【白猫】オズワルド(ギャラクティカ)・思い出
オズワルド・ファニース CV:平川大輔 永遠の美である<妹>を追う謎の旅人。 <時操のルーン>で自分の時間を操る。 | ||
2017/09/25 |
メインストーリー
思い出1
諸君、時は過ぎ去った――
オズワルドじゃない。
こんにちは、オズワルドさん。お久しぶりです。
チェシャ、アイリーン、それにノーマウス<無口>健勝で何より……
だが!
小生は敗残兵。素直にこの邂逅を喜ぶ資格はない。
あいかわらず、ようわからん奴ね……
妹さんには会えたんですか?
まだだ。永遠なる美への階梯は遠く、小生は己が矮小さに頭を垂れるだけ……
はあ……
なんか、疲れた顔してるわね。
いかにも。小生は疲弊している。
小生か持つこの<時繰のルーン>!
<オズワルドは懐中時計を取り出した>
時間を遅くしたり、早くしたりできるんですよね?
そのとおり!このルーンの力で小生は己が時を操れる……
<我が時は飛ぶ、今を過去に、未来を今に――>
<瞬間、オズワルドは目にも止まらぬ速さで木彫りの人形を作り上げた>
はあ……はあ……はあ……
本当、すごい速さね……
はあ……はあ……はあ……
大丈夫なの?
かように小生は己が時だけを速め創作活動に打ち込める。
だが、この人形を見て欲しい……
なんか、ずいぶとヘタクソね。
そのとおり!この時繰のルーンを使うと諸君の想像以上に疲れてしまう。
幾度にもわたる創作行為の疲労。それが作品の荒さとして浮き彫りになってしまうのだ。
ルーンを使わなければいいんじゃない?
それでは時間が足りない。やはり時の流れこそ小生を縛る絶望の監獄なのか……
<ジリリリリリ…… >
ヌゥ!すまない、シエスタの時間だ。
時間がないって言うくせに昼休憩はするのね。
チェシャよ、休まなければこの疲労はとれない。だが、休めば時間が足りないのだ。
やはり小生では真なる美に辿り着けないのか……
お茶の用意しながらへこむんじゃないわよ……
思い出2
諸君,小生は天啓を得た!
今度は、なによ、オズワルド。
時間が有限なのは理解しているはずだ、チェシャ。
しかし、生きてゆくためには創作活動以外にも時間を使わねばならない。
眠ることで日は巡り、逃れえぬ終焉へと近づいていく。
眠りこそ、小生の絶望、時間と衰退の僕……
芸術とは飽くなき探求と闘争。真の美に至るには、自滅にも似た向上心が必要だ。
自滅したらダメでしょーが。
故、小生は考えた。人生のうちの多くを占めるこの眠りの時間。
これを創作活動に活用できないかと……
素直に寝てなさいな。からだ、壊すわよ。
いかにも休息は重要だ。だが、無駄でもある。答えの出ぬ問答に小生は心を折られかけた。
だが、襖悩と葛藤の末、小生は新たな創作方法を得るに至ったのだ。
新たな創作活動?眠りながらですか?
眠りなからじゃ、なにも作れないでしょ?
否!眠りの世界でしか作れぬものがあるのだ!
それは夢だ。
夢って……寝てる時に見る夢のこと?
小生は気づいたのだ。夢の中で妹に邂逅する事実に!
小生にとっての芸術とは、永遠なる美の模倣……熾天に座す女神の創出!
小生が形作る夢の中の妹も、また芸術作品なのだ!
……そうなの?
どうなんだろう……
思い出3
ちょっとオズワルド!その目のクマ、どうしたのよ!?
もしかして時繰のルーンのせいですか?
否!小生は眠りに眠っている。
じゃあ、夢の世界でどうとかのせいじゃない?
慧眼だな、チェシャよ。
だったら、やめなさいな。
否!小生は創作活動をやめるわけにはいかない。
でも、体を壊したりしたら……
かまわないのだよ、アイリーン。
時とともに朽ち、衰える肉体。終焉を孕む醜悪なる世界から小生を叙うてくれたのが妹。そして妹という美への問答こそ、創作活動である。
己が卑賤なる身を案じ、美の女神との語らいをやめることなどできようか……
ふ~ん。
最初からわかってたけど、オズワルドはとめてもとまらないやつよ!
いかにも。
睡夢の創作は現世とは違い、小生の美的直感力を寸分の狂いなく発揮することができるのだ。
平易に表現するならば、夢のなかのほうが、美しいものを作れる。
小生が思い描く真なる美を完璧に表現できるのだ!
そんなの、夢のなかだから当然じゃない。
いかにも。
だからこそ、この愉悦から逃れられない!
もう好きになさい。
だが、この興奮と喜びを誰とも共有できないことにいささかの寂會感を覚えるのも事実。
諸君、小生の作品を見てはくれないか?
あんたの夢のなかの作品なんて見れるわけないでしょーが!
…………
ヌゥ……諦めるしかないのか……
思い出4
――諸君、時は来た。
ネムじゃない。どうしたの?
n……むにゃ。頼まれて来たの……すぅ、すぅ……
チェシャよ、小生は苦悩した。
それは大変ね。
(キャトラの返しがおざなりに……!?)
懊悩し、煩悶し、慟哭した。
なぜ、小生の作品を諸君に披露できないのか――
時の呪縛から解放されし小生の創作は、すべて徒労たったのかと――
だが、求道の苦しみこそ、小生の新しき導き手だったのだ!
ネムがいるってことは……
そう!<眠りのルーン>だ!オールド・ジープ・ショップに力を借りれば、夢の世界へ誘える!
でも、眠くないわ。
さっき、お昼寝したから目が冴えてるわね。
いたしかたない。諸君が眠くなる夜まで待とう。
<我が時は飛ぶ、今を過去に、未来を今に――>
止まったわね。……ほっときましょうか。
ごめんね、ネムさん。
nじゃ、おやすみー……
…………
……
はっ!ここは……もしかして……
夢のなかみたい……
あれ?ネムは?
キャトラが来る前に、お仕事があるって言って行っちゃったよ。
諸君、歓迎しよう!小生の芸術作品――
睡夢の美神!
EEEあんちゃ~ん♪
エシリアがたくさん……
どうだ?これこそ永劫変わらぬ真なる美の具現……
Eそれこそ、まさに不変の美だ!あんちゃん!
Eおう!メシでも食ってけ!がはははは!
E小生はあんちゃんなのだ!そして妹でもある。それが問題だ。
なんか……
違う気がする。
いかにも。
肉体の楔を断ち切ろうともやはり届かぬもの。美の極致への道は遠い。
だからこそ尊いのだ!!
さあ、妹たちよ!ともに真の美を目指そう!!
EEEあんちゃ~ん♪
…………
帰って帰っていいかしら?
いいんじゃないかな?
思い出5
アイリス、おはよう♪
おはよう、キャトラ。
あれ?主人公が起きてこないわね……
そうだね。どうし……
オズワルド!こんなところで寝てると風邪ひくわよ。
Zzz……
オズワルドさん!起きてください。
起きないわね……まだ夢のなかなのかしら?
もしかして、主人公も!?
照覧あれ!小生の麗しき作品たちを!!
Eあんちゃ~ん。きも~い。
ヌゥ……だが、これこそ、小生の妹……
「起きなさい!」
この声は――
チェシャよ。小生の創作活動を妨げる気か……
待ちたまえ、ノーマウス。どこに行こうとしてるのた?
起きるだと……それもいいだろう。
ノーマウスも気づいているだろう。
小生の肉体を介し、創出される美はいささか以上に稚拙!
だが、睡夢のなかならば、小生のイメージをそのまま描けるのだ。
小生は芸術の僕としてこの世界での創作活動を続ける。起きるわけにはいかない。
さらばだ、ノーマウス!
…………
……
<二日後――>
Zzz……
飲まず食わずで、ずっと眠ったままね……
大丈夫なのかな?
ヌゥ……どこか違うのだ……小生の求める美は……
Eあんちゃんのバカ~。
違う、違う、違う!このままでは美をつかみ取れぬ!!
「起きなさいな!オズワルド!!」
この声、チェシャか……だが、まだ起きるわけにはいかない。
「アンタ、このままだと寝すぎで死んじゃうわよ!!」
美の女神に殉じるならば、それも、また一興!!小生は真なる美に……
ヌゥ……なにごとか?なぜ、小生の夢か消えて……
これがチェシャの言う死か……
なんと不自由な肉体か!小生は……まだ永遠の美に……
夢のなかで果てるのか……
この光は……妹の光……
思い出6 (友情覚醒)
さあ、妹よ。小生に真なる美を――
ノーマウスだと!!
ならば、起きるわけにはいかん!!
とっとと起きなさーい!!
はっ!!
やっと起きたみたいね。
大丈夫ですか?オズワルドさん。
やはり小生を支配するのは絶望と諦観なのか……
目覚めの世界では真の美に届かない。
主人公から聞いたけど……夢はしょせん夢よ。形として残らないでしょ?
さりとて、不完全なものを作り続けても無意味……
アンタ、なんたかんだ言って上達してるじゃない。
焦るから雑になるだけよ。時間をかけてゆっくりと作るのも、重要だと思うの。
そうですよ。時操のルーンを使わないで、丁寧に作ってみましょう。
しかし、それでは時間が……
時間を気にしすぎ!好きにやりなさいな。アンタ、結局、絵を描いたりするの好きなんでしょ?
好き……?小生はただ永遠なる妹に追いつきたいだけ……
最初はそれでも、これだけ続くってことは、好きなんでしょ?
だったら丁寧に納得いくまでやりなさいな。
チェシャよ、小生はなにか見失っていたようだ。
諸君、その時まで、しばし待て!
…………
……
諸君、時は来た――
オズワルドさん。
アンタ、作品、できたの?
いかにも。小生の新作をご覧あれ!
これって……
<人だと思われるナニカが描かれていた>
……落書き?
小生が得た一つの答え!!
美とは相対的なもの。ゆえに絶対的永遠たる妹は揺れる事なき美の指針。
であるならば、写実に走らず、己が美しいと思う美を追求すべきだと思ったのだ。
要するに好きに描くってこと?
いかにも。意識改革によって新たな表現方法という副産物まで得た。
対象を多角的に捉え、すべての像を平面に描写する!これこそ技術の極致。
永還なる美には遠くとも、確実に近づいていると小生は確信している!
でも、この絵はわからないわ。
芸術の革命なのだ!
でも、わかんないもんはわかんないわ。
歯がゆい!!
<我が時は飛ぶ、今を過去に、未来を今に――>
ぎにゃー!時繰のルーン使うんじゃないわよー!
ものすごい速さで……
<オズワルドは絵を描き上げる>
はあ……はあ……はあ……これならどうだ?
…………
わかんない。
ヌゥ!
新なる美を悟りし者
オズワルド・ファニース
その他