【白猫】ジュダ(帝国3)・思い出
ジュダ・バル・アーウェルサ cv.子安武人 弔いの狼は咆哮する。 すべては良帝陛下の命じるままに。 |
2021/03/31
思い出1
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英雄の声を聞いてたのよね。邪魔しちゃ悪いから待ってたわ。
気を遣わせたな。
気にしないでください。
ちゃんと聞けた?
確認するべきことを、確認することができた。
多くの魂が理想に殉じ、戦場を駆け抜けた。
遇か昔から、願いは変わりはしない、皆、己を全うしていた。それを確かめていた。
俺に贈り物があると?
何かを受け取るようなことをした覚えはないが……
別に何かしたらもらうってもんじゃないでしょ。大したもんじゃないし。
この前お買い物したときにジュダさんにあげたら喜ぶんじゃないかなというものを見つけたので。
俺が喜ぶ……?
これよ!
これは……!
骨か!
そう!骨よ!
丈夫そうないい骨だ。
気づいたわね!そう、この骨はおもちゃの骨よ!
本物にしか見えん。
そうですよね。私もびっくりしました。
本物の骨と質感も噛みごたえも一緒だけど遊ぶ用のやつね。
噛む力が強い子用の特製よ。いっつもバリボリしちゃうけどたまには噛み噛みするだけもいいんじゃない。
……おもしろい。礼を言う。
気にしないで。勝手にあげただけだし。
じゃさっそく遊びましょ!
準備はできている。
そーれ!
(投げるんだ……)
ガウ!!
遊び方、合ってるのかな……?
思い出2
…………
…………
どうした?
あら、邪魔しちゃったかしら。となりで寝転ぼうかと思ったたけなんだけど。
景色を眺めていただけだ。邪魔ではない。
じー……
どうした?お前も撫でてほしいのか?
いや、そうじゃないんだけども。というか撫でてほしいのね。おーい。
グルーミングの時間よ!
悪いな。
えりあしを頼む。
いい腕だ。反対も頼む。
……落ち着くな。
手慣れたものよ。何度もやってるんだから。
ふっ、お前たちくらいだ。そこまで慣れた奴らは。
そうなの?でもアンタってばグルーミング頼めそうなくらい仲いい友達いなかったっけ?
不器用な奴だ。毛繕いができないほどに。最近は、特にな。
…………
理由もなく、心に焦りが生まれる時がある。
アンタが?心配事でもあるの?
ない。だが心が緩む時、ふと、な。
むーん。もしかしたらアレかもね。
?
アンタ、けっこーな長生きじゃない。アンタ、けっこーな長生きじゃない。
それがどうした。
永く生きるとね。うまくなるのよ、生き方が。
?
面倒なこととか、やりたくないこととか、うまいこと無視できるの。
スルースキルが上がるのよ。大人って。
……なるほど。
そのスルースキルで何かうまいことどうにもならない問題をスルーしているのよ。
何かを見過ごしているのか?
そんなんじゃないわ。無意識下でうまく無視してるの。
たぶんアンタの抱えてる不安ってそういう類なんじゃないかってアタシは感じるわ。
では、その無意識下にある問題をそのまま捨ておくわけにはいかないな。
いいのよ、捨て置さなさい。
どーせ、解決しない系よ。もしくはどうでもいいことよ。
そういうものか?
そーゆーもの。
…………
なるようにしかならないのよ。問題が具体的になるまでそっとしとくのがいいこともたくさんあるんだから。
あ、健康とかは別よ。アンタ軍人さんなんだから定期健康診断とかあるでしょ。
そーゆーのはきちんと受けて問題が具体化する前にちゃんと対処するのよ!そーゆーのは話が別だからね!
あら、グルーミング終子ね。いい毛並みになったじゃない。
自分で行うのと、他の者にやってもらうのは、別物だな。
…………
なるようにしかならない、か。
思い出3
開示できる資料は以上よ。
助かる。後は自分でやる。
そうしてもらえるかしら。私は興味がないから。
終わったら教えてちょうだい。
出るのか?
この後、パンを焼くつもりなの。
……何かの暗号なのか?
好きに捉えてくれて結構よ。仕込みに時間がかかるから失礼するわ。
今日は騒がしいな。
彼がレヴナントについて情報が欲しいというからね。
取得できる権限の範囲で、情報請求したのさ。私も興味がある。
――君がいるのは珍しいね。どういう風の吹き回しだい。
ここは帝国の中心地にある。待つにはちょうどいい。
何を待っているんだい?
観劇だ。
へぇ。演目は?
簒奪者ツァラ。
興味深いね。仕事熱心……というわけでもなさそうだけれど。
今日は休息の日だ。それ以上でも以下でもない。
ふむ。謎の組織の資料を漁るよりも、重要な用事みたいだね。
愚問だな。
となると……ご友人と一緒かい。
詮索屋でもないだろう。そろそろ時間だ。俺は出る。
ぜひ感想を聞かせてくれ。
……ふん。ここに戻るつもりはない。
よい休日を。
――お前もな。
思い出4
qふう、やっぱりオペラはいいね。ー般席からお忍びで見るのは、なおいいよ。
おまけに演目は簒奪者か。
q我は認めない。簒奪者よ。我はこの悲劇を拒絶する。
ぷっ……!
何がおかしい……?
qキミだって笑ってるじゃないか。
物言いがあまりにも、な。
qだよね。ちょっと美化し過ぎかな。
ボクはあんな仰々しくないんだけど。
簒奪者なんかどなた?って感じだったし。
……ああ、まったくだ。
qでも、あの時は大変だった。
国を追い出されて、無ー文になって、亡命して、キミとボクだけだった。
そうだったな。
qあのまま国を追い出されて、そのままにしていればどんな国になったのかな。帝国は。
お前の願いは叶わなかっただろうな。
q獣人、半獣、妖精、人間。あらゆる種族のための国。
そうかもしれない。でも意外と、なんとかなったかもしれない。
……何を考えている。
qいやぁ、ずいぶんといい顔になったなと思ってね。
?
q初めて会った時と別人みたいだ。よき出会いがあり、よき友と巡り会えたんだね。
だから自分かいなくても、か?
何度も言うが、無益な空想は――
q違うよ、ジュダ。まったくの逆さ。
どんどん成長している友の横で玉座にふんぞり返るだけじゃ、少し居心地が悪いからね。
何をする気だ?
q具体的には体の改良と、より強い意志を。
次の千年を生きるためにね。
…………
qそんな呆けた顔をしないでよ。心外だなあ。
……当然のことを言うから驚いたのだ。
qふふ、そうかい。
よい月だ。
qうん、綺麗だね。
さぁ行くぞ。いい骨を出す店がある。食事だ。
q現金だな。待ってよ、ジュダ。
(キミなら大丈夫だ。そう信じてる。だからこそボクも頑張ってみなくちゃね。)
思い出5
…………
どうしたの、じーっとこの前あげた骨をみちゃってからに。
そんなに喜んでもらえたなら……っていいたいところだけど、嬉しいって表情じゃないわね。
骨はいいものだ。
どこかお体の調子が悪いとか……?
いや、違う。逆だ。
体の調子はいい。よいこともあった。
そうなの?
ああ。前を向き、進むための光を見た。
俺は安堵できた……はずだった。
だがやはり焦燥感がこの身につきまとうのだ。たしかではない、曖昧な感覚が、体を這う。
でもねぇ、やっぱり気にしすぎるのはよくないんじゃないかしらね。
かもしれん。
…………
この骨は玩具といったな。
そうよ、噛んでよし。投げてよし。壊れない万能品よ。
骨の本質とは反する。飢えを満たすことはない。
骨は噛み砕け、やがて朽ち果てていくものだ。
――永遠は、存在しない。
ジュダさん……
もう、煮え切らないわね!主人公!ジュダの弱気をはらっちゃって!
思い出6
あ、骨が光ってる。
どーやら光を反射してピカピカする機能があるみたいね。
よかったわね!これなら夜でも骨を投げて遊べるわよ!
光る骨か……
そーよ、光るのよ。天然物は光らないでしょ。
たしかにな。
これは加工された骨だ。噛んでも砕けず、夜闇の中でも光を放つ骨。
そうそう丈夫だし、なくならないし。しかも買った時に永年補價がついてるって言われた気がするわ。
壊れたら買ったお店に持ってけぱ、何回でも修理してくれるって。
修理……くくく。
お、なんか元気でてきた?
そうだな。
玩具の骨も悪くない。もともと、天然の骨ではなかったのだ。
俺は見当違いのこだわりをもっていたのかもしれん。
そうそう。その意気よ!
遊べそうだな。存分に。
遊べるわよ、存分に。
……骨を投げてくれ。頼めるか?
ガウウウッ!!
ナイスキャッチです!ジュダさん!
もっと遠くへ頼む!
ふふ、ジュダってばノリノリね!主人公 !全力で投げちゃいなさい。
冒険家の強肩を見せつけるのよ!
望む所だ。やれ。
骨があんな遠くに!思いっきり投げすぎちゃったんじゃ……
構わん。
もっと遠くへ。さらに先へ。
見えないほど果てまでいけばいい。必ず俺は骨を見つける。
それが、楽しいのだ。
覚醒絵・覚醒画像
棺の弔い手 ジュダ・バル・アーウェルサ
その他