【白猫】ヴェロニカ・思い出
夜会の青い蝶 ヴェロニカ・メアリィワース cv.西田望見 帝国を影から見守る夢魔。 夜を羽ばたく蝶は誰の味方なのか。 |
2021/03/31
思い出1
蝶……?
綺麗な青色ね。こんなチョウチョウ飛行島にいたかしら?
ごきげんよう、飛行島の皆様。
誰、アンタ!?とゆーかいつの間に!?
えっと、こんにちは……?アイリスといいます。
そーね!まずは挨拶よね!アタシはキャトラよ!こっちが主人公!
ヴェロニカ・メアリィワースよ。以後、お見知りおきを。
ここが飛行島って知ってるってことは、もしかしてアタシらに用事でもある感じ?
ええ、そうね。優秀な冒険家の方を探していたの。そうしたらここを紹介されたわ。
失礼ですが、どなたからでしょうか?
骨好きな狼よ。あなたたちならいい夢を見させてくれるって。
骨好きな狼……?
あ!わかった!ジュダね!ジュダでしょ!
紹介状代わりにこれを。
骨だわ。たしかにジュダさんね。
へ~、ジュダがここを紹介するなんて、珍しいわね。
問題ないかしら。
ここは色々な方が来ます。ゆっくりしていってくださいね。
ありがとう。お気遣い感謝するわ。
女の子ひとりで大変だったでしょ。ちょっと休憩する?
ふふふ。
なにか可笑しかった?
ええ、女の子……あまり言われないから。
そうなの?
ここは空に近い徴睡みのなかだもの。夜の世界とは違う姿があっても不思議ではないわね。
ところで、アタシらに用事があったのよね。超絶優秀な冒険家であるアタシらに。
そこまでじゃ……
謙遜の必要はないわ。飛行島を訪れる冒険家の方たちを見れば、力量は把握できるから。
ジュダにも釘を剌されているし、手に余るようなら他を当たろうと思ったけど……
あなたたちなら、問題なさそうだわ。
もしかしてお仕事のご依頼ですか?
ええ、怪物退治よ。報酬は帝都銀行の小切手で。もちろん、言い値で構わないわ。
……気前がいいわね。
お金の使い方は上手なつもり。都合のいい夢はすぐ覚める。枕は高くして寝たいもの。
思い出2
さぁ、召し上がれ。ラ・デルテの紅茶よ。それから特製のクロワッサン。
美味しい。とってもいい香り……
なんだか高級品って感じね。
午睡してしまいそうな日和だもの。優雅に漂いましょ。
それはそれでいいんだけどさ。
アンタ、怪物退治の依頼に来たんでしょ?ー刻を争うとかじゃないの?
あら、忙しいのがお好み?
そういうワケじゃないけど……
忙しいのは好きじゃないわ。気が向いたら出向く。それくらいが好みよ。
まあいいならいいんだけど……
あなたは暇を持て余しているようね。
お昼寝はさっきすませたからね。
ふふ、なら戯れましょう……
ヴェロニカさんが蝶に……!
ふふ、捕まえてごらんなさい。
こういう遊びでアタシに挑む気なのね?それは分か悪いわよ!
ぎにゃー!!
紅茶、冷める前に飲んでしまいましょう。
あれ、キャトラと遊んでたんじゃ……
遊んでいるわ。でも紅茶も飲んでる。それだけのことよ。
は、はあ……
どうゆうこと!?蝶もアンタで、アンタもアンタってことかしら!?
ぎにゃー!!
クロワッサン、もうひとついただいてもいいですか?
お好きにどうぞ。気に入ってくれて嬉しいわ。
そのパン売り物じゃないわよね!?もしかしてアンタが作ったの!?
ぎにゃー!!
どうかしら。そうとも言えるし。違うとも言えるわ。
私は夢のようなもの。そこで羽ばたく蝶も私なら、他に私がいても不思議ではないでしょう?
思い出3
ずいぶんのんびりしたけど、やってきたわね!怪物退治!
気をつけていこうね。
案内するわ。ついてきてちょうだい。
それで退治してほしい怪物ってどんなヤツなの?
ひどく恐ろしい存在かもしくは哀れで短小な存在よ。
忙しいのが嫌いっていったでしょう?それは、どうしても隙間が生まれてしまうものだからよ。
隙間、ですか?
物事の抜け穴よ。
弱い獣は屍肉に群がる。放っておいてもいいけれど、ある程度の清潔さは保ちたいのよ。
魔物かしら。数は3体。こちらに向かってくるわ。
わかるんですか?
寝言かもしれないわ。見て確かめて。
芸術的ね。いい腕前だわ。
アンタが教えてくれたからね。ちなみに今のが標的?
もちろん違うわ。もっと……ひと目でわかる形をしているから。
なんだか自分で戦えそうだけど、依頼する意味ある?
もちろん、できなくはないわ。
ただ、私が舞うためには少し条件が複雑なのよ。
自分の意思で力を振るえるなら、それはそれで愉快なことなのでしょうけど……
贅沢なことよ。自分の意思で動くって。
幻影のように生きるには必要ないけれどね。
――援護はするわ。それで許してくれるかしら?
ま、最初からそういう依頼だしね。
ありがとう。
さぁ、もう少しよ。ついて来て。
森の奥にこんなひらけたところがあったなんて……
――来るわ。
やっぱり、浅い夢はすぐに覚めるのね。期待はずれ。
弱点を教えるから、あとは頼むわ。
油断しないでいこうね。
思い出4
k面倒事ってのは勝手に湧いてくるねぇ。
今回の件に乗じて浮き彫りになった陸軍実験部隊の情報かあっという問に流出するんだから……
首尾はどうだった?
……たった今片付いたわ。
k冒険家に依頼したんだっけ?
ええ。一緒にいるところ。
kおっと、そうか。実体のある幻ってのは便利だね。
そんな便利なものじゃないわ。夢遊病みたいなものだもの。自我というものが曖昧になる。
kそれで、バイトバイパーの残党は?
とっくに全滅よ。
魔物を焙印のルーンで強化して概念兵の技術とウェアウルフの技術を組み合わせようなんて……
節操がなさすぎたのね。
k生み出した生物兵器が手に負えなかったワケか……
その可哀想な生物兵器も失敗作だったけれど。
せめて苦しまないように葬ってあげたわ。
k了解。とりあえずお疲れ様。
労われる理由もないわ。これも契約の内だもの。
k帝国を守ることが存在理由だもんね。
でも疑問が残るな。
どうせなら戦旗のメンバーを使えばよかったのに。<酔客>の初任務にもちょうどよかったじゃないか。
どうしてわざわざ外部の者を?
そんなことを言ったら帝国の脅威かもわからないものにわざわざ私が足を運ぶこともナンセンスなことよ?
kふむ、もっともだね。
どうせ大切なのは結果でしょう?
いい夢を見たんだから裏側までのぞくのは無粋じゃなくて?
kたしかに。そういうことにしておこう。
ではまた。何かあったら頼らせてもらうよ。
気が向いたら、手伝ってあげる……
思い出5
……終わったわね。
強敵だったね。
むむむ……!ただの魔獣ってワケでもなさそうな気がしたし、色々気になるけども……!
終わりよければすべてよし!で、いいわ!
分別があるのは好きよ。
アンタが悪いことをしているワケじゃないってのはなんとなくわかるし!
慧眼ね。でも、根拠は?
経験から来る直感よ。冒険家への依頼なんて詐欺まがいなものも多いからね。
悪事に加担しないようにそこそこ警戒だってしてるんだから。
ふふ、散歩だったでしょ、ただの。
散歩だったかはおいといて……
代わりにひとつだけ聞いてもいいかしら?
……聞くだけなら。
どーしてアタシらに今回の仕事を依頼したのよ。
詳細は聞かないわ。でもなぜか?ってのは腑に落としておきたいわね。
その理由を聞いてもいいかしら、賢い子猫ちゃん。
ズバリ、好奇心よ。
だってシンプルな怪物退治だもの。ジュダと知り合いならそれこそツテで怪物退治専門家に頼めばよかったのにと少し思ったりして。
(怪物退治専門家……?)
ふふ、今日はよく理由を聞かれる日ね……
種をまいたのは私だけど……
ヴェロニカさん?
お暇するわ。それじゃ、いい夢を見てね。
待ちんしゃい!主人公!逃がす前にアレよ!
思い出6
真昼の夢みたいな光……
ふふ、儚くて、美しい……
くす……いいわ。教えてあげる。
あの、言いにくいことだったら無理なさらなくても大丈夫ですよ?
気にしないでいいわ。ただ好きではないだけ。多くを語ることが。
わからないことが多いほうが、魅力的に映るものでしょう?
なるほど……
して理由は?
私はたったひとりの願いによって生まれ……
取り決められた契約を守るために生きてる存在よ。
けれど皮肉なことに、私は私を願った者の味方ではない。矛盾した存在なの。
つまり?
夢はいつか覚めるということ。そしてその時は遠くない……
そう思ったときに、たまには契約に反しない程度に自分の意思で漂ってみようと思ったの。
つまり、本当にただの、気まぐれなのよ。
くだらないことだから説明しなかっただけ。これで満足かしら?
んー、くだらなくないと思うけどねぇ。
誰だってアレよ、自分の人生のアレコレに囚われてるものよ。
その中のできる範囲で色々やってるんだから。
私の生き方が他の人と変わらないって言うの……?
大きく見ればね。自分の夢を見てるようなもんなんだからさ。みんな。
……そうかもしれないね。
……ふふふ。
ヴェロニカさん?
そんなこと言われたのは、たぶん初めてよ。
そりゃなによりだわ。
興が乗ってきたわ。ねぇ、もう少しあなたたちを観察しても?
もちろんいいけども、それよりまずは……!
?
帰ってごはんよ!!
ひと仕事した後の力二カマは、格別なんだからね!
……一緒にいただいても?
もちろん!
先に帰ってるわ。飛行島に蝶は羽ばたいているから。
却下!一緒に帰りましょ!
覚醒絵・覚醒画像
第二戦旗<夢魔> ヴェロニカ・メアリィワース
その他