エレノア・思い出
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エレノア CV:石見舞菜香 終焉の未来からやってきたもう一人の光の王。 世界を救うために戦う。 | ||
2018/07/14 |
WORLD END ~運命の光~
ワールドエンド ~運命の光~
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このお話は、イベントストーリー
『WORLD END』の
後日談となっております
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思い出1
ロイド・イングラムと魔幻獣をめぐる戦いが終わり、しばらくしたある日――
少女は、飛行島に降り立った。
あの方が愛した、本当の飛行島……
よく来てくれたわね。待っていたわ。
アイリス様からお話は聞いていましたが、実際に目の当たりにすると圧倒されますね。
ウ~ム、ややこしいわ……
エレノア。……ありがとう。
今も自分が生きているのは、君のおかげだ。
救ったのは、あなたと、未来のアイリス様です。
あなたの戦いは、もう終わったのよ。
思い出2
日の出とともに、エレノアは目を覚ます。
身支度を整え、他の者を起こさぬようにそっと部屋を出て、散歩に向かう。
「…………」
晴れ渡った青空を眺めながら、エレノアは物思いにふける。
戦いが終わり、平和が訪れても、エレノアの心は晴れない。
気がつけばいつも、一人の女性のことを考えている――
「おはよう、エレノア。」
「アイリス様。」
「今日も早起きね。」
「早く寝て、早く起きる。もうずっと、習慣になってて。」
「健康的でいいと思うわ。」
「……この世界は本当に綺麗ですね。空も、海も、大地も、すべて。」
「……ずっと、悩んでいるわね?」
「どうして、そう思うのですか?」
「目を見ればわかるわ。」
「未来のアイリス様にも、同じことを言われた覚えがあります。」
「よかったら、その悩み、聞かせてくれない?」
「……わからないんです。」
「わからない?」
「この世界で、これから私が、何をすべきなのか。
飛行島に来てから、ずっと考えているんです。でも、何も思い浮かばなくて。
そして気がつくと、心が違くに行ってしまう。」
「……もとの世界に、帰りたいの?」
「あの方を一人にはしておけませんから……」
「…………
ねえ、エレノア。今日、これから時間ある?」
「……? ありますけど……」
「山菜、採りにいかない?」
思い出3
主人公もタラノメを見つけたって。
「エレノア、全部採ってはダメ。新芽や小さいものは残していくの。」
「はい! と言っても……みんな小さいと言いますか……」
「……それでも、可能性はあるから。」
<アイリスは、手際よく山菜を採っていく。
慣れた手つきにも、生命への慈しみが満ちている事を、エレノアは感じ取った。>
日が差せば影ができるように――光と闇は、表裏一体なのよ。
……なのに――
<言葉は、そこで途切れる。
その先を、アイリスは言おうとしなかった。>
<気がつけば、カゴは山菜で一杯になっている。>
そして、未来もきっと。
(……アイリス様。やはり、あなたはまだ――)
思い出4
<採ってきた山菜が、その日の夕飯となった。>
<――おいしい!>
鶏肉と山菜って、やっぱり合いますね。
<本当に――心の底から、美味しいと思った。>
なのにどうして、こんなに――)
<ひとくち噛みしめるたび、エレノアの脳裏に、彼女と過ごした時間がよみがえっていく。
痩せ細った山菜がわずかばかり入った、粗末なスープ。
しかし、彼女にとっては、何よりのご馳走だった。
それだけで、しあわせになれた。スープだけがそうさせるのではなかった。
敬愛する人が、その時だけは、ほっとしたような表情を浮かべて――>
…………
……
思い出5
目が覚めたその時から――予感はあった。
アイリスは、エレノアの部屋をノックする。
……しかし、返事はない。
<机の上には、書き置きがあった。>
『未来へ戻る方法を探しに行きます。今まで、ありがとうございました』
…………
……
……もとの世界へ戻る方法、でしたな。
厳しいことを言うようですが……もし戻れたとしても、光の王のことは、どうにもならないかもしれません。
なのに、私はまだ、あの方を覚えている。きっと、まだ……
荒廃した大地に、アイリス様は、いまもひとりぼっちで……!
あなたが行くというのならば、最後までつきあいましょう。
ずっと一緒だったのでしょう?
一緒にいても、みなさんには心配をかけるだけだと。それに私は耐えられない。
<しかし、どういうわけか、その言葉とは裏腹に――
主人公たちの顔が、エレノアの頭に焼きついて離れない。>
!!
この……光は……
思い出6 (友情覚醒)
光の中に――
鮮やかな風景が広がっていく。
「これは……この世界は……!
アイリス様――!」
声は、草に、木に、花に――
すべてのいのちに、溶ける。
「そこに、いるのですね!」
すべての光に、溶ける。
「あなたは……あなたは!
あふれるいのちの、すべてとなって――!」
涙が止まらなかった。
凍っていた心が、溶けていくようだった。
嗚咽をこらえながら、エレノアは力の限り、叫ぶ。
「私……会いに行きます。いつか、必ず……!
だから……待っていてください! アイリス様――!」
風が、頬をなでた。
…………
……
けれど、飛行島を去ったあとで、ほんの少しでも、私たちを思い出してくれていたなら――
私たちは、いくらあなたがイヤだと言っても、あなたを助ける。
その代わり、アタシたちが困ったら――
この縁は、命がけで大切にしなければならんものですぞ。
主人公さんの光の中に……私は、確かに見ました。
アイリス様と、あの方が救った世界を。
そして、あの方は決して、ひとりじゃなかった……
それに、私はあのまばゆい世界を、実際にこの目で見てみたいんです。
時間はかかるかもしれない。でも、それが私の使命なんだって、今ではちゃんと思えます。
もう、大丈夫そうね。
もとの世界へ戻るために、私を助けてくれませんか?
……アイリス、さん。
覚醒絵・覚醒画像
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