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【白猫】The World of Guilty 2 Story2

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん


目次


Story4 迫害

Story5 冒涜

Story6 異端

Story7 告解

Story8 背徳



登場人物


贖罪の聖女 ルウシェ
神殿騎士 アシュレイ
司祭 ジェレミア
教皇
司教
アルバ
情報屋 ディスマス
信徒
騎士

古戦場の島クァナン

<罪の教団>





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story4 迫害


騎士アシュレイ。断罪のアルマをもつものよ。

アルマを背負うものには、ふさわしい使命が与えられます。

存じております。

あなたの使命は、罪への裁きです。

裁き……?

聖霊教会の名において、罪深きものを追い、断罪するのです。

私に、剌客になれと……!?

罪への裁きが、命をもっての贖いであれば。

罪を赦すことが、我らの教えではありませんか。

……裁くのはあなたです。


……

…………


<人々は、修道院に石を投げた!>


修道院は島から出ていけ!

お前たちは人殺しだ!

おぞましい邪教徒め!


騒動が大きくなっている!

我らが邪教徒だと!?許されん言いがかりだ!


……騎士アシュレイ、何かわかりましたか?

大体の状況はわかりました。教会の立ち退きを望む一団は、ある男に先導されています。

……その方と、話をしてみましょう。

司祭様、危険です……!

話し合えば、理解しあえるかもしれません。争いよりはましです。


……

…………


ジェレミア司祭が……

暴徒に襲われた。……重傷だ。

迫害者どもめ……!!

修道院に押し入られるのも、時間の問題か……!


…………

……


ううっ、アシュレイか……

司祭様。体は大丈夫ですか。

……司祭様か……今では君も騎士様だな。

<司祭ジェレミアとアシュレイは、寄宿学校で共に学んだ旧知の間柄である。>

私の言葉は、無力だったよ。

罪の前には……いかなる言葉も……救いには……

教会の教えは、無力ではない……!

アシュレイ……!

俺は征く。


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story5 冒涜



暴徒のみなさんは、何に怒っていたんですか?

きっかけは、ある事件だ。

十数人の女性が殺され、おぞましい儀式の生賛にされるというな……

ひどい……

儀式の場には、聖霊教会の紋章や、聖女の像が残されていた。

……聖霊教会は、邪教と仕立てられた。


…………

……


暴徒の先導者は、ここか……


聖霊教会憎しの声が広まれば、事実はいくらでも摸造できます。

我が国の現状は厳しい。教会の財産を奪えれば、いくらか足しになる。

金と土地ですね。奴らは信者から巻き上げた金を溜め込んでいますので。

そうそう。生賛の儀式をやるときには、また声をかけてくれよ。

もちろんです。

実に新鮮な体験だった。

聖霊教会の信徒たちも、同じ目にあわせてやりましょう。

それがいいな。国民も支持するだろう。


……そういうことか。


ギャアアアアアアア!!

ヒッ……!?

質問に答えろ。


…………

……


<陰謀を企てていたのは、政府そのものだった。

国家の法で、裁くことはできない……>


ろくに税金も払わぬ、貧民どもではないか……!

国のための犠牲だ……本望だろう……!

……それで、罪もない民を殺し、教会に罪を着せたのか。

<アシュレイの胸に、司教の言葉がよぎる……>

――……裁くのはあなたです。――

お前が殺した女性には、結婚相手がいたそうだ……

だから、何だ?


…………

……


<――国の法で裁かれれば、聖霊教会に累が及ぶ。

また、教会は自殺を禁じていた。>


心は決まった。

アシュレイ……!

罪には咎を。神殿騎士団の戒により、俺を断罪せよ。


なりませぬ、騎士よ。

司教様……!

教えに殉ずるというのなら、使命に殉じなさい。

汝のその剣を、<贖罪の聖女>に捧げるのです……!

<贖罪の聖女>……


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story6 異端



俺は愚かだった。罪人を断罪しながら、罪を重ねていった。

ご自分を責めないでください。

確認しているだけだ。俺が罪人であることを。


…………

……



銀行の事業は順調らしいな。

おかげで多忙な日々だよ。

<教会が金を預かるということは、珍しいことではない。

こと聖霊教会は、様々な島に教区を持つ。経営には都合が良かった。>

助かっているものも多いと聞いている。

<神殿修道院銀行は、貧しい人々に無担保で金を貸していたのである。>

俺たち騎士は、罪と戦うことしかできない。

お前は罪から人を救っている。それこそ希望だ。

君は詩人だね。

よせ。

はははは。

……貧困は罪を生む。俺のところにも、嫌な話が入ってきた。

教会の信徒が、行方知れずになっているらしいね。

今、調べを進めている。

……罪は赦すというのが、我が教会の教えだ。

俺は異端者か。

君だけが罪を背負う必要はない。


……

…………


<アルマは、見聞きしたものをジェレミアに伝える……>

――そうか。

この島の王族に、そんな趣味があったとはね……

……さて、この件をネタに、どのような手をうつか……

……そうだアシュレイ。

本当の罪人は君ではない……

この私だ。

裁かれるべきなのは、この私だ……


<アシュレイも知らぬことであったが、ジェレミアもまた、アルマを背負っていた。

アルマは戦いに使えるものばかりではない……

むしろアルマの得意とするのは、神出鬼没を生かした偵察や情報工作である。

アルマの存在こそ、聖霊教会の力の源である。

アルマの得た情報こそが……>


この行いは、おそらく罪だろう。

だが、立ち止まるわけにはいかない。

銀行は貧しい人々を守るため、必要な手段だ。

この事業を進めるために、私自身の有用性を、示さなければ……

<ジェレミアは、日記に自分の見聞きした秘密を書き付けていく……>

教会には裏の顔がある……醜い顔が……

贖罪の聖女……

そして、原罪……

……全てを知るものは……


…………

……


数日後。

ジェレミアはアルマを使い、ある人物を追っていた。


彼は卓越した使い手だ……

細心の注意を払わねばな……


……何かを追っているのか。

……仕事熱心だな、君はー――


<アシュレイが追っていたのは、人身売買である。

悪徳業者が、正当な仕事の斡旋と偽り、違法な採掘をさせていたのだ。

アシュレイは動いた。>


酷いものだな……


<手遅れであった。

洞窟内で発生した瘴気の影響で――

鉱夫数百名が死亡。

数日後、違法な採掘に関わったものたちが、次々と屍をさらしていった。

ギャング、政治家、実業家、貴族――>


なんだと――

<同時に、人身売買の事実もまた衆目の知るところとなった。>

……これは、まさか……!!

<アシュレイが裁きを下したものの中には……

ジェレミアの知る人物がいた。>

……どうしてこの男が……銀行に関わっている……

銀行の出資者だ……聖霊教会の信徒でもある……

まさか、この銀行は……!


…………

……


<アシュレイは一人、祈りを捧げる……>

俺の手は、罪に穢れている。

だが、救いのない道であれ……進むことに、意味があるはずだ。

……問題が手にあまると、人間はある種の境地に達しちまうものらしい。

どうなると思う?開き直るのさ。そりゃもう見事に……

――信徒の方ですか。

俺はアルバ。退屈の敵だ。

罪の告白をお望みでしょうか。

おしゃべりがしたいのさ。例えば罪についてだ……興味があるだろ?

私にとっては、教会の教えが全て。

救いはあったか?

――救い?

聞かせてくれ。あんたの魂は……救われたのか……?

そこに救いがあるかは、関係はありません。私には信仰が全てです。

お前は見張られているぞ、アシュレイ。

……何をいっている?

ほら、そこだ。

――俺に監視が――

ヤバい状況なのさ。お前さんも、周りの人間もな。

<デュナミスは白衣の人物に、剣をつきつけた。>

何者だ。

興味がわいてきたら、聖バルトロ教会の納骨堂を調べてみるんだな……

まずお前から調べる。


アシュレイ殿――

これは……!?

何か?

――何でもない。



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story7 告解



<アシュレイは、納骨堂で書類を見つけた……>

このリスト……まさか、これは――

人身売買に関わった人間のリストだ……それにこの帳簿……

取引に教会銀行を……人身売買で得た収益の、資金洗浄に使っていたのか?


…………

……


情報屋のディスマスだな。

お、おい……落ち着けよ。

聖霊教会に、背徳者が紛れている。誰だ?

へへへ、何をいってるんだ?

答えろ。信徒を売ったものは誰だ!

……おい、気をつけろ!アルマが見張ってる……

俺のアルマに見張らせている。ここにはいない。

OK……じゃあ教えてやる。これだ。

<ディスマスは、アシュレイが胸に掲げた教会の印を指差す。>

聖霊教会そのものが……背徳者だと……

あんたはやりすぎた。


…………

……


なるほど、これが……修道院銀行が作られた、本当の目的か……

この事実を明るみに出せば、銀行どころか、教会も……

だが、この罪を見逃すなど、私にはできない……

貧しいものが、少しでも救われればと思ったが……

――何ですか。

ジェレミア司祭。貴殿に異端の疑いがあります。

私に……!?

貴殿を捕縛する。

……くっ……!!

アルマを出したか!!

追え!!


…………

……


ジェレミアも知っていたのか。

司祭は、資金洗浄のことを公表するつもりだ………口封じに殺される!

俺のような屑にも、金を貸してくれた御仁だ。あの人には恩がある……



……聖霊よ……

我を導き給え……

ぐはっ……!!


……

…………


……アシュレイ。

しっかりしろ!!

……私は知っていた。教会の裏の顔をな……

だがそれでも、救われるものがいると信じていた……

もう喋るな。

修道院の私の部屋に、知る限りのことを残した。ごふっ……

ああ、聖霊よ……なぜ私を見捨てたのですか……


…………

……



<――修道会に戻ったアシュレイは、手記を開いた。>


聖霊教会は聖霊による救済を教義としている。しかし――それは表の顔にすぎない。

教会の真の目的は、<贖罪の聖女>の復活にある。

教会は非合法な手段を使い、罪のアルマを背負う器を探し求めていた。

数百年の時をかけて……器となった少女は、アラストルを背負い、罪を食らう。

だが、教会の求めるだけの器となりうる少女は、見つからなかった。

少女たちは罪の重さに耐えきれず、短く救いのない生涯を送る。

だがそこに、希望が現れた。ルウシェ・エルレンシア……



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story8 背徳


ジェレミアが残した資料にお前の名前があった。

聖霊教会の始祖たる贖罪の聖女。かって聖霊の奇跡により、世界を救った御方。

それを再び迎えるのが、教会の秘められた野心だった。

だから騎士様は、私に裁きをくだそうと……

あのときお前は、死を受け入れていたな。

はい。

どうしてだ。

御使い様は、私の罪を断ってくださる方です。

全ての罪を背負った私を、神気へと返していただける方。

……騎士様こそ、私の御使いだと思ったのです。

……狂気だ。お前だけではない。教会も、俺も……


……信徒たちか。

罪に贖いを。聖女様……

罪に贖いを。

聖女様。どうかこの島の者にも、秘跡をお示しください。

わかりました。


……

…………


祈りを捧げましょう。

人は罪に穢れている。聖霊だけが罪より人を救うのです。

……救済か。くだらない。

……じいや!?

坊ちゃま……

<ルウシェは、祈りを捧げた。>

あなたの罪を、私にください……

おお……なんという……

アシュレイ坊ちゃま……私は、罪を犯しました……

そんなことはいい。

城門を開けたのは私です。

――何を言っている。

私は信仰を偽っていました。このじいやは、罪の教団の信徒。

…………何だと。

あの晩私は城門を開け、異教徒を呼び込みました。

どうしてそんなことを!

私は聖霊教会に、家族を……殺されました。

以来私は、復讐のために生きていたのです。

――ですが、全ては虚しかった。聖霊教会ではなく、この私こそが、罪人だった。

……いまさら……いまさら罪を悔いるな!

私にはもう、悔いることしかできないのです。

全ての憎しみが、嘘のように消えてしまいました。

さあ私に裁きを。いかなる罰も受けましょう。

うおおおおおおお!!

<騎士は叫んだ。叫びながら、地面を叩いた。>


……連行する。

<騎士たちは、老人を連行していく……>

……騎士様……

ははは……こんな世界が救われるものか……

……ああ、罪が……騎士様を……!

お願いです。騎士様の罪を、私に……!

ふざけるな……お前は俺から……全てを奪うつもりか……!

罪が、騎士様を追い詰めて……苦しめているのに……

何もしないでいるなんて、私にはできません!

うるさい……!!お前の答えなど……待つ必要は無かった……

この世に救いなど、ありはしない!

……私が……私が……全てを背負います、だから!

終わりだ、ルウシェ。罪を贖うなら、勝手にしろ。

待ってください!

来るな!



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