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シペ・コロ・カムイ cv.岸尾だいすけ
都会育ちの、しゃべるクマ。
人間の文化を愛し、豊富な知識を吸収している。 |
| 2014/10/15 |
思い出1
…………
＜クマが出た。＞
クマだぁ―――っ！！？
あら、大きなクマさん。
そそそそんなこと言ってる場合じゃないでしょアイリスぅ～！？
クマよクマ！食べられちゃうぅ～っ！！
キャーっ！キャーッ！！ア、アタシおいしくないよぉ～！
あ、いえ、すいません、僕としても生肉はちょっと……
フツーにしゃべったぁ―――！？
しかも生肉ダメなのぉ―――！？
おや、お恥ずかしい……
僕はカムイ、本日から、この飛行島でお世話になります。
どうぞよろしくお願いします。
あ、これ、つまらないものですが。
わあ、大きな新巻鮭！
ありがとうございます、どうもごていねいに……
待って！待って！
おかしくない？おかしくない！？
なんでクマがフツーにしゃべってて
し・か・も・礼儀正しく新巻鮭！？
新巻鮭はシャケを塩漬けにしたもので、
シャケのうまみを保ちつつ長期保存が効くため、
贈答品に向いていると聞きまして―――
うんゴメン別に新巻鮭を選んだ理由を知りたいわけじゃなくて！！
なんでクマがしゃべってるのかが疑問なのー！！
あなたも猫なのにふつうにしゃべってますよね。
それ言われると弱い！！
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思い出2
えーっと、カムイ？
アンタって獣人じゃあないのよね？
はい、ただのしゃべるクマです。
ただのクマはしゃべらないと思うんだけど
アタシじゃ何も言えない……！
実は、僕も、僕自身が何者か、まるでわかっていないんです。
そうなんですか？
はい。どうやら、ある村の近くで
おぎゃあおぎゃあと泣いているところを拾われたらしく――
産声からしてクマじゃないわね！？
その村には＜龍神信仰＞があったので、
これは神の使いに違いないと育てていただいたんです。
僕はすぐに人間の言葉を覚え、教わる限りの知識を吸収し……
その話を聞いた、ある魔法学園の理事長に招かれて都会に出たんです。
クマが都会に出るって字面、フツーにただの事件だわ……
……ってことは、カムイさん、魔法学園に通ったんですか？
ええ、数年前に、白魔術科を首席で卒業しました。
アッタマいぃ～！？
え、じゃあアンタ魔法使えるの！？
理論上は、魔道書に載っているあらゆる回復魔法を使えます。
理論上は？
この手だと杖がうまく持てなくて、魔法を発動させられないんです……
あー……それは豚に真珠っていうか猫に小判っていうか……
クマにサンショウ、コイにコショウ？
それは食い合わせが悪いと言われる例ですから、この場合は違いますね。
そうだったの？ ごめんなさい！
これが首席パワー……！！
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思い出3
王手。
ぎにゃーっ？！ また負けたぁーっ！！
すごい、カムイさん……！
連戦連勝だわ……！
むぅぅぅぅう～！
カムイ、アンタズルしてんじゃないでしょーね！
ははは、ズルなんてしてませんよ。
単に頭の中で常に100手先までシミュレートしているだけです。
知能がズルい！！
すごいですね、カムイさん……
クマさんとは思えないです。
おやあ恐縮です。
でもね、アイリスさん。これは僕の知恵じゃないんですよ。
展開の読み方や機先の制し方……
そういったノウハウは、すべて偉大な先人たちが築いてきたものなんです。
僕程度では、まだまだそれをお借りしているだけに過ぎないんですよ。
そういうもんなのぉ～？
ええ、だから僕は常々、人間って本当にすごいなって思います。
これだけ多様な文化を築き上げる、そのポテンシャルはまさに筆舌に尽くしがたいものがあります。
都会は特に、知識のるつぼです。
常に新たな知見が更新され続け、どれだけ学んでも果てがないという喜びが―――
あ、うん。そうね、わかるわかる。
古来、＜畑をいたすは物にいたるにあり＞と言われておりますように……
ウン、ワカルワカル…。
目が死んでる……！
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思い出4
気になってたんだけど。
なんでしょう。
アンタのくわえてるソレ、なに？
これはシャケです。
なんでシャケ。
クマですから、イメージもありますし。
だったらなんで切り身なのよ！？
ていうか誰がさばいたわけ！？
板前のトシさんです。
うんゴメンそこはどうでもいい！！
いい？ クマのイメージがうんたらって言うなら
くわえるシャケは未加工であるべきじゃないの！？
……！ 気がついて、しまいましたか……
気がつかいでか！！
苦手なんです。内臓とか。
クマなのに？！
あ、他に苦手な食べ物ありますか？
参考に聞いておきたいんですけど――
そうですね、あとは生肉とか、レバーとかタンとか……
基本、生ぐさい系ＮＧです。
アンタ、クマよね！？
他の何に見えます？
ぐぬぬ！
ほら、僕、シティボーイなんで……そういうのホントダメなんです。
虫とかもねー、ああいうのねー、イヤ、ホントマジダメですねー。
いきなり言い回しが雑になったわね！？
いやー、虫とかねー、ホントマジ畏怖嫌厭きわまりないっすねー。
とってつけたように難しい言葉を使うんじゃないっ！！
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思い出5
がおー！がおー！！
ど、どうしたのよ、カムイ！？
いつもの知性はどこやったの？！
まさか……野獣の雄叫び！？
こんな迫力のない雄叫びがある？！
はぁ、はぁ……やっぱりだめだ、息が続かない……！
今のですら！？
カムイさん、いったい何があったんですか？
ええ、実は……悩んでいるんです。
僕は人の文化と知識に触れすぎて、野性の心を持たずに育ちました……
じゃあ――それをコンプレックスに感じて、野生を取り戻そうと……？
えっ、そのへんで悩むそぶりなんてぜんぜんなかったのに今になって唐突に！？
実は、最近都会で＜野性味あふれる肉食系男子＞がキテると言われまして……
都会っ子として流行に乗り遅れるわけにはッ……！
それが理由？
他になにが？
シャーッ！ シャーッ！
フシュルルルー！！
ひぃ、怖いッ！
これが野性……！
やっぱり僕には無理だ！
どうしましょう、主人公さん……
何かうまいこと特別な伝説のパワーか何かで
僕の悩みを何かイイカンジに解決してくれませんか！？
アンタ、ヘボいこと言うときだけ言い回しが雑になるわね！？
飛行島の端っこから命綱をつけてバンジージャンプするとかどうでしょう？
あ、もっと楽なのでお願いします。
ぎりぎり一瞬チクッとするくらいはガマンしますんで。
ぐぅるるるるるるぉぉぉぉぉおん！
いけない、このままじゃキャトラの野性が目覚めてしまう……！
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思い出6
おお――これは……！
なんと麗しく幽雅な光でしょう……
それでいて雄雄しくたくましく――
力が……あふれるゥゥゥー！
がぉぉぉおおぉお―んッ！
今なら……今ならわかります！
野性だけでも理性だけでもダメだ！
僕はその両立を目指さなければ！
ありがとう、主人公さん……
見ていてください、マイ野性！！
生ぐささなんて……
克服してやるゥゥゥ――――！！
＜カムイはすさまじい勢いでタウンの池に駆け寄ると、
ばしゃあッ！と豪快に腕でシャケを獲った！＞
すごい！ あの一瞬で泳ぐシャケの動きを先読みしてからのクリティカルヒット……！
これが理性と野性の両立――！
待って！ シャケって池にいるもんだっけ？！
がおー！がおがおがおーん！
食うぞ食うぞ、シャケを食うぞー！食うたるぞー！
＜カムイの鋭利なる牙が、ぴちぴち暴れるシャケの銀色の皮に突き刺さ――＞
……カムイさん？ どうしたんです？
今、気づいたんですけど、
生ぐささ以前に……僕、シャケの皮とかダメみたいです。
このぬめっとした感触が生理的にキツいっていうか、ええ。
そーれ。
＜背後からタックルされ、
カムイは池へと野性味あふれるダイブを果たした。＞
' シペ・コロ・カムイ'''
その他
・メインイベント
フォースター4th Story
カムイとちしきのとう Story
フォースター5th Story
・サブイベント
ミラ（クリスマス）・思い出
・他
相関図
