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【白猫】オーバードライブ紅蓮2 Story1

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作成者: にゃん
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story1 港での出会い



<帝国領にある小さな島ーロアノク島。

<花園>の調査員であるリネアは<レヴナント>に奪われた<禁忌>を取り戻すべく、島に降り立った。>

お嬢ちゃん、観光かい?ロアノク名物のカニパイ!ー口どうだい?

rえ?いいの?ありがとう!……んー!なにこれ、すっごくおいしい!

そうだろ、そうだろ!なんだって名物だからな。どうだい、食べていきなよ。

rごめんなさい。人に会う約束があって……用事が終わったら絶対くるから!

それじゃあ、待ってるよ。おっ、そこのお兄さん、カニパイ、ー口どうだい?

r(普通のどこにでもある島ね。多少、ソウルは乏しいけど……)

wそこの君、少しいいかな?

m驚くほどの美人だから、思わず声をかけてしまった。君はこの島の人かな?

r違います。でも、褒めてもらえて光栄だわ。じゃあね。

m……俺の記憶違いかな?君と会ったことが……

rあー……ごめんなさい、人を待たせてるの。

mいや、待ってくれ。本当にどこかで……

rえ!?嘘!レクト!?

lリネア!?

mリネア……それが君の名前か?

rごめんなさい、彼と用事があるの。レクト、行きましょう。

lちょっ!リネア!?手をにぎ……!!

mリネア……リネア・シルヴェストリ……いやいや、まさかな……

そこの君、少し聞きたいことが。これは、声をかけて驚いたな!まさか、こんな美人だなんて!ところで、君、この島の人かな?


…………

……


rほんとーに助かった。ありかとね、レクト。さっきの人、知り合いなの?

rぜんぜん!知らない人!ナンパよ、ナンパ。

l(ナンパを邪魔できたのはいい。僕にしてはナイスプレイだ。

その上、手まで握ってしまった。明日は雨かもしれない。――いや、なに嬉しそうにしてるんだ、僕は!?

さっきの男の人は僕をリネアの恋人かなにかだと勘違いしたかもしれない!

僕程度の男が恋人だとしたら、リネアもその程度の女性だと誤解されかねない!)

lごめんよ、リネア!ナンパの邪魔をしたのが僕なんかで!

r……どうして謝るの?

lいろいろメタ認知したら、リネアに迷惑をかけたかもしれなくて……

rあいかわらずね、レクトは……それで、記者としてうまくやってるの?

lえ?あ、うん、ぼちぼちかな。この島に来たのも取材のー環なんだ。

リネアはどうして、この島に?もしかして、調査員の任務とか?ほんと、旅行だったらいいんだけどね……

l……あぶなかったりするのかな?

r禁忌の調査に安全なものなんて、ないわよ。

l……ぼ、僕も手伝うよ。ほら、これでもー応、荒事では役に立てると思うし。

r気持ちは嬉しいわ、ありがとう。でも、大丈夫。今回はパートナーがいるから。

レクトも取材があるのはわかるけど可能なら帰ったほうがいいわ。

あ、ここはナンパから助けてもらったお礼に、あたしからの奢りってことで。じゃあ、またね。

lはあ……



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story2 あやしい露天商



l(僕は本当にダメな奴だ。リネアが危ないかもしれないのに、どうして引きさがっちゃうんだ?

ヒーローになれれば、自信を持てると思ったのに、まだダメなんだろうな……)

sおい、おまえ!

くらい顔してんな。そーゆーおまえには、こいつが一番だ!!

ウェルナー印の元気が出る薬!今なら花とか薬草もセットだ!

w……まいどあり。

lえ?いきなりなんですか?

sあたしは、ろてんしょーだ!ウェルナーが作ったわけわかんねーもん、売ってんだ!

lえ?今、わけわかんねーもんって言った?

w……セーラの言うとおりお買い得だ。

sウェルナー!客の前で売り物壊すなよ!!ぶきっちょすぎんだろ!!

w……これは壊れてない。少年、お買い得だ。

l(容器、割れて緑色の液体がこぼれてるし、完全にゴミにしか見えない)

lいえ、その、遠慮します。

s遠慮すんな、このやろー!心開け、バカやろー!

l心の問題じゃなくて、純粋にいらないといいますか。

w……じゃあ、おまえには欲しいものが、なにもないのか?

lほ、欲しいものはありますよ。ただ、ここにはないだけで。

w……ないと思えば、ない、あると思えば、ある。要は心の持ちようだ。

願いを叶える前に願いを作れ。貪欲に求めろ。その数だけ人は幸せになれる。

……わかったか?

l言わんとしていることは、なんとなく……

w……まいどあり。

lあ、はい……

(あれ?なんで素直に財布、出してるんだろ?)

w_Eあ~、ちょっといいですか?

sん、なんだおまえ?おまえもウェルナーの作ったガラクタがほしいのか?

lえ!?ガラクタって言った!?

w_Eあ~、見回りの者なんだけどね。商売する許可とった?

sおい、ウェルナー、どうなんだ?

w……おい、ボス、どうなんだ?

lえ?僕?ボス!?知りませんよ!!

w_Eじゃあ、ちょっと話を聞かせてくれないか?

wボス、逃げるぞ。

sほら、行くぞ!

lえ?僕も!?引っ張らないでよ!

w_E待て!!


…………

……


sおい、ウェルナー、あいつ、しつけーぞ。

lどうして僕まで逃げないと……

w……セーラ、こいつを任せた。

sあいよー。ウェルナーは、どーすんだ?

wおとなしく捕まる。

……少年、悪かったな。君はいい奴だから忠告する。

……この島から立ち去れ。帰れるうちにな。



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story3 静かな変異



w……助かった。

r助かったじゃないわよ。宿で合流の予定だったでしょ?

どうして街の人から連絡が来て、隠密行動してたパートナーの身元引き受け人にならないといけないのかしら?

どこに敵がいるのかわからないのにこんなミス……本当に噂の凄腕戦闘員なの?

w……作戦だ。

r

w……露天商を装い、情報収集をしていたが、なにも得られなかった。

rそれって……おかしいわね。

w……花園が封じていた禁忌はレヴナントに奪われた。

花園の研究員との交戦、あるいは暗殺などがあったはずだ。

rそれなのに、なにも情報がなかった……噂話でさえ……

w研究員は島に溶け込んでいた。顔見知りの人間が消えたのに、隣人さえ気にしていない。

……異常な反応だ。

r禁忌の影響だと思う?

w……そうみるのが妥当だろう。レヴナントが禁忌を起動させている可能性は極めて高い。

r厄介な話ね。ついでに、このまま聞いてほしいんだけど、あたしたち尾行されてるわ。

w……気づいている。何人か確保したい。……気づいている。何人か確保したい。ひと気のない場所に誘いだす。

rこれが、あなたの作戦ね。やる前に相談してもらいたかったわよ……


…………

……


w…………

w……なんの用だ?

wコエが……キコエル。

wコワセ……

wコロセ……

rこの人たち……

wああ、正気じゃない。

wコロセエエエエ!!



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story4 崩壊する世界



lどうして、僕まで追いかけられたんだろう?

s一緒に逃げなきゃ、おまえ、いろいろ聞かれてたぞ。

l犯人扱いされるよりマシだよ。

sわかってねーな。この島、超やベーんだからな。

ウェルナーはおまえを助けたんだぞ。だから、えっと……

そういえば、おまえ、なまえ、なんてーんだ?

lレクト、レクト・ラロだよ。君はセーラでいいの?

sセーラ・マーニだ。で、パクられたのがウェルナー。ウェルナー・バストリーニ。

l……お父さんかお兄さんかと思ってたよ。

sあいつはあたしの子分だ。

おまえもウェルナーみたいになんか暗いし、あたしが親分として守ってやんぞ。

lハ、ハハハ……それはありがとう。

l(子供ってハッキリ言うなあ……まあ、暗いのは事実だけど)

sよし、帰るぞ。港まで送ってやる。

l気持ちはありかたいけど、帰れないよ。知り合いも島に残ってるし。

sだから、この島、やべーんだ。その知り合い連れて、島から出てけって!

lそれは、無理だよ。

sなんでだよ~。おまえ、子分なら親分の言うこと聞けよ。

l痛っ!スネ蹴らないでよ!

sうるせー!あぶないったらあぶないんだよ!帰れ、こんにゃろー!

lだからスネを……

lなんだ、今の……

sん?どうした?

l街が……

<腐食するように変わっていく――>

lなんだよ、これ……

sほら、だから言ったろ。やベーことになるって。

レヴナントがからむと、こーゆーことになるんだよなー。

w…………

sおい!おっさん、後ろ後ろ!

lっ!

――変身!

Lジャアアアアア!!





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story5 兆し



Lジャアアアア!!

(不思議だ。いつもより体が軽い……)

sレクト、けっこー、やるんだな。

L(セーラ!!)

sおい、レクト、心配無用だ!あたしは超古代空手をマスターしてんだぞ!

子分よりよえー親分がいるわけねーだろ!

あたしがまとめてかたづけてやるよ!


…………

……


sもうダメだ――ーっ!

数おおい!きもちわるい!キリがない!!

L(セーラの言うとおりだ。次から次に……でも……)

(どうしてだろう……?)

(心が……)

(高揚……してる?)

sおお!おまえ、すげーな!全部、倒したのか!?

L(もう……おしまい?そんな……どうして……?僕はまだ……)

<――戦えるのに。>

sん?おい、どうしたレクト。

<――こんなにも僕は強いのに。

――敵がいないなんて。>

l

sおお、もとに戻ったな。それでこそ、あたしの子分だ!

l戦うのが怖かったのに……

(僕は戦いを……)

w_k3あ、赤い怪物……ひーっ!!

sおい、こら、待て!!……助けてやったのに、ぶれーなヤツだな。

l……しかたがないよ。化け物なのは事実なんだし。

s恩知らずなやろーの言葉にへこんでんじゃねー!

l君は怖くないの?

sあたしは慣れてるっつーか……器がでっかいからな!!

ほら、ウェルナー探しにいくぞ。

lそうだね……って、そうだ!僕もリネアを探さないと!

sリネア?リネアってリネア・シルヴェストリか?

l知ってるの?

s会ったことないけど、知ってる。仕事の知り合いだ。

lじゃあ、君たちも花園の……

sなんだ、知ってんのか。

あたしは花園の戦闘員。セーラ・マーニだ。あらためて、よろしくな!




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