【白猫】テオドール・思い出
テオドール・グラナドス cv.松風雅也 海嘯の島レパルトの貴族グラナドス家の三男。 合武グラナドス流・合戦礼法皆伝の腕前を持つ。 | ||
2019/03/15 |
パイレーツシンフォニア Story
思い出1
やっほー、テオドール!来たわね!
ご機嫌うるわしゅう、マイレディ。
あいかわらずかっこつけてるわね!
キャトラ、ダメだよ。
気にしなくていいよ、アイリス。女性に対して紳士的に対応するのは当然だからね。
それに、かっこつけていると思われてしまう私がまだまだ未熟なだけさ。
そういう謙虚なところは、ひょーかに値するわ!
あのあと、テオドールさんはどうしてたんですか?
え……?あのあと……?
露骨にテンション落ちたわね。
今も私はレオンたちと……行動をともにせざるをえない状況になっていることを否定することができないこともなくもなく……
海賊になったってことでしょ?
いくら麗しのマイレディキャトラでも、その発言は看過できないな。
私は誇り高きグラナドス家の三男。純然たる大貴族のテオドール・グラナドスだ。
その私がよもや海賊になるなどと、私が許しても天が許さん。
でも、家には帰ってないんでしょう?
合武グラナドス流合戦礼法の開祖。ムモン様は、己が故郷を出る際、両親におっしゃったそうだ。
『男が家を出たら、二度と帰らないと思え!』
堂々たる家出宣言ね。
ムモン様も高貴な身だったそうだ。だが、家の力に頼らず一人で生きていくという固い意志を持っていたという逸話だ。
当然、私も家を出たからには二度と帰らず、己が力で大業を成し遂げる。そういう心持ちさ、マイレディ。
でも、アンタ、お尋ね者じゃない。
あれは誤解だ!私は正義を成しただけなのに!この世界は狂ってる!
アンタの実家って貴族なんでしょ?なんか誤解を解く権力とかあるんじゃないの?
私だって偉大なるグラナドスの人間だ。自分の汚名くらい自力でそそいでみせるさ!
それに……いろいろあってね、今はまだ父とは会えないんだよ。
まあ、とにかく私は無実の罪でお尋ね者だ。しばらく身を隠したい。
できれば、この飛行島で世話になりたいんだ。
いいわよ。レオンからも頼まれてるし。
テオドールさん、よろしくお願いします。
ありがとう、感謝するよ。これからしばらくよろしく頼む。
思い出2
合武グラナドス流合戦礼法。弐之型――
――無想斬月。
テオドール、なにしてんの?
やあ、キャトラにアイリス、主人公、毎日の稽古だよ。
テオドールさんの剣ってものすごく速いですよね。
貴族の男児たるもの、強くなければならない。心身ともにね。
アンタが強いのは認めるわ。
マイレディ、褒めないでくれ。私はまたまだ未熟者。
でも、やっぱりかっこつけてると思うのよね。戦ってる時でさえ。
え……?褒めからのダメ出し?
待ってくれ、キャトラ。私の心は今、褒められることに対する準備。いわゆる謙遜モードに入っている。
今は私の剣を褒めてくれればいい。その後、謙掻から入った私が、君たちを褒める。社交界での嗜みだぞ。
残念ね、テオドール!ここは社交界じゃないし!ついでに疑問があるの!
なんで流儀の名前とか技の名前とかいちいち口にするの!?アンタ、絶対かっこつけてるでしょ!
君は表面的なものしか見ていない。
ほほう、堂々と言い返すとは、意外な反応ね。言い訳を聞こうじゃない!
合武グラナドス流合戦礼法とは、その名のとおり、合戦での礼節という概念に重きを置いている。
戦場で武将が名乗ることがあるだろ?あれの延長上で流名を名乗り、可能ならば技名も伝える。
名前や流名を名乗るのはわかるけど技名はいらないんじゃない?
斬られる者への最後の手向けが技の名なんだ。ただ斬られるより、すごい技で斬られたほうがなんとなく納得できるだろ?
納得できるかは知らないけど、わからなくもないわね。
技の名は敵への慈悲であり、倒した者への手向けだ。
だからこそ、合武グラナドス流合戦礼法では、絶対に技名を伝えるんだよ。仮にただの一撃でも、即興で技の名を考え、口にする。
ただかっこつけてるわけじゃないんだよ、キャトラ。
でも、かっこいいとは思ってるでしょ?
……否定はしない。
思い出3
「壊せ、壊せ、壊せええええっ!」
テオドールさんの声!?
こんな世界、ぶっ壊してやるあっ!
いったい、どうしたってのよ!
…………
ヤナギさん、なにがあったんですか?
知らん!
副長がヤナギさんに稽古を頼んできたんだ。そしたら、ヤナギさんの空手で副長が負けた。
負けてテンパったってこと?
わからない!気づけば、ああなってた!
もう嫌だぁぁぁぁっ!
ぎにゃー!誰かクラウディア、呼んできてー!
呼ばれたような気がしましたが、どうかしましたか?
いいとこにいたわね!テオドールがまた壊れちゃったの!アンタの歌で止めて!
♪♪♪
はっ!私はなにを……また壊れていたのか……
副長さん、大丈夫ですか?
なにが理由で、アンタ、テンパったのよ?
え……?いや、話したくない……
ヤナギさんに負けたんだ!ボロ負けだ!
くっ……!
やっぱりくやしかったのね。でもね、だからってテンパるんじゃないわよ。
いや、わかってる。自分が未熟なのは百も承知さ。だが、私の使える技が全てかわされたんたぞ!
これでも腕には自信があったんだ。だから、あまりにもショックで……
それがヤナギさんの空手だ!
…………
空手……?あれが空手なのか……?
…………
……で、弟子にしてください!
ジャケットをかけろ!
はい!
ジャケットかける!ジャケット着る!ジャケット捨てる!
ジャケットかける!ジャケット着る!ジャケット捨てる!え、捨てる!?これ、私のジャケットなんだが……
たため!
はい!たたんで捨てます!!
あらためて思うんだけど……
ヤナギさんって何者?
さあ……
思い出4
あら、テオドール、元気ないけどどうしたの?
……ヤナギさんの言ってることがよくわからないんだ。
クウちゃんは教えてくれないんですか?
いや、教えてくれるんだが、クウも時々、なにを言ってるのかわからないことがある。
以心伝心というのだろうな。あれこそ師弟愛だ。
ヤナギさんのことはそんなに深く考えても無駄よ。基本、よくわかんないから。
だが、あの強さからは学ぶことが多い。私もこの<壊れルーン>の力を制御できるようにならなければならないしな。
アタシが思うに、アンタって心技体のうち、心だけが弱々なのよ!
(キャトラが武道を語り出した……!?)
心を鍛えなさいな、心を!そういう修行、アンタの流儀にないの!?
ないことはない……が、それで心が鍛えられるかどうか……
やってみなさい。アタシが見てあげるわ!
わかった。では、やってみよう。こほん。
今宵、この逢瀬のためにこの身も心もあなたに差し出そう、マイレディ。君は太陽、私は月。君に照らされなければ輝くことのできない哀れな存在。
麗しき我が君よ。今だけその瞳に私だけを映してくれ。その胸を私への愛で満たしてくれ。私を輝かせてくれ、愛しき君よ……
なにそれ……
これが心を鍛える稽古だ。歯の浮くようなセリフをひたすら女性に向けて発し続ける。
たしかにいろいろ鍛えられそうね。言われるほうも……
ちなみに私の父は、この稽古中に母を射止めている。
事故みたいな出会いね。
最初はそういう出会いだが、今も仲睦まじい二人だよ。私も夫婦となるなら二人のような関係がいい。
とはいえ、私はこの稽古によって心が鍛えられるという理屈が理解できないんだ。
普通に恥ずかしいでしょーが!言うほうも、言われるほうも!
美しい女性に愛を語る。それを恥じる必要はないと思うんだ。その情熱を届けようと思えば、自然と詩的な表現が増えるだろ、普通。
普通じゃないです。
え?ま、まさか、アイリスに否定されるとは思わなかったよ。
アンタって、けっこう天然よね。
そうだね、キャトラ。たしかに私は天然の貴族だ。気品というのは隠しても漏れ出てしまうものなんだな。
うん、そうね。そういうとこよ。
思い出5
あらあら、また元気のない顔ね。ヤナギさんとの修行、うまくいってないの?
ああ、キャトラか……修行はうまくいってないが大丈夫だよ。
それ、手紙ですか?
ああ、知人に調べ物を頼んでいたんだ。その報告だよ。
それで元気がないの?
え?いや、そんなことはないさ!私はいつでも優雅で泰然さ。ハハハ、これからお茶でもどうかな?
そうね、つきあってあげるわ。普段なら断るけど、アンタ、元気ないし。
ありがとう。素敵なお嬢さん。
でも、そういうのはいらないわ。猫だけど鳥肌が立つの!
テオドールさん、大丈夫かな?
…………
……
副長は大丈夫なのか!?
あら、クウ、どうしたの?テオドールが、また壊れたのかしら?
壊れてはいない。だが、最近、元気がないんだ。
…………
ヤナギさんも気にしてる。
知らん!
ちょっと話を聞きにいきましょうか。
…………
……
はあ……
副長!元気がないぞ!
やあ、クウじゃないか。どうしたんだい?
アンタの元気がないってクウとヤナギさんが心配してるのよ。
してない!
すまないが、私個人の問題だ。君たちに話すことはなにも――
うるせぇぇぇっ!
ぎゃあっ!
レオン!どこから来たの!?
屋根の上からだ!話は聞かせてもらったぜ、副長!ごちゃごちゃ言ってねーで話せ!
いいか、副長、クルーは家族だ。副長の問題はクルー全体の問題なんだよ!
お前が吐くまで俺はお前をぶん殴る!おら、吐きやがれ!
拷問かよっ!クルーは家族じゃないのか!?
言葉の綾に決まってんだろ!
最低だなお前!
落ち着きなさいなー!
心配してるのはわかるけど、レオンはやりすぎよ!テオドールはテオドールで一人で抱え込んでんじゃないわよ!
…………
話せよ、副長。俺とお前は呉越同舟、一蓮托生、竹馬の友……お前は絶対、逃がさねぇ……
め、目が怖いぞ、レオン……まあ、いい。わかった。話すよ。
私が所属していた船団が、海賊行為をしていたことがある。抗議をしたら殺されかけた。
その時、軍の海賊行為を私の父が認めていると聞いてな。いろいろ調べていたんだ。
――事実だった。
私は今でも父を尊敬している。剣の師として紳士として……それが根底から崩れた。
父は私に正義を成せと常におっしゃっていた。なのに、どうして……
私にはもう、なにが正しいのかわからない……
思い出6 (友情覚醒)
主人公、光って元気つけてあげて!
――
くたばれやぁぁぁっ!
ごはっ!だから、いきなりなにをする!?いい加減、私も剣を抜くぞ!
うるせぇっ!こまけーこたーどうでもいいんだよ!
無茶苦茶言うな!
いいか、よく聞け、副長!俺はよ、お前のバカ正直なとこが気に入ってんだ。副長には嘘がねぇ。
だからよ、お前のなかにある正義を俺は疑ってねー。お前はすげー奴だ。まっすぐで、つえー貴族だ。
お前の親父がなにしてよーが、そこは変わんねーだろ。つーか、そんな親父のことで変わっちまうなら、お前は俺にも嘘ついてきたってことになるぜ?
…………
泥の中で咲く花も花だろ?花の価値は変わんねーよ。
お前の親父がなんであれ、お前はお前だ!俺がお前を信じる!だから!今のお前を信じて突き進め!
……君は本当にいけ好かない男だ。愚かなくせに時々、正しいことを言う。
船長が正しくなきゃ、誰もついてこねーからな。
はあ……まったく厄介な話だ。
元気、出たみたいね。
まあね。問題は解決してないが、自分の心は定まった。
父がなにをしていようと私は私の信じる正義を成すよ。
もし、その先に父が立ちふさがるのだとしたら、私は……
…………
……その時に決めるしかないな。
父の話を聞かねばわからないこともある。それに、今はバカな船長の面倒を見ることで忙しい。
それに空手の修行もな!
そうだな。ジャケットの稽古をするか。
ジャケットかける!ジャケット着る!ジャケット捨てる!
元気出たみたいね。
あいつら、おもしろそうなことしてんな。俺にも空手、教えてくれよ、ヤナギさん。
…………
…………
帰る!
覚醒絵・覚醒画像
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