【白猫】リリエル・思い出
貧血ぎみの吸血鬼 リリエル・ド・アンドレアン cv.佳村はるか 貧弱で吐血ばかりしている吸血鬼の少女。 常に点滴を打っていないと貧血で倒れてしまう。 | ||
2015/01/28 |
フォースター8th Story
思い出1
はあ……はあ…………ふう……ふう……
<色白で顔色の悪い少女が、フラフラと危うい足取りで歩いている……>
ちょっと、そこの女の子~!すっごく気分悪そうだけど、大丈夫なの?
お、お気遣いなく……私は、だいじょ……うっ!
ゴハッ!
きゃああああ!
ひいいいいい!
血ッ! 血よ! この人、血を吐いたァー!
ゴフッ……お、お気遣いなく……
いやいやいや! お気遣いせざるをえないでしょ! コレ!
だ、大丈夫ですか!? お背中さすります!
あ、ありがとうございます……ふぅ~……少し楽になりました……
え、えっと……ほんとに大丈夫? かなりやばい量の血だったけど……
平気です……、実は私、こう見えて吸血鬼、ですから……
ええ! そうなんですか!?
はい…… 名前は、リリエルと言います……
……吸血鬼って、血を吸うのよね?吐くんじゃなくて。
……言いたいことはわかります。
ですが私は、一族の中でも特に身体が弱くて…………はう~……
わあ! 今度はいきなり倒れたし!
ま、またお背中さすりますか!?
い、いえ、これは貧血です……血が……足りなくて……
もう、世話がやけるわねえ~! アイリス、主人公! その子をウチまで運ぶわよ!
う、うん!
すみません……しばらくお世話になります……
思い出2
すぅ~……はぁ~……
ちょ! アンタ、身体は大丈夫なの?!
はい……おかげさまで……すぅ~……はぁ~……
なにをしてるんですか?
健康になるための呼吸法……です……すぅ~……はぁ~……
私は貧弱な体を治すために、こうして色々な健康法を実践して、いるんです……
吸血鬼が日の下でそんなことするなんてなんか意外だわ……
吸血鬼の中にも、日中に出歩いて平気な一族がいます……
ふ~ん……。でも、アンタの場合、別の意味で平気そうじゃないけどね。
健康法かぁ~、わたしもご一緒していいですか?
あ、じゃあアタシも~。
いいですよ……それではみなさん、ご一緒に……すぅ~……はぁ~……
すぅ~……はぁ~……
すぅ~……はぁ~……
すぅ~……はぁ……うっ!
ゴハァ!
あああ! リリエルさんがまた血を……!
ちょっとー! 息じゃなくて血を吐いてどうするのよー!
あ、今のちょっとうまかったね!
そ、そう? ……じゃなかった!リリエル! しっかりして~!
ごふっ……呼吸法もダメでした……
思い出3
リリエルの持ってるソレって、点滴台……ってやつなのかしら?
はい……昔、錬金術師に依頼して作ってもらいました……
キレイなデザインですね!
実は、結構お気に入り……です……ふふ、ふふふ……
でも、ソレに頼ってるようじゃずっと不健康なままよね。
うっ……はい……
点滴の中身……不思議な色をしていますね。
吸血鬼用の薬剤液なので……人間用とは違うんだと思います。
材料……は、聞かないほうがよさそうね。
ちなみにこの点滴台も吸血鬼仕様です。
え、どのあたりが?
吸血鬼は力が強いので、普通の点滴台ではすぐ壊れます。
ですが、この点滴台は、どれだけ乱暴に扱っても絶対に壊れません。
へぇ~、すごく頑丈なのね。
たとえば、こんな風に……ふん! ふん!
<リリエルは、まるで武器のように、点滴台を振り回した!>
すごい! 本当に頑丈なんですね!
あ、うん、すごいね……でも、そろそろやめておいたほうが……
まだまだ……ふん! この点滴台の……ふん!
真の力はこんなものじゃ……うっ!
ドグォハァ!!
きゃあああ! リリエルさんが今までにないくらいの血を……!
ほらー! 言わんこっちゃないー!
思い出4
あのさ、すっごい今更だけどアンタ病院に行ったほうがいいんじゃないの~?
もちろん行きました……
あ、行ったんだ……
すでに百軒以上は行きました……
多っ!
それで、結果はどうでした?
どの医者からも吸血鬼は専門外と言われました……
あらら……
さらに、ビームで怪我を治すというトンデモ医者にも診てもらったのですが……
そっちはどうだったの?
人間とは体の造りが違うとかで、効果がありませんでした……
なぜかものすごく泣かれました……泣きたいのはこっちなのに……
うーん、どうしたものかしらね……
ああ……私、ずっとこのままなのかな……
このまま血を吐きすぎて、血の海に溺れちゃうのかな……
……その前に血がなくなって、干物になっちゃうかも。ふふ……ふふふ……
リリエルー! おーい! 戻ってきてー!
思い出5
グハァ!
ひいい! いきなり血を吐かないでー!
ふふ、ふふふ……ふひひ、あははは……
リリエルさん……血をしたたらせながら笑ってる……!?
あわわわ……吸血鬼だけに、まさにホラーね……
ははは……やっぱり私、ダメだ……もうおしまいだ……
ちょ、いきなり不吉なこと言ってどうしたのよ~?
……いろいろ試したけど、いつまでたっても健康になれない……
もういっそ、ずっと棺の中に引きこもってようかな…………むしろそっちのほうが吸血鬼らしいですよね……ふふ、ふふふ……
リ、リリエルさんが点滴台に向かって話しかけてる……!?
血を吐きすぎて頭に血がめぐってないんだわ! リリエル! 気をたしかに!
わたしにまかせて! こういうときは首筋をストンって……!
はうあ!
……はっ!? 私は……今までなにを……
……なんかもう本格的にヤバイ気がしてきたわ。
どうにかしてあげられないかしら……
……あ、みなさん、いたんですね。
今ごろきづいたんかい!
思い出6
はう! ひ、光が……!
……あれ? この光……見ていると、すごく気分が良くなって……
これ……主人公さんの……?
はっ! そういえば聞いたことが……!
そばにいるだけで病気を治し、心すら浄化する伝説の存在……その名も……「癒し系男子」!
いやいやいや……たぶんそれ違うから……
あ、ちょっとわかるかも。私も主人公と一緒だと、なんとなく和むものね。
あああ~、癒やされる~…………気がする……
でも、まだ足りない……足りない……
リ、リリエル?
かくなるうえは……! 主人公さん…………お願い!
あなたの血を吸わせて!
ええええええ!
なんでそうなるのぉー!?
癒し系男子の血……きっと一発で健康になれる妙薬に違いない……
そんなわけないでしょ! 主人公の血を吸うなんてダメだから!
うう、お願い……いいでしょ? 減るものじゃないし……!
減・る・か・ら!
血……血……癒し系男子の血……ふふ、ふふふ……
ど、どうしよう……! リリエルさん本気みたい……!
ぐぬぬぬ……こうなったら……! 主人公! 逃げるわよ!
ま、待って……うっ! 主人公さんが離れたら、また気分が……
うう、私、あきらめないから……! 必ず健康になってみせる……!
はぁ……はぁ……
血と健体を求める吸血鬼 リリエル・ド・アンドレアン
その他