【白猫】エドガルド・思い出
死せる海賊 エドガルド・マレル cv.黒田崇矢 命を落としてなおさまよう、幽霊船長。 飛行島の略奪をもくろんでいる。 | ||
2014/11/05 |
メインストーリー
思い出1
――ケハハハハハハハハハハッ!
<けたたましい笑い声を上げながら――
目の前に、空から大柄な男がずどんッ! と降ってきた!>
ここかァ――? 飛行島ってのはよォ――
ケケケ――いい船じゃねェか。
このエドガルドさまに略奪されんのを、今か今かと待ってやがるぜ!
な、なに勝手なコト言ってんのよ! ここは主人公の島なんだからね!
ハ! ハ! ――そりゃアそうだ。そりゃアそうだろうよ、しゃべる子猫のお嬢ちゃん!
海賊ってのは、他人様の財産を略奪すんのが仕事なんだからよォ! ケハハハハハハハハハハッ!
か――海賊ぅ!?
ここ、海じゃありませんけど……?
海だろォーが、空だろォーが! 船があるなら、海賊の縄張りよ!
さァ――て、主人公ってのは、どいつだァ? ひとつ、島を賭けて勝負といこうぜェ!
……あン? って、おい、ガキじゃねェか。 てめェがこの島の主だってのか?
カァ―――――ッ!!
ンだそりゃあ! なんでガキが一丁前に船長やってやがんだ! 危ねェだろ!
海の怖さを知らねェガキにゃ、船を任せちゃいられねェってんだ。親はどうした、親はよォ!?
カーッ、やってらんねェぜ。す~っかりやる気がうせちまった。ハ!
……って、アンタ! なに道端に座っちゃってんのよ! さっさと出ていきなさいったら!
ヤだね。オレァここで、そいつが大人になるのを、じィ~~っくりと待たせてもらうぜェ。
いいな、小僧。てめェがでっかくなったら、晴れて島を賭けて一勝負だ。忘れんじゃねェぞ。
はぁ!? ちょ、アンタねぇ――
ぐがー……ぐがー……むにゃむにゃ……
勝手なことばっか言ってるんじゃないわよ――って、いってるそばから勝手すぎぃ―――っ!!
あの人……それに……あの剣は――
思い出2
おう。小僧、ちいとは育ったか?
……ンだよ、ぜんぜんじゃねェか。
人間がそんなすぐさま育つワケないでしょーが。
ていうか、なに当たり前みたいな顔して島に居ついてるのよ!
あいにく、この島を略奪するまでは出ていくつもりはねェんでなァ。
おう。小僧。てめェ、とっととでかくなりゃアがれ。肉おごってやるからよ、肉。
よかったね、主人公。
そうかなぁ……
ちいとは鍛えてるみてェだが、まだまだひょろひょろじゃねェか。
そんなザマでよォ、立派な海賊になれると思うかァ? ああン?
な・ら・な・い・し!
ところで、エドガルドさん……おうかがいしたいことがあるんですけど――
ああン? なんだ、お嬢ちゃん。あらたまってよォ。
エドガルドさんって……お亡くなりになってますよね?
……は?
ク――ククククク――ケハハハハハハハハハハッ!
面白ェことを言うお嬢ちゃんだ!
この大海賊エドガルドさまが、おっ死んじまってるだァ?
ケハハハハッ、ンなわきゃァ――
はい、鏡。
キャトラの差し出した鏡に、
血の気の失せたエドガルドの顔がまざまざと映し出される。
………………
………………
――って、死んでんじゃネェか!?
そう言ってんじゃん!
おいおいおいおいマジかよおい……なんてこった……信じられねェ……
こんな青白くなっちまったら、いい男がダイナシだろうがよ!!
ショック受けるのそこでいいの!?
思い出3
エドガルドさんは、どうして命を落とされてしまったんですか?
うぅ~む……まるでわからねェ。どうも記憶があいまいでなァ……
実は、その剣から、強い魔の力を感じるんです。ひょっとして、何か関係が――
どうだかなァ。こいつも、気がついたら持ってたってことしかわからねェ。
海賊だったとか、自分の名前とか、そういったことならともかく……細かい思い出となるとさっぱりよ。
そもそもさ~、飛行艇がこんだけ飛んでる時代に、なんでわざわざ海賊なんてやってたわけ?
そりゃアおめェ、こんな時代でも、船が現役で海を走ってるからよ。
人を運ぶにゃア、飛行艇の方が便利だが――荷を運ぶってんなら、やっぱ船の独壇場よ。
そうなんですか?
飛行艇ってなァ、ルーンの力で飛んでやがるからな。
荷を積んで重くなりゃ、そのぶん、消費するルーンの量がかさむ。
大量のルーンも積まなきゃならねェとなると、積み荷の量にゃア、さらに制限がかかっちまう。
つうわけでな。ルーンを使わねェ普通の船の方が、積み荷を多く運べるってもんなのさ。
へぇ~……そういう仕組みだったのね。
でもって、大量の荷を積んだ商船は海賊にとっちゃア格好の獲物だ。
まだまだオレたち海賊の飯のタネは尽きねェってことだな。ケハハハハハ!
エドガルドさんも、船の積み荷を略奪していたんですか?
そりゃアそうよ。海賊だからな。ただ、どんな船でも襲うわけじゃねェ。略奪すんのは奴隷商船だけってのが、オレの流儀でな。
どれーしょーせん?
どっかで捕まえてきた大量の人間を奴隷として売るために運ぶ船よ。
今となっちゃア違法な商売さ。だからオレたち海賊が襲っても、誰にも文句は言われねェ。
つまり、悪い人からしか略奪はしないんですね。
……って、だったらなんで、飛行島を略奪しようとしたのよ!
そりゃアおめェ。そのへんスコンと忘れてたからよ。
シャアーッ!!
思い出4
ねえ、主人公。今日のお昼は、なににしよっか?
おう、小僧、あんまり肉ばっか食うんじゃねェぞ。
この前は、いっぱい肉を食べろって言ってたじゃん。
肉を食わにゃアでかくなれねェのは確かだがよ。肉しか食わねェでいると、病気にかかるんだよ。
そうなんですか?
おう、壊血病って言ってな。船乗りのよくかかる病よ。
長ェ航海に出るとな、保存のきく干し肉やらビスケットやらばっか食う日々が続くわけよ。
すると、どういうわけか壊血病にかかりやすくなっちまってなァ。
それでもう、バッタバッタ死ぬ。そこで船乗りたちが神に祈ると、航海を守護する天使が降臨し、こう言ったそうだ――
<肉、肉、野菜! 肉、野菜だー!>……と。
どんなお告げよ!?
実際、野菜の漬け物を持ち込んでみると、見事に病気にかかりにくくなってなァ。
つうわけでな、小僧。肉ばっか食うんじゃねェぞ。野菜も食え。
……ふふ。エドガルドさんて、なんだか世話焼きのお父さんみたい。
ああン? おいおい嬢ちゃん、言うに事欠いてそりゃねェぜ。
海賊がガキの世話なんざ――
………………ッ!?
エドガルドさん……? どうしたんですか?
い――いや……なんでもねェ……
それより――ほれ! メシ食うんだろうが、メシ! さっさと行きゃあがれ!
? 変なの~。
そういう、ことか……
ハ……なっさけねェったらねェ――
思い出5
……………………
あら、エドガルドさん。おはようございま――
この島は、今日からこのエドガルドさまのもんだァ! おとなしく投降しやがれ!
さもねェと――ぶった斬るぜェ!?
ちょっと! 子供とは戦わないんじゃなかったのぉ!?
ゥるっせェ! 小僧が育つのを、チンタラ待ってなんかいられるかよッ!
オレにゃア、やるべきことがある。それにゃア、この島が必要だ。だから奪う! それだけのことよ!
エドガルドさん……!
応えず――エドガルドは、禍々しい光を放つ魔剣を構えた。
抜けや――小僧……
……どうした。聞こえねェのかァ――? さっさと剣を抜かねェと……
この<ほの暗く燃ゆるもの>のサビになるって言ってんだよォッ!
図体に見合わぬ、ふわりと揺らぐようなかろやかな踏み込み――
でありながら、恐るべき苛烈さを秘めた一刀が振り下ろされる。
剣を抜く――受け止める。
撃剣一陣、刀光剣影――爆ぜる火花が互いを照らす。
噛み合う剣にならうかのように、エドガルド自身も、歯をむき出しに大きく口を開いた……
ケケケ――腕ェ、上げたんじゃねェかァ?
小僧っ子ォ――たぎってきたぜェ……略奪ってなァ、こォでなくちゃなァ!!
ケハハハハハハハハハハハハッ!
思い出6
なんだッ……こいつはッ……!?
光――
<あいつら>みてェな……キラキラしたッ……、光ッ……!
エドガルドは、左手で顔を抑え、よろめきながらあとずさる……
ヘッ……やっぱ、ダメだわ。邪気のねェ目ェしやがってよォ。
ったく……やり合う気が失せるぜェ。
あの、エドガルドさん……どうして、突然――?
……思い出したのさ。オレが死んだときのことをよ。
オレァ――あの日も、奴隷商船を襲って、ガキどもを開放している真っ最中だった……
ガキども、って……子供の奴隷がいたの!?
ああ、身寄りのねぇ連中や、親に売りさばかれた連中がな。
そういうヤツらを解放して、まあ、行くアテもねェだろうから仲間に引き入れるってのが、いつものオレのやり方だった。
だが、そのとき、オレたちが襲った奴隷商船に、いきなり魔物どもが乗り込んで、火を放ちやがった――
***
なんだって魔物なんぞがッ……!
おいッ! 全員、丸焼けになる前に我が家に戻りやがれッ!
ほう――活きのいいソウルだ。我らの悲願のため、役立ってもらうとしよう――
ぐはぁあああッ……!?
て、めェ――こ、の――なに、もン、だっ……
海賊風情が我が名を問うか。愚弄だな――
あまり時間もない。仲間ともども、業火に焼かれて散るがいい――!
……ッ!? 貴様――私の魔剣を……!? いつの間に……!
ケ……ハ、ハハッ、ハ……ハッ!
略奪は……海賊のオハコ……って、なァッ!!
くっ……! 貴様……仲間が逃げるための時間稼ぎをするつもりか……!
<あまり時間もない>、んだろゥ? ケケケ――どうするよ? ええ?
…………
……非礼を詫びよう、海賊。この私の剣を奪い、あまつさえ傷をつけるとはな……
だが――人間ごときが、その魔剣、<ほの暗く燃ゆるもの>を手にしてまともに死ねるとは思わぬことだ!
へ……ヘヘ――あいにく……オレの行き先なんだ、とうに、地獄に指定ずみ……よ……
***
仲間は船に戻ったが、オレァ、奴隷商船ともども海に沈んでな……
気がつきゃ、幽霊船を操る船長をやってたのよ。
この剣の呪いか何かのおかげでな。
幽霊船、ですか……やっぱりその剣――おそろしい呪いを秘めた品なんですね……
仕方なく、その船でもって、オレを殺した野郎を探してたんだが……
エクソシストとかいう連中に、浄化されそうになってなァ。オレァ耐えたが船は消えちまった。
ンで、新しい船を求めてこの島に来たものの……浄化されかかったショックで記憶が飛んじまったみてェだな。
なるほどぉ~……ってぇ!
その記憶が戻ったのに、どーして襲いかかってきたわけぇ!?
……この島にゃア、力がある。ヤツをブッ倒せるだけの力がな。
だから奪うしかねェと思った。だが――ヘッ。やっぱ、どうにもガキの目ってのは苦手でよ。にらみ合うのも疲れるときた。
エドガルドさん……あなたがその人を追うのは復讐のためですか? それとも――
――野郎は、活きのいいソウルを集めてやがった。いずれ、てめェらの前にも現れるだろう。
ま、てめェの腕なら簡単に殺されることもあんめェ。オレさまが手助けすりゃア、なおさらよ――
ただし! てめェの目の光が消えでもしたら、オレァいつでもこの島をブン取ってやる。それを忘れんなよ。
なんせ、海賊ってのは極悪人だからなァ――ケハハハハハハハハ!
不死なる業火の大海賊
思い出7
な、なんだァ!?
エドガルドの魔剣――
<ほの暗く燃ゆるもの>が、妖しく光り輝く……!
! 魔剣の呪いが……どんどん膨れあがって……!
う……おォお……おおオ!!
エドガルド!
おいおい……いよいよオレまで喰らいつくそうってかァ……!
ケッ、たかが剣の分際でよォ……
ナメてんじゃねェそォーーッ!
思い出8 (神気解放)
うおおォォらァァー!
エドガルドは、気合とともに魔剣を振り抜いた!
フゥゥゥゥ……
ったく、手こずらせやがって……
あァ、なんてこたァねェ。
コイツがオレの魂を食おうとしやがっただけだ。
そんな顔すんな。ちとばかし気合を入れればあとは なんとかなる もんだぜェ?
<ほの暗く燃ゆるもの>……
オレの隙をついたんだろうが、ちと甘かったようだなァ。
金だろうが命だろうが、オレから略奪しようなんざ100年早ェんだよッ!
ケハハハハハハハハハハハハ!
その他
・夢を追え 追って、つかめ Story
・フォースターXmas Story
・サマー!サマー!!サマー!!! Story