【白猫】ザック・思い出
路地裏の少年 ザック・レヴィン cv.中島ヨシキ 貧民街で生まれた少年。 冒険家に身をやつし革命の好機を伺う。 | ||
2015/02/25 |
思い出1
よう。俺は冒険家のザックだ。
一ついっとくが、俺には貸しをつくらんほうがいいぜ?
両手で武器をもってるなんて、ずいぶん器用なのね?
両手を使って、手数も二倍ってこった。ところでキミは?
私はアイリスです。よろしくお願いします。
まー立ち話もなんだから、どっか店に行かね?
なんかおススメ教えてよ。
なんだか軽い奴ね?
否定はしねえよ。俺は身軽なのが信条なんだ。いろんな意味でな。
えーっと、お財布の中身も軽いとか?
サイフ?もってねーよ。
お財布を持ち歩かない主義なんですね。
金もねーけどよ。
ちょっと!なんでそれで店に行こうとかいったわけ!?
おいおいネコちゃんよ。男の価値は金じゃあ測れないぜ?
人間としてのルールの問題でしょ!
ザックさん、お金に困ってるんですか?
まーなんというか……このぶっ飛び島に来るまでに、金が、な?
……えーと、正直にいいなさい?いまいくら持ってるの?
心の財布の中にはいつでも100億G入ってるぜ。
いっぱい入ってるんですね。
心の財布なんかどうでもいい!実際はいくらなの!
ゼロ……
無一文かーっ!!
思い出2
よう主人公、ちょっくら討伐にいかね?
ちょっと……ふところが寂しくてよ。
こらザック!前の討伐で稼いだお金、もう使っちゃったの!?
しかたねーだろ。何かと物入りだったんだよ。
いったい何に使っちゃったのよ。まさか、悪い遊びにとか……
革命だよ。革命。
革命!?
俺が冒険者やってんのは、革命の資金稼ぎと、人脈づくりのためだ。
でもアンタ、どう見ても子供じゃない。革命家なんて……
うちの革命軍には、そもそも子供しかいねーよ。
どうして……ですか?
俺の島の人間は、食うや食わずの暮らしに耐え切れず、暴徒になった。
暴徒は各地で内乱を起こした。その内乱で、大勢の大人が死んだ。
俺らは、内乱で親をなくしたガキの集まりなのさ。
じゃあ、アンタも……
孤児だ。最初は俺たちも、ただ生き残るために力を合わせた。
だが今日のメシは稼げても、国そのものを変えなけりゃ、俺たちに明日はない。
そこで俺たちは内乱じゃなく<革命>を始めたんだ。
ちゅうこった。俺には金がいる。一刻も早く稼ぎにいこうぜ。
まー俺に金を貸してくれるっていうんなら、止めはしないけどな!
えーっと……
っていうかむしろ、今すぐに貸してくれないといろいろとやばい。
稼いで返すから!
正直に言いなさい?革命以外で何に使ったの?
すげぇカッコいいジャケットが、俺を呼んでたんだ!
おかげで食費が……昨日から何も……
ザック、お説教するからそこに座りなさい!
思い出3
よっ、アイリス。俺の活躍、聞きたいだろ?
がんばったんですね、ザックさん。
討伐にいってたの?
そうよ。ネコにも見せたかったぜ、俺の活躍を。
このジェットブレードで、ザコどもをサラダにしてやったのよ。
そういえばアンタのそれ、どこで手に入れたの?
ダチの手作りだよ。オーダーメイドってやつだ。
スゴイわね。こんな武器を手作りするなんて……
アイツは天才だったからな。ガラクタをあつめちゃ何かつくってたな。
勉強できたのねぇ?
俺と違ってな。俺の方は、何度ボスに『ダサ~い』って言われたかわからねえ。
ボスってだれ?
革命軍のボスだよ。俺に勉強を教えてくれたんだ。
一見ほわーんとしてるんだが、なんとも底しれねえ人だよ。
俺が今こうして生きてるのも、あの人のおかげだ。
ザックさんはその人のために、革命を……
ああ。俺はあの人のためなら、なんだってやってやれる。
主人公に貸しをつくることだって俺はためらわない。
……ためらわないぜ!金を借りることを!
ためらいなさい!っていうか討伐で稼いだお金はどうしたのよ!
貸しを返したのさ!ツケっていう貸しをな!
えーとザック、アンタ今お財布にいくら入ってるの?
夢が入ってるぜ!
ゼロか!
思い出4
見て、キャトラ。
……あら、賞金首の手配書ね酒場に貼ってあったの?
この顔……
これってザックじゃないの!
どうしたよ、みんなで神妙な顔して……
ザック、アンタって賞金首だったの!?
そうだけど?……お、これが俺の手配書ね。あいかわらず似てねえ似顔絵だな。
そうだけどってアンタ、いったい何をしたのよ!?
<革命>さ。王家から見たら、ただの反乱だろうけどよ。
……たしかに革命って、キレイごとじゃないもんね。
そりゃそうだ。革命ってのは、言ってみれば自分の国を相手にする戦だ。
これほど不利で道理の通らない戦はねえよな。
でもアンタは、正しいと思ってやっているのよね?
アタリマエだろ。だが俺の正しさは、国の信じる正しさとは違う。
ザックさん……
ま、そういうこった。どうする? 俺を国へ引き渡してみるかい?
アタシたちがそんなことすると思う?
あんたらは、どこかの勢力に過剰に肩入れはしない。
この島は様々な権力が狙う緩衝地帯だからな。
ザックさん、それは違います。
何が違うんだ?
私たちが、ザックさんのことを信じているからです。
……ボスみたいなことをいうんだな。アンタは……
思い出5
……はあ。どうしたもんかねえ。
ゴハン一食なら、おごってあげてもいいわ。
バカにすんな!金がないことで悩んでるんじゃねえよ!
じゃあ、なんで悩んでるの?
革命のことでだよ。正直、現在の状況は厳しい。
アンタの戦ってる王家ってそんなに強いワケ?
もちろんだ。だが問題は、それだけじゃない。
どういうことなんです?
その昔俺の島は、栄えていた。いくつもの島を征服してな。
だが王家の贅沢と、度重なる戦争で、国は借金まみれ。
今の王は、国を立て直すために税金をあげた。結果、どうなったと思う。
生活に困る人が、増えちゃったってわけね。
……俺の生まれる前の話だ。俺はスラム街育ちだからな。
なんて王様なの! 許せないわ!
……ああ許せないさ。だがあの王は、まだ国のことを考えていたかもしれない。
人を苦しめる王なんて最低よ!
王は最初、貴族の税率を上げるつもりだった。だが貴族どもはそれに反発した。
貴族どもは国のことなんかどうでもいいんだよ。それどころか奴ら――
自分たちの立場をまもるため、王の首を挿げ替えようとした。
……バカなガキどもを利用してな。
ちょっとまって、それってまさか!
そうだ。それが俺たちの<革命>の正体だ。
……ボスさんは、そのことを……
全部、わかっている。……ボスはわかった上で、革命の中心に立っているんだ。
俺らのような野良犬に、勇気を与えるためによ。
だが、革命が成功しても、今のままじゃ、笑うのは貴族だけ。……だったらいっそ……
ザック……アンタ……?
……俺は一体、どうすりゃあいいんだ……
思い出6 (友情覚醒)
……な、なんだこの光は!?ルーンが輝いてるのか!?
どういうことだよ……この光につつまれていると心が熱くなってくるぜ……!
そうだ。俺があの人についていくと決めたのは……
あの人の背中に、明日を見たからじゃねえか。
……ザック、アンタさ、一人でなんか抱えていたんじゃないの?
……実はよ、王家の連中から、話が来ていたんだよ。
……ボスの首を差し出せば、議会を開き、市民の立場を上げてやるってな。
アンタ、それを……
迷っちまったよ。俺とあろうものが、よ。
だが……俺たちのボスの首は、そんなに安くねえのさ!
じゃあ、どうするつもりなの?
『賭け』にでるのさ……他の国を利用してな。
他の国を……?
貴族たちに見放された王家は、<連邦>に助けをもとめてる。
強大な勢力をもつ国家連合だ。王は連邦の力を借りて革命をつぶすかもしれない。
俺の国をとりこめば、連邦は大きくなる。だがこの世にはそれを望まない国がある。
連邦くらい強大な勢力をもつ国……ってことね。
<帝国>だ。……奴らを革命に介入させる。
血を流さずにすませるには、それしなかない。
ボスにはダセえっていわれるかもだけどな……俺はあの人に、生きていてほしい。
やる気なのね。ザック。
ああ、すぐ帝国領に潜入して、工作を始めるつもりだ。
苦しみが少ないなら、その方がいいですものね。
……で、相談なんだが。
手伝ってほしいワケ?
……俺の財布には、今……夢しかつまってないんだ。
みんな、ザックにはお金貸しちゃダメよ!
若き革命の志士
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