【白猫】アピス・思い出
<アテル・ラナ>の大精霊 アピス cv.高木渉 ドミティア島と<アテル・ラナ>を守る大精霊。 クロカとシローのもとへ、後詰めとして駆けつける。 |
2020/06/30
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メインストーリー
思い出1
<時は、クロカとシロー、主人公たちが<アテル・ラナ>の本拠地であるドミティア島から旅立った直後へとさかのぼる。>
<ピラウとペルマナ、そしてアピスは、サニオの本拠地が見つかった際の後陣として、ドミティア島に留まっていた。>
……行ってしまいましたね。
不安か。
お二人が島を出るのは、初めてのことですから……
頼もしい方々がそばにいる。心配することはない。
私はむしろ、二人がはしゃぎすぎることのほうが不安だな……
やつらはそこまで子どもではない。わきまえるぐらいの分別はある。
……そうですね。
ピラウ、ペルマナ。
?
俺の主人について、少し話しておこう。
アピス様の、ご主人様……眠りに就かれる前にご一緒だったという?
遠い昔のことだ、記憶もほとんど無くなってしまったが……
……素晴らしいお人だった。俺が今こうしていられるのも、主人のおかげと言っていい。
……大切なお方だったのですね。
少しでも主人に応えたくて、俺はこの島と組織を守り、あいつらを育てた。
恩を返せたとは思っていない。俺はただ、主人の意志を継いだだけだ。
あの人が隣にいてくれたら。……時折、そう願ってしまうのだ。
…………
いざという時は、いつか必ず来る。だから、後悔だけはするな。
はい。
よし……話は終わりだ。
ありがとうございます、アピス様。
では、ついてこい。
……作戦会議ですか?
いや、飲みに行く。
えっ?
思い出2
…………
……力ーッ!やっぱりハイボールだね!いつの時代もハイボール!
昼からもう割っちゃうよ!薪かってぐらい!二杯目、ぶちゅ。
あの、アピス様。失礼を承知で申し上げますが、これはいかがなものかと……
なにがいかがなの!あ、唐揚げかな!勝手にレモンかけちゃったから!
このような状況で、しかも昼から……他のみな様に申し訳ないかと……
いいのいいの!だってしばらくはヒマだもんね!あんまりやることないもの!
いやあるけどね!あるけどないのよ!だったら壮行会でもしろよって!
だったら飲んじまえよって!
飲まれるぐらいブクブクブクってな!ぎゃははは!
……いいのでしょうか?
いいのいいの、俺が許す!だからお前らも飲んで!俺ひとりだと孤独じゃない!寂しくて死んじゃうよー!
あ、まだハマチ過ぎてないか!ん、過ぎてる? どっち?どっちどっちどっち!どっちでもいいか!アンドロイドだもんな!
はい…………アンドロイドなので、お酒は……
でもまあアレか!あんまり勧めるとハラスメントか!ごめんごめん、チクっちゃやーよ!
ほらほら唐揚げ食べな!お詫びのしるし!お口の中にイートイン!
……アピス様が召し上がってください。
ところで、その話し方なんですが……
あれれ!ペルマナは初めて?どうも初めましてかな!
いえ、何度か拝見してます。ですが、その。なんというか。
はたから見ていただけで、こうやってお話するのは初めてなものですから……
おいお~い、どうしたの!はっきり言っていいよ!今日は無礼講だから!ガツンとかましちゃって!
実際にお話すると、迫力が違うなあと……
ぎゃはははは!そうね!トークのペースが違うもんね!でもそのうち慣れるよ!
ピラウ、最近どう?
えっ。最近ですか。そうですね……
家を改装したいと思っているのですが、なかなか難しいものだなあと。
おっ、いいねいいね、そういうの!そういう話がしたいのよ俺は!で、何が難しいの!
柱です。
柱?
クロカ様の成長過程を、ずっと刻んでいたんだ。
あー、はいはい! 身長ね!一年でどのぐらい伸びたかなって!あれみんなやるよね!
私の家にもありますよ。シロー様のズルの痕跡で、よくわからなくなってますが。
大人になってから見ると、ちょっぴり切なくなるよね!いやわからないよ?俺にはわからないけどさ!
そんなに大事なら壊さなきゃいいじゃない!
私の大工の腕では、とても……
だいじょぶだいじょぶ!俺、すごい人知ってるから!<壊さずのジマー>って呼ばれてる人がいんの!島の端っこに住んでて――
思い出3
<後日――>
お呼びでしょうか、アピス様。
いいか、お前たち。
俺は今から、修行に入る。
!
みなが出撃してからしばらく経った。もはや、いつ招集がかかってもおかしくはない。
……魔法のジャーキーが噛まれるのもな。
あの……アピス様。
俺が修行するなど、意外か?
……正直に言いますと、少し。今までは課す側でおられましたから。
実は、クロカとシローにな。
……?
***
あの、一ついいッスか。
おう、なんだ。
師匠は備えとかなくていいんスか?
備え?そんな、えー。なにを。
戦いのッス。待機つつっても、フラフラしてるわけでもないでしょ。
フラフラする気あるよ?
あるんスか。
俺、本で読んだことあるッス。どんなに強い達人でも、戦いの前は牙を研いで、感覚を研ぎ澄ませるって。
あ、それこないだ貸してくれたマンガのやつだ。
マンガっていっちゃうなよ。
でも確かになー。シローのいう通りかも。師匠、なんかやらないんスか?
いやいや、お前ら……
忘れてない?
?
俺、大精霊よ?ただの精霊じゃなくて、大がついてんの。ビッグでラージでストロングなの。
準備なんかいつでもできてんの。アイムレディーよ?レディではないけどな!ぎゃははは!
わかりづらいジョークッス。
まあでも、ありがとな!俺、偉くなりすぎて、そういうコト誰にも言われなくなったのよ!それってけっこう寂しくてさ!
ぎゃはははは――
***
あいつらにはそう言つたが……やはり準備は必要だと思い直した。
今回ばかりは、何が起こるかわからないからな。
……それで、修行というのは?
修行というより精神統一だ。一日で終わるが、かなりの集中力を要する。
……あの。ご迷惑でなければ、私たちもごー緒してよろしいでしょうか?
ついてこられるか?
……頑張ってみます。
いいだろう――
思い出4
…………
(ペルマナ、六時間経ったぞ)
…………
(……やはり、アピス様の集中力はすごいな。身じろぎ一つせず、気を高めている……)
…………
(おいペルマナ、聞いてるのか)
…………
(私もお前ぐらい我慢強かったらな……)
乱れているぞ、ピラウ。
!
……申し訳ありません。
…………
!
…………
るーるるる。
!!
(ぺ、ペルマナ……あれは、もしかして……)
るーるるる。
あの……アピス様、これは……
お前たちの番だ。
る……るミるるる……
るーるるる……
<……>
おわりだ……
えっ?
よくついてきたな。
えーと……どういうことでしょうか?
緑色の怪物は存在する。それをお前たちに証明したかった。
精神統一だったのでは?
それもある。
…………
ピラウ、ペルマナ。
もう一度、ボディのメンテナンスをしておけ。
!
終わったら、さらにもう一度だ。小さなネジーつに至るまで、くまなく点検しろ。
アピス様?
つまらん故障で後悔などしたくないだろう。……わかったな。
……はい。
思い出5
<その日の夜――>
……私が本気でやったら、あいつら、ぶっ壊れちゃいますからね。
だからこうして、夜にこっそりやろうとしているわけで。
それに、努力してる姿を見られるの、なんだか恥ずかしいじゃないですか。
俺、仮にも大精霊ですからね。
…………
……ご主人。クロカとシローは、どんどん成長していってますよ。
もちろん、まだまだ子どもですし、未熟な部分もたくさんあります。
ですが、あの二人なら――
すみません。楽観的になってしまいました。
……そのぐらいの子たちなんですよ。
本当は、見守ってくれているのだと思わずにはいられないのです。
この地を巡るソウルとなって、何も言わずとも、どこかで、きっと……
……やっぱり、楽観的でしょうか。
でも、まあ……
悲観的になるよりはいいでしょう?ご主人……
生命の源よ、我の下にあれ。
<ソウルの奔流が、アピスを包み込んでゆく。>
!!
思い出6
ご……
ナチュラルブックザスタァァーッ!
ナッ……!?
ナチュラルブックザスタァァーッ!
ナ、ナチュ……?
ナチュラルブックザスタァァーッ!
ナチュラルブックザスタァァーッ!
ナチュラルブックザスタァァーッ!
***
ハァ、ハァ、ハァ……
ナ……ナチュラル……ブックザ……スター……?
ナチュラルブックザスター?なんだそれ??なんなのそれ???
なにを思い出したんだ俺……
…………
ご主人。よくわかりませんが、どこかで使わせてもらいますね、いまの。
絶妙にダサいのがかなりイケてます。ぎゃはははは!
よし、精神統一完了!元気も出たし、頑張りますよ、俺は!
<――>
……ふん。グットタイミングだ。噛んだのはクロカか。
行ってきます、ご主人――
***
準備はいいか、お前たち。
いつでも。
お願いいたします、アピス様!
よし……行くぞ!
覚醒絵・覚醒画像
お喋り大精霊 アピス・アブズ
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