【白猫】オーバードライブ紅蓮2 Story
オーバードライブ紅蓮2 Story0
story1 花園の少女
学術都市スキエンティア。知識の探求、真理への挑戦を信条とする学徒が集まる街――
人々が自ら至った英知、解析した古代の技術は、時として災厄をもたらす。
人に仇なす魔術や魔法を畏れを込めて<禁忌>と呼んだ。
<禁忌>を外に出さず、管理することを目的とした組織――
――<花園>――
わけあって、あたし、リネア・シルヴェストリは、花園に所属している。
体内のソウル量も平均値。問題はない。定期健診は終わりだ。
しかたがないとはいえ、定期健診ってのは憂齢……
そのセリフ、君と同じ先天性ソウル欠乏症の患者に聞かせてやりたいな。
わかってますよ、エルネスト先生。自分が生きてることに感謝はしてます。
<ソウルは自然や命に宿る力だ。あたしはソウルを生み出す力を持たずに生まれてきた。
自らソウルを作り出せなければ、当然、長生きはできない。あたしは五歳まで生きられないと医者に言われた。>
わかってると思うが、くれぐれもソウルが枯渇してる土地に長居しないように。
君は自然のソウルを吸収しなければ生命活動を維持できないからね。
わかってますよ。ソウルの多い場所にいろってことですよね。
もともと君に施術された禁忌は危険だからな。
<あたしが生きていられるのは禁忌の術式を体に施術されたからだ。
<ソウルイーター>と呼ばれる古代魔術。本来は人のソウルを食らうための禁忌だったらしい。>
ソウルイーターの術式を、どうやって組み直せば、君みたいになるのか……
まだ、あたしを助けてくれた先生の居場所はわからないんですか?
記録は全て抹消済み。わかってるのはスキエンティアを去ったことくらいだ。
それより新しい任務の話をしよう。ロアノク島は知ってるかね?
帝国領内の島で漁業で成り立ってる島でしたっけ?
そうだ。実は、この島には我々、花園のみつけた禁忌が封印されている。
封印などと言っているが、その実、ロアノク島の禁忌は、起動方法さえわからないしろものだった。
封印の名目のもと、現地研究員に管理と解析をさせていた。
その研究員たちが連絡を絶った。
我々が調査したところによると、どうやら<レヴナント>が動いているらしい。
真理の探求と知識による革命を謳う狂信者たち、ですか。……厄介ですね。
ロアノク島の禁忌は、その厄介なレヴナントに奪われたというわけだ。
君には、禁忌の再奪還と調査を頼みたい。
……あたし、戦闘員じゃないんですけど?
パッチワークマンを同行させる。現地で落ち合ってくれ。
パッチワークマンってウェルナー・バストリー二ですか?いい噂、聞かないんですけど?
扱いづらい男ではあるが、花園屈指の戦士だ。
頼んだぞ。
……了解しました。
story2 ヒーロー見習い
<学術都市スキエンティア。知識の探求、真理への挑戦を信条とする学徒が集まる街――
その地下には冒険家カイル・ハイトランドがルーンドライバーを見つけた古代遺跡がある。
そして――
僕は、そこで事故に巻き込まれ、怪物になってしまった。>
最初は誰かを傷つける前に無人島で生きていこうなんて考えたりもしたけど――
<そんな僕でも支えてくれる人たちがいる。僕が勝手に<友達>と呼ぶのもおこがましいのかもしれないけど。>
みんなのおかげで、僕もなんとかやれている――
来るなー!!
ひっ!
…………
怪物が魔物を倒した……?夢でも見てるのか、俺は……
ふぅ、助けられてよかった。僕も少しはヒーローらしくなれたかな……
あっ!打ち合わせの時間に遅れる!!
…………
……
<いろいろあって、今、僕は冒険家をしながらバンズ島で記者の真似事なんかをしている。>
それで、その……インタビュー記事を、作ってきたんですが……
老舗の染物屋で、その、こだわりの多い人で……内容、どうでしょうか?
……私は嫌いじゃないわよ。ただ、まあ、ちょっとインパクトがね……こんなこと言いたくないけど、フリーでやってくなら、特ダネと鮮度が命よ。
……がんばります。
(もう何度もボツばかり。取材した染物屋のおじさんにも記事にならないって謝らないといけない。
どうしたら、ー端のジャーナリストになれるんだろう……)
おい、ルッソ!
デスク、なんですか?
帰らずの島の噂、知ってるか?
なんですか、それ。
帝国領にロアノク島って小さな島があるんだ。
その島に入った人間が、帰ってその島に入った人間が、帰ってこない。そんな話がある。
オカルトなら雑誌でやってくださいよ。
それがオカルトじゃない。足を踏み入れた人間は、その島の住人になっちまう。
そいつを連れ戻しに行った奴まで、気づけば、その島に住みついてる。…
…たしかに変な話ですね。
取材に行った記者まで、仕事ほっぽって、ロアノク島民になっちまった。
なあ、暇な記者いねーか?
みんな忙しいですよ。それに、噂どおり住みつかれたら困るじゃないですか。
デスクが自分でやってください。
俺だって忙し……おい、レクトじゃないか!
はい.
お前さん、暇なら行ってくんねーか?お前さん、暇なら行ってくんねーか?旅費はこっちで出すからよ。
レクト、断ってもいいわよ。
……いえ、やらせてください。
おお、行ってくれるか!いい記事待ってるぞ!!
はい!
(これは、きっと冴えない僕の人生に訪れた大チャンスだ。
記者として、ー線を越えてみせる!)
story3 パッチワークマン
<レクトが奮起していた頃――
――男は戦っていた。
男を取り囲むのは百を超える魔物の群れ。>
…………
……面倒だな。
<男が服のなかからなにかを取り出す。
それには注射器のような針がついていた。>
第参術式装填――
<男は自分の首筋に針を突き剌す――>
――顕現するは星の御霊。汝ら塵芥、極光の賛となれ!
術式展開!ステラ・インペラトーレ!!
<男の周囲に閃光がはしる。光が消えた後には、なにも残っていなかった。>
……これが魔物を集めていた禁忌か。
<石柱に手を触れ、辺りを見回した。>
……ハズレか。
おーい、ウェルナー!!
なにはぐれてんだ、バカやろー、このやろー!!
はぐれたのは、お前だ、セーラ。
はあ?おまえ、なに言ってんだ?親分かはぐれるわけねーだろ。はぐれるのは、いつも子分のほうだ!
……禁忌は制圧した。調査員に伝えておけ。
あいよー!それと花園からハトが来たぞ!
伝書鳩……急用か。手紙をよこせ。
なんて書いてあんだ?
……次の任務だ。ロアノク島でレヴナントを狩る。
おー、あいつらかー。あたしも本気を出す時が来たみたいだな。
……次はアタリだといいんだが。
なんか言ったか?
…………
(赤いヴァリアント……次こそお前に……)
あたしを無視すんなー!
……おい、スネを蹴るな。
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