【白猫】バイパー・思い出
ルーンジグソーの退魔士 バイパー・ナイトアダー cv.花江夏樹 <ルーンジグソー>を使う冷静な男。 本人はあまりそういうつもりでもないらしい。 | ||
2015/09/30 |
Brave The LionⅡ
思い出1
偽りの獅子の、血塗られた結末。
人知れぬ惨劇の記憶が、まだ色槌せぬころ。
主人公は、思いがけぬ出会いを迎えていた。
しばらく、邪魔させてもらう。
新戦力は大歓迎よ!よろしくね!
よろしくお願いします。バイパーさん。
ああ。
ところでバイパー、気になることがあるんだけどさ。
退魔士たちのその後、か。
そのとーりよ。
……そうだな。組織としての退魔士一族は、消滅した。
しょ、しょうめつ……!?
退魔士の村は、あれで様々な国や組織とつながっていた。
ことが明るみに出るのは、誰にとっても都合が悪い。
だから……消されたってことね。
よくあることだ。裏の事情を知っていた長老たちは、報いを受けているはずだ。
じゃあ、知らなかった人たちは?
退魔士の村を離れ、各地に散っていった。
中には退魔士の使命を続けているものもいる。
……混沌……<闇>と戦う道を選んだってことね。
それが、退魔士としてのけじめと考えているのだろう。
アンタもそのつもりなの?
混沌と戦うのは、俺の務めだ。
そんなに戦いたいわけ?
そうでもない。俺は、飲む方が好きだ。
バイパーだけにウワバミとか。
普通だと思うが。長酒とはいわれるがな。
どんくらいよ。
夕方から朝まで。普通だろう。
夜はさっさと寝なさい!
思い出2
<バイパーが厨房で黙々と料理を作っている……>
あら、手慣れてるわね。
それなりにはな。
玉子焼きですね!
ゼメキア風だ。
これで出来上がり?味見してもいい?
ああ。
あら意外と。
おいしいです、バイパーさん!
それはよかった。
料理が趣味とは思わなかったわ。
趣味といえるほどじゃない。ただの手習いだ。
コツはなに?
黄身と白身を混ぜすぎない方が、よい口当たりになる。
なるほど。
混ぜすぎたら、混沌になる。
退魔士ジョークね。
……主人公。お前は、<闇>をどう思う。
悪いヤツら。
退魔士も、そう教えられる。
<混沌>はあってはならない。だから滅ぼせとな。
あっては……ならないもの……
俺も、そう感じたことはある。
<混沌>というやつは、わずかな残滓にさえも底知れぬ悪意がある。
どんなに甘い考えの退魔士であろうと、初仕事の後には使命感に目覚めるものだ。
<混沌>は、欠片も残さず滅ぼさねばならないとな。
だから、アンタも戦ってるの?あってはならないから?
俺自身としては、<混沌>の定義など、どうでもよい。
俺が戦っているのは、それが俺の務めだからだ。
思い出3
力二カマチャーハンおかわり!
食べすぎだ。
そうよ。キャトラったら。
むむむ……そういえばお腹いっぱいだわ!
好評でなによりだ。
本当に、料理がお得意なんですね。
チャーハンは昔、プロの料理人にならったことがあるんだ。
プロはプロでも、激辛料理のプロだったが、な……
アンタ、コックでもやっていけるんじゃない?
俺のようなコックがいる店は、長続きしない。
まずコックの名前が悪いわ。なによバイパーって。毒蛇って意味じゃない。
サムカッコいいじゃないか。
……どんな顛末でバイパーにおちついたわけ?
仕事用にいくつか偽名を使っていたんだが。
バイパーという名前で仕事したら、妙にウケてな。
ウケたの!?
それ以来、どういうわけか、バイパーという呼び名が定着したんだ。
最初は、バイパーと呼ばれるたびに笑いをこらえていたが、慣れた。
ついでに聞くけど、なんで退魔士の人たちってそんなに肌を見せてるの?
欲望に負けて、不摂生をしていないということを示すために、あえて見せている。
そんなに厳しい理由で!
(見せすぎじゃないの……?)
熱さや寒さにも、心を乱さない
という意味でもある。
そ、そうなの……?
なーんてな。
ウソか!
思い出4
<バイパーが、糸鋸を使って板を斬っている。>
おお、相変わらず器用。
俺の一族は、村で家具屋をやっていたからな。仕込まれたのさ。
まさかの本職。
表向きは職人の集まる村で通っていたんだ。退魔士の村は。
あのさあ。じゃあメアの家って。
もちろん木こりだ。
納得だけど、なんか納得いかない……
林業は大変なんだぞ。
なんか、意外とのどかな感じだわね? 退魔士の村。
<バイパーは、切り落とされた板を手に取って眺める。>
村の者たちは、いつもお互いを監視していた。
どうして?
いつ混沌に取りつかれたものが出るか、わからないからな。
それは確かに嫌な感じ。
あの村には、力二カマもない。
絶対長居したくないわ!
退魔士たちは欲望を捨てる訓練をしているからな。村には楽しいものなど一つもない。
嫌なとこなのはわかったけど、ちょっと他人事っぽくない?
かもな。俺は退魔士そのものを良く思っていない。
どうして?
俺には、退魔士の一族が、真剣に奴らと戦っているように思えなかった。
物事に、真剣にとりくまない奴は嫌いだ。吐き気がする。
どんなところが真剣じゃなかったの?
退魔士は基本、単独で行動する。混沌が相手に取りつくという特性があるにもかかわらず。
確かに……考えてみれぱちょっとヘンだわね?
混沌への対処法を自分たち以外に誰も伝えず、秘密主義を貫く。これも変だろう。
それもそうですね。危険な存在なのに……?
あげく退魔士は使う武器がそれぞれ違うときてる。効率が悪すぎる。
俺は、効率の悪いことも嫌いだ。
面倒な性格。
よく言われる。なぜか女性にな。ともかく俺は、この非効率に理由があるのではと思った。
そんなときに、オズマが現れた。
女たらしおじさんね。あの人何者かしら?
退魔士でないのは、すぐにわかった。
俺たちはひそかに長老たちの動きを探り、村にあずけた武器の送り先を突き止めた。
それであの研究所のことに気づいたのね。
俺は、騙されるのも嫌いなのさ。
思い出5
フッ……これはどうだ。
おお、サムカッコいい!
斜め四十五度がポイントだ。
バイパーさん、キャトラと何を?
サムカッコいい登場の仕方を考えてるのよ。
どう? こうやって尻尾をふって可愛さをふりまいてからの……
シャーッ!……どうかしら。
ギャップで攻めたか。やるなキャトラ。
主人公もやってみろ。
ところでバイパー、今日も行くの?
ああ。
たまにはお休みしたほうが、
いいと思うんですけど。
俺だって、飲みに行きたいさ。
『これも務めだ』ってやつ?
まさにそうだ。
まったく、気が滅入る。
いつからそんな風に<混沌>と
戦ってるの?
15年前からだ。
ずいぶんちっちゃなころから、あいつらと戦ってたのね。
退魔士としては普通の話だ。
他の生き方をしたいとは思わなかったの?
思わない。俺には理由がある。
若いころの俺は、調子にのっていた。退魔士の使命に酔っていた。
結果、俺のせいで人が死んだ。俺の判断ミスで。
…………そんな。
ある島で混沌を処分していた俺は、ある母子に出会った。子供はまだ幼かった。
周囲からは、混沌にとりつかれた魔獣が迫りつつあった。
俺は、母子をつれて逃げるべきだった。だが、己への過信が、判断を鈍らせた。
逃げるという選択肢を捨て、戦いを選んだ。愚かにも。
俺は、魔獣どもを討ち果たした。そして過ちに気づいた。
混沌は、母親と息子にとりついていた。
…………
二人は、混沌に操られるまま、崖に身を投げた。俺にその様を見せつけるように。
混沌、いや、闇が、どうしてそんな真似をして見せたか。
俺は理解した。奴らは他の全てよりも、他者の不幸を優先する。
……ある意味、今の俺が生まれたのは、あの時だ。
それより前の人生に、意味は無い。
そんなこと……だってアンタ、助けようとしたんでしょ!
助けられなかった。その結果は変わらない。
思い出6 (友情覚醒)
何のつもりだ。主人公。
大人のアンタには、必要ないかもしれないけどさ……
でも、見てください。貴方の心の中を。
心……?
光の中に、人影が見える。崖の縁に立つ、小柄な影。
少年は、両の手に糸鋸を備えた武器を手にしている。
このガキは、俺か。
幼いバイパーの顔には、何の表情もない。
覚えているぞ。俺はこの後、崖の下で亡骸を見つける。
俺は平たい石を拾って穴を掘る。
親子二人が収まるほどの穴ができたところで、魔物の匂いが近づいてくる。俺は石を捨てる。
なるほどな。主人公はこれを見せたかったのか。昔の俺を、許せとでもいいたいのか。
許せるものか……!
バイパーさん……!
……ん。
バイパーは、何かの気配に振り返る。
バイパーは目を疑う。背後にいたのは、少年時代の自分に他ならなかった。
「未来の俺、聞こえてるか。……俺は……
俺は、お前に任せてもいいのか。未来の俺に!」
(そうだ。あのとき俺は確かにこんなことを聞いた。未来の自分に)
バイパーは、少年時代の己をじっと見つめる。
…………任されよう。
「じゃあ……俺は生きる!生きて……命のあるかぎり戦う!」
(俺は……過去の俺と……話しているのか……?)
お前は、一人じゃない。
……バイパー、誰と話してたの?
……少し、昔の自分とな。
主人公。俺は、俺の務めを果たす。
それが、俺との約束だからな。
虎口に棲まう毒蛇 バイパー・ナイトアダー
その他
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