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【アナデン】デューイ Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん
アナザーエデン・キャラクエスト「デューイ編」


目次


Story1 蒸気の申し子

未来の街を歩くデューイとアルド。

ひょんなことからいざこざに巻き込まれてしまうが……?


Story2

Story3






蒸気の申し子



 「やだも~また衝動買いしちゃった!」

 「ここの服、可愛いもんねー!あたしもつい買いすぎちゃったぁ。」


「へえ、こんなところに服屋なんてあったんだね!」

「デューイってこの時代の出身だよな?この辺りのことはあんまり詳しくないのか?」

「うんまあ……そういう感じ……かな!」

「うん……?」

 「ありがとうございました!またご来店くださいませ!」

「おっいいなあ……!オレも早くああいうビシッとした服装が似合うようになりたいよ。」


「ってえな……!どこ見て歩いてんだ爺さん!」

「おお……すまんのう若い方……。」

「すまんじゃないだろ?一張羅が汚れちまったじゃないか!」


 「なんだなんだ……?

 「喧嘩か?何やったんだあの爺さん……。


「あーあーどうしてくれるんだ?これから大切な女性と待ち合わせだってのに。

今からクリーニングに出したって間に合うわけないよなあ。」

「すぐに別の服を……」

「これの一着の値段知ってる?半端なスーツじゃ代わりにはならないからね?」


「言いがかりだ……!ちょっとぶつかっただけじゃないか。」

「まあまあアルド。ここはオレに任せといて。

そこまでにしときなよ。いい年した兄ちゃんが腰の曲がった爺さんにみっともない。

せっかくの服もあんたなんかに着られたんじゃ台無しだな。」

「なんだって……?」

「服が汚れたんでしょ?それじゃあお望みどおり綺麗にしてあげるよ!」

「なあーっ!?」

「汚れ取れたんじゃない?頭も冷えて一石二鳥でしょ?」

「くっくっそぉ……びしょ濡れにしやがって……

指から水鉄砲が出るくらいでいい気になるなよ……!?」

「水鉄砲じゃない。これはナノマシンの力……

蒸気の銃ミストガンだ!」

「フン……どっちだっていい。僕は大人なんだ!力じゃ負けないからな!」

「あんたみたいな人が軽々しく大人とか言わないでよ。

言っとくけどさ……さっきのは最低出力だからね?

……次は手加減しないよ?」

「うっ……

た……助けてママ~!!」

「なあんだ。身体は大人でも中身はてんで子供じゃないか。」


 「格好よかったねえ。お爺さんが無事だったのは坊やのおかげだよ。」


「ちぇっ坊やだって。早く背伸びないかなぁ……。」

「た……助かったわい。」

「大丈夫か爺さん?どうしてあんなことに?」

「うむ……ちょいと悩んどることがあってのう。あれこれ考えながら歩いてたんじゃ。」

「悩みか……。」

「はっ……しまったわい!もう待ち合わせの時間じゃ!

わしはここらで失礼するぞ。エントランスゲートに急がねばならんのでのう。」

「あっ爺さん!

うーん……なんだか心配だな。」

「ちょっと気になるよね。あの爺さん追いかけてみない?」

「そうだな。それじゃ爺さんの言ってたエントランスゲートに行ってみよう!」



- Quest Accepted -




「むう……おかしいのう……。」

「……何がおかしいのさ?」

「おお、さっきの!こんなところでまた会うとは奇遇じゃのう。」

「いやいや奇遇じゃなくて追いかけてきたんだよ!

考え事をしてて人とぶつかるなんてよっぽどのことだろうと思ってさ。」

「待ち合わせって言ってたけど相手はまだ来てないのか?」

「むむ……そうなんじゃ。時間はとうに過ぎとるのに。

もしやあの子の身に何かあったんじゃなかろうな……。」

「大げさだなぁ……バスカーゴが遅れてるだけじゃないの?」

「そうだとよいのじゃが……」

「お爺ちゃ~ん!!」

「おお、この声は!」

「ごめんね!思ったよりお話が長引いちゃって。」

「いいんじゃ、いいんじゃ。無事でよかったわい。」

「それでえっと……その人たちは?」

「先刻街中で気の短い若者にぶつかってしまっての。

因縁をつけられて困っておったところを助けてくれたんじゃ。」

「あらそうだったの……!ありがとうございます。

お爺ちゃんがお世話になったみたいで……。」

「オレは何も。礼ならデューイに言ってやってくれ。」

「えっとデューイくん?おじいちゃんを守ってくれてありがとう。」

「別にあれくらいどうってこと……!」

「ふふっ……。」

「して結果はどうだったかの?」

「うーん……やっぱり実害がないと組織としては動けないみたい。」

「実害……?」

「実は近ごろうちの周りを誰かがうろついてるみたいなの。」

「わしも確かに家の中を覗かれとるような感じがしとってのう。」

「それで怖くなってEGPDに相談に行ってたのよ。

でもあんまりちゃんと相手にしてくれなくて……。」

「オレたちでよければ相談に乗るよ。なんだか放っておけないしさ。」

「本当に……!?すごく心強いわ!」

「そうじゃな。ここはお言葉に甘えさせてもらおうかのう。」

「うちはシータ区画にあるの。ゼノ・プリズマの前で待ち合わせでいいかしら?」

「ああ構わないよ。それじゃあまた後で。」


「アルドってお人好しだよね。わざわざ悩みの相談に乗るなんてさ。」

「デューイだってあの爺さんを助けたじゃないか。」

「別にあの兄ちゃんが気に入らなかっただけだよ。

……まあ約束は守らないとね。シータ区画に行ってみよっか。」



シータ区画



「来てくれたのね!待ってたわ。」

「ああ。えっと爺さんは?」

「いま買い物に行ってるの。すぐに戻ると思うからそれからうちの方まで移動しましょう。」

「それでオレたちはどうしたらいいんだろ?

家の周りにいる怪しい人を片っ端から捕まえればいいのかな?」

「ううん……それだときっと犯人に警戒されちゃうわ。」

「ってことは……」

「張り込みじゃな!」

「なるほど!相手が尻尾を出すまでじっと待つってことだね?」

「そのとおりじゃ。張り込みの間不自由はさせられまいと少し買い込みすぎてしもうてのう。

食料寝袋アメニティグッズ……あれやこれやと揃え出したらすっかり遅くなってしまったわい!」

「ふふっお爺ちゃんったら珍しく男の子と一緒だからってはしゃぎすぎよ?」

「……こりゃ結構な長丁場も覚悟した方がいいかもな。」

「あはは……そうみたいだね。」

「それじゃ行きましょうか。私についてきて!」



「ここがわしの部屋じゃ。

すぐには状況も動くまいて。張り込みとはいえ身構えすぎずゆっくりしとってくれ。」

「私は自分の部屋に戻ります。お爺ちゃんのことよろしくお願いしますね。

何か気づいたらすぐに連絡しますから!」

「自分の部屋……?ここに住んでるんじゃないってことか?」

「さあ……二世帯に分かれて住んでるんじゃない?この時代じゃよくある話だと思うよ。

でもマンションタイプのハウスユニットって思ったより見晴らしがいいんだね!

こういうところでなら張り込みも悪くは……

………………。」

「………………。」

「………………。」

「今のが視線の正体だよね!?」

「あ、ああ……!」

「廃道の方に飛んでったみたいだ。今ならまだ追いつけるかもしれない!」

「廃道ルート99だな!急いで追いかけよう!」


「むッ……!?あの二人はどこじゃ……!?」



廃道ルート99



「見つけた!さっきのドローンだ!

あいつの映像データを見れば覗きをしてたかどうかはっきりするよ!」

「そうか!また逃げられたら面倒だな。その前に捕まえよう!」


 ***


「よし!なんとか捕まえられたな。」

「それじゃ早速映像データを見てみよっか。

えっと……ここをこうして……

ビンゴ!映像を再生するよ!

ん……?

……な、なんだこれ!?」

「どうしたんだデューイ……?」


「あんたたちッ!!

ああ……!何てことしてくれたんだい!」

「え……?あんたはー体……?」

「どういうことだよ……!?

このドローンの中の映像データに映ってるの……

全部爺ちゃんじゃないか!」

「んん……!?ってことはもしかしてこのドローンの持ち主って……」

「わ……わたしだよ!」

「ええっ!?じゃあ婆さんが爺さんを覗いてたのか!?」

「の……覗いてただなんて人聞きの悪い……!

わたしゃただあの人の邪魔にならないようにと思って……。

ああッ……あの方の優しげなお顔……

ロマンスグレーの髪とふさふさのおひげ……

画面越しにでも見ていられたらそれで十分だったのに!」

「どうしてドローンを使ってまでそんなことを……?」

「そそ、れは……

言えないじゃない……この歳になって好きだなんて。」

「……そうかな?」

「え……?」

「歳なんて関係ないんじゃないかな。

人間ってさ……思ってるよりずっと儚い生き物なんだ。

言いたいことを言わずに我慢するなんてゼッタイ最後に後悔するよ。

一緒に行ってみない?爺ちゃんのところに。

そんで思ってること全部ぶち撒けちゃいなよ。きっとすっきりするからさ。」

「………………。

……そうだね。あんたの言うとおりだ。

こんな坊やに諭されるなんて思ってもみなかったよ。」

「坊やじゃないって!デューイって立派な名前があるんだ。」

「そうかいデューイくんかい。確かに覚えたよ。」

「さて……それじゃアルド。」

「ああ、爺さんのところに連れていくんだな?

シータ区画に行ってみよう。きっとオレたちを待ってるからな。」




シータ区画



「おお、戻ってきたか!

どこへ行っとったんじゃ?急にいなくなってしもうたから心配しとったんじゃぞ!」

「あ、ああ……ごめんな爺さん。

実はあのあとすぐに犯人の手がかりが見つかってさ。」

「なんと……!」

「で、結論から言うとこの人が犯人なんだけど……

ちょっと聞いてあげてほしいことがあるんだ。」

「ほら婆ちゃん?」

「ええと……」

「おや、あなたは……どこかでお会いしましたかな?」

「いえ、いつもわたしが遠くから眺めていただけです。

ずっと陰からお慕い申しておりました。

あなたが若者に因縁をつけられたときは心配でつい側に行ってしまいましたが。

それもわたしの気持ちがあなたを困らせてしまったのが原因だったのですね。

いや本当に面目ないことです……。」

「ふむ……事情はわかりました。

わしからあなたを罰しようという気はありません。」

「ですが……」

「とはいえ何のお咎めむなしでは皆に示しがつきますまい?」

「え、ええ……やはりそうなりますね……。」

「ここはひとつ罰として……

わしの寮の管理を手伝ってもらうというのはどうじゃろうか?」

「や……?それはつまり……?」

「寮……?」

「爺ちゃん寮なんてやってたのか?」

「む?言ってなかったかの?張り込みにきてもらった部屋は寮監室なんじゃよ。」

「ふうん……?」

「ともかく言葉のとおりです。明日からわしのところにいらしてください。」

「は、はい……!」

「ふう……やっと一件落着って感じだね!」

「ええ、そうみたい。一時はどうなることかと思ったけど……。」

「でもまあ確かにお孫さんと幸せにやってるのを見たら気が引けちゃうのもわかるよな。」

「お孫さん……って誰が?」

「……何言ってるんだ?あんたしかいないじゃないか。」

「私、お爺ちゃんの孫じゃないわよ?

お爺ちゃんこれまでずっと独身だったって言ってたし。」

「へ……?」

「お爺ちゃんってうちの会社の女子寮の管理人さんなの。

優しくて慕われてるしみんなからお爺ちゃんって呼ばれてるのよ。

もちろん私も含めてね。」

「女子寮……!?」

「だから別々の部屋で暮らしてたのか……!」

「そうそう、みんなといえば前にお爺ちゃんを助けてくれたって教えたらお礼を言いたがってたわ!」

「ま、まさか……」


「あっもしかしてその子がウワサのデューイくん!?」

「うっ……!!」

「そうなの!それに聞いてよー!今度は最近困ってた例の覗き事件まで解決してくれたのよ?」

「ええ!?マジですごいじゃん!」

「いや……別にその……」

「もしかしてちょっと恥ずかしがってるのかな?」

「やだー!超照れてるじゃん!」

「照れて……なんか……」

 「だ、大丈夫か……?デューイ……」

「緊張しなくていいのよ?お姉さんたち取って食べたりしないんだから。」

「うふふ……可愛い!」

「もう……ダ……メ……」




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