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【白猫】神速の挑戦者 Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

目次


Story1 迷子の陣

Story2 兵法書の導くままに

Story3 好敵手は風の如し

Story4 旅は道連れ世は情け

最終話 軍師の秘策



登場人物



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story1 迷子の陣



<魔獣退治の帰り道、主人公たちは巨石の乱立する迷路に迷い込んでいた……>


どこもかしこも、岩、岩、岩っ!なんなのよ、この嫌がらせは~。

出口はどこかしら?


???

zお困りのようですね。

なによ、アンタ!いきなり、びっくりするじゃないの!

私は軍師のメイリンと申します。

ねえ、もしかしてアンタも迷子?

いいえ、私はここで修行をしているのです。

修行?いったい、ここはなんなのよ?

ここは<石兵八陣>といって、敵兵の進軍を防ぐための陣です。

軍師である兄様が以前、戦で使っていたんですよ。

へ~、兄妹そろって軍師なのね。

はい。しかし、私はまだまだ未熟。尊敬する兄様のお役に立てるよう、戦術を磨いていたのですが――

近くに魔獣が現れて、身動きがとれなくなってしまいました……

それなら私たちが協力しますよ。

その代わり、出口まで案内してよね。

助かります。では、私についてきてください。

急がなければ兄様の出陣式に遅れてしまう……

……って、えっ?この岩を登るの?

<生を視るには高きに処き、山を絶れ、谷を越え、己を信じて直進せよ>です。

なによそれ。

この<兵法書>に記されている戦略の一つです。

信じていいんでしょうね~。

はい。ここに書かれていることは金言です。

さあ、みなさん。『兵は神速を尊ぶ』です――行きましょう!



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story2 兵法書の導くままに



ちょっと、メイリ~ン!とまんなさいよ~!

みなさん、遅いですよ!こうしてる間にも、出陣式の時間は……!

あら?こ、これは!?

弓……みたいですね。

きっと、私を心配して兄様が用意してくれたもの……

さっきの魔獣が落としてたわよ。

さっすが兄様~♪顔には出さないけど、私の成長を見守っていたんだわ~。

聞こえてないみたいね。

みなさん安心してください。これさえあれば、一騎当千!敗北はありません!

そんな簡単にいかないわよ。

そうですよね……過信してはいけませんよね……

ここは冷静に、<兵法書>に記された戦術のとおりにいきましょう。

また山に登るんですか?

いえ、少し地形が変わってしまったので別の策を。

えっと……<攻めて必ず取るために、守りを捨てて攻めるなり>らしいです。

捨て身で魔獣に突っ込めってこと?

はい。そのようです。

では、迅速に行きましょう。

もう、わかったわよ!こうなったら、ヤケクソよ!

……私たちを守ってね主人公。



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story3 好敵手は風の如し



なんとか勝ったね……

いいえ、どうやらまだ……一匹残っているようです。

――あそこの岩場の陰にいます!

wささっ!

今度はあっちに行きました!

wばびゅーん!!

そこにいるのはわかってるんです!ちょこまかしてないで、大人しく出てきなさい!


え~い!こうさん、こうさんっと。あたしは、もう逃げも隠れもしないよ~。

あなたはフウカさん……どうしてここに?

軍師さまにメイリンを監視してくれって頼まれたんだ~。

兄様にっ!?やっぱり私のことを心配して……

それにしても。あたしの気配に気づくなんて、少しは成長したみたいだね~、メイリン。

当然です!私は日々、精進しているんです!いい加減、子供あつかいするのはやめてください!

なんで怒るの~?もしかしてかけっこで負けたこと、いまだに根にもってる?軍師さまの前だったもんね~。

そんなことより出口はどこよ?もうすぐなんでしょ?

ええ。そのはずなんですが……どうやら道を間違えたようですね。

えー!?あたしも帰り道忘れちゃったよ~。

こんなときこそ兵法書を……ああ!ダメです!!どこにも出口が載っていません!

あたりまえじゃない!

こうなったら、出口をさがすついでに競争しようよメイリン。

いいでしょう!昔日の恨みここで晴らしてみせます!

ヨー……イ、ドォーーーーーーーーーンッ!!


……ふたりとも行っちゃったわね。

ねえ、出口ってあそこじゃない?

あ、ほんとだ。それじゃあ、アタシたちだけでも帰りましょうか。



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story4 旅は道連れ世は情け



メイリンに呼ばれてきたけど、なんだか人がたくさんいるわね……

あっ、みなさん。わざわざお越しいただいてありがとうございます。

みなさんはここで何をなさってるんですか?

<八門なんとか>っていう陣の訓練です。広大な陣を敷き、敵兵を誘い込む陣形です。

へ~、これって訓練なのね。

どうして私たちはここに呼ばれたんでしょうか?

私もこの訓練に参加するので、みなさんにも協力してもらおうと思ったんです。

なんでそうなんのよ!

訓練なんですし、一人のほうがいいんじゃないですか?

いえ、この兵法書に書いてあったんです。<危ない橋はみんなで渡ろう>って……

相変わらず、むちゃくちゃな本ねぇ~。

そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。

それに、みなさんの修行にもなりますし、訓練も早く終わります。

別にアタシたち修行なんて頼んでないんだけど。

みなさん、時間は待ってくれませんよ。素早い対応をお願いします。

こうなったらやるしかないわね……まったく。

さあ、はりきってまいりましょう!



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最終話 軍師の秘策



みなさん、お疲れ様でした。

はあ……はあ……しばらく足が動きません……

訓練も無事に終わったし……

これで兄様も私を認めて……


喜ぶのはまだ早いよ、メイリン。

兄様っ!私の兄様っ!

本当の訓練はここからだ。

それはどういう意味ですか?

さあ、この<八門金鎖の陣>を破ってみせるんだ!

はい!兄様がそう言うなら喜んで!では、みなさんもご一緒にっ!

それはダメだよメイリン。一人で戦ってこそ訓練だ。

そうなんですね。

それアタシたちも言ったわよ!

残念ですが、みなさんはここで待機していてください。

しかし、困りましたね……陣についてさっぱりなので突破口が見つかりません……

なにこの軍師……

ここはやはり兵法書を……

メイリン、それもダメだよ。自分だけの力でなんとかするんだ。

はい!自分だけの力でなんとかします!

――今こそ兵法書で学んできたことを一つにするとき!

私はただ、兵の壁にまっすぐ突っ込むのみっ!

たあああああああ!!

<密集した兵士たちの中に、メイリンは肩から突っ込んでいった。>

せまあああああああああああい!!

やれやれ……ほんとうに手のかかる妹だ……

あの子はいったい、なんの修行をしてきたのかしら……





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