【白猫】ルーグ・思い出
呪われた拳士 ルーグ・シェプ・イル cv.真殿光昭 禁呪を両腕に宿した拳士。 淡々とした口調で、事実を端的に口にする。 | ||
2014/10/15 |
メインストーリー
思い出1
ルーグだ。
<端的にそうとだけ言い、ルーグが右手を差し出す。
握手かと思ったが、そうではない。
ルーグの右手に刻まれた禍々しい紋様が、不気味に脈打っている……>
……
<黙って差し出す左手にも、同じ紋様。>
……俺の両手は呪われている。
呪われてるって……?
……すまない。
どうして謝るんです?
俺の両腕は破壊を欲している。そのはけ口を得るため、君たちの冒険に便乗させてもらう。
そんなに正直に言わなくても……
すまない。
<わずかに顔を歪ませ、ルーグは立ち去った……>
ルーグさん……
思い出2
<ルーグが虚空に向かって何度も拳を繰り出している。
鍛練しているのだろう。>
……君たちか。
……ルーグさん、その両手はいったいどうして……?
答える必要はない。
ストップ!その言い方はアイリスが傷つくから!
傷つけてでも話さないのは、あたしたちを巻き込まないための優しさだってことも知ってるから!
いろいろわかってるから、その上で話して欲しいのよ。
あなたは本当は冷たい人じゃなさそうだし。
……よく喋る子猫ちゃんだな。
キャトラよ!
(……子猫ちゃん??)
ならば正直に話そう。俺は、
神を殺した。
思い出3
<ルーグは鍛練を終えさせ、歩み寄って来た。>
このあいだの話だけど……
ああ……
<時に促されながら、ルーグは過去を語り始めた。>
ルーグは小さな島に生まれた。島民は名もない神を崇め、慎ましくも幸せに暮らしていた。
しかし、ある日突然、名もない神が『荒ぶる神』に堕ちてしまった。
神が……?いったいどうして……?
まさか、闇が……?
わからない。原因を知る前に、俺は神を滅した。
そのとき、神の命と引き換えに、俺の両腕に禁呪が刻みこまれた。
そんなことが……
……それで、呪いを解く方法を探して旅をしているの?
……はじめはそうだった。
はじめは……?
言っただろう。俺の両手は破壊を欲している。そしてそれが徐々に、快感になってきている。
思い出4
主人公、君たちか……
……すまない、このあいだは正直に言いすぎた。そう怯えないで欲しい。
<ルーグがおいでおいでと手をこまねく。>
急に暴れたりしないわよね?
しない。それに、まだ禁呪に完全に屈してもいない。
解呪の道も探っている。退魔士だという少女にも診てもらった。
……結果は見ての通りだが。
きっと解く方法がありますよ。
間に合えばいいが。身と心は鍛え続けているが、禁呪は確実に俺を蝕んでいる。
最善は尽くすが、大丈夫だとは言えない。
思い出5
主人公か。悪いところに来たな。
<ルーグが殴りかかってきた。寸でのところで受け止める。>
キャー!
すまない。禁呪が暴れ出してしまった。これでも抑えているのだが。
<淡々と話しているが、ルーグの瞳は狂気に染まりかけている……!>
次の一撃は、君が反応出来ない速度で繰り出すつもりだ。
ガードをすり抜け、俺の拳は君の顔面を貫くだろう。
逃げてくれ。俺の理性もここまでだ。
そんなこと言わないで頑張ってよ!
頑張っている。だが正直、もう限界だ。
ルーグさん、諦めないでください!
違う。過不足なく己を分析した結果だ。
ルーグさん……!
思い出6
すまない。
<ルーグが拳を振り上げた。刹那、光がその拳を包む。>
これは……?
<ルーンの光が、ルーグの両腕の禁呪と激しくせめぎ合う。
……やがて光は消えた。>
ルーグ……?
君に助けられた。
よかった!
楽観は出来ない。禁呪はまだ、完全に俺のものになってはいない。
また暴れだす可能性もある。
ちょっと、脅かさないでよ!
すまない、そのつもりはない。どうも俺は、馬鹿正直に全てを喋るらしい。
そうみたいですね。
心配をかけた。俺はこれからさらなる修行を積む。
禁呪の力を俺のものにしてみせる。
決意の眼差し。彼は必ず、その言葉を実現させるだろう。
その他