2015年3月13日
目次
Story1 緊急事態発生！？
Story2 宇宙発見！
Story3 宇宙時代は特殊だらけ
Story4 共通言語はカニカマ
Story5 名前が長い
最終話 あつまれ宇宙同士！
登場人物
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story
管制塔！緊急事態だこのままでは宇宙での活動に重大な支障が！
こちらキャトラよ。アンタなにやってんの？
メモをとってるんですか？
その通りさ。アイリスくん。
だがメモを取りながら私はとんでもないことに気づいたんだ。
なんだと思うかい？主人公くん？
その通り、問題はこの万年筆そのものさ。
誰の何がその通りだったのよ。
私の計算によれば、この万年筆では宇宙で文字を書くことができないんだ。
計算というか、あくまで私の想像だがね！
想像なのね。ずいぶんたくましい想像力ね。
そもそも私の考えるに、宇宙とは……
説明は別にいいわ。
宇宙で万年筆が使えないとメモが取れないし、ポエムも書けない。
パラパラ漫画も描けない。あくまで、私の想像だがね！
書かなくていい！
至急、代用品を探さなくては！諸君、行くぞ！
行っちゃった。
どうせ買い出しに行くし、ちょっと寄り道くらいならいいかもね。
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チョークはどうかしら。
強度に問題がある。あくまで私の想像だがね。
クレヨンはどうですか？
べたべたする。あくまで私の想像だがね。
いっそ筆と墨で。
すごくヤバいことになる。あくまで私の想像だがね。
どうなるんですか？
非常に専門的なことになるが。
かいつまむと？
墨が飛び散る。あくまで私の想像だがね。
主人公、ちゃんとメモしてる？
これだけ試してもダメか……
おおおーっ！？
ビックリした！なによいったい！
そ、それは……。君がメモをしているその筆記具は……
鉛筆よ。
鉛筆ですね。
そうか、その手があったか……！
これでパラパラ漫画が描けるぞ！？
書けるはずだ！あくまで私の想像だがね！
ハイハイよかったわね。いいからお昼にしましょ。
ランチ……ランチか……宇宙ではランチをとるのもままならない。
嫌なところね？
宇宙にはファーストフード店はない。そして宇宙船は狭い。
フーン？
つまり、宇宙には宇宙用の食事、宇宙食が必要なんだ！
以上はすべて私の想像だがね！
宇宙食ねえ。
ようし善は急げ！諸君、ついてきたまえ！
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できたぞ諸君！
逃げるなら、今のうちかも。
それが宇宙食なんですか？
そうとも！これこそが宇宙時代の始まりにふさわしい宇宙食さ！
もちろん宇宙時代もいってみれば私の想像だがね！
なにこれ。スパゲッティを揚げたわけ？
特殊な麺を特殊な油で揚げ、特殊な製法で乾燥させてある。
これにお湯を注ぐと……
柔らかくなったわ。食べられそうね？
持ち運びに便利ですね。
乾きものだから日持ちもするってワケね。
これで宇宙でもランチができる。ランチタイムはクルーとのコミュニケーションに欠かせないからね。
コミュニケーションは大事ですよね。
そうとも。コミュニケーションは……
どうしたの？
宇宙には……私と同じように宇宙船で旅をする種族がいるかもしれない。
それもアンタの想像よね？
そういう種族と、どのようにコミュニケーションをとれば……？
言葉は通じないだろうし、考え方も全然ちがうんじゃない？
言葉の通じない相手とのコミュニケーションを、シミュレートする必要がありそうだね！
それには言葉の通じない相手を観察するのがー番だ！諸君、ついてきたまえ！
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それでは、ーつーつコミュニケーション方法を試してみよう。
キャトラくん、私に宇宙語でかたりかけてくれたまえ。
宇宙語って何よ。
君の想像でいい。
……フギャー。
なんてこった！まるで猫のような鳴き声だ！
……フギャフギャー、フギャア。
こういうときはこれだ！
猫じゃらしですね。
さあ猫ちゃんカモン！？
フギャー。
……なんということだまったく反応しない。
アンドリューさん、これを。力二カマです。
これは……！このプリプリしたシーフードは！
フギャアア！！フギャアアアア！！
ものすごい反応だ！
がんばって、アンドリューさん。
メモしておこう。……鉛筆、鉛筆……っと。
あら？アンドリューさん、お召し物が破れてますよ？
ああなんということだ！私の宇宙服！６号が！
こんなのツギすれば直るわよ。
キャトラくん。宇宙はそれほど甘くないぞ。
甘くないというのは、もちろん私の想像だが。
切実ね……
だがこれは困ったな。よし、これを機に宇宙服のリニューアルを実行しよう。
さっそく材料集めだ！
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ウーン……どうしよう……？
管制塔、管制塔、私はどうすればいい？
こちら管制塔だけど、なに迷ってるわけ？
諸君か。実は宇宙服のことなんだが……
材料が足りないんですか？
その通りだ。入手難度の高い素材だが新しい宇宙服にはぜひ採用したいんだ。
ちなみにそれナニ？
ナノフィラメントカーボンワイヤーといわれているものだ。とある島で開発された新素材さ。
どんなものなんです？
非常に細く強靭な繊維だ。それを使えば私の宇宙服はさらに宇宙に近づくだろう。
想像の宇宙にでしょ？
もちろんそうだよ。今のはただの想像だ。だが、想像なきところ、創造はない。
アンタって本当に宇宙バカなのね。でもどうしてそこまで？
誰も見たことのない世界を見てみたい。そんな単純な理由だよ。
私にとってそれが宇宙だった、というわけさ。
君はわかってくれるか。よし！今こそこの島にロケットを！
いや、冗談さ。ではそろそろ行こうか。
ナノワイを手に入れるんだ！
略した！
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アンドリューさん。ずっと部屋にこもってるのね？
宇宙食も食べてないみたい。
アンドリューさんって、ご飯をつくれて、服もつくれるのね？
いい奥さんになれるわね。宇宙で。
できたぞ諸君！これが宇宙時代の新たな装備、宇宙服１７号だ！
この服があれば、宇宙を自由自在に移動できる！できるはずだ！
やるじゃん！
よかったですね。アンドリューさん！
ヘルメットのテカり方が前と違うわね。
わかってくれるかい！見てくれ、服の裏地も変わってるんだ！
この服を作成するのは非常に大変だったよ。
なにしろこの服は、かがみにくいからね。
宇宙服をつくるときくらい、宇宙服を脱ぎなさい！
この服を見れぼきっと宇宙同志が殺到するだろう！
まー、いつか行けるといーわね。宇宙。
ああ、いつかきっと、たどり着いてみせる。想像を超えて、この目で宇宙を！
……む。むむむむむ！？
管制塔！管制塔！こちらアンドリュー！
とてつもない問題に、気づいてしまった！
ど、どうしたの！？
背中が……かゆい！
宇宙服脱げ！！
