【白猫】ルビィ(茶熊)・思い出
ルビィ・ローゼンヴァルト cv.鬼頭明里 茶熊学園への潜入を命じられたルーンナイト、 お姉ちゃん、今日もがんばる! | ||
2017/12/15 |
メインストーリー
思い出1
……はい、はい。いま、飛行島に着きまして。……いえ、そんなことは!……あるのかな……
ルビィさんだわ。
おーいルビィ!
きゃああああっ!……キャ、キャトラさん!びっくりさせないでください……
……あ、いえ、なんでも。……はい、ではそういうことで。では、またご報告します。
通信中だったのね。ごめんごめん。
こちらこそ、ご挨拶もなしにすみません。
なんの報告だったの?
ほら私、茶熊学園に入学したじゃないですか。
制服、とっても似合ってますよ♪
そうですか?ありがとうございます~♪
えっとそれで、入学した理由というのが、そもそもルーンナイトの任務としてだったんです。
任務?
他勢力をけん制しろ――と。
他勢力ってのは……たとえば帝国とか連邦とか、そういうの?
はい……ご存じの通り、学園には様々な国や組織の方がいらっしゃってますよね。
そういった方々の政治的な思惑を抑止するのが仰せつけられた役目でして……
心配しすぎじゃない?まわりは冒険家ばっかりなんだし、そう簡単にわるさはできないわよ。
それにみんな、ただのー人の学生として来てるわけだし。
……それを確かめろって事なのでしょう。
……ううう……正直、荷が重すぎますよ……というか今のところ、全然できてる気がしませんし……
素直に青春を楽しめばいいのよ。
そういえば、家庭科部の活動はどうですか?
とても充実していますよ。すごく勉強になりますし。
たしか、素敵なお嫁さんになりたいからっていう、かわいい理由だったわね。
は、はい。そうなんです……
(本当はセツナさんと仲良くなりたかったからなんだけど、なんか言いづらい……)
部員のみなさんも、とても優しい方ばかりで。入ってよかったと思っています。
そっかあ。……実はアタシ、ちょっと心配だったのよ。こわがりで臆病なアンタが、集団生活になじんでいけるかどうかがね。
でも、その様子だと大丈夫そうね?
ま、まあ、いまだに話す時に緊張しちゃったりはしますけど……
でも、毎日楽しいです!でも、毎日楽しいです!たまに任務だということを忘れちゃうぐらい。
よかったです♪
思い出2
家庭科部の本日の活動を始める!
どんどんぱふぱふ~。
今日はなにをするんでしょうか?
料理だ。皆でジェノペーゼを作ろう。
ジェノベーゼ……バジルソースのパスタですね。
どうしてジェノペーゼなの~??
名前がなんかカッコイイからだ。
今日は特別ゲストをお迎えする。
家庭科部の名誉部員。――レイン、入ってこい!
誰が名誉部員だ。
俺は知っているぞレイン。貴様が掃除洗濯料理なんでもござれのバイパー家庭マンだという事をな!
(レ、レインさんだ……)
そういうわけで、コイツに教わりながら作ってみるとしよう。
勝手な事を言うんじゃねえ。おい蛇、俺はテメーとケンカ出来るっていうから……
(やっぱりまだ、こわいなあ……)
レインさん、おねがい~。ー緒にお料理、つくりたいなあ~。
だんご女……!
(ひゃああ!すごい形相!やっぱりこわい!こわいこわいこわい!)
……オメーの頼みなら仕方ねえ。今回だけだからな!
やった~。
あ、あのう……よろしくお願いします。
…………
……
バジルの水気はしっかり取れ。
は~い。
レ、レインさん……じゃがいも、切りました……!
……上出来だ。ちゃんと切れてるじゃねえか。
(え!?やった、ほめられた……!)
シャッターチャンス!
ひゃあっ!?
新入部員のすこやかな笑顔が撮れた。
あとは、塩とこしょうでととのえて……
レインさん、あの、味を見てもらってよろしいでしょうか?
どれ……ああ、これでいい。
よかった……これで、完成です!
おお、ルビィちゃんのも美味しそうだねえ~。
またレパートリーが増えたな。
はい!レインさん、ありがとうございました!今度、弟に作ってあげる料理が増えました!
オメー、弟がいんのか。
そうなんです!なにかと私にひっついてくる、気弱だけど健気な弟で……
甘やかしてんのか?男は強くなきゃいけねえ。そんなんじゃ先が思いやられるな。
そうですね……でもいつかは、私よりもずっと頼りになる弟になるって信じてます!
うふふ。ルビィちゃん、お友達がふえたねえ~。
青春と友情のシャッターチャンス!
思い出3
ホームルームは以上だ。みな、気をつけて帰るように。
…………
『前に古代文明の技術をめぐってキナ臭い動きがあったのよ』
『連中は失敗したみたいだけど、政治的な中立地帯で他勢力にこそこそされるのも面白くないでしょ?』
えっと、生徒として入学することで他勢力をけん制しろということでしょうか?
『話が早くて助かるわ。そういうことだから休暇ついでに学園生活楽しんできなさい。じゃあね♪』
(部活ばっかりやってる場合じゃないよね……)
(でも、けん制だなんて……具体的になにをすればいいんだろう……)
<夕日差す放課後の教室で、熟考したルビィが出した結論は――>
……インタビュー?
……確かに私は、帝国海軍の中尉であります。
しかしここでは、みんなが同じ学生です。
私たちは、同じ時間をともにする仲間なのであります!
な、なるほど……
国を代表して来ているという自覚は、もちろん持っておりますが……
ここは完全な中立地帯です。政治的なやり取りをする場ではありません。
では、どのような場だとお考えでしょうか?
それはもちろん――
……せ、せせ、青春を謳歌できる、それは素晴らしい場所だっ!
そ、そうですか……?
しかし、この学園には<竜の国>も出資しているとお聞きしました。
……何か思惑がある、と考えているのか?
え、いやあの、そういうわけでは……
出資しているのは我が国だけではない。それにどの国や島も、純粋に『冒険家を育てたい』という目的を持って関わっているのだ。
それよりもルビィ殿。君は、青春についてどう考えている?
えっ!?青春ですか?
自分は思うのだ。青春のある所に心の成長あり、と。
しかし自分は、副会長の仕事を優先させるあまりに、皆のような楽しい学生生活をそれほど送れていない気がするのだ……
…………
……
はあ……副会長のお話、長かったな……
もう暗くなるし、今日はこのぐらいに――
(ネ、ネモさん……)
『そうそう。ネモという男があなたとー緒に入学したわね』
『調ぺてみたんだけど……その経歴がどうにも怪しいの。まあ、私の勘なんだけどね』
『……ー応、気をつけておいて』
あ、あの、ネモさん……
何だ。
(うっ……何て冷たい視線……)
これから、帰るところですか?
ノアの部活が終わるのを待っている。
……俺に何か用か。
(……怖気づいちゃダメ!がんばれ、私!)
その……ネモさんって、どこから来た方なんですか?
…………
お、同じクラスメートなので、よければ、あなたのことも知りたいな~って……
ルーンナイト、序列十五位。<ペンテカイデカ>。
!!
上司に俺を内偵しろとでも言われたか?
…………
残念だったな。俺は何も教えんぞ。
ご、ごめんなさい……
……俺は今はただの学生だ。お前だってそうだろう?
はい、おっしゃる通りです。ごめんなさい。
なかなか、愉快な所だ。存外俺も楽しんでいる。
だから、お前も楽しめ。要らん事は考えずにな。
ゆら~。ネモ、おまたせなのです。
じゃあな。――また明日。
やっぱり、私には無理だよぅ……
思い出4
<ルビィは、アイリスと一緒に裁縫をしている。>
そうしたら次は、ここを縫っていきます。
はい……
少し細かく縫うのがポイントですね。
…………
ルビィさん?
あっ!す、すいません。……なんでした?
あまり元気がないようですが、なにか、悩みごとでも?
……うぅ、アイリスさん。実は……
なるほど、ネモさんに……
私、なんだかもうわからなくなってきました。
わからない、というと?
任務と学校生活を両立できる自信が、ちょっとなくなってきちゃったんです。
みんなといると任務のことを考えちゃうし、考えたら考えたで部活に現実逃避したくなるし……
アイリスさん。私、どうすればいいんですかね~……
そうですねえ……
おっ?アイリスさんとルビィさんじゃん!
セツナさん。
部活、もう終わったんですか?
いやー、麻雀のメンツが揃わなくてさ。今日は解散ってことになったんだ。
……あれ?ルビィさん、どしたの?なんか、元気ないね。
(……セツナさんになら、お話しても、大丈夫かな)
<ルビィは自身の悩みをセツナに打ち明けた。>
なるほどねえ。てか、ルビィさんってそんなカッコイイ事やってたんだね!
そ、そんな。カッコイイだなんて……
ねえルビィさん。そういう時はね、なにかーつ目標を持っといいよ。
目標、ですか?
自分はこれをやる!ってのを具体的に決めれば、生活にもハリが出るってもんよ。
な、なるほど……!
任務で失敗しちゃったなら、まずは部活で考えてみたらどうかな。
そうですね。好きな事に集中すれば、気分も明るくなってきますし。
好きなこと……
<ルビィは手に持った縫い針を見つめる。>
裁縫でなにか手作りするってのも、いいかもね~。
ええ。ルビィさん、家庭科部でー番力を入れているの、裁縫みたいですし。
……クマのぬいぐるみ。
え?
弟が、クマのぬいぐるみが欲しいって言ってたのを、思い出しまして……
あはは、かわいい弟さんだね~♪
セツナさん、アイリスさん!ありがとうございます!――私、決めました!
弟のために、ぬいぐるみを手作りしょうと思います!
とてもいい目標だと思いますよ、ルビィさん♪
ルビィさんは弟想いだねえ~。
そうと決めたら、なんだか元気が出てきました!
その調子その調子!
はい!私、がんばります!
思い出5
じゃあ、私たちは帰るね~。
あまり根を詰めすぎないようにな。
はい。お疲れさまでした。
<弟のために、クマのぬいぐるみを手作りすることにしたルビィ。
連日遅くまで学校に残り、その作業に没頭していた。>
……これでよし!残りはっと……
……今日中に、完成までいけるかも……!
…………
……
ふう~~~~……やっと、ここまできたあ~。……あとは、生地を表に返してっと……
……あれ?ちょっとまって……これ、左右対称じゃ、ない?
あ~~~~……やっちゃったあ……
できた!今度こそ、そしたら、大丈夫かな。次は頭の――
……え?えええ?ウソでしょ……!?
逆毛だ……?
あー、もう、うまく縫えない……なぁ!?
痛あッ!!
もう、なんなのよ…………ティッシュ、ティッシュ……
<耳の部分に、血が滴り落ちてしまう。>
…………
今日中は、無理かな……
はあ……なんか……私、そんなんばっかりだなあ……
ここに来てから……無理とか……出来る気がしないとか……そんな事ばっかり言ってるなあ……
私って……ほんと、ダメだなあ……
<様々な感情が、彼女にわけもなく込み上げてきた。>
人とうまく話せないし……友達も、うまく、作れない。任務だって、失敗、しちゃうし……
弟のっ、ぬいぐるみもっ、作れないっ……!
うう……もう帰りたいよお……?
うわああああああああん!
思い出6
だいじょうぶ。だいじょうぶだよ、ルビィちゃん。
<ルビィの頭を、優しくなでる者がいる。>
よしよし。
ひっく……ツ、ツキミさん……?
なんとなく心配になってね、みんなとー緒にもとってきたんだ。
あう……あうあう……
だいじょうぶ、だいじょうぶ。私たちが、ついてるよ。
ルビィ……泣かないで?
ルビィさぁん!
つらかったよね……!ごめんね、あなたの気持ちに気づけなくて。
セツナさん……ちが、ちがうんです。私が、私が情けないから……!
……情けないのは、顧問の俺だ。
お前は、誰よりも頑張っているよ。だが……
ちょっと、がんばりすぎたねえ。
……怪我の手当て、しますね。
ふええええん……
ったく、メソメソ泣きやがって……
おいルーンナイト。疲れた時は、メシを食うに限る。
作ってやるからちょっと待ってろ。
うわあああああああああああん!!
なんでアンタがー番泣いてんのよ!?
…………
……
<それから数日後――>
で……できました!できましたよ、みなさん!
よく頑張ったな。
おめでとう、ルビィちゃん。
目標達成だね!
はいっ!みなさんのおかげです!
では記念写真を撮ろう。ルビィを中央に並んでくれ。
俺は必要ねーだろ。
名誉部員だから必要だ。
レインさん、はやくはやく~。
はい、バイパー♪
…………
……
『じゃあ、報告を聞こうかしら』
……みなさんは、純粋にー人の学生として日々を過ごしているようです。
そこには、国も組織もありませんでした。お互いがお互いを認め合い、助け合い、ともに生活を楽しんでいたんです。
……副長。申し訳ありません。任務は、失敗しました。
『…………』
『それでは、あなたはー体、何を得たのかしら?』
かけがえのない仲間を。
『……そう
行かせた甲斐があったわね』
『ああ、それと。任務は失敗してないわ』
……え?
『わからない?ルーンナイトのあなたがいるってだけで、実はけん制になってるってこと』
え……ええー……それならそうと言ってくださいよー……
『言われなくてもわかるようになりなさい』
『……でも、あなた』
『なんだか、少しだけたくましくなったように感じるわ』
<通信は、切れた。>
おまたせしました。
これから、家庭科部でピクニックに行くんです。
……みなさんも、どうですか?
家庭科部のお姉ちゃん ルビィ・ローゼンヴァルト
その他