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タケル・ホシミ

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タケル・ホシミ CV:
2017/00/00

「おー、やってるやってる。アイツも成長したもんだ」

巨大な怪物に立ち向かうマサキ・アシカガを双眼鏡で崖の上から見下ろしながら、タケルは手にしたパンをかじる。


「そういや、俺がこの世界に来てそろそろ5年か……早いもんだなぁ」

彼は、昔の自分をマサキに重ねる。「トウキョウ」からこの世界に落ちてきた頃は絶望したものだが、すでにこの世界に無くてはならない人物となってしまった頃には、この世界に骨を埋める覚悟が生まれ、嘆く事もなくなった。

今では轟天大帝と民に呼ばれ、ルネトリナという国をひとつ治める立場にある。

「……それに、こんだけ時間が経っちまったんだ。あそこに戻っても俺の居場所なんてねぇだろうしな」

そう言いながら、残りのパンを口の中に放り込み、彼は手を払って立ち上がる。

「だから、お前は絶対元の世界に戻してやるよ」


マサキがこの世界へとやってきたのは、およそ1ヶ月ほど前。

彼の家臣であるエレクトラ・マースが行き倒れていた彼を拾い、タケルの元へと連れてきたのだ。

自分と同じ境遇、そして同じ力を持つマサキの存在にタケルは驚愕したが、同時にこの少年を救ってやれるのは自分しかいないと強く感じ、しばらくの間エレクトラに命じ世話をさせていた。


はじめは弟が出来たようで、年甲斐もなくはしゃいでいたのだが、元の世界に戻る手段を諦めて久しい彼にとって、

きっと元の世界へと帰ることができると信じているマサキはあまりに幼く、眩しかった。


自分にマサキが懐けば懐くほどその思いは罪悪感となってタケルを苦しめ、真実を伝える勇気を彼から奪う。

だから、彼はマサキを追放した。

表向きには『元の世界へ帰る方法を見つけ出せ』、という使命を与えて。



『……やはりマサキが心配なのだろう、こんなところまでやってきて』

「うるさいぞ、トーレ」


肩に留まる小さな竜――トーレにつぶやきながら、タケルはため息をつく。

「だいたいな、俺は今、一国の王だぞ。あんなガキひとりにかまけてる時間なんて」

『あ、マサキが』

「なっ!?」

タケルは慌てて双眼鏡を構えてマサキの様子を確認する。確かに苦戦してはいるようだが、そう危険な状況ではない。


『ほらぁ、やっぱり心配なのだろう?』

「ぐ……い、いや、俺は別に。強いて言えばアレだ、もっと竜を上手く使えば」

『だからそれを伝えてやれっつってんですよ』

「やだ」

そう言って彼はプイとそっぽを向いてしまう。トーレは一度考えるように空を睨んだ後、思いついたように駄々をこねだした。


『あー暴れたいなーすごく暴れたいなー、あるじー、あるじー、我は暴れたいあるじー』

「……お前がそこまで言うなら仕方ない、行くか」

『ホント我が主チョロい』

「うるさいな!」

タケルは言いながら腰に下げていた魔道書を取り出すと、短い詠唱のあとに地面に手をかざす。

瞬間、トーレは光に包まれ、次の瞬間には巨大な竜と化した。

彼はその背中に飛び乗ると、手綱代わりにトーレの角を掴む。

『我らの連携を見せてやりますか』

「おう!」

大きな翼をひと打ちし、トーレは翔んだ。風を掴み、目にも留まらぬ速度で。


「タケルさん!」

彼らの接近に気づいたマサキがタケルの名を呼ぶ。

彼はそれに応えるように不敵に笑うと、大きな声でこう叫んだ。


「マサキ、俺たちの戦いをよく見ておけよ……ラウンド2、バトルスタートだ!!」



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