ジェガル(リベンジ)・思い出
思い出1
アンタ、ジェガルよね!?
しかし、真実は――そうではない。
旅をするうちに、見えてきたのだ。
あの事件の裏を――
手引きしていた連中の存在が――
魔物をけしかけて、アンタの国をひどい目にあわせたヤツは!?
尻尾らしきもの、を見かけたに過ぎん。
――が、もしそれが事実だったとしたら――!
人の社会に溶け込むにはこの方が都合がいいからな。
ジェガルさんの仇が……!
その連中すら、何者かの手先に遇ぎぬかもしれん。
…………
……それはそうとさ。
思い出2
ここは占いが統べる国……わたくしはその女王よ。
いくら視ようとも――わたくしが戦場に立つ姿など映りはしないわ。
…………
………
――これほどの危難が、わたくしの眼をすり抜けたのか――?
まるで――闇よりも濃い霧に、覆われていたかのよう――
かの大戦士、霊鳥の射手が奮戦しているというのに――
わたくしひとりが先に己の命運を断つなどと!恥を知りなさい!
この指示こそ――
大戦士ジェガルに含められたものなのです。
あの者が、希望を捨て、逃げる道を用意しておくなど――!
情、記憶、その供物と引き換えに、決して違まぬ剣を与えよ――
――ジェガルが、こんな――!
…………
………
…………ハァ、ハァ…………!
――クソッ……!
陛下…………
どうして俺が戻るのを、お待ちくださらなかったのですか――!?
思い出3
――占い師の国を滅亡させた黒幕――
その手がかりをたぐり、ジェガルはとある島にやって来ていた――
――眼帯をした男は、接触した一瞬、ジェガルに一枚の紙を渡していた――
***
どうして滅亡したんですか?
未来が視えたのに――どうして?
誰に口止めされていても――
大丈夫ですよ。ここには私しかいませんから。
<予見のルーン>は、代々の女王にしか扱えなかったため……
……すり変えられていたのじゃ。<予見のルーン>は、ただの<伝声のルーン>に……
……<闇>じゃよ……
かえってミスルの城だけが、姿を保っているとは、なんとも皮肉よの……
…………?
思い出4
なぜいつも、わたくしのそばに?
お戯れを――
――おやめください、陛下――
どうか……!
役目さえあれば、俺は……陛下を護る、という――
――世継ぎを、求めねばなりません。
他国より貴族の若者を、しばらく、家臣として用います。
その中から一名、選びます。
――ジェガル。
わたくしのように仕えてくれますか――?
このジェガル、身命を賭して――
――全ては――――陛下のために――
地上に戻る気がなくなってしまいます――
臆病な、この俺を――
…………
………
「……そうだ……何が誇りだ……
――俺は――――臆病なだけだ――」
思い出5
――と申します。
<――そいつを初めて見たとき、羽がざわつくのを覚えた。
しかしそれは――
己の中の、醜い嫉妬だろうと――封じ込めていた――>
男の身では、どのような方法であろうと、この国の長にはなれません――
――ヨ、ねェ――?
<その男はすぐに頭角を現した。
国民は――湧いた。
これで、アセト女王に、ご世継きが出来ると――
――その矢先の、魔獣の襲撃だった!>
――ナメるなっ!雑魚どもがっ!俺の名はジェガル!ここは通さぬ!
貴様らの汚らわしい指など――一本足りとて、陛下には触れさせぬわっ!
なァ~にをムキになっちゃってるんですカぁ~?
***
――ギャハハハハ!
…………
………
少しは休みなよ……?
俺は――失ってしかいない!!
何のための翼だ!俺は、いつも――その場にいない!
守りたいものの、そばにすらいられない!
知らぬ間に失い、そして――!
――現在においても……元凶を知り得たところで、
そこへ行くことすら叶わない――!
いや違う……!
俺は、自分から、守るべき者を通ざけたのだ……!
俺は――ただの臆病者だ――
―人では、空も飛べない――
…………
思い出6 (友情覚醒)
遠い未来の、あなたが――
なくともたまに、視えるのよ。
あなたは――探しています――
<誇り>、であったり――
――あなたは、苦しんでいます。
困難など恐れはしません。
――低いのですよ――
この霊鳥の末裔ジェガル、単身であろうと、太陽の元まででも飛び上がって見せましよう。
空を低く感じたら、誰かと共に、飛ぶのですよ――
…………
………
何か、わかったんですか……?
<――気づくと、黒く染まった流線型の飛空挺が、飛行島の上空に浮かんでいる!>
この世界の真実を追い、<闇>を憎む戦士はな。
正面から挑むだけでは崩れはしないだろう。
だから――必要なのだ。
俺たちのような、夜に溶ける実行部隊がな――
――ハッ!
<ジェガルは黒色の飛行艇へと飛び去って行った。>
案外気にしぃなんだから。
こいつは知ってるだろ?
まあ、これからよろしくな。
――オレに張って、損したヤツはいねえぜ?
――戦ってゆく先に、きっと――
待っていてください――
――陛下――
予言の戦士 ジェガル・クォン
その他