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【白猫】オーバードライブ紅蓮2 Story5

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

目次


Story1 共闘関係

Story2 静かな野心

Story3 赤い影

Story4 奮迅の果てに



story1 共闘関係



<花園>の戦闘員ウェルナーとセーラは、<レヴナント>のエージェント、サリムからもらった情報をもとに、とある遺跡へとやってきていた。>


sおい、サリム。本当に、ここに赤いの、いんのか?

mいるかどうかはわからない。この遺跡で襲撃を受けたと報告があっただけだよ。

w…………

sどうも、おまえはうさんくさいんだよなー。ウェルナーをだまそうとしても無駄だぞ。

親分のあたしがいるかんな!

mだます気なんてないさ、セーラ嬢。利害関係がー致しただけだよ。

sその、りがいかんけーってのが、あたしにはわかんない。

wそういえば、お前の目的を聞いてなかったな。

sそういうの、最初に聞いとけよ!

w……興味なかったからな。

sおまえは、ほんとマイペースだな。

で、サリムの目的はなんなんだよ?

mそうだな……

それを話すのは、こいつらを片付けてからにしよう。



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story2 静かな野心



sつかれたー……まだつかないのか?

m最深部までは、もう少しかかる。今日は、ここで休もう。

sんー……あたしは寝るぞ、ウェルナー……おやす……み……

m……花園の仕事、子供には過酷じゃないのか?

w……それでも、セーラには花園の技術が必要だ。

m人工精霊か?

w…………

m…子供のソウル量では、まかないきれないだろう。具現化せずとも、ソウルは消費される。

……と、俺は推測するんだが?

w……こいつが、もう少し歳をとれぱ自由だ。それまでは、あがくしかない。

m……そうか。

w……そういえば話の途中だったな。

m俺の目的か?

w話したくなければ、言う必要はない。

m別に隠すほどのものじゃない。ただ、多くの命を救いたいだけだ。

w……無関係の人間を実験体にしてるのにか?

m……組織としてはな。それを容認する気は俺にもない。だが、俺に彼らの暴走を止める力がないのも事実だ。

w……なぜ、そんな組織にいる?お前は善人じゃないが、クズでもない。

mレヴナントがなくなれば禁忌の技術は花園に独占される。そして封印だ。

w……害悪を撒き散らすよりマシだと思うが?

mそこは同意だよ。だが、可能性を否定し、独占することも間違いだろう?

俺は以前、先天性ソウル欠乏症の患者を<禁忌>の技術を使って治療したことがある。

結果、スキエンティアの評議会に医師免許を剥奪された。

wなぜだ?

m表向きは不適切な治療をしたからだよ。実際はセーラ嬢を救ってる薬のせいだ。

w…………

mソウル増加薬はソウル欠乏症の人間に投与される。

俺の施術が普及すれば、薬は売れなくなる。だから、新技術にフタをした。封印という名目でな。

たしかにレヴナントは悪の組織だ。否定はしない。だが、技術の革新と解放という理念は正しい。


w…………

mイングニウム・コードの解析を進め、その技術を確立できれば、組織内での俺の評価もあがる。

俺はレヴナントを変える。組織のトップに立ってな。

w……変わるのか?

m変えるのさ。



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story3 赤い影



m雑兵とはいえ、数が多い。

sサリム、なんかー気にドカーンと倒せたりしないのか?

mあいにく、俺の力は、そういうことに向いてない。

sじゃあ、手数で行くしかねーな。術式展開!二号、行くぞ!

Sだから呪文をお願いしたいです。気分よく戦いたいですね。本当に……

sいいから行くぞ、このヤロー!

Sマスター、行くのはいいのですが、ウェルナーさんが大技、使おうとしてますよ?

sえ?

w第参術式装填――

――顕現するは星の御霊。汝ら塵芥、極光の賛となれ!

術式展開!ステラ・インペラトーレ!!

w……終わったぞ。

s…………

Sじゃ、帰りますねー。

sあたしの見せ場、返せ!このヤロー!!

w……調べるぞ。


w…………

sどうしたんだ?

w赤いヴァリアントが現れない。ハズレか……

mいや、アタリだ。ロアノク島の時と同様、コアがあった。

おそらくイングニウム・コードだ。

sでも、赤いの、出ないぞ!

m複数いるのは間違いないが、それほど数は多くないのかもしれないな。

w…………

m……引きあげよう。なに、次のチャンスがあるさ。

w……ああ、そうだな。

mこのコアは俺が持っていくぞ。

w……好きにしろ。


…………

……


<ウェルナーたちと別れたサリムは一人、夜の森を歩いていた。>

m(ウェルナー・バストリーニ。薬で死ぬか、赤いヴァリアントに殺されるか、いずれにせよ、長生きはできないな……

死なせるには惜しい人材だ。なにか方法は……)

LL…………

<赤い怪物は音もなく現れ、サリムの前に立ちふさがった。>

mもう少し早く来てほしかったね。君の相手は俺じゃない。

LL…………

m……わかったよ。さっさと始めようか?



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story4 奮迅の果てに



m俺に触れたな?

LL…………


m(ものすごい再生力だな……腕を斬り飛ばしても、すぐに癒着するか……)

LL…………

m(俺の<切断>と相性は最悪……)

LL…………

<突如放たれた閃光が、サリムを飲み込む。>

LL…………


m(デタラメな火力だ……隠れるスキはできたが……)

LL

mチッ!

LL…………

m(隠れても無駄?こちらの位置を把握してる……?いや、コアの位置か?)


mくっ!(ここでは勝てない。場所を変えるか……)


…………

……


LL…………

m粘着質な男は嫌われるぞ。いや、君は女性かもしれないが、どちらにせよ、よくはない。

LL…………

mだから返すよ。このコアを!

<サリムは手にしていたコアを崖の下へと放り投げた。>

m代わりにお前の首をいただく。

LL

<赤いヴァリアントの首がはね飛ばされた。その首と体は勢いのまま崖の下へと落ちていく。>

m…………

<サリムは服の袖から伸びた糸を手繰り寄せた。

その先にはコアが結ばれている。>

m(縫合用の糸があって助かった)

(首の代わりに、こっちの脇腹も持ってかれたな。治癒術式を使うには。ソウルが足り……)

LL

m(首をはねられても生きてるだと?いや、すでに死んでいるのか……?どちらにせよ……)

m化け物め……

LL…………

<赤いヴァリアントが<左手>を振り上げる。

衝撃にサリムの体が宙に放り出される。一瞬の浮遊感のあと――>

m(落ち……)

<――落下した。>


LL…………

<赤いヴァリアントはコアを拾うと無言のまま、闇のなかへと消えていった――>




オーバードライブ紅蓮2 -END-



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