ザイクスのプロフィール
ザイクス 'Zaix' | |
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ザイクス
プロフィール
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エピソード
オルダーナ帝国第七騎士団の将軍でありながら、特
務機関『グレイブキーパー』の永世騎士。そして帝
国評議会議員⋯通称"十賢臣"の一員。
帝国軍部の中でも独自の行動が許されている第七騎
士団を率いるザイクスは、団員を指揮して魔獣討伐
から古代文明の遺跡の調査まで、グランゼリア各地
で多種多様な任務を行っているとされている。
その一方で特務機関を統べる立場でもある彼は、騎
士団から離れて単身で極秘裏な任務を遂行すること
も多いという。
ふたつの組織を統括するザイクスは、世界中で神出
鬼没に活躍しており、その活動範囲の広さは帝国の
全騎士の中でも屈指と言ってもいいであろう。
だがその活躍に反して、ザイクスの経歴は不明瞭な
点が多い。
帝国組織の中枢ともいえる十賢臣にまで上り詰めた
彼だが、記録上ではその地位を築くにふさわしいよ
うな大きな功績が存在していないのだ。
だが過去はともかく、帝国皇太子ローランドが統べ
る現在の十賢臣の立場に、功績や実力がない者が就
けるはずもない。
おそらくは"公になっていない功績"が数多く存在し
ているものと推測されている。
一説では、その功績のひとつはローランドが皇帝派
勢力を退けて今の体制を築いた際、裏で何らかの働
きをしたことだとも言われている。
また、現在の十賢臣はそれぞれの思惑から友好的と
は言い難い間柄の者たちもいるが、中でも皮肉屋で
誰に対しても慇懃無礼な態度をとるザイクスは、全
員より悪感情を抱かれているとされている。
もっともザイクス自身は、他者から向けられる感情
などを気にしている様子はない。それどころかすべ
てを承知の上で、現在の態度を続けているのではな
いかとも言われている。
「カハッ!まあ、俺様の価値が分かる者なんて、そ
うそういねーだろうさ」
常に世界各地を飛び回っているザイクスだが、ブレ
イズとの戦いの最前線などに姿を現すことは稀であ
る。
それは彼が指揮する第七騎士団、特務機関にとって
戦闘は"手段"であったとしても、"目的"ではないた
めである。
だが、ザイクス自身が超一流の戦闘力を持っている
ことは間違いなく、次のような話が伝わっている。
ある時、ザイクスは任務のためにモルダナ大陸辺境
の小さな村を訪れたことがあった。
その任務が何であったかは不明だが、容易く目的は
達成できたようで、彼は村からすぐに退去しようと
する。
だが、そんなザイクスを呼び止めた者がいた。
それは村の長老であった。
彼の話によれば、村の近くに恐ろしい魔獣が棲み着
いたとのことで、ザイクスを「名のある帝国騎
土」と見込んで退治をお願いしたいとのことだっ
た。
だが、それに対するザイクスの対応は非常に冷淡で
あった。
「あん?俺様にものを頼むなんて一万年早えーよ!
近くの街に行けば帝国衛兵の詰め所がある。そこで
討伐の依頼を出しな」
そう言い捨てて去ろうとするザイクスだったが、な
んとその時、村に魔獣が出現。人々を襲い始める。
恐怖に怯える村人は、長老とともにザイクスに退治
を嘆願。子供たちも彼にすがって助けを求めた。
しかし、それでもザイクスは魔獣と戦うつもりはな
く、まとわり付く子供を払いのける。
「どけ、クソガキども!」
そのあまりの態度に、それまでうやうやしい態度を
とっていた長老もさすがに激昂する。
「これほど嘆願しても、あなたは我々を見捨てると
いうのか!それでも帝国の騎士か!?
このまま何もせずに去るのなら、いつか必ず帝都に
乗り込んで、今日の出来事を訴えてやる!」
その言葉を聞いたザイクスはわずかに顔を歪め、そ
して芝居がかった素振りで大きなため息をつく。
「ハァー⋯。
確かに今の俺様は帝国騎士の一員に違いねー。
ってことは、やりたくもねー仕事もやんなきゃなん
ねーってことか。
これが宮仕えのつらさってところかねー」
そう言い放つと、彼は剣も抜かず無造作に魔獣へ接
近。当然、魔獣はザイクスに襲いかかるが、その攻
撃が届くよりも先に、彼は相手の首を切断してしま
う。
その攻撃は凄まじく、村人たちからはザイクスが剣
を抜いたことすら分からぬほどであった。
魔獣が退治されたことに喜ぶ長老と村人たちだった
が、ザイクス自身は彼らを一顧だにせず、その場か
ら風のように立ち去ったという。
帝国機関紙「ラグナロク」
特集!第七騎士団、その実態!
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オルダーナ帝国軍事組織を紹介してる本誌だが、今
回は数ある騎士団の中でも独自の行動が許されてい
るという第七騎士団の活動にスポットを当ててみた
い。
世界各地を飛び回る第七騎士団の任務は多岐にわた
るとされ、団員には単なる剣技のみならず、魔術や
古代技術の知識も必要とされると言われている。
そのため入団審査は厳しく、団員の数はほかの騎士
団と比べると少数である。
それについて、騎士団の将軍であるザイクス氏はこ
う語る。
「俺様の部下に無能はいらねーってことよ。
人数だけいても、足手まといになるだけだからな」
どうやら独自の行動が許されているゆえに、高いレ
ベルの任務をこなせる人材が求められているようで
ある。
団員の1人に話を聞く機会があった。
その者はザイクス氏が不在の時に彼の代理を務める
こともあり、騎士団の中では比較的ザイクス氏に近
い位置にいる者である。
「ザイクス様より告げられる任務は、いつも厳しい
ものです。
しかも、あの方はひとつのミスも許さない。
ミスをしたら、即除隊ということもあります。
ですが、それだけにやりがいがあります」
さらに彼はザイクス氏についてこう語ってくれた。
「ザイクス様は特殊任務のため、単独で行動するこ
とが多いです。
ですので、我々はあの方抜きで任務に赴くこともあ
ります。
一見、我々に騎士団の任務をすべて任されているか
のように思えますが、そんなことはありません。
どうやってかは分かりませんが、我々の行動をどこ
からか把握されているようです。
一度任務でわずかな失敗をして帰還したことがある
のですが、帝都に着いた途端にザイクス様より厳し
い叱責を受けましたから」
どうやら、ザイクス氏は放任主義に見えて、団員た
ちの手綱はしっかり握っているようである。
最後にザイクス氏に、第七騎士団団長と兼任してい
るという特務機関『グレイブキーパー』のことにつ
いて、思い切って聞いてみた。
だが⋯
「バカかテメーは?そっちの任務のことなんざ、口
にできるわけねーだろ!」
返されたのは厳しい言葉であった。
『グレイブキーパー』は存在こそ公に認められてい
るものの、その活動については一切公表されていな
い。
その返答は、もっともなものであろう。
これは、私個人が記すメモのようなものである。
某日、帝国の機関紙「ラグナロク」編集部より依頼
を受けた私は、第七騎士団を取材すべくその詰め所
を訪れた。
これまで数多くの帝国騎士団、組織を取材した私
だったが、第七騎士団だけは将軍であるザイクス氏
の都合がつかず、取材をする機会がなかった。
この度はその都合がついたとのことで、晴れて取材
できることになったわけである。
ザイクス氏は十賢臣の中でも一際個性的な人物だと
聞く。今から会うのが楽しみである。
第七騎士団の詰め所を訪れ、入り口で取材の旨を伝
えた私は、その中へ丁重に迎え入れられた。
だが足を踏み入れてすぐに、ある違和感を抱いた。
騎士団の詰め所といえば、団員らの安息の場所とも
言っていい。これまで取材したどんな騎士団でも、
詰め所の中だけは多少なりとも緩んだ雰囲気が漂っ
ていた。
だが、この第七騎士団の詰め所はそんな様子はまっ
たくなく、なぜか張り詰めた空気が流れていた。
それは何かひとつ間違えば、生命でもとられかねな
いような緊張感であった。
私が面会を待ち望んでいた人物は、詰め所の一番奥
の席に座っていた。
第七騎士団の将軍、特務機関『グレイブキーパー』
の永世騎士、そして十賢臣の1人、ザイクス氏であ
る。
私は機嫌を損ねないよう丁寧に挨拶するが、彼はそ
の言葉を聞く風もなく、こちらに近づいて軽く肩を
叩いた。
「テメーが取材に来た記者か。
まー、めんどくせーが、これも帝国騎士としてのお
仕事。
質問にはちゃんと答えてやるよ。答えられる範囲で
な」
その態度は「親しげ」というには、あまりに毒を含
みすぎており、そして「協力的」 というには、真摯
さの欠片も感じさせないものであった。
これまで、私はオルダーナが誇る英雄ダヴァン氏や
現在の帝国の軍事の大部分を統べるランスヴェル氏
などを取材したことがある。
彼らはその地位、高名にふさわしい威厳のようなも
のをまとっていた。
だが、このザイクス氏からは、そういったものは一
切感じられない。
しかし彼がダヴァン氏、ランスヴェル氏よりも劣っ
ているかといえば、これもまた違う。
人物の格、威厳などとは異なる、何か得体のしれな
いものをザイクス氏は感じさせていた。
(この人物は⋯一筋縄ではいかない)
すぐに私はそう直感した。
機関紙「ラグナロク」に掲載するための取材は滞り
なく進み、ザイクス氏も快く(と言っていいのか分
からない態度だったが)質問に答えてくれた。
だが、彼の返答に真摯なものがまったく含まれてい
ないことに、私は気づいていた。
当然である。
形通りの質問などで、この人物の本心を引き出せる
はずもない。
私は彼の本性を引き出すべく、いくつかきわどい質
問も投げかけてみた。
だがそのどれもザイクス氏によってはぐらかされ、
場合によっては罵倒される結果に終わった。
私は焦りを感じていた。
こんな特異な人物に取材できる機会は、そうそうな
い。
何でもいい。彼の心からの言葉を引き出すことはで
きないものか⋯?
そう考えた私は、苦し紛れに彼にある質問をぶつけ
た。
「なぜ、あなたは仮面を被っているのですか?」
質問に深い意味などなかった。
だが、ザイクス氏は私のその質問を聞き、これまで
の飄々とした様子を一変させる。
「仮面のことか⋯。
ま、これまで誰も聞かなかったし、俺も言わなかっ
たからな。
だがまあ、語るにはいい機会かもしれねーな」
そう前置きをして、ザイクス氏は次のことを語り始
めた。
幼い頃、ザイクス氏はある小さな村で平和に暮らし
ていた。
しかしそこに盗賊団が襲来。村は焼き払われ、
人々は殺されて金品などが強奪されていった。
ザイクス氏の両親も殺害されるが、彼自身はなんと
か逃げ延びることに成功。だが、逃亡の途中で焼け
落ちた建物の崩壊に巻き込まれて、顔にひどい火傷
を負ってしまう。
その後、成長したザイクス氏は両親の仇を討つべく
盗賊団を探すが、その行方は今でも掴めていないと
のことだった。
ザイクス氏のマスクは火傷の痕を隠すため、とのこ
とだが、実は治癒魔法を使えばその痕を消すことは
可能らしい。
だが、今もどこかで活動しているであろう盗賊団へ
の恨みを忘れないため、あえてそのままの状態にし
ているのだという。
語り終えたザイクス氏は、鎮痛な面持ちをしている
ように感じられた。
「そんなことが⋯」と、私は絶句した。
そして彼への同情とともに、こんな話を好奇心から
聞いてしまった心苦しさに胸をかきむしられる思い
にかられた。
だが次の瞬間、当のザイクス氏は私に対し、思いも
よらぬ言葉を発する。
「カハッ!俺の言ったこんな話、なんであっさり信
じちゃうかねー」
気づいた時には、ザイクス氏はこれまで通りの不遜
な態度で、私をあざ笑っていた。
私は驚いて「今の話は嘘だったのか?」と問いただ
したが、彼は嘘だとも、嘘ではないとも答えなかっ
た。
「ま、帝都で俺様のファンが増えるような記事、期
待してるぜ」
ただそう告げ、私の背中を叩いて去っていった。
まったく掴みどころのない人だ⋯。
おそらくは、この帝都で⋯いやこの世界で彼の本心
を知るものは、ほとんどいないのではあるまいか。
現在、ザイクス氏はローランド皇太子を支持してい
ると聞く。
だが、そのローランド皇太子は、ザイクス氏のこと
を理解できているのであろうか⋯?
いやそもそも、ザイクス氏が皇太子を支持している
こと自体、本心からのものなのだろうか?
分からない⋯。
いや、そもそも一介の記者風情に分かるような問題
ではないのであろう⋯。