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【白猫】ワールドエンド Story2

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作成者: にゃん
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story3 終わりのあと



「……この島も、もうダメなのね。

……ごめんなさい。」


(ここにも、もう人はいない……

みんな、いなくなってしまった……

キャトラ、どこにいったの?あなたまで私が……)



――

「誰かいるの!?

――

人!?大丈夫!?」

(弱いけど脈はある……)

「絶対助けるから!

<*×○■!&%$…………>

ごほっ!ごほっ!はあ、はあ…………どうして!?

はあ、はあ……<*×○■!&%$…………>

あなただけでも……あなただけは……救う。

お願い……だから……もう死なないで……誰も……


<*×○■!&%$…………>



「けほっ!」

「お願い!死なないで!!」

「こ、こ……は?あなたは……?」

「よかった……本当に……」

「……どうして、あなたが……お礼を?」

「生きていてくれているだけで、それだけで……」

「…………」


泣きながら微笑む、その表情がとても綺麗でこの世のものとは思えなくて――

――私は救われた気がしたのだ。



これはおわりのはじまりの物語ではない。

絶望と贖罪だけの物語でもない。


これは出会いの物語――

そして、約束と再生の物語。




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story4 最後の希望


<終焉の日>と呼ばれる大厄災は世界を一変させた。


まずは天変地異が起き、その被害によって多くの命が失われた。

次に起きたのはルーンの消失。全てのルーンが力を失い、朽ちていったのだ。


ルーンの恩恵を失った者たちは、わずかな命を燃やすように争いをはじめた。

だが、戦争も長くは続かなかった。

ソウルの枯渇現象により、争う術すら失われていったからだ。

精霊や妖精は姿を消し、人々もまた活力と希望を失っていった。


私は、そんな世界で――――多くの悲劇を見た。

生きるために尊厳を捨てていく人々を見た。盗み、奪い、殺しあう人々を見た。

それでも私は抗いたかった。世界は、人は、そのようにできてはいない!

だって、世界は美しかったのだから――


でも、私の抵抗は無駄だった。ちっぽけな私に世界を元に戻す力なんてない。

私は一人で荒野に倒れた。もう立ち上がる気力もなかった。絶望に押し潰された。

そんな時――


――アイリス様と出会った。



 ***



「エレノア、全部採ってはダメ。新芽や小さいものは残していくの。」

「はい!と言っても……みんな小さいと言いますか……」

「……それでも、可能性はあるから。」

「そうですね。でも、どうして食べられる草とかわかるのですか?」

「これは山菜よ。昔、まだ緑が残っていた頃、冒険のついでに採ったりしてたから。

どうしたの?」

「アイリス様が笑っていたので。なんか、嬉しくて。楽しい思い出なんでしょうね。」

「……そうね。」

「……他にも食べ物があるかもしれない。探しましょう。」

「はい♪」


 ***


「いただきます。」

「はあ……久しぶりに具のあるスープ……幸せな気分になりますね。」

「そうね。」

「アイリス様、まだ、この島を探しますか?」

「そろそろ次の島へ移動してもいいかもしれない。」

「みつかるといいですね、キャトラちゃん。」

「……そうね。」


 ***


アイリス様に助けられた私は、こうして一緒に旅を続けていた。

アイリス様はキャトラという名前の子猫を探しているらしい。

だが、その名前を口にする時、アイリス様は泣きそうな顔をする。

その表情を消したくて、私は、ことさら明るく振る舞うのだ。


 ***


「アイリス様、次はどの島に行きますか?

私、行ったことのない島に行ってみたいです。アオイの島とか、ジモ島とか……」

「そうね……どちらも素敵な場所だった。ただ、この島からだと少し距離がある。」

「……そうなんですね。」

「……もう休みましょう。明日から、また旅の準備をしないといけないから。」

「はい、おやすみなさい。アイリス様。」


 ***


アイリス様が抱える悲しみを私は知ることができない。

歯がゆかった。

私が笑っていられるようにアイリス様も笑顔にしたかった。

それだけが私の望みだ。それだけが、なにもないこの世界で私が心に抱いた唯一の希望なのだ。




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「アイリス様、スープができました!」

「おいしそうね。」

「これだけ食材が少ないと……料理も工夫のしがいがありますね♪」


「ふぅ……お腹いっぱいです♪」

「ごちそうさまでした。」

「おそまつさまです♪」



story5 光の王



「アイリス様、大丈夫ですか?」

「ごめんなさい、エレノア……少し休ませて……」

「あちらの岩かげで休みましょう。」


 ***


あれから、どれだけの夜を越えただろうか――

私たちは、まだ一緒に旅を続けている。


最近のアイリス様は元気がない。

もともと明るい方ではなかったがここ最近は体調もよくなかった。


 ***


「アイリス様、とっておいた干し肉、ここで食べちゃいましょう!今夜は奮発です♪」

「ありがとう。でも、私はいいわ。あなたが食べて。」

「ダメです。アイリス様が食べてください。今朝からなにも食べてないですよね?」

「……そうね。ありがたく、いただきます。」


 (放っておくとアイリス様はなにも食べない……本当に死んでしまう……

このままじゃあ、ダメだ。でも、どうしたら、アイリス様に生きる希望を持ってもらえるのだろう?

いったい、なにを抱えてこんなに弱ってしまっているのだろう?

わからない……)


 ***


「エレノア、どうしたの?」

「……お聞きしたいことがあります。」

「なに?」

「……アイリス様、あなたに、なにがあったのですか?」

「…………」

「ずっと怖くて聞けませんでした。でも、最近のアイリス様はまるで生きることを諦めているようで……

頼りにならないかもしれませんが、私はアイリス様の力になりたいんです。」

「……ごめんなさい。」

「やはり私ではアイリス様の力にはなれませんよね……」

「……違うの。私はあなたをだましているから。

この世界が、こうなったのは私のせいよ。」

「どういうことですか?」

「……私は光の王。かつて天上にあった白の王国を統べていた者。理の一端を担っていた者。」

「…………」

「信じられない?」

「その……だって……おとぎ話の……」

<*×○■!&%$…………>

――

「光が……地面から草の芽が……」

「ぐっ!」

「また枯れた……?」


「光は命の輝き。その輝きが失われていく世界。それが、今のこの世界です。

あなたには話さなければならないわね、エレノア……」

「…………」



ずっとずっと昔のこと……

はるかな天空に浮かぶ美しい王国……


私はそこで彼と出会い、約束を交わした――



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story6 前をむいて



――アイリス様の話は続いた。


アストラ島でアイリス様が主人公さんと出会い飛行島を手にいれた冒険の物語。

大いなるルーンを求め、約束の地にむかうための物語。

失った過去を手繰り寄せるように語るその口調は、淡々としながらも静かな熱を帯びていく。


アイリス様たちは多くの仲間と力を合わせ、大いなるルーンをすべて手にいれた。

そして、宿敵である闇の王と対峙する――


「闇の王は周到だった。でも、主人公が、不思議な力を使って……

闇の王は倒されたわ。でも、代わりに……あの人が壊れてしまった――」



主人公は闇の王の力も取り込み、この世界を破壊しようとした。

戦いのなか、仲間たちも彼の前に散っていった。

止めたかった。止めようとした。でも……


私は世界とあの人を天秤にかけ――

――また世界を選んだ。


「”彼”は、最後の瞬間、私に振りおろそうとした剣を止めたの。

――私は止めなかった。」

「…………」


でも、意味がなかった。

主人公から放たれた闇は全てを飲み込んでいった。

光だけではなく闇さえ蝕む呪われた力。それが<終焉の日>の原因。


すべての光が消える時、闇もまた消える。そして全ては無に帰る。

避けられない未来の運命。私の犯した二度目の罪の結果。



「これが、この世界を守ろうとしてすべてを壊してしまった王の話よ。

私が諸悪の根源なの。」

「………………納得できません。」

「…………」

「……どうしてアイリス様が全てを背負わないといけないのですか?

アイリス様は世界を守ろうとした!そのために大切な人まで失ったじゃないですか。」

「…………」

「そんな辛い思いまでして、こんな結末……こんな世界……絶対におかしい!!」

「…………」

「どうして、こんなことになってしまったのですか?

どうして”その人”はおかしくなってしまったのですか?」

「……わからない。」

「だったら調べましょう! 調べれば、なにかわかるかもしれません。

もしかしたら、この世界を変えられる可能性だって!」

「…………」

「アイリス様、あがきましょう! あがいて、あがいて、あがいて、それでもダメなら……

その時は、私も一緒に背負います。私が一緒に謝ります。だから、諦めないでください。」

「……強いのね。そういう前向きなところキャトラに似てる。」

「諦めが悪いのが私の取り柄です。どうせなら最後まで笑っていたいじゃないですか。

主人公さんがおかしくなったことについてなにか手がかりはありませんか?」

「……闇の王は、あの力を魔幻獣の力だと言っていた。」

「魔幻獣……ですか?」

「闇の王が大昔に作っていた兵器のこと。それを利用される前に私たちは魔幻獣を破壊した。

……そうね。もう過去の思い出にすがっていてもしかたがないのかもしれない。

……キャトラはもういない。わかっていたの……あの時、私を守って、消えてしまったことは……」

「アイリス様……」

「エレノア、ありがとう。あなたのおかげで、前をむくことができそうよ。

この世界がこうなってしまった理由をつきとめましょう。」

「はい!」



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story7 虚無の野望




「アイリス様、あそこに村のあとが……」

「リンツ島……あんなに緑の多い島だったのに……」

「…………」

「たしか、ロイドの家は……こっちに……」


 ***


「この家は、まだ大丈夫そうですね。でも、どうしてでしょうか?ほかは崩れているのに。」

「ロイドは魔術に詳しかった。なにか、していたのかもしれない。」

「アイリス様!見てください!本ですよ!!久しぶりに見ました……」

「手がかりがあるかもしれない。探してみましょう。」

「そうね。手がかりがあるかもしれない。探してみましょう。」


 ***


「アイリス様、なにかわかりましたか?」

「……いいえ。新しいことはなにも……」

「この机、やけに綺麗ですよね?なかは調べましたか?」

「ええ、でも、なにもなかったわ。

なにをしているの?」

「孤児院の友達が、先生からいろいろなものを隠すために仕掛けを作っていたんです。

たとえば、二重底とか……

あ、本当にありました!アイリス様!本です!!」

「日記帳?」

「みたいですね。」


……これを誰かが読んでいるということは、既に私はこの世にいないのだろう。

これを読んでいるのは誰だろうか?光の王?闇の王子……はないな。

大穴で闇の勢力の人間かもしれない。まあ、誰であれ、どうでもいい。今、これを読んでいる君に、一つ言っておきたいことがある。

ざまあみろ。私の勝ちだ。


「…………」


さて、せっかくだ。勝ち誇りながら種明かしをしてやろう。

四魔幻獣は闇の王が作った兵器であり、莫大なソウルを貯蔵したブースターだ。

大自然のソウルを集め、起動と同時に闇に変換する。

どうして闇の王が手出ししなかったと思う? 答えは単純だ。

不完全な闇の王にとって、魔幻獣の力は強大すぎた。故に放置せざるをえなかったのだ。

その理屈でいえば、闇の王子ならば、問題なく扱えるものだった。

だが、本当に闇の王子以外、扱いきれないものなのだろうか?

革新も革命も破壊の上に成り立つ。幸いなことに、私は物事の破壊が得意だ。

ソウルの器に最も適しているのは生体だ。多くの人命を消費したが、犠牲の上に成り立つ芸術は甘美で嗇惑的でさえある。

私は研究の末、人為的な器の製造に成功した。

次に私がしたことは、効率良く世界を破壊するためのシステム構築だ。

短絡的な方法を選ぶのならば、強大な力で、すべてを蹂躙してしまえばいい。

だが、それではより強大な力の前に無力だ。敗北や私の死を経てもなお、世界を破壊するシステムを作る必要があった。

――それが<虚無のソウル>だ。

光も闇も同時に侵蝕し、消していくシステム。だが、わずかな量なら意味はない。

例えば魔幻獣のソウル、闇の王子、闇の王――これらすべての闇を集めることができたら――

すべての光を消し去るのに充分な量になる。


「…………」


計画の方向性は決まり、私は闇を虚無のソウルに作り変えるシステムの構築に成功した。

私が死ねば闇の王子か闇の王に虚無のソウルを奪われるだろう。やがて、それは世界を破壊するに足る力になる。

君たちが勝利を確信したその時に虚無へのトリガーは引かれるのだ!

私が闇の王子と闇の王を殺し、そのトリガーを引きたかった。

まあ、いい。既に計画は最終段階だ。魔幻獣をすべて破壊できたのだから私の勝利は揺るがない。

これを読んでる君は絶望と憤怒のなかにいるのではないか? そんな君に送りたい言葉がある。

ありがとう。心の底から感謝する。

私の手伝いをしてくれて。私を殺してくれて。本当にありがとう!

君たちは私の想定どおりに動いてくれた。

君たちのおかげで世界は今、壊れようとしている。

ありがとう、本当にありがとう。心の底から感謝してもしきれない。




死に至る病

「…………」

「…………」(どんな言葉をかければ……)

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story8 望郷



「そんな……あの時から……」

「大丈夫ですか?」

「ごめんなさい。少し気分が……」

「お休みになってください。ここなら風雨はしのげると思いますので。」


もともと具合のよくなかったアイリス様だったが、リンツの島を訪れてからは、さらに容体が悪化していった。


「アイリス様、次はどこに……」

「…………

そうね……どこへ行けばいいのかしら……ごめんなさい、もう少し考えさせて。」

「……私、行ってみたい場所があります。」

「……どこ?」

「飛行島です。私、アイリス様たちの冒険の話、大好きなんです。」

「……ソウルが枯渇してしまった今、飛行島はどこかに落ちてると思う。」

「それでも、行きましょう。

だって、アイリス様の故郷みたいなものじゃないですか。」

「…………

飛行島……懐かしい……大変なこともあったけど、楽しいこともたくさんあった。

主人公、キャトラ……バロンさんにヘレナさん……みんな、いた……

ごほっ、ごほっ……」

「アイリス様!?」

「……大丈夫。あなたを不安にさせてしまったみたいね、エレノア。」

「…………」

「そうね、行ってみましょう。飛行島に。」




終わりへの旅路

「飛行島……

どんな場所だったのですか?」

「素敵な場所だったわ……」

「…………」


「ゲホッ! ゲホッ!」

「アイリス様、大丈夫ですか!」

「大丈夫……」

「…………」


(アイリス様の体はもう……

私はどうしたら……)


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story9 崩れる思い出



飛行島への旅は困難を極めた――

世界は広く、飛行島の位置はわからなかった。そして、残された時間はわずかだ。

アイリス様の飛行艇はまだルーンの輝きをかろうじて保っていた。

光の王のそばにあるため、他のルーンより寿命が長いのだそうだ。

それでも、その輝きは失われようとしていた。そして――

――アイリス様に残された時間も。


「アイリス様! 起きてください!! もしかして、アレでは!?」

「本当に落ちてしまっているのね……」


 ***



「…………」

以前、そこにあったであろう建物は崩れ、風化が進んでいた。

「アイリス様……」


 ***


「ここがバロンさんの鍛冶屋だったの。こっちでヘレナさんが料理を作ってくれてた。

主人公はバロンさんを手伝って、私はヘレナさんと一緒にパイを作って……」


だが、そこにあるのは、瓦傑の山だけだった。


「主人公やキャトラと一緒に、ここで…………っ!」

「……アイリス様?」




飛行島

「…………」

「…………」

「…………………………ただいま。

…………」


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story10 たくされた運命



――私には王としての責務がある。

たとえ世界を滅ぼした愚かな王であろうと――

すべての罪を背負い、生き続けなければならない。

自分の罪を見届けなければならない。


私は王だから……

最後まで王として振る舞わなければならない――


「…………」

「……あれは?」



飛行島の動力源は輝きを失っていた。



小さくなってしまった動力源へと手を伸ばす――



パリンッ――……



「ダメ……そんな……」

祈ってはいけない。求めてはいけない。それは更に罪を重ねることだから。

でも、本当は――

あの時、剣を止めたかった――

世界のことなんて、選びたくなかった。誰も犠牲にしたくなかった。

もう二度と約束を破りたくはなかった。


「アイリス様?」

「…………げほっ、げほっ!」

「無理はしないでください!」


伸ばされた手をそっと握り返す。まだ温かい手のひらには、命の光が満ちている。

「…………」


光の王が消えた後、新たな光の王が生まれる。

新たな王ならば、世界を救える可能性がある――


「「アイリス――」」


取り戻したい。みんなを……あの陽だまりのような光を……

――あの頃に戻りたい。


「アイリス様、大丈夫ですか?」

「私は、もう永くない……この世界も消滅の運命を変えることはできない。

でも、別の可能性があるわ。この世界は無理でも別の……」

「そんなこと、おっしゃらないでください。」

「……光の王が消えたあと、新たな光の王が生まれる。新しい王なら、この世界を救えるかもしれない。

私が持っていた力のなかに<運命>を覆す能力があった。私の存在全てを使えば、そのルーンを生み出すことができる。」

「……なにを、おっしゃってるのですか?」

「<運命>のルーンの力ならこの終焉を変えることができるかもしれない。

エレノア、あなたは世界を元に戻したいと言っていたわね?でも、この世界は、もう救えない。」

「…………」

「それでも、ほかの可能性なら模索はできる。だから、お願い、エレノア……」

「アイリス様……」

「これは王を貫けなかった私の<我儘>。私の願い。

……エレノア、お願い。世界を救って……」

「………………わかりました。任せてください。私、がんばります。」

「……エレノア、ありがとう。」


<●▽……&?!■……↓!●■■……●*χ……■**?■▽◆……十*&――◆■○↑

……*?!◆*×○■!&%$…………>



「アイリス様……


ルーンと一緒に青いリボンが地面に落ちた。

ルーンとリボンを手に取り、決意を固める。


「これが王としての力……?

私のなかからアイリス様の記憶が……消え……

ダメ!!

<*×○■!&%$…………>

絶対に消させない。絶対に忘れないっ!アイリス様の存在を消したりしないっ!!

――くっ!!急がないと……


――七つの力がうちの一つ、<運命>の歯車よ――

我はその巡りに異を唱える……


――辿るべき真実の道を示せ――



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