【白猫】マール(温泉)・思い出
ラッキーを呼び込む天使 マール・アスピシャス 報われない人に幸運を授ける天使。 マール自身も相当な幸運の持ち主。 | ||
2015/11/10 |
メインストーリー
思い出1
やっほ~みんな~♪どう?ハッピーしてる~♪
ええ♪アタシたちは、けっこういつもわりとハッピーよ♪
ひざこぞうとか、すりむいたりしてない?
どこのワルガキよ。
マール。やたらに幸運を与えようとするのはよせ。
だってあたし、ラッキーを届ける天使だもん。
努力したのに報われてなかったら……ラッキーあげなくちゃ!
それがあたしの仕事だもん!間違ってないでしょ、ガレア?
間違ってはいない。が、いつも言っている通り、それには厳正な審査が必要だ。
う~……わかってるよぅ……
わかっている感じがあまりしない。
わかってるの!ガレアのおこりんぼ!
怒ってもいない。
まぁまぁまぁ。まぁまぁ。まぁ。
……ふふ。お二人は、仲が良いですよね♪
うん……いろいろあったけどさ……
いまのあたしは幸運の天使だから!
先輩のガレアに認められるよう、毎日がんばんなきゃね♪
毎日一緒なのね。なにか面白い話が聞けるかしら?
ガレアはねぇ、最近買った<バイク>がお気にいりなの。
ばいく?
ある島で作られている、二つの車輪で走る機械の馬のようなものだ。
おおっ!?すごそうっ!!
当然だとも……!
自動車もいいがな、風を体で感じられるバイクは、また爽快感が違う……!
うひゃ~♪いいわね~♪乗せて乗せて~♪
それは出来ない。
えぇっ!?どーしてよ!?
自動車に比べると、乗る方にも少し技術を要求するからな……
キャトラは……サイズ的にも、無理があるだろう……
な~んだぁ……がっかり……
じゃあ、ぽっぽに乗せてあげよっか?
え?いいの?
ぽっぽは誰も嫌がらないよ~。さあ、レッツゴー!
うひょ~い!
いっちゃった……
ブロウ。また世話になる。よろしく頼むゼ……!
思い出2
ぽっぽ~、ぽっぽはぽっぽっぽ~♪
ぽっぽ~、ぽっぽは豆が好き~♪
ごきげんね、マールさん♪
いまはガレアはいないのね。
おでかけだって~。あたしはぽっぽとお留守番~♪
うむうむ、ぽっぽぽっぽ……
じゃないわ!!!
うひゃあ!?急に大きな声出してどうしたの?
言いたいことがあるからよ!
なぁ~にぃ~?
ぽっぽはね……
ハトじゃないわ!!
なーんだ、それは知ってるよー。霊鳥でしょー?
知っているのなら、そのハト扱いをおよしなさい!
なんで?ぽっぽはお豆が好きなんだもんねぇ?
…………
ほら。
たしかに、そうパクパク食べてる姿には、説得力もあるけれど……
もっといきものを大切に!
してるってばー。毎日ブラシもかけてあげてるし、一緒にお散歩にも行くし。
むむむむ……!
キャトラ……
あたしとぽっぽは仲良しだもんね~♪ね?ぽっぽ?
…………
あれ~!?どこいくのよー!待って~!
ふむ……この関係なら、いいのかもね。
どうしてそう思うの?
ぽっぽは自分とマールが対等だと思ってるみたいだからね。
それなら問題ないわ。
(そういうことなのかなぁ……?)
思い出3
……うーん……んぅ~……
あら、今日はぽっぽもいないのね。
うんうんうなって、どうしたの?
ガレアに宿題を出されちゃってさぁ……
宿題?
『あるところにとっても報われない二人がいました。
ですが…一人に幸運をあげると、もう一人が不幸になってしまいます。
どうしたらいいでしょう?』
……だって?
……うーん、それは……
問題がはたんしてるわね!
たとえ話過ぎるわ!この世に、まるっきりおんなじ人なんていないし!
もっと条件がなければ、答えなんて出せないわね!無理なぞなぞよ!
キャトラ……
ガレアが言いたいのは、そういうことじゃないんじゃないかな~?
……まあね。アタシも本当はそう思うわよ。
……多すぎる幸運がさ……どんな事態を起こすかは、前のことで知ったよ……
……あのとき、あの子たち、食べ物は手に入れたけど、回りの人を不幸にしてしまったものね……
うん……必ずってわけじゃないけど、幸運は偏りやすいらしいから……
でも……だからって、二人とも報われないままなのも嫌だし……
マールさん……
……考えてみると、あたしってとっても偉そうだよね……
え?そんなことないと思うけど?
ううん……だって、あたしの行い一つで、誰かの運命が決まるかもしれないんだよ……
……そういえば、ガレアさんは……
(……選んだのよね。マールさんを。マールさんのお母さんじゃなくて……)
ガレアは……あたしのために、……本当に辛かったと思うけど、決断したんだよね……
もしも……前みたいに、何もわからずにやるんじゃなくってさ。
いまのあたしが……他に、どうしようもなくなったときには……
ガレアみたいに…………傷つく覚悟、あるかな……
……今日はずいぶん真剣なのね。
しっけいだなー!いつだって真剣だよー!
ほらほら。やっぱりマールは明るい方がいいわよ。
でも、宿題……
う~ん、まだ答えは出なそうだし、今考えるのはこのくらいにしとくよ~。
おお!?じゃああそぼ!
うん!
(でも……いつか……)
思い出4
ガレアはわかってないわ。
いきなりなんだ?
世の中ね、アンタみたいに考えるのが得意なひとばっかりじゃないの。
アタシやマールみたいに、おばかもいるんだからっ!
(キャトラ、自分で……!)
ふん……潔いことだな……たしかに、キャトラの言う通りだろう。
だが……必要なことだ。考えるのは、早ければ早いほどいい。
そうかしらねぇ~……?
失敗を繰り返してきた、先輩からの言葉だぞ?
むぅ……
ガレアー!
……どうした?
なんか、胸がチリチリするから、出かけてくるねー!
……ちりちり?
いくよ!ぽっぽ!
…………
相変わらず感覚で生きてるってカンジよね、マールってば。
……不運に気づいたのかもしれない。
へ?
忘れたのか。俺たちは、ある程度<運>の量を感じ取れる。
こう見えても<幸運の神>だからな。
そうだったわね。
……しかし……妙だな……
いや……まさかな……
…………
……
なんか……なんだろ……このカンジ……!
…………
……ぽっぽは、わかるんだね……行かなきゃいけないところが……
…………
うん……お願い……!
思い出5
<マールを乗せたぽっぽは、とある孤島に辿り着いた。>
!!
<そこには、一人の男が倒れていた――>
おじさん!大丈夫!?
……?誰だ……?
こんなところに一人で……遭難?船が嵐にでも巻き込まれたの?
ああ……そうさ…………必死でかき集めた積荷も…………海の底だな……
そんな……!……あたしのラッキーで、どうにかなるかなぁ……?
……?よくわからんが……船が沈んで、良かったのさ……
え?
運んでいたのは、武器だからな……
……!?
<――相手を選ばず、兵器を届ける<死の商人>――それが男の生業だった。>
……私など、ここで果てるならそれでもいいと思っていた。
……生きて帰れば……私は、人間同士に殺し合いをさせる。
それが私の仕事だ。家族や部下もいる。やめることは出来ない。
…………
私がいなくなっても、戦争がなくなるわけでないが……束の間、休戦は訪れるだろう。
だから……どちらでも良かったのだ。
……そんな……なんでそんなことが……
お嬢ちゃん。人間は、綺麗な仕事だけをするわけではない。
知れば反吐が出るような……そんな職業だって、決して少なくはないのさ……
なんで……どうして……?
さあてね……考えないことにしたよ……私は……
…………
……お行き、お嬢ちゃん。私のことは、見なかったことにして。
そんなこと……出来ないよ……!
……なら、どうする。私は、生きている限り、罪もない人々の暮らしを脅かすぞ!
……!
行け!行くんだ!
思い出6 (友情覚醒)
……この光は……?
――あたしは――
……?
みんなが――ハッピーがいい!
みんなみんな――ハッピーがいいの!
お嬢ちゃん……
おじさんは、間違ってないけど……
おじさんがいなきゃいけないこの世の中が間違ってるのッ!!
!!
み~~~んな……ラッキーに、なってよ……!!
…………
……
――ガレア~!はやくはやく~!追いてっちゃうよ~!
そう急ぐな。物事には適正な速度がある。
だってこれがぽっぽの普通なんだも――!?
ひゃ~!ぽっぽ、そんなにとばさないでぇ~!
…………
……思った以上に、早いものだな……成長というのは……
…………
……
……わかった。国に戻ったら、働きかけてみよう。
他国の戦争で儲ける仕事より……それを減らすための仕事はないか……
……考えてみるとしよう。諦めずに、な……
うん!それがいいよ、おじさん!
***
よかったね、ぽっぽ!あたしって、ラッキ~♪
……ブロウに感謝しろよ、マール。
あ!ガレア!さっきの光だね!うん!おかげで助かったよ!
いや~、あたしが一番ラッキーだったみたいだね♪あはは、ラッキーラッキー♪
…………
……
ぽっぽ~~~~!は~や~い~よ~!
…………
(あの男は本来、考えを変えるような小者ではなかっただろう。
――それを曲げたのだ。マール自身が、幸福になることで――
それが、どれほど多くの人間に影響を与えたのか……
……本当に、とんでもないことなんだぞ、マール……)
――幸運の女神、か――
そう呼ばれる日も、遠くないかもな……
ガレア―!ぽっぽに怒ってよー!
ぽっぽったら、あたしが嫌がることばっかりするんだよー!
……そうか、ぽっぽ。
空には制限速度がないと思いがちだが、実はそうでもなくてだな……
え~~~!?そういう怒り方なの~~~!?
冗談だ。……まだまだ子供だな、マール。
も~!いまに見てろよー!
……ああ。お前の成長を、楽しみにしているよ――
幸せを発信する天使 マール・アスピシャス
その他