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【黒ウィズ】白猫の仲間たちと冒険にゃ!Story3

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最終更新者:にゃん


story決戦、異界の勇者たち



どうやらみんな、無事に帰って来れたみたいにゃ。

 君は、異界の歪みから仲間たちが帰還するのを見て安心し、ほっと一息ついた。

いやぁ、貴重な体験をさせていただきました!異界の旅なんて、そうそうできませんからね。

そうですね……これはこれで良い経験になったと思います。

まだまだ世界は広いって思い知らされたわ……帰ったら、もっと勉強しなくっちゃ!

まさか邪神の愚痴を延々と聞かされることになるとは思わなかったわ……つ、疲れた……

わたくしたちも、旅先で良い仲間に恵まれて、楽しかったですわ……一人は少しアレでしたが。

あたしもー!みかんもくばれたし大満足!……ちょっとアレな人もいたけど。

にゃはは、みんな結果的に異界の旅を楽しんでもらえたようで良かったにゃ。

 仲間たちの感想を聞きながら、君は彼らに協力を仰いでよかったと、内心で嬉しく思った。

そんな時、君は奇妙な胸騒ぎを覚える。

……にゃ!このイヤな感覚は……

やはり、お二人も気づかれましたか

これ……あたしたちが倒した魔物よりも、もっと強そうな気配がするよ!

ちょ、あれよりもさらに強いっていうの!?もう勘弁してよ~……

 想定外の、それもかなり強大な魔物の出現に、君はどうすれば良いか、考えを巡らせた。

そこで君は、異界の仲間たちと目が合う。……どうやら、皆の考えも同じのようだった。

みんな……最後にもう一度だけ、私たちに力を貸してくれないかにゃ?

あら、水臭いですわよ、ウィズさん。一緒に戦った仲じゃありませんか。

私はいつでも出撃できます、最後のひと仕事、私たちにおまかせください。

微力ながら、お手伝いさせていただきます!

このくらいで音をあげてたら、いつまでたっても一番になれないしね、付き合うわよ!

あたしもまだまだいけるよー!あとで猫ちゃんと魔法使いさんにもみかん配ってあげるね!

ちょ、本気なの?みんな……あーもう!やるわよ!やってやるわよぉー!

 君とウィズの再度の申し出に、仲間たちは、頼もしい言葉と共に、快く承諾する。

みんな……ありがとにゃ!

 君は、仲間たちの協力に感謝し、彼らと共に最後の魔物の討伐へと向かった!


 ***


なんだかこうしていると、魔王を倒す旅に出る勇者ご一行の物語を思い出しますねぇ。

……言われてみれば、そんな気もしますわね。さしずめわたくしは魔王にさらわれた姫かしら。

あたしは、もちろん忍者!物語の中の忍者はいつも理不尽に強いって頭領が言ってた!

私はやっぱり魔法使い約かしらね。回復薬の僧

侶はシスターに譲るわ。

 しかしミラは、ハルカの振りに不満気な様子だった。

お断りよ、あたしは断然魔王がいいわ!勇者なんかサクッと倒して世界を征服してやる!

さすがシスターね、自ら悪役を買って出るなんて、なかなかできることじゃないわ。

……あれ?なんであたし褒められてるの?

では、私は勇者を守るナイトで……

いや、あんたは女戦士でしょ、鎧赤いし

ええ、女戦士ですわね、赤い鎧ですし

え?え?女戦士、ですか……?それに赤色の鎧であることと何の関係が……

ふむ、今の流れで行きますと勇者役は、このクールインテリシティボーイの僕が……

カムイは、勇者のペット役かな!

ペ、ペット!?いや、しかし……女性の勇者だったら、それもアリかもしれませんね……

 魔物に物怖じすることなく、談笑しながら歩みを進める仲間たちに、君は思わず苦笑する。

にゃはは、みんな余裕ありまくりにゃ。今ならどんな敵が来ても負ける気がしないにゃ。

 ウィズの言葉に、君は小さく頷く。とはいえ油断は禁物だ。魔物の気配は強くなる一方だ。

……どうやら、現れたみたいね。

 そして、ついに君たちの前に、かつてないほど強大な敵が立ちはだかる!

それでは勇者殿、最後の戦いの前に、号令などをお一つ。

 え?勇者?もしや自分のことを言っているのだろうか……。

にゃはは、ここはノってあげたらどうかにゃ?

 カムイの無茶振りに、君は戸惑いながらも、それらしい言葉を少しづつ紡ぐ。

 みんな、ここまで着いてきてくれて本当にありがとう。

みんなの力が一つになれば、どんな困難だろうと乗り越えることができると信じている。

行こう!これが最後の戦いだ!


 ***


 君と6人の仲間たちは協力し合い、連携を組んで魔物を着実に追い詰める。

この一太刀で!はああああー!!

 ガーネットの紅蓮の剣閃が、魔物を斬り裂き、ついに魔物は討ち倒される!

や……やったわ!私たち、勝ったのよ!

なかなかの強敵でしたが、……団結した私たちの相手ではありませんでしたね。

おつかれさま~!はい、みかんだよ~!

 皆が勝利を喜ぶ姿を見た君は、彼らと共に戦えたことを嬉しく思うのだった。

つ、疲れた~。これでやっと帰れ……あれ?

 ミラは、なにごとかに気付くと、みるみるうちに顔が青ざめていった。

あら、どうかしましたの?せっかくの勝利ですのに、暗い顔をして……

ちょ。ちょちょちょちょっと!ほ、宝珠の欠片が……!

あれ~?もう光ってないね。

 見ると4つの宝珠の欠片は、まるで力を失ったかのように、その光をなくしていた。

……拝見したところ、宝珠は完全に沈黙しています……これはもうただの石ころですね……

な、なんということでしょうか……!これでは私たちは、元の世界には……!

だ、だいじょうぶですわよ!きっと、ウィズさんならなんとかしてくれますわ!

 皆の期待を込めた視線がウィズに集まる!

にゃはは……ごめんにゃ。私じゃみんなを元の世界に帰してあげることはできないにゃ。

 ウィズの一言に、場が凍りつく。

や、やっぱり宝珠を割ったのがまずかったのかしら……

うぇーん!ごめんなさーい!!

も、もう二度とキャトラちゃんに会えないだなんて……こんなのあんまりですわ!

ああああ!私の信徒がぁー!壮大な悪魔の布教計画がぁー!

み、みなさん!落ち着いてください!こ、こんな時こそ冷静にな、ななならなれば!

異界に取り残された5人の美女に一匹の熊。こ、これはもしや新たな物語の前フリでは!?

 予期せぬ展開に、事態は風雲急を告げるッ!


***


にゃはは、別に風雲急は告げないにゃ。実は、みんなが帰れるアテは用意してあるにゃ。

ほ、ほんとなの!?でもどうやって……

そろそろ"迎え"が来るはずにゃ

 ウィズが意味深な言葉を言った直後、君たちの前に、まばゆい閃光が放たれる!

やっほー、みんなー!迎えに来てあげたわよ~ん。

お久しぶりです、ウィズさん、それに魔法使いさんも!

キャトラちゃん!それにアイリスさんも!

え、え、え~!?どういうこと~?

あ、あんたたち、どうやってここに!?

 するとアイリスは、一同に不思議な光を放つ石を見せた。

これは<門のルーン>といって、ウィズさんの世界と私たちの世界をつなぐ力があるんです

<門のルーン>ですか……よく見ると、あの宝珠と似たような光を放っていますね……

ウィズから手紙をもらったのよ、アンタたちを迎えに来てほしいってね。

にゃは、そういうことにゃ

よかったぁ~!あたしたち、帰れるんだね!

それじゃあみんな、アイリスの周りに集まって!

 キャトラの号令で、6人はぞろぞろとアイリスとキャトラのそばに集合する。

それでは、いきますよ。みなさん、私から離れないでくださいね。

 アイリスは、銀髪をはためかせ、詠唱をはじめた。

じゃーねー!猫さん!魔法使いさん!

お世話になりました。あ、これ、つまらないものですが、お礼の新巻鮭です。お二人でどうぞ。

こちらの世界に来た時は、ぜひわたくしの屋敷にお立ち寄りくださいね。歓迎いたしますわ。

今度、会ったときは、そっちの世界のこと、もっと詳しく聞かせてよね!

再び私の力が必要とあれば、すぐに駆けつけましょう。その日が来るまで……ごきげんよう。

……ま、終わりよければなんとやら、ね。次は面倒事なしで会えるといいわね。

 君は仲間たちに"ありがとう"と礼を言い、しばしの別れを告げた。

──カリダ・ルークス・プーラン・ルーチェンム──

手伝ってくれてほんとにありがとうにゃ!ばいばいにゃ~!

 <門のルーン>から眩い光がほとばしると、異界の仲間たちは元の世界へと帰って行った。

にゃは、やっぱり面白い仲間たちだったにゃ。またみんなで一緒に冒険したいにゃ。

 君はウィズの言葉にうなずいた。賑やかで、個性的で、頼もしい、最高の仲間たちだった。

こうして世界を越えた仲間たちの冒険譚は、しばし、その幕を閉じたのだった。



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