【白猫】メア(EH)・思い出
毅然たる元退魔士 メア・ミスニーハ cv.野中藍 元退魔士の少女。凛とした戦士だが、普通の女の子の一面も。 バイパーらと共に、<レディ・キラー>の一員として参戦。 |
2020/05/29
Extend Horizon
思い出1
<アテル・ラナの作戦行動から、少しだけあと――>
<状況はいまだ混迷したまま、各勢力は緊張状態を保っていた。>
<そんななか――>
えっと、お邪魔します。
いらっしゃい、メアさん♪
どしたのメア?そわそわして。
だって、今はまだ予断を許さない状況でしょ。
現状は、あくまで『待機中』。いつ、次の戦いが始まるかは誰にもわからないもの。
それに、飛行島にくるのもちょっと久しぶりだから、ね。
そういえば、だわね。アンタったら、最近ずーっと仕事で飛び回ってるんだもの。
お忙しいんですか?
今の私はもう、退魔士ではないけど――
<人の魂を喰らう存在――<混沌>>
<実体をもたない無形の脅威に、唯ー対抗しうる存在それが私たち退魔士だった。>
<けれど――>
<――<混沌>なんて、最初から、存在しなかった。>
<私たちがそう呼んでいたモノの正体は――ただの、<闇>>
<私たちは、<闇>を集めようと企む悪しき存在によって騙され、利用されていたに過ぎなかった。>
<退魔士という肩書きも。ずっと抱いてきた使命も。とつぜん、意味を失った。>
<それでも私たちは、今も、戦い続けている――>
過去を無意味にしないために。多くの人たちの……力になるために。
だから……くつろいでなんて、いられないわ。
ホヤーーー!!!
(ホヤー……!?)
……ホヤが食べたいの?
ちがわい!
なによ、ちょっと離れてたくらいで他人行儀になっちゃってさ!
そんなことないってば……
なら、アタシたちの前でくらい……飛行島にいるときくらい……
だらっとリラックスなさいな……!
キャトラ……
大丈夫ですよ、メアさん。今は私たちがついてますから。
だから少しでも、体と心を休めましょう?次の戦いにそなえて……
……うん、ありがとう。
ごめんね。いろいろあって、ちょっと気を張りすぎてたかも。
ふんとにもう……!!
ふふ……
……やっぱり、ほっとする。あなたたちと……話してると♪
思い出2
で、最近どう?
雑な振りね……
勝手知ったるってやつよ。最近、楽しい?
うん。仕事もプライベートも、そこそこうまくやれてると思う。
これまで仲良くなった人たちとも、手紙でやり取りしたり、ときどきだけど遊んだりしてるわ。
あ、そうそう、この間ダグラスさんとクロエさんの家に遊びにいったんだけど――
***
「すみません、クロエさん。夕飯までごちそうに……
「いいのよ。わざわざ会いにきてくれたんだもの♪
それに、作るのは私じゃなくて――
「おまちどうさん、メア。ダグラス特製シチューの完成だ!
「え、もしかして……ダグラスさんが作ったんですか!?
「すげーだろ?最近、いろいろチャレンジするのがすげえ楽しくてさ♪
ヨシュアやミレイユには大好評だったんだぜ?カティアのやつはなんか、悔しそうにしてたけどな!
「へぇ~……それじゃあ、いただきます……
……っ!うわ、美味い!
「ヘヘっ、だろー?シチュー作りだって……
「――<できちまう>なら、私のシチューはもういらない?
「ちょ、そりゃねーぜ姉ちゃん!?
「ふふ……ダグラスさん、あわてすぎ。
……ダグラスさんもクロエさんも、元気そうでよかったです。
おみやげ話、他には他には~ん?
矢継ぎ早ねえ。……あ、そういえばこの前――
***
「乾杯。
「はい……乾杯。パフェですけど……
「あたしと二人は、落ち着かない?
「……正直、ちょっとだけ。セラさんとサシってあんまりないですし……
「なら、単刀直入に本題を。
――今日は、助かったわ。
あなたの感知能力がなければ、今回の戦いは危なかった。みんなが無事だったのはあなたのおかけ。
(……なんか、初めてセラさんに褒められた気がする……)
「次も、頼りにしてるわね?
「……!はい……っ!!
「褒められたからと、浮かれすぎるなよ?
「うわぁ!?いつからいたんですか!?
「それがわからんようでは話にならん。マスター、酒を。
「ー人前には遠いみたいね。お嬢ちゃん?
「研鍛しろ。
「うー……
そんな感じで、子ども扱いは相変わらず。
でも、絆……みたいなのは感じる。でも、絆……みたいなのは感じる。共闘にもだいぶ慣れてきたし……
ふふ、ちょっと安心したわ。
?
なんでもなーい♪ほら、久々に来たんだから、もっとお話しましょーよ!
はいはい……
思い出3
みんな、いるー?
あら?誰かと思えば天才美少女じゃない。
他人の口から言われると、あ~ってなるからやめて……
セレナ!
あ、メア!あなたも来てたんだ?
こんにちはセレナさん♪今、お茶を……
あ、ちがうちがう。遊びにきたんじゃなくってさ。
この状況でしょ?なにか、手伝えることとかあるかなーって……
……頭でも打ったの?
あたしの印象ってなんなのよ!
わざわざありがとうございます♪
でも、お掃除もお洗濯も、もうー段落ついていて……
あ、じゃーさ!人手があるうちに、飛行島でびゅびゅんとヨソの島に飛んで、いろいろ買い込んでおかない?
うん、いいかも。食料に衣類に日用品、医療道具、他もろもろ……
戦いの場では、いろんな物が入り用になるもの。
決まりね!それじゃ、ゴーゴゴー♪
***
おまたせ、メアー。こっちは大量大量!
こっちもオーケー。じゃ、みんなと合流しましょう。
これだけ人の多い街だと、いろんなお店があるのね……
あそこの服の露店、ちょっとだけ見ていい?
ふくぅ?
セレナって、おしゃれとか興味ないの?
興味がないってことは、そりゃ、ないけど……
戦ってばっかだったから、あんましよくわかんなくてさ……あはは……
自分で『天才美少女』なんて言ってたクセにー?
やめてってー!
ふふふ♪そうだ、ちょっとじっとしてて?
たとえば、そうだなあ~。このワンピとか、どうだろう?
うん、いい感じ。
な、なによ!そのフリフリのヒラヒラ……!
それともこっちの、シックな方……
……うん、こっちも似合いそう。スタイルいいなぁ……
~~~~~……!!
どう?セレナはどっちが好み?
わかんないわよ!
う~~~ん……じゃあよし、両方買っちゃおう。おごってあげる♪
へ!?い、いいってば!
いいからいいから♪私が着せたいの♪
思い出4
みんな、ただいまー。
おかえりー。
あ、セレナさん、服買ったんですね!
待たせてごめんね。それじゃ、飛行島に戻りましょ。
の前にさ……あのお店、気にならない?
あれは……フルーツパーラー<スイーツウィッツ>!?この島にも展開してたなんて……!
……知ってるの?
知らないの!?数多くの島でお店を出してるスイーツの人気店で、特にパフェは甘いもの愛好家ならぜったい食べておかないと人生損するって言われてるくらい絶品らしくて……!!
へぇ……
うう、食べたい……!食べたいけど……!あんまりのんびりもしてられないし……!
ところがどっこいトコロテンよ。
……!?
看板に書いてあるわ。テイクアウトもオッケーって!
じゃあ買って帰って、飛行島で食べられるわね♪
***
レインボーフルーツパフェでケーキ生地はベイクドチーズ♪ジェラートはサクラニシキで……追加トッピングでヘーゼルナッツとチョコレートチップ、それにキャラメールソースも!
(……なに?呪文?)
次のお客様、ご注文をどうぞ♪
え!?えぇと……!
(……わざわざ聞くのも、ちょっと恥ずかしいしなあ。まあ、どうにかなるでしょ……)
***
ドリアンケーキに、からしジェラートに、しらすチップに……
上に乗ってるのは、タコ足……?
攻めたわね、セレナ……
なによこれ!!?
アンタも想定外かい。
よくわかんなかったんなら、メアに聞けばよかったのに。
……あたしはどーせ、意地っ張りの世間知らずよ……
いいわよ……ちゃんとぜんぶ食べるし。
ね、セレナ。
あとで、シェアしよう?私のも半分あげるから♪
……ん。ありがと!
お疲れ、セレナ。今日はありがとね♪
んーん。こっちこそ、いい気分転換になったわ。ありがと♪
またね、セレナ。状況が落ち着いたら、またー緒に出かけましょう♪
オッケー。……ねえ、メア?
初めてメアと会った日、あたし実はちょっと緊張してたんだよね。
あなたはすごく落ち着いてて、戦い慣れてて……すごい子だなって思って。
でも……案外、普通の女の子なのね。
……普通の?
そ。だからー緒にいて、すごく楽だし、楽しい。
それじゃあね。また!
普通の女の子、か……
思い出5
…………
こんなところにいたのね。ぜんぜん戻ってこないんだから……
あ、ごめん。武器のメンテしてたら熱が入っちゃって……
夕食、できましたよ。メアさんも食べていきますよね?
うん。ありがとう。
……どうしたのよ?お腹痛いの?
ううん。
なんだか……ちょっと、なんだか……ちょっと、ぐるぐるしちゃって。
お腹が?
ちがくて、心が……
?
さっき、セレナが言ってたでしょ?……私は普通の女の子、って。
出会ったころと比べると、アンタもずいぶん柔らかくなったものね。
でも……考えちゃって。
私、普通でいいのかなぁ、って。
メアさん……?
アンタがどうして悩んでるのかは、なんとなくだけど察しがつくし……
ガミガミ言うのも、かんたんだけれども。
…………
……まずは話してみ?聞いたげるからさ。
……退魔士をやめてから今日まで、いろんな所にいって、いろんな敵と戦ってきた。
<闇>を滅するために。できるだけたくさんの人を、不幸にしないために。
……立派だと思います。
ずっと信じてきたものがとつぜん嘘だったと知って……それでも前を向けるメアさんは、すごいと思います。
どうにかやってこられてるのは、周りが凄い人たちばかりだから。優しい人たちばかりだから……
でも……いつかね、きっと来ると思うの。
『普通』のままじゃ――太刀打ちできないような脅威と向かい合う日が……
普通のままでいることと、強くなることは、きっと……同じ軸の、正反対の位置にあって。
私なんかじや……両立は、できない。
…………
冒険のなかで大切な仲間ができて、学園にも通って、友達ができて……
でも、その人たちを守るためにはきっと……『普通』じゃあ、だめで……
思い出6
学園に通い始めたころも、アンタは似たようなことで思い詰めてたっけね。
……あのころから、成長はしてるつもり。
でも私はもう学生じゃない。でも私はもう学生じゃない。あそこで学んだことを無駄にしたらそれこそ意味がない……
あのさ、メア。
たくさんの辛いことがあって、それでもメアが心をしっかりもって戦おうと思えるのは――
ー緒にいたいって思えるひとたちと知り合えたからでしょ?
……うん。
アンタがそう思えたのは、みんなが戦うのが得意だから?
……ううん。ちがうわ。
いろんな人がいるけど、みんな優しくて、面白くて、騒がしくて、楽しくて――
一緒にいて、心が安らぐから。
アンタとー緒にいるときのみんなだってー緒よ。アタシたちもね。
強さと優しさは、二択なんかじゃないでしょ。
どっちも、ひとの大事なー部よ。
……キャトラ。
どんなときも普通でいるって、とても難しいことだと思うんです。
今も、きっと……何か大変なことが起きていて、もしかしたら。これからもっとたくさんの人たちが傷つくのかもしれない。体も心も……
…………
ですから、優しいメアさんに心を救われる人は――
きっと大勢、いるはずです。
……アイリス。
……ルーンの光……
やっぱり、落ち着く。それに……きれい……♪
<――そうやって、楽しそうに笑っているメアがいい>
ネ♪
……うん!
さあさあ!シャキっと締まったところで早くご飯食べましょ!
たくさん作りましたから、これからに備えてたくさん食べてくださいね。
……ねえキャトラ、アイリス、主人公……
私はきっと……今よりももっと強くなれる。
今まで紡いできた大切な繋がりを誰にも断ち切らせないために……私は、これからも戦うわ。
あらためて……今後ともよろしくね、みんな!
覚醒絵・覚醒画像
紫刃の斬裂者 メア・ミスニーハ
その他