【白猫】イズネ・思い出
大精霊の元弟子 イズネ cv.久保田梨沙 ドミティア島を出奔した、アピスの元弟子。 ある人物と瓜二つの容姿をしているが……? |
2020/06/30
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Crisis Horizon Story後日談 注意
思い出1
私は、里を捨てた。
センセイ(アピス)を裏切って、同じ弟子だったサニオと一緒に、島を出ていった。
どうしてそんな事をしたのか、今ではもう、わからない。
死ぬ前に、外の世界を見たかっただけなのかもしれない。
あるいは私の事を誰も知らない場所で、ひっそりと死にたかった、だけなのかもしれない。
今となってはどっちでもいいし、どうでもいい。ただ――
私は、まだ死ななかった。
それが君の新しい姿だ。
……変える必要はあったの?
君を知っている人がびっくりするし。サプライズってやつさ。
気に入らなかったかな?
二度目の人生、楽しむといい。
思い出2
世の中すべてが不安になればいい。
サニオの考え方には、少なからず、共感していた。
未来の事なんて誰にもわからない。誰にも予測なんて出来ない。
いつどうなるかなんて、わかるはずがないから。だから、不安になるべきなんだって。
明るい未来なんて、信じるべきじゃないって。
この世界には不安しかない。それを、彼らが示してくれるんだ。
君も手伝ってもらうよ、イズネ。
そう、二度目の人生。私の願いを、サニオは叶えてくれた。
……恩を、返さなければならないと思った。
だから、サニオが何を計画してようと、構わなかった。
それに、どうせみんないつかは死ぬ。私だってそれは同じ。
早いか遅いかだけ。死がついて回る事に、なんら変わりはない。
変わってなんかいない。死は、いつだって私とともにある。
そんな風に、諦めてもいたから。
思い出3
それが彼らの、たったー度の人生)
みんな。この人をお母さんって呼んでみようか。
<子どもたちを見て、激しく胸が痛んだ。私は、取り返しのつかない事をしている。
けれど私は、その痛みに向き合う事を避け続けた。>
<サニオに向き合う事を避け続けた。>
<どうせいつかは死ぬから。この世界はそんな風にできているから。>
<サニオは、私を見てなんかいなかったけれど――>
さあ、計画を進めましょう。
<私は、何も見ていなかったのかもしれない。>
思い出4
結局、私はサニオのもとを去って、のうのうと里へ戻ってきた。
……何がしたいんだろ、私。
あら……久しぶりね。
私のひとりごと、聞いてた?
うるさかったわね。ごめんなさい。
センセイのもとで修行してた頃は、よくここに遊びに来てたの。私のこと、覚えてる?
あなたを初めて見たときの衝撃は忘れられない。
緑色の変な生き物がいるって触れ回ったけど、誰も信じてくれなくて。
でもね、センセイだけは信じてくれたの。そして、仲良くなる方法を教えてくれた。
るーるるる。
るーるるる、る一るるる~……
あら?何か残していったわ。……キュウリ?
私にくれるの?ありがとう。優しいのね。
……さてと。
…………
……
ここじゃ人目がある。
思い出5
自身がなぜ、このような姿となったのか。
アピスの話により、イズネはその理由を知ることとなった。
そして――
惜しいものなどーつもありません。
……友を止められなかったのは、私の責任です。
センセイ。
人生をやり直す機会は、誰しもに与えられるものなのでしょうか。
サニオを止めようともせず、計画に加担してしまった。
あの子たちの、たったー度しかない人生を、ただの道具として終わらせてしまった。
たとえ世界が創り直されたとしても、その事実は消えません。
たとえ周りが忘れたとしても、私はきっと忘れません。忘れるわけにはいかないんです。
思い出6
もし、もう一度、機会があれば……そんな風にな。
それは、背負っていかなければならない罪だと思っている。
小さかったあいつらも成長して、今では困難な状況に立ち向かおうとしている。
その姿を見ると、俺がこれまでやってきた事は、少しは未来のためになっているのかもしれないと、救われたような気持ちになる。
だが、悲観的になって下を向くよりはマシだ。
よりよい未来に向かって、走れ。
悪意によって、私をこのような姿にしたんですよね。
困難な状況を乗り越え、よりよい未来を築くための。
私だけじゃない。センセイにとっても……です。
前向きなのは、いいことだ。
改めて、明日はよろしくお願いします。
覚醒絵・覚醒画像
未来への眼差し イズネ・ナンム
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