

ぐっ!

ダグラス、下がれ。グレイヴ、俺とお前で敵を撹乱する。

了解した。行くぞ、コテツ。

ふむ、足を、もとい尻尾を引っ張るなよ、グレイヴ。


 ***


今ので最後だな。コテツ、敵のにおいは?

わからん。この島に来てから花粉症がひどくてな……

あら、犬でも花粉症になるのね。

犬の花粉症は辛いぞ。人間にしてみれば、目隠しされているようなものだ。

おまえも大変なんだな。

お前ほどではない。腕の傷は大丈夫か?

こんなの擦り傷だ。いくら死にかけてるからって心配しすぎだぜ。

ダメよ。今までのアンタと今のアンタは違うの。どこかで治療しましょう。

それなら、たしか、この先に村があったはずだ。


…………

……


おー、栄えてる。オレが来た時は、魔物やら瘴気のせいでさにれてたんだけどな。

お前が瘴気を吸収し、ルエルがこの島から手を引いた。それによって復興が進んだということだろう。

あら、そこのお兄さん、ケガしてるの!?

ドジっちまってな。

それなら、いいのがあるわよ。

これを傷口にはりなさい。それであっという間によくなるから。

ありがとよ、ばあちゃん!これ、薬草かなにかか?

この島の名産品、フソーの実よ。あたしも毎日食べてるから、こうして元気なの。

お兄さんがたもどうだい?

気持ちはありがたいが、全員、船酔いで気分が悪い。

ほら、行くわよ、ダグラス。

ちょっ!押すなって!!


 ***


その傷、問題なさそうか?

ああ、血は止まったぜ。つーか、おまえ、ひどくないか?ばあちゃん見えなくなったらすぐ、あの薬草、捨ててさ。

ここは既に敵地だ。

オレだってあやしい人間かどうかくらいはわかる。そっちは体調関係ないからな。

コテツの鼻ではどうだった?

花粉症の私には甘い匂いしかしなかったな。毒が入ってるようには思えん。

バイパーが言うように警戒はしたほうがいいわ。ルエルの悪辣さはアンタが一番理解してるでしょ?

……わかってるさ。

ツーマンセルで情報収集をしよう。ダグラスはカティアと。グレイヴはコテツと組んでくれ。

あんたはどうするんだ?

俺はいざという時のために穴を掘っておく。

また落とし穴か?あんたも好きだな……

今や趣味と実益をかねた立派な作戦だ。後方支援は任せてくれ。

落とし穴ね……まあ、準備しないよりマシかもね。


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story2



さっきからなにをしてる?さっさと話しかけろ、グレイヴ。

……知らない人に話しかけるのってハードル高くないか?

いい加減、その人見知りをなおせ、グレイヴ。

わかってる。

…………

なんだね?

……人を探してるんですが、この女性を知りませんか?

なんだ、随分と綺麗な絵だな。

写真と言います。

ほう、これが……なるほど、どれどれ……

これは孤児院の悪魔じゃないか!あんた、このガキの知り合いなのか!?

知り合いと言うか……

落ち着け、ご老人。

犬が喋っただと!?

話の苦手な人間がいるように、しゃべる犬がいてもおかしくはなかろう。

……腹話術です。

なんだ、腹話術か。それにしても、あんた、うまいな。

この写真の少女は既に死んでいるのだ。その姿を見かけたという情報を手に入れてな……

死んでるだと?やっぱりあのガキは化け物なのか?

化け物……?やはり、この少女がなにかしているのか?

……このガキは孤児院に住み着いた殺人鬼どもだ。こいつらに何人も殺されとる!

この島では十日に一度、月が紫色に見える夜があるんだ。

その夜に、孤児院に住み着いた獣人とガキどもが、人を殺しに街へやってくる。この絵のガキもいたぞ。

……その孤児院はどこに?

森の奥のほうだ。行くのなら気をつけたほうがいい。

ワシらも討伐しに行ったが何度も返り討ちにあってな。下手に近づけん。

死にたくなければ近づかんほうがいい。


…………

……


どうやらルエルに似た女が孤児院にいるらしい。

こっちでも同じ話を聞いたわ。

…………

どうした?

その孤児院が姉ちゃんやミーチャのいた孤児院なんだよ。

まるで因縁だな……

ルエルはたしかに死んだ。でも、死ぬ前になにか企んでたのかもな……

また厄介な話になりそうね……

……どうする?相手があのルエルとなると戦力が不足してると思うが。

ヨシュアやミレイユは呼べんのか?

あの子たちをこういうことに関わらせたくないのよ。ほんと、犬になっても、そういうところは変わらないわね。

……すまない。

……こっちも言いすぎたわ。

(空気が……悪い……)

おいおい、暗い顔すんなよ。思いつめたってやることは変わらないんだぜ?

オレたちでぶっつぶしちまえばいいだけだ!

なんせオレは<できちまう>からな!

ああ、俺たちで対処する。

任務を達成し、皆で祝杯をあげよう。

悪いな、バイパー。酒はドクターストップだ。

俺の飲み友達がどんどん減っていくだと……

はいはい、騒いでないで行くわよ。それにダグラスの言うとおりね。

なんせ、ここに超超大天才の私がいるんだもの!

おっほォーーーー!!!

(よかった。ダグラスのおかげで場が明るくなった……

……本当にすごいやつだな)

よし!とにかく孤児院に行こうぜ!



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story3 旧友



たしか、こっちのほうだ。

本当か?また海に出たりせんだろうな。

今度こそ正しい道だ!……たぶんな。

ダグラス、止まれ。狙われてるぞ。

そ、そ、それ以上、近づかないでください!

<先頭を歩いていたダグラスの足元に矢が突き刺さった。>

そ、それ以上、こっちに来るなら、その、あの……つ、次は当てちゃいますからね!

当たると痛いですよ!血も出るし、その、あ、でも、安心してください!毒とかは塗ってないので!

孤児院の悪魔って割にはぜんぜん怖くねえな。

グレイヴ、位置はつかんでるか?

ああ、既にコテツを走らせてる。


(ど、ど、どうしよう!?わ、私だけで、あの人たちに帰ってもらわないと……)

ワンワン!

え?ワンちゃん?

いつの間に!?

この距離だ。お前が矢を放つより先に俺の牙この距離だ。お前が矢を放つより先に俺の牙が届く。

無駄な抵抗はオススメしない。

えっと、えっと……あの、その……で、でも、帰ってもらわないと……

そこまで怯えられると……罪悪感が……

気をぬくな。

チッ!

!!


ルエル……

本当にいたんだな、ルエル……

どうして私の名前を知ってるのか知らないけど、このバカに手を出すなら、まとめて斬り刻むわよ。

人助けだなんてらしくないな……

…………

本当に私のこと知ってるみたいね……ああ、マジでクソ厄介!

絶対あんたたちの好きになんかさせない!させてたまるもんか!!

問答無用かよ!!

させない!!

レイチェル、邪魔!!帰れ!!

嫌だよ!今度は私がルエルちゃんを守る!!


……しくじったわ。

<獣人の男がカティアの首に小さなナイフをつきつけていた。>

フゥ先生!

その二人はうちのガキだ。傷つけるようなら、お前さんがたの仲間も傷つくことになる。

こちらは話を聞きたいだけだ。

話すことなんてなにもない!

そっちになくても、こっちにはあんだよ!

お前……?

なんだ?

……まあいい。どちらにせよ、ここから先は私有地だ。

――立ち去れ。

<男がカティアを開放し――

――気づいた時には少女二人を守るように立っていた。>

(いつの間に……)

立ち去れ。次は命の保証をせん。

……引き返すぞ。

なに言ってんだ?

頭に血がのぼってる状態で話し合いもなにもないだろ。

一度仕切りなおしたほうがいい。

クソ……ああ、わかったよ。帰ればいいんだろ。


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story4




どうして邪魔したの?

ガキのバカな暴走を止めるのは職務のうちだ。

あの人たち、大丈夫かな?

あんたね……あいつらは敵!どうしてそんな奴らまで心配するの?

だって、あの人たち、たぶん、島の人じゃないし、それに……

今夜は紫の月が出る日だから……

……次、余計なことしても、私は絶対助けないからね。

……うん、ごめんなさい。


…………

……


あ~、腹減ったぜ!

飯より先に今後の方針を決めるぞ。

カティア、あのルエル、どう思った?

どう思ったもなにも……顔はそっくりね。言動は少し違うとは思うけど。

話してわかったよ。あのルエルはオレと同じようなもんだ。コピーみたいなもんなんだろうな。

……妥当な推察ね。でも、問題はなにを目的にして作られたかよ。

あの女が自ら進んで自分のコピーを作るからには、なにかしら理由があるんじゃないの?

それにルエルは病気で壊れてた。あの子からはそんな雰囲気、感じなかったわね。

……なにかが引っかかる。

ヨーゼフの時のことでも思い出した?

……かもしれん。だが、思い出せん。犬だからな。

……開き直るな。

これ以上、考えても時間の無駄ね。情報が足りなさすぎるわ。

私もお腹すいたし、食事にしましょう。

おっ!待ってました!!

店を出るぞ。

なんでだよ!!

鼻の利かないコテツでは毒が入ってるかわからない。

でも、携帯食、もう食っちまったぞ。

お前らが情報収集をしている間、森に狩猟用の罠をしかけておいた。

罠にかかってなかったら、どうするつもりなんだよ?

夜釣りだな。

……最悪、飯抜きってことか?

諦めなさい、こいつ本気だから。

わかってるさ。こんなことなら携帯食、多めに持ってくればよかったな……


 ***



よし、罠はこっちだ。

バイパー、一応聞いておくんだけど宿くらいとるわよね?

野宿だが?

野宿は虫が出るから嫌なのよ!死にかけの病人だっているのよ!

オレはぜんぜん平気だぜ。特に痛みもねーし。

まあ、当然ね。なんせ、私が調合した薬だし、効いてて当然よ!おっほォーーー!

なら、問題ないだろ。

自分の才能が憎いわぁぁっ!

ほんと賑やかだよな。

!!(……めまいか?)


月の色が……変わってる?

魔物!?

<一緒にいたはずのカティアたちが消えていた。>

あいつら、どこ行ったんだ?

!!

クソ!どういうことだよ!?



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story5




月の色が……変わってる?

ダグラス、どうした?

魔物!?あいつら、どこ行ったんだ?

なにを言ってるんだ?

クソ!どういうことだよ!?

ダグラス!?

うおおおおっ!!

バイパー、対処していいのか?

俺とカティアでやる。

しかたがないわね……

――

はい、落ち着きなさい。

ぐっ……

なにをしたんだ?

鎮静剤を注射したのよ。縛るから運んでくれないかしら?

了解した。

それにしても、いきなりどうしたのかしら?

……月の色が変わったとか言っていた。

変わってないのだが……

……カティア、ダグラスになにか魔術の攻撃を受けた痕跡はあるか?

ないわね。天才の私が気づかないわけないでしょ。

化け物だぁぁぁぁっ!殺せぇぇぇっ!

……島民もダグラスと同じか。

グレイヴ、ダグラスの護衛を頼む。

私は守ってくれんのか!?

お前は俺の手伝いだ。

犬なんだがなー。

相手は素人だ。やりすぎに注意しろ。

……ああ、任せてくれ。



月光

対処する。

面倒ね……




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story6 共闘



化け物めぇぇぇぇっ!………

数が多いな……

こっちだ。

地面に穴が!?

落とし穴が役に立ったな。

二、三人、穴に落ちても意味ないわよ!

いや、意味ならある。トラップを警戒し、歩みが遅くなるはずだ。


待てぇぇぇっ!


ぜんぜん気にしてないじゃないの!

……正気とは思えん。



回り込まれたか……

後ろからも来てるぞ。

グレイヴもダグラスを抱えたままでは、満足に戦えんぞ。どうする?


ついてきてください!


行くぞ。

いいのか?

今は信じるしかない。


 ***


(魔物に抱えられてるのか……?厄介なことになったな……)

■■■■■■■■(ダグラスの様子はどうだ?)

■■■■■■■■■■(まだ鎮静剤が効いてるみたいだ。)

■■■■■■■■■■■■■■■(長くは効かないわよ。こいつ色々耐性あるから。)

(なにか喋ってるのか?)

■■■■■(こっちです。)


ここまで来たら、安心です。

……なぜ助けた?

(こいつら、魔物じゃないのか?)

<ノイズのような音が言葉として意味を持ってくる。>

それは、その……放っておいたら、その……大変なことになるかと思ったからです。

…………

おまえ、もしかしてバイパーか?

正気に戻ったか……

どういうことだ、これ。どうしておまえらが魔物になってんだ?

月は変な色してるし、意味わかんねー……

街の人たちと同じみたいですね。

……原因を知っているようだな。

原因までは、その……ただ、みんな、おかしくなって……


「なに話してるの!?」

「!」


心配して来てみたら、案の定……

……ちょうどいい。お前と話したいことがあった。

話すことなんてなにもない!クソうっとうしいからここで殺してもいいんだけど……

そ、そんなの絶対、ダメだよ!

超絶ウルトラバカがうるさいから見逃してあげる。さっさと失せろ。

俺たちはお前に用がある。

私には話すことはなにも――

いたぞ、ここだぁぁぁっ!

チッ!レイチェル、逃げ――

……囲まれたな。

ど、ど、ど、どうしよう!?

レイチェルといったな。提案なのだが。この窮地を突破するために手を結ばないか?

はあ?なに言ってんの?

えっと、私は、ワンちゃんの言うとおりにしたい。だって、二人だけじゃあ、逃げられないと思うし……ごめん……

本当にあんたは……ああ、もういい!わかったわよ!やるわよ!やればいいんでしょ!

オレの縄も解いてくれ。島の連中をどうにかしたらいいんだろ?

大丈夫なのか?

ああ、街の人間は魔物に見えない、それと……

ルエルもそのままの姿だ。魔物に見えない。

……わかった。やるぞ。


ど、どうしよう……

やるしかねーさ。

無理するなよ。


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story7



どうにか突破できたな。

……レイチェル。どうしてこいつら助けにいったの?

だって、街の人に襲われるかもしれなかったし……

それで助けてどうすんのよ?捕まって拷問される可能性だってあるのよ?

……そんなことはしない。

部外者は黙っててもらえる?

……はい。

……そう落ち込むな、グレイヴ。多少、口が悪いだけだ。

犬畜生は黙ってなさい、耳障りよ。

畜生は余計だと思わないか?グレイヴよ。

スッ……

ヌゥ、気配を消しおったな……これだから人見知りは……

で、私はこのバカ連れて帰りたいから、さっさと消えてくれないかしら?

だ、ダメだよ。この人たち、行くところないし、街の人に襲われるかもしれないし……

レイチェルの言うとおり、俺たちもピンチだ。

(こいつ、情に訴える作戦に出たわね……)

とはいえ、出会い方にいろいろ問題はあった。お互い、警戒するのも無理はない。

そのうえであえて頼む。助けてくれ、レイチェル。

こう言ってるし、この人たちは街の人と違って安全だよ。

だから――

ここにいたのか――

(気配は感じたか?)

(……いや。)

…………

ん?なんだよ?

いきなりなにすんだ!?

……少しはマシになったんじゃないのか?

あ、元に戻ってんぞ!バイパーたちが魔物じゃない!

あ、でも月の色は変わってないな……なあ、これ、どういうことなんだ?

……帰るぞ。

先生、待ってください。この人たち、行く場所がなくて。

職務外だ。

でも、孤児院は困った人を助ける場所です。だから、少しでも……あの、その……島の外の人ですし……

……お前が責任を持つのか?

はい!

好きにしろ。

本気で言ってるの!?

お前がこいつらと話したくないなら話さなければいい。

ちょっと、フゥ!待ちなさいよ!

あの、その……ついてきてください。

ありがとよ。ほら、行こうぜ。

……気だけは抜くな。あの獣人の男、かなり強い。

わかってるさ。でもこっちが信じなきゃ、向こうも信じちゃくれねーだろ。


 ***


いやー、食った、食った。よかったな、バイパーの罠に獲物がかかってて。

うむ、いい肉だった。

……適当な場所で寝ろ。それ以上の世話はせん。

……聞きたいことがある。

断る。職務外だ。

ルエルという少女の正体に関わることだ。無視していい話ではないだろ?

……話せ。


<バイパーはルエル・サクラリッジに関する話を淡々とした口調で伝えた。>


……うちのルエルとは別人だ。

無関係とは限らない。彼女を調べさせてほしい。

アレが拒否してる限り、お前さんがたをルエルに会わせる気はない。

あの少女が災禍を振りまく悪党だとしてもか?

俺の職務はガキどもを守ることだ。悪党だろうとガキはガキだ。

なら別の話だ。島民がおかしくなった理由はなんだ?

俺が知ってるのは一月ほど前から島民が島民を殺しはじめたということだけだ。それ以上のことはなにも知らん。

見ない振りするってわけ?あなたたち、犯人扱いされてるわよ?

話が通じん相手に歩み寄っても無駄だ。殺しあいたい連中は勝手に殺しあってればいい。

……ダグラスを殴った理由は?

以前、襲ってきた街の者を殴ったら元に戻った。それと同じことをしただけだ。

それより、お前さん……

ダグラスという名前なのか?

ああ、それがどうかしたか?

父親、あるいは祖父がミーチャか?

あんた、ミーチャを知ってるのか!?

ああ、俺はここでミーチャと育った。

「「「!!」」」




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