【白猫】バイパー(茶熊)・思い出
新聞部の元退魔士 バイパー・ナイトアダー なぜか新聞部に入部した元退魔士。 スクープにシャッターという牙を突き立てる。 |
2016/03/25
思い出1
<バイパーがルーンカメラを構え、シャッターを切った!>
いい表情だ。
ちょっ!?
<バイパーがシャッターを切った!>
ええっ!?
<バイパーがシャッターを切った! かっこよく!>
ア……アンタ……
俺はバイパー。元退魔士。今は新聞部……
俺のカメラからは逃れられない。
いきなりなによ!
レンズ越しに見える真実!
わけわかぁー!
俺がなぜ新聞部に入ったかお前たちにわかるか?
わかりません!
俺はたいていのスポーツは様になってしまう……
かといって文化系の部活は、サムさをからめづらい。
からめなくていい!
よって俺はカメラというを手にした……!
この牙で平和な学び舎にセンセーショナルな毒を流してやろう……!
毒って!
<バイパーがシャッターを切った!>
<切った!>
<切った!>
ちょっとおおー!!
さあ見せてみろ! この俺に青春の一ページを!!
ところでアンタの肩についてるソレ……なによ。
フラッシュだ。暗い場所での撮影に役立つ。
あ、写真を撮るときにピカってなる奴ね。でもどっかで見たような……
ルーンマグナムという武器のパーツだが、フラッシュに使えると思つてな。
武器だったの?
壊れる前まではな。持ち主がいいというので、借りてきたわけだ。
はいチーズ!! いや、力二カマだ!!
自然と笑顔になっちゃう!
いいぞスマイルだ!!
思い出2
<なぜか、バイパーと取材をすることになってしまった……?>
状況を説明する。俺がカメラマン、お前が記者だ。
どうした。
お前はメモをしろ。質問は俺がする。
…………
……
さっそくだが、取材に協力してほしい。
いいよ~。
はつらつスマイル、ゲット。
せっかくだし、バスケをしているところを撮ってよ~。
ではドリブルやシュートなど、一通りお願いする。
わかった!じゃあまずドリブルだよ~。
部活にかける意気込みなども、聞かせてもらえるか?
楽しくハッピーに……自分の力で頑張る!
運に頼らずに、か……
バイパーさん、ラッキーいらない?
他の奴にやったほうがいい。余計な運は腕を鈍らせる。
余計かなあ。
運が無いのを、腕でどうにかする。それが俺の趣味だ。
…………
……
なぜ、私の取材を……?
渋い表情、いただいたぞ。
確かに滑稽でしょうな。この私がいまさら学生のまねごとなど。
学び始めるのに、遅すぎるということはない。
実感しております。まだまだ至らぬ己を。
部活動への意気込みなどを、聞かせてもらおうか。
<鬼退治>の一族の剣は、人を相手の剣ではありません。
一撃必殺をもって、人ならざる鬼を討つ。そんな一念を込め、剣を振るっております。
立派に青春だな。励めよ。
…………
……
さて。本腰を入れるか。
<メアが一人、テニスの練習をしている……!>
思い出3
<バイパーは――カメラを主人公に預けた――!>
いいか。よく見ろ。そして狙え。決定的瞬間をな――!!
テニス!!
バイパーさん!?
メアよ、相手になろう。
テニスの、ですよね……?
無論だ。
…………テニス、できるんですか?
ルールは把握している。
知ってたからって、どうなるものでもないと思うんですけど……
怖気づいたか。
まさか。
ならば、いくぞ。
<バイパーはラケットを逆手に構えた――!!>
……ええっと……
どうした? 来い!
ハーッ!!
フッ!
えーいっ!!
甘いな!!
えーいっ!!
…………なんか…………くやしい…………!
撮れたか主人公。ベストショットが!
あ。
タイミングが……!!
ええっと……普通に……撮るんじゃダメなんですか?
カメラを意識したら、自然な表情は生まれないだろう。
バイパーさんって……個性的、ですよね。
俺には俺のやり方がある。当然だろう?
ちょっと、うらやましいです。
ひょっとすると、俺が好きに生きてるように見えるか?
私よりは。
好きに生さるというのは、自分で背負うということだ。お前にできるか?
できるようになりたいです。
ナイス表情。
あっ!?
しまった、数秒遅かったか……!!
思い出4
いやあいいなあ!! な~んかロックな雰囲気だぜ!
ロックか……ラウドなサウンドは好みだがな――
唐突にハーモニカ。
ほう……
渋い!!
ブルースだ……
で、バイパーの旦那、何してんだ?
<バイパーは大きな紙を広げて、じっくりと眺めている。>
部員が書いてくれた記事の、チェックといったところだ。
壁新聞……か。
その通りだ……学園で起こった最新のニュースを、まとめてある。
生徒会長挨拶、部活動紹介、今週の標語、冒険用語集。
そつなくまとまっている。
こういうのは、真面目にやったほうが、面白い。
そういうもんかね?
特ダネを報道するばかりが、ジャーナリズムではない。
平穏な日常、か。
束の間の平穏だ。ここには騒動の種がそろっている――
バイパーの舌は、目に見えぬものを感じ取るらしいな。
蛇は熱を読む――その舌でな。
…………
……
<バイパーは壁新聞を壁に貼り付ける。>
おっ、新聞できたのね。
ああ。
バイパーさん、なんでもできるんだね~。
退魔士は、財産を持たないもの。だから俺は、技を身につけた。
だから器用なんだね~。
俺は、そこそこ金を貯めてるがな。
俺はしばらく休学する。
どこにいくの?
蛇らしく、藪で獲物を待つのさ。
<元・退魔士バイパーは……ギルドにその経歴を買われていた。
ギルドには、バイパーにうってつけの仕事があった。実に――>
毒蛇には、似合いの仕事か。
思い出5
<少年は、希望をもつことを諦めた。明日を諦めた。
希望など、明日などをもてるのは、強い人間――選ばれた人間だけだ。>
(母さん……)
「ママー!!」
「理解が早いな。もうお前たちは、家には帰れない――
こういう仕事だ。『良心が痛まないのか』なんてこともいわれる。」
「…………うううっ……」
「だがな、よく考えてみろ。豚や牛を食う時、いちいち罪悪感を感じる奴はいない。
そういうことだ――けひ、けひひひ。」
<毒蛇は、口元を隠している。
どうしてと聞かれると、毒蛇は気取った顔で答える。かっこいいからと。
だが、真の理由は違う。毒蛇は、マフラーの下で笑みを漏らしていた――
きっとそれは、醜悪な笑みだ。人目に触れるのは忍びない。毒蛇はそう考えていた。>
「目を閉じていろ。」
「いっ……いいいいいっ!?」
「おお、どうしてあなたは、年端もいかぬ子供たちから、将来を奪おうとするのです。」
「ぐあああああ、ああああああ!!」
<バイパーは、倒れた商人を蹴り上げた。>
「そのような悪事、神々が許しても、あの毒蛇は見逃してはくれませんよ――」
「おおおおまあああああええええ!! 生きて帰れるとおもうなあああ!!」
「蛇は悪食だ。そして――
常に腹を空かしている。手勢はどれくらいだ。千か、二千か。俺を――失望させるなよ。」
「………あなたは……」
「目を閉じてろと、いったはずだ。」
「助けて、くれるんですか。」
「そう思うか?」
「助けてください!! 僕たちを助けてください!」
「だったら誓え――
全て忘れると。もう二度と……毒蛇の住処には、近づくな。」
…………
……
子供たちは家に帰った。毒蛇は、ただー人――
生まれた時も――死ぬ時も――
それが俺には、似合いの生き様、いや、死に様か。
――あの場所は、俺には眩しすぎる。
もはや戻るまい――毒蛇が生きるのは、暗闇の中。
…………
……
<メアは、壁新聞をじっと見つめていた。>
バイパーさん、帰って……くるわよね……
思い出6 (友情覚醒)
<毒蛇の心に、唐突に光が差した。
遠い場所で、誰かがおせっかいを焼いたらしい――
…………フン。帰る場所、かそんなものなくても、俺は戦える。
帰る場所があるから、守る者がいるから、だから戦える。バイパーはそんな考えを好まない。
だが、今の俺は――様になりすぎているな。
そんな自分は――確かに毒蛇の美学には反していた。
…………
……
いいか、撮るぞ。
…………バイパー、入らないの?
俺は、牙を振り下ろす側だ。
この場合は、シャッターを降ろすってことですね。
バイパー殿。そのカメラには、タイマーが内蔵されていると。
そうだが。
じゃあ、アンタも入りなさいよ!
バイパーさん、ここあいてるよみんなで撮ろうよ~。
そうだな――
確かに……その方が面白い。
はーい、カニカマ!
傍らから――メアはみんなに混ざるバイパーを見ていた。
バイパーさん……!
サムかっこよすぎるポーズ!!
瞬間を狙う蛇 バイパー・ナイトアダー
その他