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【白猫】カムイとちしきのとう Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

天空を穿つごとくそびえたつこの塔には、
世界の全ての知識が眠ってるという――

2014/10/28


目次


Story1 あるところに クマがおりました

Story2 クマはちしきのとうにいどみ

Story3 どんどんどんどん のぼって

Story4 ついにてっぺんにつきました

Story5 でも てっぺんがさらにふえ

Story6 続きは君の目で確かめろ!



登場人物


シペ・コロ・カムイ
都会育ちの、しゃべるクマ。人間の文化を愛し、豊富な知識を吸収している。
出題者
アヤメ・トウドウ
紅茶をこよなく愛する軍人少女。優れた剣技を誇るが、紅茶を飲むと表情が緩む。
ダリア・ハーヴィー
剣を司る妖精。快活な努力家で、剣の修練を欠かさない。
テツヤ・ロウ
整備士の若者。照れ屋すぎるあまり、つい粗暴な態度を取ってしまう。
K・S・コーン・ポップ
意志を持つトウモロコシ。畑を飛び出し、ビッグになるため戦い続ける。
ガーネット・フレイム武人の国から来た女戦士。国の名を高めるために、武功を求めて戦う。
アンナ・セイクリッド cv.青木瑠璃子セイクリッド公爵家の一人娘。気位が高くわがままで、かわいいものが大好き。
レオナルド・リッツォふまじめな態度の学生。電子技術とルーンを組み合わせた魔槍を、特に努力もせず使いこなす。
クライヴ・ローウェル cv.三浦勝之騎士の家系に生まれ英才教育を受けた、真面目で実直な青年剣士。
ミラ・フェンリエッタ cv.下田屋有依布教に余念がない修道女。その熱心さには、どうやら秘密があるようだ……
???




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story1 あるところに クマがおりました


ここが、<知識の塔>――

<シャケをくわえたクマ荒野に立つ塔を見上げ、重々しくつぶやく。>

この世の知識のすべてが眠っていると言われておりまた、最寄り港から徒歩にしてシャケ千匹分の近さを誇るという、伝説の……

徒歩でシャケ千匹分って、どういう距離の単位よ!?ていうか、そんな近くにある塔って伝説でもなんでもなくない!?

近いは近いんですけど、『だからってわざわざ行く系?』みたいなノリで敬遠された結果、いつのまにか伝説になってまして。

ああ、ありますよね、そういう観光名所。

……で、そんなガッカリ名所に、アンタ、なんでわざわざ行くワケ?

古来、深遠なる知識を誇る多くの賢人がこの塔を登ってきました……

いわば、この塔を制覇することは賢人としてのステータス!クールインテリ系都会つ子の僕としては、避けて通れぬ関門です!

賢人っていうか……賢クマ……?

でも、それって、私たちもついていっていいんですか?お邪魔になるんじゃ?

そんなことはありませんよ。塔の内部には魔物が出るそうなのでむしろぜひとも来てください。プリーズヘルプミーテンダー。

あら、魔物が出るのね。それを切り抜けるのも賢人としての試練ってこと?

いえ、なんかよくわかんないけど特に理由もなく住みつかれちゃったらしくて。

雑ッ!!

そっとシャケを放り投げて、魔物がソレを食べてる間に素通りしてもいいんですけど、シャケの数には限りがありますし。

戦え!!

というわけで、主人公さん。どうぞよろしく頼みます。

同じ剣士として、力を合わせて塔を制覇しようじゃないですか!

アンタが剣士だってこと自体、いまだに納得いってないんだけど!



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story2 クマはちしきのとうにいどみ



……!みんな、見て!

<塔を登っていると、不思議な力があたりに満ちあふれ……

突如として人影が出現した!>


出た!<知識の塔>の幻影です!先に進むためには、幻影の出題する問題に正解しないといけません!

な、なんか見覚えのある幻影なんだけど……

問題です!

我が帝国が誇るいちばんの特産物はいったいなんでしょう?

――<紅茶>ッ!!

正解です!帝国の紅茶は、味わい深さ。輸出量ともに世界ーを誇っています!

なるほど、こうやって進んでいくんですね。

あ!またなんか出たわよ!


w問題です!

あたしたち妖精は、何か結晶化して生まれた存在でしょーぉか!

――<自然のソウル>ッ!

w正解!だから、ソウルの潤沢な場所には妖精もたくさんいるんだよ♪

また出ました!


wおう。島と島との行き来でよ、いっちばんよく使われてる乗り物は何か――

――<飛行艇>ッ!

w正解……って、最後まで言わせろやコラアさびしいじゃねーか!!

すごい、カムイさん!全問正解ですね!

このあたりは常識問題ですからね。軽いものです。

さあ、どんどん先に行きましょう。きっと、最上階では至高の難問が待っているはずです!



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story4 ついにてっぺんにつきました



ここが最上階……みたいね。

さあて、どんな幻影が、どんな難問を出してく――


ブフー!ブフー!プフー!ムフー ムフー フヒー!

って、なに言ってんのかぜんぜんわかんないし!

ブフー!ブフー ムフー ブフフー!!

えっ!?

ブフー ムフー フヒフー!!

ブッフー!?フヒー ムフー ブフォー!!

フヒー!!

なんで通じ合えてるの!?

正解だそうです。

わからない!何も!!

ブブッ ブフー ムフー フヒー ヒー ヒー!

よくぞ塔を制覇した!おまえこそ偉大なる賢人にふさわしい!だそうです。

賢人の条件ってなんなの!?トウモロコシとしゃべれること!?

ありがとうございます、みなさん!おかげで、知識人としてー皮むけたような気がします!

ブフ……フヒー。

……そんなにほめないでくださいよ。照れちゃうじゃないですか……

キモい。

じゃあ、みなさん!帰りましょうか!

フヒー!!

ってあれ!?消えないの!?ついてきちゃうの!?

あ、なんか、塔の入り口まで見送ってくれるらしいです。

幻影なのに紳士ィーーーー!!



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story5 でも てっぺんがさらにふえ



……えーと、カムイ。説明してもらえる?

僕がシャケをくわえているのは、ある種の精神集中のツールという側面もありまして――

いまさらソコの説明いらない!!な・ん・で・また<知識の塔>に来たのかってことよ!

なんか、増えたらしいんですよ。階層が。

なぜに。

さあ。そういう気分だったんじゃないかな~って、賢人の方々みんな言ってますけど。

その賢人たち探究心とかないの!?ていうか塔の気分って何よ!?

で、せっかく増えたんで、じゃ、記念受験しとくか~的な……より難しい問題が増えたらしいので。

あれより難しい問題ってあるの!?

見て!さっそく幻影が現れたわ!


問題です!

次の方々のうち、我が武人の国の王女さまはいずれの方でしょう!

――シャロンさんッ!!

正解です!本当は争いを嫌う優しいお方なのですが……その、いろいろありまして……

幻影なのに苦労がにじみ出てる気がするわ……


問題ですわ!

次のうち、わたくしのお屋敷の使用人でないのは、どなたかしら?

――チッチョさんッ!

正解ですわ!チッチョさんは、かわいいから家宝にしようとしたら怒られちゃいましたの♪

こ・り・ろ!!

ってこれ、知識っていうかただの人間関係じゃない!なんで詳しいのよカムイ!


wはい、問題問題っと。

次のうち、オレの通ってる学校の生徒はだーれだ?

――ハヤトさんッ!

wせいか~い。オレとハヤトは魔道工学院の生徒。他の2人は、魔法学園の関係者。つまり別の学校なのさ。

…………

あの口うるさいハヤトを、ハルカちゃんと交換留学させちゃダメかな?

いや~、ハルカさんも風紀にはうるさいんで、あんまり変わらないんじゃないですかね。

無駄話してないでとっとと先に進ませなさいよ幻影!



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story6 続きは君の目で確かめろ!



ここが、新たなる最上階……いったいどんな難問が――

!カムイさん!幻影が出ます!


問題だ!

俺の初恋の人を……答えろッ!!

なにその超プライベートな問題!?

ああ、それはもちろん、ファ――

ま、待て!言うな!言うんじゃないッ!だいたいなんで知ってるんだ!

…………何しに出てきたワケ、あの幻影。


次はあたしの番ね!――問題よ!

悪魔。

ちょっコラなにさっくりバラしてんのよていうか違う!!

問題それじゃない!こほん。あたしが今、いっちばん気に入らないヤツってだーれだ!

クルーシャさんですよね。この間、塩まかれてましたし。

そーなのよ!なによあの女!出会いがしらに塩よ、塩!別にぜんぜん効かないけど、しょっぱくて泣きそうになったわ!

や、意外といい人ですよ。僕、シャケを塩漬けするの手伝ってもらいまして――

無駄に顔広いわね、アンタ……


z調子二乗るのモそこマでヨこれが最後ノ問題ダ!

!?今度は誰の幻影――


???

うわあ。

z問題ダ!

俺たチっテいっタいナニ!

ざっくりいー!?

でも、確かに、よくわかんない連中なのよね……カムイ!あいつらなんなの!?

わかりま……せん……

ええーーーーッ!?

くッ……!悔しいです……まるで見当もつかないなんて!世の摂理に反している!いったい何者なんでしょう!?

うんまあアンタもだいぶん何者かわかんないけどね!?

zしっかあーくっ!汝二賢者ノ資格なシ!己が不明を恥じルがいイ!

だガ……落ち込ムことハないゾ、クマよ……

ぶっちゃケ、俺ラもよクわ力っとらンかラ。アハ。

ふざ けん なぁーーーーっ!!







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