【白猫】ティファレス・オーダー Story
2020/02/28
ティファレス・オーダー Story0
story
<オレの名前はエディ・ジャクソン。馬車とダンスと母ちゃんをこよなく愛するしがない御者だ。
いきなりだがオレは今、超トラブってる>
<どうやらオレという男は平穏無事な生活には縁がない星の下に生まれてきちまったらしい。ヒュウ、それもまたクールだぜ、エディ・ジャクソン。>
<オレは、いやオレ達は、ー人の少女を守る事になった。>
<いや、こいつはシンプルに戦いたいだけだな。うん、きっとそうだ。でもまあいいや、味方だし。>
<味方だよな?>
<この子が頼れるのはオレ達だけなんだ。……守ってやりてぇじゃねえか。>
<ビビるなオレ、チビるなオレ。男が廃ればダンスは踊れねえ!行くぜ、エディ!>
<一体どういう事なのかって?それが、色々と込み入っててな……>
親愛なるアンジェラ様。突然のお手紙を、どうかお許しください。
これから申し上げる事は、すべて私のわがままです。本当は。私ひとりで何とかしなければならない問題だという事は、重々承知しております。
ですが、私の力では、どうする事もできません。……もう。あなたしか頼れないのです。
父が、息を引き取りました。ついこの間の事です。……父らしい。立派な最期でした。
父は、遺言を残していました。島の次期領主は。叔父様が。そしで……
<遺産>は、私が受け継ぎました。そこで。問題が起きたのです。遺言を読んた時からこの身に覚えた悪い予感が、当たってしまいました。
叔父は<遺産>を奪うつもりです。
最近、屋敷がにわかに物騒になりました。叔父が私兵を雇ったせいです。
中にはお尋ね者のような悪い人もいるようで、正直、気が気ではありません。
また、私の身辺警護のために、腕の立つ冒険家を雇ったとも聞きました。
叔父は、まもなく私を軟禁するでしょう。すべては。誰にも邪魔さ九ず。<遺産>の在り処を私から聞き出し我が物とするため。
アンジェラ様、お願いです。オルルハム家の<遺産>を、破壊してください。
……どうか、あなたのご慈悲を。エスカ・オルハイム――
あなたに協力したい、レディ<遺産>とエスカ嬢をランヴァルド卿の毒牙から救いに行くのだろう?
story
<ライフォード・エバンス。<嵐の国>の騎士にして軍人。階級、大佐。
アンジェラ・ベイリアル。<嵐の国>蒼炎の島・ウルドを治めるベイリアル家の第三公女にして、ウルド軍を率いる指揮官。
内乱続く<嵐の国>でこの二人が出会ったのは、無論偶然ではなかった。>
『翠聖の島の<遺産>を使い、嵐の国に新たなる火種をまく者が現れる』と――
翠聖の島・ティファレス。オルハイム家が統治してきたこの島には、ある<遺産>が眠っているとされている。
失われた技術が詰まった古代兵器、災厄をもたらす呪われた魔物、莫大な魔力を宿したルーン……
色々と噂されているが、実体は誰も知らない。オルハイム家が秘匿し続けてきたからだ。
特に、先代のエルランド卿はかなりの切れ者だったな。
だが、彼は亡くなった。代わりに領主となったのは、エルランド卿の弟ー悪名高き野心家のランヴァルド卿だ。
悪いが、この件は私ー人に任せてもらおう。
ならば、余計な真似をしないよう、側で監視しておいた方がいいのではないか?
…………
……
…………
……
つまり今回の任務は、完全に君の独断という事になる。前にあなたが言っていた『危険な賭け』さ。
それと、もうーつ。エスカの願いは<遺産>の破壊だ。手紙にもそれだけが書いてあった。
あの子はー言たりとも、『自分の命を助けてくれ』とは言っていない。
ティファレス・オーダー
~翠聖の守護者~
あらすじ
「翠聖の島の<遺産>を破壊してほしい」
アンジェラは、かつて命を救ってくれた恩人の娘である
エスカを助けるべく、ライフォードとともに島に潜入する。
しかしエスカの側には、護衛として雇われたレインとエディがいた。
<遺産>を巡る一夜の物語が、いま幕を開ける――