【白猫】イシュプール・思い出
イシュプール・ヴヴェック cv.杉田智和 頭の回転が速い蛇男。 「言語に頼らない交流」がモットー。 | ||
2015/04/21 |
思い出1
うん。わかってるから。
へ?
私はイシュプール。
うん。いろいろあると思う。でも、わかってるから。
なにがわかってるって?
君たちの言いたいことをさ。
私を見て、言いたいこと、たくさんあると思う。
でも、ほぼほぼわかってるから、それについては、まあ、うん。ね?
ね?といわれても……
……イシュプールさんの後ろにいる、白い蛇は何ですか?
うん。まあ、ね。
そんなんじゃわかんないわよ!
わかってる。わかんないのはわかるけど、まあ、そこはさ。
アクセサリー的な……や、相棒的な……ということで、ひとつ、どうか。
どうかって……いやまあ、別にいいんだけどサ……
私はこんなだから。初対面の相手に、様々な疑問を抱かせてしまう。
それは自分でもわかるんだ。けどね、ペラペラと最初っからしゃべりすぎると……
……なんなの?
質問が質問を呼んで、収拾がつかなくなってしまう。
だから、ね?おいおい、ということで、今回は顔合わせだし、これで、さ。
『言語に頼らない交流』、これが私のモットーでもあるんだ。
まあ……そんなら、とりあえずいまはいいわよ。
わかりました。少しずつ、お話ししていきましょう、イシュプールさん。
……メンドクサソウなヤツがまた増えたわねぇ……
思い出2
ムムムム!?
どうしたのキャトラ?
あそこのヤブ……
なんだかアヤシイ気がするわ……!
<キャトラは小枝を器用につまむと、やぶをつつき出した。>
つんつん……つんつん……
キャトラが奇行に走っちゃった……
私がストレスを与えちゃってたのかな……?
つんつん…つんつん…
キャトラ……!
やあ。
いたー!ヤブをつついたらヘビが出たー!
これぞヤブヘ……おっと、言わなくても、もちろんわかってるね。
いやあ、茂みで寝ていた私を見つけるとは、やるねえ、キャトラくん。
へへ~ん。空気がしっとりじめじめしてたからね。バレバレよ!
このあたりのヒンヤリしたかんじ、とても居心地がいいんだよ。
キャトラくんも一緒に一休みするかい?
え?……どうしようかな……
これも後学のためじゃない?
じゃあ……ちょっとだけ……
遠慮せずに、どうぞ。
うん……
…………
…………
…………
…………
…………
(けっこうおちつくわ、これ……)
思い出3
イラケッチラケッチィ、イラケッチラケッチィ……
イシュプールが珍妙なダンスをしてるわ!
だよね?
だよねじゃないわよ。
くねくねくねくね、なんなの?キモチワルイわよ?
それはわかってるんだけど、季節の変わり目だしね。
季節の変わり目だとなんなの?
キャトラくんだって、抜け毛が多くなるだろう?
だから私も、こうして、感謝を捧げながらね……
イラケッチラケッチィ、イラケッチラケッチィ、イラケッチィ……
……ムムムム?
……クェーッ!
ギニャー!?
まあ、こんなものさ。
なにがどうこんなものよ!
まあまあ、ね?いったん、いったんホラ?ね?
なんなの……なんなの……!?
脱皮だよ~ん。
だっぴぃ!?
うん、まあ、
キャトラくんが驚く気持ちもわかるけどね。
じゃあ、私はこれを処分してくるから。
…………
……不思議な人だね……
……ヘビなんでしょうね……
そうだね……
思い出4
私は元々、小さな白蛇だった。
!?
私の島では、白い蛇は神の使いだと言われていてね。長い年月、私は崇められていて。
人々の信仰が力をくれた。で、私は、こうして人型になれるようになったんだ。
つまり、後ろの白蛇まで含めて、私という一個の存在なんだよ。
この男……!
ホントにわかるのね……!アタシが聞こうとしてたこと……!
うん、まあ、ねぇ。
さすがにそろそろ、ちゃんと答えなきゃいけない頃合いかと思ってね。
頃合いだわよ……!
ということで、じゃ。
ちょっと!
うん、そうだよね。そうなるのはわかってた。
でもね。私が旅をしているのには、ちゃんと理由があるんだ。
理由ですか?
<落陽を呑む忘我の毒蛇>を探しているんだ。
ほへ~???
急に難しい名前出すなって思うよねえ。わかるわかる。
だけど、あの者を、必ず見つけ出さなきゃいけないんだ……
あの……者……?
毒蛇さん、って、人間なんですか……?
う~ん、そのへんは、きっとあいまいになっちゃってるだろうね。
どういうことよ?
それはわかんないよ。私だって、会ったことがあるわけじゃないからね。
でも、その人……を、探しているんですか?
うん。
どうして?
それはねえ……まあ、ねえ……なんというか、ねえ……
またお決まりのお茶にごしね!
復讐。
ええっ!?
思い出5
イシュプールーッ!!!
わかってる。復讐なんて、よくないことだよね。
だったら……!
よした方が、いいんだけどさ……う~ん……なかなか、ねえ……
ねえ?
ううん、だまされない!
なんだっけ、あの、もじゃもじゃした名前の人に、仕返しなんてやめなさいな!
もじゃもじゃした名前、はよかったなあ。<落陽を呑む忘我の毒蛇>だね。
別に私は、あの者を倒そうというわけじゃないんだよ。
そーなの?
あの者を見つけたら、味方になってもらうつもりなんだ。
そして二人で……<贋作の太陽>を、神の座から引きずり降ろすんだ……
また別の人の名前?あ、カミサマか?
私の故郷、<太陽と蛇の民の里>ではそう呼ばれてるよ。
そう呼ばれてる?ホントはちがうってこと?
そう。
<贋作の太陽>は……神を騙る、悪魔に違いない。
あいつは人心を支配している。昔からいるのをいいことにね。邪悪だが、強い存在だ。
だけど、その力の源は、血なまぐさい儀式によって得た、人間の命なんだ。
その儀式に異を唱えた私は、戦いに破れ、島を追い出された。
<贋作の太陽>に勝てるのは、連峰の果てにて顎を開き待ち受ける者……
<落陽を呑む忘我の毒蛇>しかいない。
……と、言われている。伝承でね。まあ、ほんとかどうかは、半々さ。
なんだかよくわかんないけど……
カミサマたちのケンカってこと?スケール大きいんだけど!
そうでもないよ。割と普通さ。
でも、住民のみなさんを巻き込んでるんですよね……?
そう。だからこそ、終止符を打たなければならない。悪しき者は討たなければ。
……でもねぇ……
イシュプール?
<落陽を呑む忘我の毒蛇>も伝承の存在だからねぇ。ほんとにいるのかなぁ。
どこにもいなかったら、う~ん……どうしよう……?
ケンカやめれば?
私はそれでもいいんだけど……島の人たちがねぇ……
結構ね。こうしている間にも……ってかんじなわけでさ。焦ってなくもないんだ。
いろんなこと、わかっちゃいるんだけど……う~ん……
…………
もしかして、主人公、なにかわかってるのかい?
教えてほしいな。『言語に頼らない交流』、まさにそれを体現している、君に。
思い出6
おお……?
<ルーンの光がイシュプールを包み込む。>
……なるほど……
なにがなるほどなの?
うん。まあ、ね。そういうことなんだよ。
どういうことなの?
そういうことなんだよなぁ。うんうん、やっぱりなぁ。
だから!自分一人でわかってないでさ!説明してちょーだい!
わかってる。
イラケッチラケッチィ、イラケッチラケッチィ、イラケッチィ……
……ムムムム?
……クェーッ!
また脱皮してなんなの?
まあ、特にこれに意味はないんだけど。
ないんかい!
さっきのルーンの光に、ぼんやりとビジョンを見たよ。
あの者は……まだ、私の味方にはなりそうにないようだね。
そうなんですか?
うん。あの者は、依然苦しんでいる。縛る<何か>を断ち切れていないのだろう。
じゃあどうするの?一番強い味方になりそうな人だったんでしょ?
わかってる。ここは、武力に頼るのをいったんやめて……
政治でいこう。
せいじ?
この世界には、<神>と呼ばれるような、力を持つ存在がたくさんとは言わないが、いる。
そんな人たちと仲良くなって……派閥を作って……
<贋作の太陽>に政治的な圧力をかけてみようと思う。
こう、みんなで囲んで、『いまどき生け贄なんて、ねえ?』みたいなことを言って。
なるほど……
……けんかになっちゃいませんか?
なったらなったで、数にモノ言わせてポコポコやっちゃおう。
アラ、ずるい!
蛇とは狡猾なものさ。
主人公に学ばせてもらったよ。
黙して語っていないのに、いつのまにか、自分の周りに味方を増やしていく……
そのやり方は、かなり、……いいね。
私も君を見習って、目的達成のために、這って行くことしよう。
周囲からじっくりねちねちと、いろいろうやむやにしながら、しかし着実にね……!
まあ……いいんじゃないの。
……主人公は、裏があって黙ってるの?
そうだよね……
じゃ、私の抜け殻を捨ててくるから。
ハイハイ、さっさとおいき。
イシュプール・ヴヴェック
その他
大願成就!お正月を取り戻せ!inワイハの島! Story
相関図