【白猫】マゴロク・思い出
マゴロク・イチモンジ cv.泰勇気 元鍛冶師にして武芸者だったが、今は海賊。 新しい刀を作る気はないらしい。 |
思い出1
これは、
マゴロクとシャナオウ
出会いの物語である――
だが、今の俺には、まだ不可能だと戦術プログラム〈リクトウ〉が判断した。
しからば武力をカスタマイズせん!
戦術オウログラム〈リクトウ〉は天才刀鍛冶師マゴロクの鍛えた刀を推奨している。
マゴロクはアオイの島出身の刀鍛冶で武芸者だ。武者修行の旅をしながら刀をクリエイトしていたそうだ。
彼の足取りはエリアシキシマのポイントセトウチでロストしている。
だが、風の噂によると、今でもポイントセイウチにいるらしい。その探索をサポートしてくれないか?
***
さっそく、聞き込みをしよう。
「……マゴロクだぁ? てんでログには残ってねぇな。おととい来やがれ!」
「マゴロク? 知らないねぇ。他のログをたどるんだね。」
……すまない聞きたいことがある。
思い出2
「放してください!」
「ちょっとだけ話を聞いてくれってだけだよ。」
「そう冷たくすんなよ。仲良くしようぜえ。」
「あ? なんだてめぇ?
「……て、てめぇ! なにか言いやがれ!」
「うるせぇ! 刀ぶら下げてるからってイキがるんじゃねぇぞ!」
「兄貴! やっちゃいましょう!!」
男たちが自分の刀に手をかけた瞬間――
――白刃が二度、きらめいた。
「なっ!」
「あ、兄貴、袴の帯が!」
「てめぇ、マゲが切れてんぞ!」
「「す、すみませんでしたぁぁ!!」」
***
ゆえあって、マゴロク殿をサーチしている。なにかラグをお持ちではないか?
海賊だ。
思い出3
我が名はシャナオウ! MINAMOTOが子弟の一人!戦闘用デバイスである!
その上でお願いする。俺に新しい刀をクリエイトしてくれないか?
<マゴロクは刀の柄に手を置いた――>
「いいんですかい?
それに、そいつはTAIRAじゃない。TAIRAがMINAMOTOを名乗りはしないだろうさ。
っ!
その首がつながってるうちに、俺の前から失せるんだな。
思い出4
1よっしゃあ! いくぞ、オラァァ!
1何日もしつけぇですね、あの野郎。どうします?
【漁村の男】
KUMANO海賊はTAIRAに追われて、逃げてきたんだよ。ほとんどが元武士だ。
マゴロクさん達は村を襲うTAIRAと戦ってくれてな。それがなきゃあ、ただの漁師だよ。
5それは俺の口からは言えねぇな。ま、いろいろあったんだよ。
【村娘】
大変よ!
5どうした?
TAIRAが襲ってきたの! 村から早く逃げないと!
***
1クソがっ! 俺たちが漁に出てる隙に……
***
5だったらよ、マゴロクさん、この兄ちゃんに刀を作ってやったらどうだい?
思い出5
……俺にはアンドロイドの友がいた。
このポイントセトウチで出会った剣士だ。もともとTAIRA相手に喧嘩してたのは、あいつでな。
俺は同じ剣士として互いに切磋琢磨し、技を競った。だが、才能では勝てなかった。
あいつの剣術は美しく、そして強かった。俺は自分の技では太刀打ちできないと悟った。
不思議と嫉妬はなかった。むしろ憧れた。そればどの差だったからな。
俺は剣士の端くれとして、そして鍛冶師として、友の剣術を完璧にしたかった。
奴の腕に見合う刀がなかった。だから俺は、あいつの技に並ぶ刀を鍛えあげた。
それがすべての間違いだった……皮肉なことに、俺の作った刀をTAIRAの連中がほしがった。
あいつは刀を手放さず、TAIRAの将に狙われた。最後は多勢に無勢だったそうだ。
俺の刀が友を殺した。俺はもう刀を作るべきじゃない。その資格がない。
だから、俺は新しい刀を作る気になれない。悪いな。
1どうした!?
<海には数多の船がひしめいていた。>
1わかりました!
1お頭!
1逃げるくらいなら戦って死ぬ。みんな、そう言ってます。
思い出6 (友情覚醒)
あの兄ちゃんの策どおり、俺たちが囮になって、連中を誘い込む。
死ぬなよ。
ステータス『シレタコト』ナリ! キサマラハ、ステータス『アクギャクノカギリ』ヲツクス『カイゾク』ナリ。
ワガ<HIZAMARU>ノ『サビ』トナレ!!
『熱源反応確認―戦術支援兵装<SAYA>起動―拘束解除申請―許可。攻撃ヲ開始シマス。』
フハハハ! ミズカラキタエタ『カタナ』デ、シネ!!
お前が、あいつを殺したのかっ!! その刀を返しやがれ!!
コノ『メイトウ』ハ、TAIRAニコソ、フサワシイ!!
『ビームチェインガン使用ヲ提言――許可――』
ステータス『アッパレ』ナリ。トノハ、TAIRAイチノ、ツワモノ!!
ステータス『コソバユイ』ナリ。『カイゾク』が、ヨワイダケ。
グワッ!
「「「うおおおおおおっ!」」」
ステータス『ヒキョウセンバン』!
ワレハ、「イッキトウセン」ナリ! HIZAMARUガアレバ、ヘイナド、イラヌ!!
ステータス『ワラワセル』ナリ。『マンシンソウイ』デ、ナニガデキル!?
『レールガン起動ヲ提言――許可――』
シネ!!
『――システムエラー。レールガン起動ヲ撤回。戦術レベル、フェイズ2二移行。』
コレハ、ドウイウコトダ!? ナゼ<SAYA>ガ、キドウシナイ!?
本物の武者と一騎討ちするためだ。お前と俺の勝負を邪魔する奴がいないなら、もう鞘は必ないだろ?
オ、オノレェェェェ!
<マゴロクの大槌が、HIZAMARUを横から叩いた刹那――
――音を立てて刀身が折れた。>
オノレ! HIZAMARUヲ……ソレデモ、『ケンシ』ナリヤ!?
ステータス『ムネン』ナリ……
<大将を失ったTAIRAの兵たちは逃げるようにひいていった。>
『――マゴ……ロク……聞こえ…………死ぬ前にログを残す。悪い、下手を打った。』
『お前のことだろうからHIZAMARUのせいでこうなったとか考えてるだろうな。
だとしたら、そりゃ違うぜ。俺の勝利も敗北も、まとめて全部、俺だけのもんだ。それを奪う権利は誰にもない。
……刀、作り続けろよ。あの世にまで評判が届くくらいの名刀を、作ってみせな。楽しみに待ってるぜ――』
…………
自ら折った刀に謝罪していたのを見た。あなたは刀そのものを憎んではいないはずだ。
……仮に俺が刀を作るとしてどんな価値がある?いや、お前は俺の刀に、どんな価値をくれる?
まあ、それが本当のことになれば、あの世まで届くかもしれないな……
わかった。お前のために刀を鍛えよう。代わりに、お前のバカげた夢、特等席で見物させてもらうぜ。
海賊鍛冶師
その他