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刀剣乱舞攻略まとめWiki【とうらぶ】

【刀剣乱舞】回想其の136から回想165までの発生条件と刀剣男士の組み合わせ一覧【とうらぶ】

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作成者: K
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其の136:関の義兄弟

  • 刀剣:人間無骨・孫六兼元
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
人間無骨「うム。孫六、此レも顕現したか」
孫六兼元「あんた、之定の槍か」
人間無骨「之定と兼元は義兄弟。身内には挨拶が必要だロウ」
孫六兼元「ご丁寧にどうも。それにしては、頭数が足りないようだが?」
人間無骨「之定の同士は後程、おそらく。少し時間がかかル。誰に対してもそうだから気にしないでほしい」
孫六兼元「なんだ。てっきり血闘にでも出ているのかと」
人間無骨「……ム。では、此レも果たし状を書いてくルか?紙と筆なら此処に」
孫六兼元「それは遠慮しておこう。万が一折ってしまったら、主人に申し訳が立たないからな」
人間無骨「……自惚レを。しかし、確かに関鍛冶の同士を折ルのは此レも忍びない」
孫六兼元「はは、あんたが俺の相手をしてくれるのか?」
孫六兼元「ただまあ、関鍛冶の刀は良く斬れるとはいうものの乱世の日常使い。たくさん打って、たくさん折れた。今更一本折れたとて……なんて思わないこともないが、同士討ちほど無意味なものはない」
人間無骨「孫六、刀として『折れず、曲がらず、よく斬れる』は最上級の評価と、此レは思う。其レは、折レていった同士たちの礎でもあル」
孫六兼元「そうだな。関鍛冶の伝統は乱世の日常使いから、平和な時代の日常使いへと舞台を移し、技を残した」
孫六兼元「そちらさんも強くてかっこいい最先端の後輩がいるしな。戦場に出てこずとも、俺たちの後継は立派にやっている。総じてみれば恵まれているんだろう」
人間無骨「……うム」

其の137:新々刀の推し事

  • 刀剣:水心子正秀・孫六兼元
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の74「新々刀の系譜」を回収済

ネタバレ注意
水心子正秀「……む」
孫六兼元「ん?」
水心子正秀「…………」
孫六兼元「なんだ?」
水心子正秀「あっ……!んん、失礼した。孫六兼元だったな、大永の頃の、その……、折れず、曲がらず、良く斬れる……」
孫六兼元「ああ、関鍛冶の孫六兼元だ。あんたは、江戸三作の水心子正秀だな。幕末のころによく見かけた刀だ」
水心子正秀「えっ!……あ、あの孫六兼元が水心子正秀をご存じだったとは、……光栄だ」
孫六兼元「あんたが打たれた頃は、派手な刀のほうが評価が高かっただろう。俺に興味があるのか?」
水心子正秀「それはもう!!……あっ、ああ、もちろん。新々刀の祖として、古い刀は勉学の対象だからな」
孫六兼元「そうか。まあ、興味を持ってもらえるのはうれしいが」
水心子正秀「…………」
孫六兼元「見たいのか?」
水心子正秀「いい……のか?」
孫六兼元「ああ、減るものじゃなし」
水心子正秀「ああ、ああ、感謝する!」
孫六兼元「はいよ」
水心子正秀「失敬」
水心子正秀「……うん、折れる刀と折れない刀の違いはと問われれば、永禄から天正の激しい戦国において曲がったと伝わる事なく、上作でなくとも業物だとして諸侯の指料にもなり、そして何より斬れる刀!これぞ武士たる者が求める好むべき姿と言われている。うんうん、分かる、分かるぞ」
水心子正秀「茎をよく焼かなければ目釘穴から折れると言うけれど、目釘穴から折れるような刀はそもそも切っ先から折れるのだと。刀が折れる原因とは焼きなのかとも……。すごい、これが……かつて刀工水心子正秀が傑作と讃えた孫六兼元!」
水心子正秀「刀剣を知らないド素人がド素人に語るから真贋もわからなくなってしまうし……、押形に似ていれば真作だなんて木を見て森を見ないような話がまかり通ってしまう。見た目だけを追い求めるのは不仁の極、刀への冒涜!やはり水心子正秀は間違っていなかったんだ」
孫六兼元「視線が熱いねえ……、火傷しそうだ。ここにはもっと珍しい伝説持ちの刀もあるだろうに」
水心子正秀「とても勉強になる!兼元も、之定も、虎徹も、国広も!」
孫六兼元「はは、そうかい。これぞ無我夢中ってやつだな」
孫六兼元「……後を継ぐ者がここにもか」
水心子正秀「さて。では、ちょっと失礼」
孫六兼元「はいはい、ん???んな、大胆な!あひゃひゃひゃひゃ」

其の138:最強と無敵

  • 刀剣:一文字則宗・孫六兼元
  • 時代:維新の記憶 地域:宇都宮
ネタバレ注意
一文字則宗「お前さんはだんだらは着ないのか?」
孫六兼元「どっちを着ろって?赤穂の義士か、新選組か」
一文字則宗「おや、僕はてっきり……喜んで浅葱色を着るものだと思ったが?」
孫六兼元「俺の使い手は有名どころが多くてね。いろんなところに枝葉があるもんだから、いろいろ盛られてんのよ。あんただって遠からずだろ?」
一文字則宗「僕たちのような存在は、至るところに根があるからなあ。だからこそ、多少の事では揺らがないとも言えるが」
孫六兼元「はは。選べる自由と選べない愛惜、感佩があるだけだ。申し訳ないが、これから新選組が池田屋に突入する見せ場でね」
一文字則宗「ほう、それは……」
孫六兼元「合間を縫って読書中。後に継がれる物、紡がれる物語については知らないことのほうが多い」
一文字則宗「うははは!こいつは傑作だ!なんだったら、僕も聞かせてやろうか?伝説級、天才肌の少年剣士の話だ」
孫六兼元「結構、結構。俺とあんたでその話をしてなんになる。……他に適任がいるだろうからなあ」
一文字則宗「ほう、それは枝葉への慮りかい?」
孫六兼元「そんな大層なもんじゃない。知ることで、己の持っているものを知る。そんなところだ」
一文字則宗「どっかの誰かさんの言葉を借りるなら、持てる者こそ与えなくては、……な」

其の139:咆哮、遠く

  • 刀剣:肥前忠広・孫六兼元
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の66「由来は近く、心も近く」を回収済

ネタバレ注意
孫六兼元「戦場で見るとよりいい刀だな、あんた」
肥前忠広「……あ?」
孫六兼元「天誅の天才、岡田以蔵といえば、人斬りの中では格別だ。その刀が大業物、肥前忠広」
肥前忠広「最上大業物で人斬りの先輩様が、何の用だよ」
孫六兼元「用?用かあ……、あるにはあるが、知っての通り、私闘は上から厳しく取り締まられている」
肥前忠広「……ちっ」
孫六兼元「ふむ。敵を倒せとほっぽり出されたはいいが、あんなものをいくら斬ったところで満たされることはない。……俺も、あんたも、そうだろう?」
肥前忠広「ごちゃごちゃうるせえ」
孫六兼元「いいねえ、いいねえ。自分に求められていることを理解している目だ。憐憫で泣いてしまうな」
肥前忠広「……なんだって?」
孫六兼元「飼い慣らされた犬の刀を折ったところで、全く面白くもない」
肥前忠広「……はあ?」
孫六兼元「殺気が足らないんだよ、殺気がさあ、なあ。範疇から外れればいいのか、なあ。ああ、それなら孫六兼元にはこんな話がある。慶応三年、冬の京都だ。土佐脱藩、坂本龍馬の……」
肥前忠広「……!」
肥前忠広「首輪してんのはどっちだ、ええ!?」
孫六兼元「ははっ!いいじゃないか、そうだ、その目だ」
肥前忠広「てめえ、わざとか……!」
孫六兼元「……無心、決まっただろう?」
肥前忠広「……狂犬が」
孫六兼元「どうとでも。ここで紡がれる物語は、それなりに楽しみたいからな」
孫六兼元「だから、さっさと敵を倒して、俺に付き合え」
肥前忠広「……ああ?なんの義理で」
孫六兼元「巡り会ってしまった義理、かな。ははっ」
肥前忠広「おい!…………、……ちっ」

其の140:葦辺の鶴雀

  • 刀剣:姫鶴一文字・後家兼光
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
姫鶴一文字「ごっちん、あんまし暇とか言わない方がいいよ」
後家兼光「うん?どうした?」
姫鶴一文字「上杉ではそれでいいけど、ごっちんは長船ぶらざーずでしょ。しゃきっとしな」
後家兼光「どーした、おつう。そーゆうなにらしくーとかべきとか、一番だるいって口だろ?」
姫鶴一文字「……は?だから、一言多いんだわ」
後家兼光「直江の癖、みたいなものだよね。仕方ない」
姫鶴一文字「……うざ、反面教師にしな。っても、刀が人を教師にするってうけるけど」
後家兼光「そーかな。現に刀剣男士はこうやって人の形を模している訳だから、人に倣い、習ってるってことになるんじゃない?」
姫鶴一文字「それこそ、人身御供代わりの、刀身御供ってこと」
後家兼光「笑えねー」
姫鶴一文字「笑うとこじゃないし」
後家兼光「……」
姫鶴一文字「……」
後家兼光「……ふ」
姫鶴一文字「……はは」
後家兼光「慣れた?」
姫鶴一文字「そーゆーこと、聞く?」
後家兼光「ごめん」
姫鶴一文字「……ん」

其の141:無頼の桜梅

  • 刀剣:山姥切長義・後家兼光
  • 時代:織豊の記憶 地域:関ヶ原
ネタバレ注意
山姥切長義「備前の刀が来たと思えば、なるほど、兼光の刀か」
後家兼光「キミは……、長義の。さすが、華やかで……うん、強き良き刀だ」
山姥切長義「長船の主流派であるあなたに、そのように面と向かって言われてしまうとね」
後家兼光「急にごめんね。備前長船の中で同じく相州伝の流行りを取り込んだ刀に声を掛けられたから、ついはしゃいでしまった。おつうにも、一言多いってよく言われるけど」
山姥切長義「いや、こちらの言い方も悪かったね」
後家兼光「そんなことないよ。兼光が相伝備前の始まりのように扱われることも、刀工の系譜も、それに正宗十哲の括りだって、後世の人による憶測や分類の結果でしかない、とも言える」
後家兼光「ただ、ボクが今感じたことは、それそのまま本当だなって」
山姥切長義「刀工として後に出てきた長義も、相州伝に美を見出した先達にそのように言われたら喜ぶだろう」
後家兼光「よかった。ボクは後家兼光。どうぞよろしく」
山姥切長義「山姥切長義だ。そうか、上杉……いや、直江兼続の刀か。それはまた難儀だな」
後家兼光「……え?」
山姥切長義「すまない、俺も一言多かったようだ」

其の142:あこがれとげんじつ

  • 刀剣:五虎退・後家兼光
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
後家兼光「その昔。この国の人は、虎の絵をたくさん描いた。見たこともないのに」
五虎退「でも、猫はいましたよ」
後家兼光「なぜ、猫と虎が似ているとわかるのか。見たことがないのに」
五虎退「ええっと……」
後家兼光「かの謙信公の幼名は虎千代……、虎とはいかなる動物か……」
五虎退「あ、あの、ごっちんさん???」
後家兼光「純粋に気になることに……意識を飛ばしてたんだけど……へ、へ、へくしょん」
五虎退「わ、わわ!」
後家兼光「虎くんに近寄ると、さっきから鼻がむずむずしてっへ、へっくしょん、へくしょーん……ずび、なんだこれは」
五虎退「ごごごごめんなさい!!!」

其の143:竜の弟子

  • 刀剣:大倶利伽羅・火車切
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
火車切「……」
大倶利伽羅「……」
火車切「……」
大倶利伽羅「……なんだ」
火車切「……え、気付いてた?」
大倶利伽羅「……ふん」
火車切「えっと……」
火車切「それ、触っていい?連れてる、腕の……」
大倶利伽羅「戦いの最中だ、無駄口を叩いている場合か?」
火車切「暗闇に色んなものを見るけど……そいつ、一番かっこいいから……」
大倶利伽羅「……」
大倶利伽羅「……なら、自力でこいつを引き出してみろ」
火車切「え!?」
大倶利伽羅「話はそれからだ」
火車切「う、うん!」

其の144:謙信のおこころ

  • 刀剣:謙信景光・火車切
  • 時代:織豊の記憶 地域:越前

※回想其の51「謙信の話」を回収済

ネタバレ注意
謙信景光「ま、まって、みんな……!わ、……わわっ」
謙信景光「うあっ!」
謙信景光「……う、うぅ」
謙信景光「……い、……いたく……ない、ぞ」
火車切「すねこすり?」
謙信景光「ひっ!?……か、火車切?」
火車切「ん」
謙信景光「……だいじょうぶ、だぞ。ぼくは、がまんが……できるから」
火車切「へえ」
謙信景光「火車切も、だいじょうぶ。ぼくらは謙信公のかたな、つよいこなんだ」
火車切「……そっか」
謙信景光「おなかがすいてるとき、さみしくなるって。これたべて、みんなにおいつくぞ」
謙信景光「謙信公はたくさんのおこめをそだてて、たくさんのひとをやしなっていた。謙信公からおこめをもらったひとはうれしそうだった」
謙信景光「だから、はい、はんぶん。あ、うめぼしだ」
火車切「ん……」
謙信景光「あのね、ほんまるのおこめもおいしいんだ」
火車切「ふーん、そうなんだ……」

其の145:すていじ あくと6

  • 刀剣:篭手切江・豊前江・桑名江・松井江・五月雨江・村雲江
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の115「すていじ あくと5」 を回収済
稲葉江と富田江を所持、帰還後発生

ネタバレ注意
稲葉江「……何やら騒がしいが」
豊前江「お、稲さんもれっすんやってくか?」
桑名江「れっすんは、歌って踊る稽古のことだよ」
五月雨江「存外、楽しいものですよ。新しい季語とも出会えます」
松井江「血の巡りも良くなる」
村雲江「それに、みんなと歌って踊ってる時は……お腹の痛みもましになる気がするんだ」
富田江「ははっ、なかなか楽しそうだよ?」
稲葉江「……楽しい?歌い踊ることが」
豊前江「そうだな、踊ってっと気持っちいーぜ?」
松井江「血のたぎりは感じるね」
桑名江「出来るかなぁって思っていたことも、少しずつ出来るようになっていくんだ」
五月雨江「忍びの技も、俳句の出来もより冴えるようになりました」
村雲江「俺は……。うん、そう……楽しい、なのかも」
稲葉江「…………」
稲葉江「かつての主は、美しい踊りを目にし……己の秋を知ったのだ」
富田江「そうなんだね。でも、お前はここに居て、今まさに天にその手を伸ばさんとしている」
稲葉江「歌って踊る……」
富田江「おや、心が動く音がする」
篭手切江「はい、心が動き、心を動かす。歌い踊ることはこの瞬間が、ここにあることを示す。今を照らす、その一瞬」
富田江「眩しいね……」
稲葉江「我が踊るのも宿命か」
稲葉江「……では、我もやろう」
富田江「だそうだよ」
篭手切江「……!!」
篭手切江「…………っ」
村雲江「篭手くん……お腹痛いの?厠行く?」
篭手切江「……いえ、大丈夫です。……さあ、張り切ってれっすんしましょう!」

其の146:ばっくすていじ

  • 刀剣:篭手切江・富田江
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の145「すていじ あくと6」を回収済

ネタバレ注意
富田江「おもしろい作戦だ」
篭手切江「そうでしょうか?ただ真正面から敵を倒すだけの正攻法です。面白味には欠けるかと」
富田江「ああ、君の戦略のことだよ。皆、素直に乗せられているじゃないか」
篭手切江「……」
篭手切江「富田せんぱいには敵いませんね。お見通しですか」
富田江「富田で構わない。稲葉もせんぱいなんて見上げられるより、同等に扱われたほうが気が楽なんじゃないかな」
篭手切江「いえ、せんぱいはせんぱいです。私は若輩者ですから」
富田江「では皆、その若輩者の手の内で踊らされているわけだ」
篭手切江「踊らせているつもりは!……あ、踊っていただいてますね、はは。皆さん、とてもお優しいので」
富田江「それだけで、とも思えないけどね」
篭手切江「富田せんぱい。江とは如何なる刀だとお思いですか」
富田江「天下人豊臣秀吉に見出された天下三作の一角、郷義弘の作刀。御家の至宝、贈答として多くの大名に重んじられた。それこそ江の一振で国が買える程の価値で。私は前田家、君は細川家と稲葉家だったかな」
篭手切江「はい。その反面、私たちはこのようにも言われています」
篭手切江「江とお化けは見たことがない」
富田江「刀剣の見極めにおいて銘ほど重要なものはないけれど、江の多くは無銘。その価値は権威からの評価によってのみ成り立っている」
富田江「逆にいえば、権威に江と認められた刀だけが郷義弘の刀ということだね」
篭手切江「私たちは他者の目を通して初めて自己を得ることができる」
富田江「だからこそ、歌と踊り、かな」
篭手切江「……安直、でしょうか」
富田江「いいや。江の特性を捉え、よく活かしている」
富田江「ただそれは、劇薬かもしれない」
篭手切江「…………」
篭手切江「それでも、私は……。江を、もっと確かで強い存在に……」
富田江「夢とは光。光とは天下に同じ、と言ったそうだね」
篭手切江「出過ぎた真似をしました。お恥ずかしい限りです」
富田江「光にも、天下にも、影が付き纏うよ」
富田江「なのに君はその手を伸ばした。……だが、ここは戦場だ。その考え方は間違いではないだろう」
篭手切江「……すみません。無理に言わせてしまいましたね」
富田江「それは過小評価さ。君は星を掴んでしまったのだから」

其の147:夢のあとさき

  • 刀剣:稲葉江・富田江
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
稲葉江「……天下は夢、か」
富田江「そんなに良いものかな、天下は」
稲葉江「良い悪いの話ではない」
富田江「良い悪いではない……。稲葉、お前が夢と言うから」
富田江「私は夢というものをなにやら良いものと捉えていたらしい」
稲葉江「……貴様はなんのために戦っている?」
富田江「なんのためって、刀剣だからね。それと、」
富田江「応えることは、嫌いじゃないんだ」
稲葉江「……そうか」
富田江「それに、お前と居ると少しだけ楽しいってことが分かる気がする」

其の148:光と闇のさきへと

  • 刀剣:豊前江・富田江
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の147「夢のあとさき」を回収済

ネタバレ注意
豊前江「風が気持っちいい~」
富田江「ああ、いい風が吹いている」
豊前江「戦場での富さんの走りは流石だな。馬が堂々としてる」
富田江「光栄だよ。豊前の走りは正に疾風のごとくと言ったところだ」
豊前江「……なあ、富さん。疾さの先には何があるか、知ってっか?」
富田江「それを知ってどうするんだい?」
豊前江「みんなやりてーことやりゃいいって思ってる」
豊前江「ただ、俺はこの疾さの先に何があるから走るとか、そうゆうのはねーから。ふわふわしてるのかもしんねー。それこそお化けみたいにさ」
富田江「目指す何かを夢と言うなら、それがあるから良い悪いではないみたいだよ」
富田江「気が付いたら走り出していた。そんな君だから、行けるところがある。共に在れば、辿り着けるかもしれない景色がある。そう思わせてくれる」
豊前江「役に立てるなら嬉しいな。俺は富さんや篭手切みたいに戦略の事はよくわかんねえけど……」
豊前江「おばけには影がねえってさ。だから、どんな強い光の中でも、どんなに深い闇の中でも、足を取られずに済むかもしれねえ」
富田江「……そうか」

其の149:秋元家の話

  • 刀剣:鳴狐・大慶直胤
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
大慶直胤「殿様!殿様ー!」
鳴狐の狐「この声は……?」
大慶直胤「はあはあ……、追いついたー!」
鳴狐の狐「大慶直胤、鳴狐を殿様と呼んだのはあなたですか」
大慶直胤「うん、秋元様のところの鳴狐様でしょう?郷里の宝剣様だよ!?凄すぎるー!」
鳴狐の狐「郷里というと、館林藩でしょうか?」
大慶直胤「んっとね、山形!」
鳴狐の狐「山形藩でしたか」
大慶直胤「そう、刀工大慶直胤は山形城下の鍛冶町の鍛冶屋の息子で、水心子正秀は赤湯で野鍛冶をしてたから」
鳴狐の狐「秋元永朝様が藩主の頃でしょうか。水心子正秀はそのお抱えの鍛冶だったと」
大慶直胤「うん、江戸でね。大慶直胤はその水心子先生を頼って江戸に出て、弟子になった。その時お世話になっていたのが、日本橋浜町の秋元様のお屋敷。秋元様の援助があったから、水心子正秀と大慶直胤は刀の研究に勤しむことができたんだ。それってとっても感謝ー!」
鳴狐「永朝は、自分でも刀を打つぐらい刀好きだった」
大慶直胤「およ!宝剣様が話してくれた!よもや、そっちの狐が本体かーとも思っちゃったよー」
鳴狐「これは、尾曳狐」
大慶直胤「ええっ!館林城の縄張りをしたって伝説の!?ほんと!?」
鳴狐「……」
鳴狐の狐「………」
大慶直胤「…………」
鳴狐「嘘」
鳴狐の狐「ぷはー!鳴狐、そのような嘘は困ります!私があの有名なお狐様などと、恐れ多い!」
大慶直胤「嘘なのー!?もー、変な宝剣様ー!」

其の150:洞に地蔵

  • 刀剣:地蔵行平・大慶直胤
  • 時代:武家の記憶 地域:厚樫山(阿津賀志山の戦い)
ネタバレ注意
大慶直胤「むぎゅー……、踏み出した途端、洞に落ちるなんて……。でも、助かったー」
地蔵行平「そなたは、もっと周りを見ながら歩いた方がよい」
大慶直胤「周りを見ながら歩いていたから、穴に落ちたんだけど」
地蔵行平「……はあ、そなた、古今に似ているな」
大慶直胤「ええっ!それはまた、光栄なー」
地蔵行平「褒めてはいない」
大慶直胤「褒められて伸びる鋼なのにー」
地蔵行平「……刀剣も時代が下れば随分と俗世に塗れる」
大慶直胤「それを言うなら、鬼と蛇の時代の刀は偏屈だー。刀もろくに見せてくれないし」
地蔵行平「ああ言えば、こう言う。そんなに吾の刀が見たければ、後で見せてやろう」
大慶直胤「いいのー!?後鳥羽院の御番鍛治、豊後国行平の刀!やった!」
地蔵行平「だから、今はちゃんと前を向いて歩きなさい。古今といい、歌仙といい、この手のものはなぜすぐよそ見をするのか……」
大慶直胤「……」
地蔵行平「どうした?まだなにか」
大慶直胤「……ううん、地蔵菩薩の優しさがさ、なんだか沁みちゃってー……」
地蔵行平「……まったく。人の時代の刀というものは」

其の151:鋼の先に

  • 刀剣:笹貫・大慶直胤
  • 時代:維新の記憶 地域:函館
ネタバレ注意
大慶直胤「おおー、甲鉄艦!」
笹貫「そんなにはしゃぐもんかな」
大慶直胤「あれは叡智の塊ー!蒸気船で、鉄甲板で、カノン砲まで付いてるんだから」
笹貫「あれの前では、人間も刀も一溜りもない」
大慶直胤「んーと、薩摩の刀が言う?」
笹貫「はは、確かに」
笹貫「薩摩は九州の南端にあって幕府の目が届きにくいわ、密貿易で外国の技術を取り入れて倒幕の機会を伺っていたわで、あの力をいち早く引き込みはしたよ」
大慶直胤「でもまー、幕府側が外国の技術を持ってなくて薩摩に遅れを取っていたわけでもないし、それぞれに戦う力があった。それで、この戦争は北の大地に至ってるから」
大慶直胤「火砲を前にしても、薩摩の兵は勇ましく、鬼のような存在だったな」
笹貫「褒めてくれるねぇ」
笹貫「だけれど、いくら勇ましく鬼のような薩摩隼人であろうと火砲の前ではただの人間。その勇ましさを発揮することなく、機械的に排除されて死ぬ」
大慶直胤「刀工大慶直胤は、反射炉に希望を掛けたんだよね。この研究が国の為になるって」
大慶直胤「鋼は機械化の末にあんなにも強い武器になったんだ。大砲にも、軍艦にもなれた」
大慶直胤「でも、どれだけ機械化されようと鋼の行きつく形として、刀だけは人の手からしか生み出せない。……そう、揺らぎが必要なんだ」
大慶直胤「そして、俺たちは刀としてここに呼ばれた」
笹貫「機械化とは、往々にして人間性の排除を言う……」
笹貫「この時代があの鋼を選んだ。だが、その先の時代でこうしてまた刀という鋼が選ばれた」
大慶直胤「え……、……ええっ!?なにそれ、讃美ー!」
大慶直胤「じゃあさ、その違いをしっかりと目に焼き付けないと。ちょっと近くまで行ってくるー!」
笹貫「刀は武器として逆行し、人間性を受容するための鋼となる……」

其の152:新々刀の秘め事

  • 刀剣:南海太郎朝尊・大慶直胤
  • 時代:武家の記憶 地域:鎌倉(元弘の乱)

※回想其の74「新々刀の系譜」を回収済

ネタバレ注意
大慶直胤「朝尊って、自制心、強い方?」
南海太郎朝尊「おや、どうしてかな?」
大慶直胤「さっきから俺、刀工大慶直胤の血が騒いで仕方ない。この時代の戦場には、彼らが喉から手が出るほど欲しかった鋼がごろごろ転がってるんだから」
南海太郎朝尊「刀工の血が騒ぐとは、面白い例えだね」
大慶直胤「だって、見てみなよー!この刀剣は実に良き鋼を使ってる。この色、鍛え、十中八九、相州伝!こっちは備前伝!俺たちが打たれた時代ではこういった良き刀はあんまり見る機会なかった」
南海太郎朝尊「ああ、ここで失われることがもったいないほどだ」
南海太郎朝尊「だがこれは、歴史上ではすでに死を迎えている。この後に語られることはなく、人知れず朽ち果てていくだけの。在るが無い。君が今、踏みつけている石ころと変わりないものだよ」
大慶直胤「なら、どのようにしてもいいよねー?」
南海太郎朝尊「ここは特命調査の地ではないからね。慎重に行かなくては」
大慶直胤「やっぱり、朝尊はわかってるんだ。俺たちにとって大切なもの」
南海太郎朝尊「刀剣男士は刀剣そのものから離れることでしか、強くなれないのかもしれない。と答えておこうか」
大慶直胤「そっかー」
大慶直胤「……なら、細かいことはいいや。同じ師を仰ぐ友伴、仲良くやってこー!」
南海太郎朝尊「実際に弟子だった刀工、大慶直胤の血が騒がないかい?」
大慶直胤「騒がしたほうがいいなら騒がすけど。いつかの誰かが吹かした業は、既に俺たちの血肉になっている。ここにある石と、同じこーと?」
大慶直胤「水心子先生は……、ちょっとわからないけどさー。刀剣男士水心子正秀は、そんな細かい事を気にするような奴じゃないから」
南海太郎朝尊「それはそれで、心配なのだけれどね」
大慶直胤「確かにー!」

其の153:江戸紫花合 花菖蒲

  • 刀剣:水心子正秀・大慶直胤
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
大慶直胤「正秀はさー、いつまでその感じで行くの?」
水心子正秀「こ、こら直胤、うかつなこと言うな!誰が聞いてるかわからないだろ!?」
大慶直胤「でも、それが正秀なんだから」
水心子正秀「……私は新々刀の祖として、それらしくある必要があるんだ」
大慶直胤「誰もそこまで気にしてないと思うんだけどなー」
水心子正秀「私が気にする。私は強く、気高い刀剣男士でありたいんだ」
大慶直胤「それはよく知ってるけど……」
大慶直胤「しんどいときは言ってよね。新々刀である前に、友でありたいなって思ってるからさ」
水心子正秀「…………」

其の154:江戸紫花合 雪割草

  • 刀剣:源清麿・大慶直胤
  • 時代:指定なし 地域:指定なし

※回想其の153「江戸紫花合 花菖蒲」を回収済

ネタバレ注意
大慶直胤「清麿くんはさー、正秀はあれでいいって思ってる?」
源清麿「何を突然言い出すかと思えば。僕は水心子を応援している」
大慶直胤「あー、そーいうのでその気になっちゃうからさー」
源清麿「理想に向かって努力しているのを邪魔したいのかい?」
大慶直胤「そういった正秀の資質は好ましくはあるけど、潰れたら元も子もないって話だよー」
源清麿「まずは水心子の意志を優先したい。……簡単に口を出せることじゃないよ」
大慶直胤「正秀の友としての話、してるんだけどー!?」
源清麿「僕も水心子の親友として言っているつもりだ」
大慶直胤「むぎゅー!清麿くんわからんちんだー!」
源清麿「こうなるから困るんだ……」

其の155:江戸紫花合 朝顔

  • 刀剣:源清麿・大慶直胤
  • 時代:江戸の記憶 地域:江戸

※回想其の154「江戸紫花合 雪割草」を回収済

ネタバレ注意
大慶直胤「せっかく江戸に来たんだし、ちょっと寄り道してこ!」
源清麿「あっ!ああ……。行っちゃった」
源清麿「寄り道するって言っても……」
源清麿「……?」
源清麿「……これは、刀を打つ槌の音」
源清麿「ここに居たのか……」
大慶直胤「やっぱりこの時代の鋼は弱いよね」
大慶直胤「でも、この時の江戸は活気があっていいよー」
源清麿「大慶は江戸の町が好きなんだね」
大慶直胤「うん?江戸三作なんて大層な括りで呼ばれるからかなー」
大慶直胤「刀工大慶直胤はいろいろなところに行って、刀を打って、気ままな放浪旅をしていたけど、一番地に足が着いている感触があるのが江戸なのかも」
源清麿「そうか」
大慶直胤「清麿くんは?山浦環の故郷は信濃でしょ」
源清麿「考えたことなかった。四谷正宗とも呼ばれるし、江戸……、なのかもね」
源清麿「でも、驚いたよ。君から山浦環……、刀工源清麿のかつての名前が出てくるなんて」
大慶直胤「それこそ、江戸三作だしー?」
大慶直胤「それに、俺たちが打たれたのは海の外から来る脅威と戦わんと皆が躍起になって斬れる刀を求めていた時代だよ。折れず、曲がらず、よく斬れる。その上で刃が欠けず、こぼれず、手に合うもの。四方詰めの源清麿は時代に求められた刀だった」
源清麿「どうかな」
大慶直胤「源清麿の刀の実と熱、あれが才だよ。時代を魅了する」
大慶直胤「大慶直胤も水心子正秀も随分貧乏をして刀工になったし、源清麿のように若くして注目もされなかったしねー」
源清麿「よほど君の方が知っているね」
大慶直胤「それって、刀工のこと?刀のこと?それとも……」
源清麿「僕は君に嫉妬している」
源清麿「……君たちはとてもよく似ているよ」
大慶直胤「そっか。……うん、この間はごめんね」
源清麿「……え?」
大慶直胤「所詮、与えられたものかもしれないけど、俺たちの行動次第で少しは融通が利くみたい……だよね?」
大慶直胤「集めて、丹念に織り込めば、強くて斬れる鋼になる」
大慶直胤「そうでしょ、清麿」
源清麿「……」
源清麿「だから、君が来るのが嫌だったんだけど」
大慶直胤「むぎゅぎゅぎゅー」
源清麿「ははっ、嘘。嘘だよ、大慶」

其の156:モテモテが世を救う?

  • 刀剣:包丁藤四郎・丙子椒林剣
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
包丁藤四郎「ねえねえ、聖徳太子ってさー、やっぱモテモテだった?」
丙子椒林剣「ええ、もてもてでしたよ」
包丁藤四郎「即答っ!え、え、それって人妻にも?」
丙子椒林剣「もちろん。老若男女問わず、人間以外の生き物たちにも大層好かれておられました」
丙子椒林剣「太子は救世観音の化身。この世のあらゆる苦しみから救ってくださる観世音菩薩ですから」
包丁藤四郎「へえー。ねえねえ、どうやって?どうやって人妻に好かれたの?」
丙子椒林剣「どう……とは?」
包丁藤四郎「なんかコツとか極意みたいなの」
包丁藤四郎「誰も教えてくれないんだよなー。だから、教えてほしいなー」
丙子椒林剣「極意……、そこにおられるだけで常に好かれていましたね」
包丁藤四郎「え!そこにいるだけ!?ホントに!?」
丙子椒林剣「ええ」
包丁藤四郎「モテモテ大権現だー!すーごーすーぎーるー……!」

其の157:太子の話

  • 刀剣:七星剣・丙子椒林剣
  • 時代:江戸の記憶 地域:大阪(大阪冬の陣)
ネタバレ注意
丙子椒林剣「荒陵で、また人が死にますよ」
七星剣「全ては死へ還りゆく。今も、昔も、これからも」
丙子椒林剣「七星剣、卿の耳には届かないのか。人々の望みが」
七星剣「届いたとして、おれに何が出来るのか」
丙子椒林剣「人の望みを聞きそれを叶える救世観音は、この世を導く天子たる聖徳太子の……」
七星剣「そうあろうとされていた。だが、あの方は人だ。遥か西方から知識を得て、この国を秩序ある国にしようと苦心した人」
七星剣「政治闘争を戦い、改革を成し遂げ、病で死んだ、ただの人だ」
丙子椒林剣「……。卿と私は共に救世観音の下にあった。この場所で、それも、とても長い時間」
丙子椒林剣「そして、今、またこうして出会った。けれど、今の卿と私は、あまりに違い過ぎる」
七星剣「星の巡りは変えられぬ」
丙子椒林剣「……私は、人々に心を寄せられ、救世観音となられた太子しか知らない」
丙子椒林剣「厩戸皇子と繋がる名と物語は、人の手によって付け加えられ、人の手によって剥がされた」
丙子椒林剣「だというのに、卿は、この場所で、私の目の前で、太子を否定する。よりにもよって、太子に似通うその姿で……」
七星剣「……」
丙子椒林剣「……これはただの八つ当たりだ。救世の手となり、菩薩心を持てという私こそが、この有様を受け入れられずにいる」
七星剣「……またここから知ることはできる。おれも、おまえも」
七星剣「宇宙と身の内は相対する。宇宙が変われば、見え方も在り様も変わる」
丙子椒林剣「ははっ!……これ以上何に変われと」
七星剣「身の内とする星は己で選べる」

其の158:正宗の役目

  • 刀剣:石田正宗・九鬼正宗
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
九鬼正宗「石田の兄ぃ!九鬼正宗、只今合流じゃー!」
石田正宗「来てくれたか、九鬼」
九鬼正宗「もちのろんじゃ!ちいとばかし足止めを食らってしもうたみたいじゃが」
石田正宗「……」
九鬼正宗「おおっと、兄ぃの眉間に渓谷ができとる!もみもみするけぇかがんで」
石田正宗「……かがみついでに。お前の見たものを、私にも分けてくれないか」
九鬼正宗「見たもの?……ああ、はっきりとは覚えとらんのじゃけど。それに、うちのなかにどれくらい残っているのかもわからんしのう」
石田正宗「それで構わない。正宗は公に使われることは少ないが、人から人へ、贈られ託される刀。だから、その瞳に多くを映し、多くを乗せて行く」
石田正宗「お前の瞳が映したものが、虚構の渦の中であればなおのこと」
石田正宗「ほら、よく見せておくれ……」
九鬼正宗「いつかの船出のためにも、かのう」
石田正宗「正宗は、人の為に……」

其の159:夢を運ぶ船

  • 刀剣:陸奥守吉行・九鬼正宗
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
陸奥守吉行「おんしゃあ、船に詳しいと聞いたが」
九鬼正宗「おおっと、何やら親近感のある」
陸奥守吉行「わしは陸奥守吉行。土佐にゆかりがあってのう」
九鬼正宗「土佐かぁ!うちはあちこち行って言葉はすっかりちゃんぽんじゃが、伊予には長くあった」
九鬼正宗「それで、船の話をしに来たようじゃが」
陸奥守吉行「ああ、元の主が船で貿易することを夢見よったがじゃ。でっかい鉄の船で世界を巡る言いよったがよ」
九鬼正宗「でっかい鉄の船か!それなら、元の主の中に鉄の船を作ったもんがおった。鉄甲船言うて、織田信長の命令でな」
陸奥守吉行「おお、その伝説は知っちゅう!伊勢の九鬼水軍じゃ」
九鬼正宗「九鬼の名は伝説になっとるかぁ」
陸奥守吉行「あれは海を征するもんが、戦を制するとも言われよった時代。」
九鬼正宗「わかっとるのう!空を飛ぶ乗り物が出ようと、船に勝る輸送手段なし。陸の営みを支えるんは、海よ」
陸奥守吉行「繋いで、大きく運ぶ交易が世界を作る。時代が移り変わっても、そればっかりは変わらん」
九鬼正宗「……にゃは!あんた、変わった刀じゃ。陸の刀がどこまで見据えとる?」
陸奥守吉行「がはははは!おんしゃあとは、面白い話が出来そうじゃ」

其の160:三本の矢の刀たち

  • 刀剣:毛利藤四郎・九鬼正宗
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
毛利藤四郎「……」
九鬼正宗「……?」
毛利藤四郎「百万……」
九鬼正宗「一心」
毛利藤四郎「はああ……、両川にあった刀の小さいほうって聞いていたので楽しみにしていたのに……」
九鬼正宗「なんじゃ、うちじゃ不満か?指、絞めるでぇ」
毛利藤四郎「九鬼正宗、そういうところです!」
九鬼正宗「ほいじゃ、あっちの狐さんのほうが良かったかぁ?」
毛利藤四郎「あれは大きいですからねえ……。いえ、そういうことではなくて!」
九鬼正宗「ほいじゃ、どういうことじゃろ?」
毛利藤四郎「おほん、いいですか?知行合一、そして到良知です。ここが我が政道と思うからこそ、主さまの側でこの本丸を守り、小さい子を守る。くれぐれも西国の田舎侍の刀などと侮られてはならぬと」
九鬼正宗「……ずいぶん頭隠して尻隠さずなようじゃが」
毛利藤四郎「それはしょうがないでしょう。可愛いには抗えません」
九鬼正宗「また都合のええ到良知じゃのぉ」
毛利藤四郎「……うぐ」
九鬼正宗「でも、舐られたらいけんっていうのは同意じゃ。こういうときこその百万一心、三本の矢」
毛利藤四郎「九鬼、理解が早くて……!少々可愛げがない以外は百点満点ですね。百万一心で、小さい子を大切にしていきましょう!」
九鬼正宗「あー?やっぱ、指絞めとかんやらぁ?」

其の161:友だち、あらためて

  • 刀剣:火車切・九鬼正宗
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
九鬼正宗「うち、どうしても言わんといけん気がするんよ」
火車切「……いい、俺に言われても」
九鬼正宗「目、見せてくれるかい?」
火車切「やめときなよ」
九鬼正宗「しゃーなーよ」
火車切「……」
火車切「……あの時も、そう言ったんじゃないの?」
九鬼正宗「にゃは、疑われとる」
火車切「ふざけるなら、いい……」
九鬼正宗「ふざけとらんよ、な?」
火車切「……」
火車切「……っ!」
九鬼正宗「んーーー!やっぱり猫ちゃんじゃー」
九鬼正宗「ありがとうくらい言わしてくれても、ええと思うが。……律儀じゃのぉ」

其の162:翼をもとめて

  • 刀剣:秋田藤四郎・雲生
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
秋田藤四郎「雲生さんはいつも空を見上げているんですね」
雲生「ええ。いつか空を飛びたいと思っています」
秋田藤四郎「え、空って飛べるんですか?」
雲生「もちろんこの身だけでは飛べませんが、『飛行機』という技術を使えば、飛べるようになります」
秋田藤四郎「ひこうき……?」
雲生「私たちと同じ、鉄で作られた機械です。鳥のように翼を広げ、自由自在に飛び回ることができるのです」
秋田藤四郎「自由、自在に?」
雲生「それはもう思うがままに。ああ、でも、空には空の決まり事があります」
秋田藤四郎「それは、誰でもはできないことですか?」
雲生「飛行機を操縦するためには、訓練が必要ですね。それと、私も学びの最中ではありますが、異国の言葉を多少覚える必要があります」
秋田藤四郎「そうなんですね……」
雲生「ええ。それでも私は同じ志を持つ皆の力を合わせれば、いつかきっと、この空を越えられると思っています」
秋田藤四郎「!あ、あの、僕も一緒に……いいですか?」
雲生「もちろん。同志が増えることは、心強い限りです」
秋田藤四郎「わ……、へへ、空かあ……」

其の163:一家一線

  • 刀剣:姫鶴一文字・道誉一文字
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
道誉一文字「お姫!会いたかった。……ダァだよ」
姫鶴一文字「は?誰?爆笑」
道誉一文字「おお、お姫が雛だった頃、そう呼んでくれたじゃないか」
姫鶴一文字「記憶ねーっし。ちーっす、叔父貴ぃ」
道誉一文字「……」
道誉一文字「ノォー!いただけない。せめて、叔・父・さ・まと呼んでくれ。プレゼントも用意してある。お姫が気に入りそうな香も」
姫鶴一文字「道誉くんさ、相変わらず茹で上がってんね。そーいうのが、ほんっと無理」
道誉一文字「ノォ~……」
姫鶴一文字「で?」
道誉一文字「ノォ~……、ン?」
姫鶴一文字「何しに?おれに会いに、とか余計なのはいいから」
道誉一文字「……ンフン?」
姫鶴一文字「絞めとこか」
道誉一文字「ああ、ウェイ!ウェイ!」
道誉一文字「ンフー、……言うなれば、バランスを取りに」
姫鶴一文字「続けて?」
道誉一文字「信じるということは、弱点にもなり得る」
姫鶴一文字「一文字に居て言う?」
道誉一文字「一文字だからさ」
道誉一文字「我々は線の外に居る。だからこそ、何事も、バランスが大事だと知っている。ビジネスにおいても、この世界においても」
姫鶴一文字「ふーん。まあいいけど……」
姫鶴一文字「おれ、けっこうここ、気に入ってっから」
道誉一文字「……ハ?」
姫鶴一文字「おれの目が黒いうちは、余計なことさせねーから」
道誉一文字「ハ……、ハッハァ!流石、それでこそお姫だ!」
姫鶴一文字「今夜、いい夢見れるといーね」
道誉一文字「……オ、オーマイガッ!」

其の164:対極の好敵手

  • 刀剣:小竜景光・道誉一文字
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
道誉一文字「ハッハァ!刀剣男士として顕現すれば、宿命のライバルと相まみえることもあると聞いていたが、本当だったようだ」
小竜景光「佐々木道誉の刀か。楠木公の刀である俺とは、ここで巡り会う宿命だったって?」
道誉一文字「ああ。裏切り、裏切られ、禍根が渦巻いていたあの時代に、純粋に敵であり続けた」
小竜景光「生憎、俺は運命論者じゃないし、一人の主にこだわりは抱いていない。昔話がしたいなら、他を当たりなよ」
道誉一文字「ダウトだ」
小竜景光「ダウト?」
道誉一文字「君は佐々木道誉のような男が嫌いだろう?あのような裏切りを繰り返す男を主としなくて良かったとすら思っている」
道誉一文字「対して、楠木正成は忠義を貫き、清廉潔白な誠の武士の象徴」
道誉一文字「対照的だが、過去の全てはイマジネーションだ」
小竜景光「……妙な横文字は止めてくれないか。頭が痛くなりそうだ」
道誉一文字「おや、それはすまなかった。頭が回りすぎるのも考えものだね」
小竜景光「もういいかい?」
道誉一文字「小竜景光、知己こそ宝。君は俺を無視しなかった。それが答えの全てだ」
小竜景光「……ははっ」
小竜景光「昔話は、好きじゃないんだ」

其の165:目に見えぬ束縛

  • 刀剣:亀甲貞宗・道誉一文字
  • 時代:指定なし 地域:指定なし
ネタバレ注意
道誉一文字「ハッハァ!亀甲貞宗か」
亀甲貞宗「君は……、一文字の?」
道誉一文字「失礼。俺は道誉一文字。金二百枚分の相方との縁は、君がくれたものだ。と言えばわかるかな」
亀甲貞宗「ぼくが贈った縁……。フフフ、縛られる相手がいるということは幸せなことだよ」
道誉一文字「フンー、こちらは二振りで金二百枚、君は一振りで金二百枚。貞宗さんは余裕っぷりが違う」
道誉一文字「ただし、アーヤがいたら今頃君は海に沈んでいる」
亀甲貞宗「金二百枚か……。君はそういうことを気にする性質なのかい?」
道誉一文字「当然。ブランドにとってバリューは大事さ」
亀甲貞宗「ぼくに付いた折紙は武器としての価値ではなく、ただの演出だよ」
亀甲貞宗「人の儀礼というものは実に理解不能だけれど、人を縛るものとして目に見えないところに存在してる。折紙は便宜上統一された価値感にすぎない」
道誉一文字「刀は権力者にとって実に都合のいい演出道具。長い年月をかけて武器からシンボルだけを取り出したとも言えるからな」
亀甲貞宗「そうだね、ぼくら貞宗は天下三作の一つ正宗の系譜で、正宗に類する評価を受けることもあって、支配と被支配の関係を誇示する品としての適性が高い……」
亀甲貞宗「見栄っ張りな演出家の、ちょうどいい立役さ。明かりが真正面から当たるね」
道誉一文字「ハッハァ!実にドライだ」
亀甲貞宗「ぼくは、ぼく自身の世間的な価値というものには興味がないし、無銘のぼくを縛り付けてくれるものは他にある」
亀甲貞宗「貞宗は、一振り一振りが思う貞宗であればいいんだよ」
道誉一文字「今の主にはだいぶご執心のようだが」
亀甲貞宗「ああ。ぼくは、ぼくが愛するものに縛られることで強くなる」
亀甲貞宗「けれどそれは、ぼくだけではないはずだ。悔しいけれど。それは君も感じ取っているんじゃないかな?」
道誉一文字「さて、どうかねえ……」

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